K 8383:2019
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類······························································································································· 2
4 性質······························································································································· 2
4.1 性状 ···························································································································· 2
4.2 定性方法 ······················································································································ 2
5 品質······························································································································· 2
6 試験方法························································································································· 3
6.1 一般事項 ······················································································································ 3
6.2 水溶状 ························································································································· 3
6.3 比旋光度[α]D
20(乾燥後) ································································································· 4
6.4 乾燥減量(105 ℃) ······································································································· 4
6.5 強熱残分(硫酸塩) ······································································································· 4
6.6 酸(CH3COOHとして) ································································································· 4
6.7 塩化物(Cl) ················································································································ 4
6.8 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 5
6.9 カルシウム(Ca),鉛(Pb)及び鉄(Fe) ·········································································· 5
6.10 転化糖 ························································································································ 7
7 容器······························································································································· 7
8 表示······························································································································· 8
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8383:1995は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成31年8月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS K 8383:1995を適用してもよい。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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スクロース(試薬)
Sucrose (Reagent)
C12H22O11 FW:342.30
1
適用範囲
この規格は,試薬として用いるスクロースについて規定する。
注記 別名:サッカロース,ショ糖
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0063 化学製品の旋光度測定方法
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0117 赤外分光分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8550 硝酸銀(試薬)
JIS K 8563 硝酸鉛(II)(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8615 炭酸カリウム(試薬)
JIS K 8617 炭酸カルシウム(試薬)
JIS K 8621 炭酸水素カリウム(試薬)
JIS K 8799 フェノールフタレイン(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS K 8962 硫酸カリウム(試薬)
2
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JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
JIS K 8983 硫酸銅(II)五水和物(試薬)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
3
種類
種類は,特級とする。
4
性質
4.1
性状
スクロースは,白い結晶又は結晶性粉末で,水に極めて溶けやすく,エタノール(99.5)に極めて溶け
にくく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない。吸湿性がある。
4.2
定性方法
試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数3 388 cm-1,1 430 cm-1,1 350 cm-1,
1 130 cm-1,1 070 cm-1,990 cm-1及び910 cm-1付近に主な吸収ピークを認める。この場合,試料調製は,JIS
K 0117の5.2 b)(錠剤法)による。錠剤の調製に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を
図1に示す。
図1−赤外吸収スペクトルの例
5
品質
品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
3
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表1−品質
項目
規格値
試験方法
水溶状
−
試験適合
6.2
比旋光度[α]D
20(乾燥後)
°
+66.3〜+66.7
6.3
乾燥減量(105 ℃)
質量分率 %
0.1 以下
6.4
強熱残分(硫酸塩)
質量分率 %
0.01 以下
6.5
酸(CH3COOHとして)
質量分率 %
0.006 以下
6.6
塩化物(Cl)
質量分率 ppm
5 以下
6.7
硫酸塩(SO4)
質量分率 %
0.003 以下
6.8
カルシウム(Ca)
質量分率 %
0.003 以下
6.9
鉛(Pb)
質量分率 ppm
3 以下
6.9
鉄(Fe)
質量分率 ppm
5 以下
6.9
転化糖
質量分率 %
0.05 以下
6.10
6
試験方法
6.1
一般事項
試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
6.2
水溶状
水溶状の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %〜61 %,特級)の体積1と水の体積2と
を混合したもの。
2) 硝酸銀溶液(20 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gをはかりとり,水を加えて溶かし,水を加
えて100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に保存する。
3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
なお,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8150に規定する塩化ナトリウ
ム1.65 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準は,“澄明”を用いる。
澄明の限度標準の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)0.2 mLを共通すり合わせ平底試験管[c)
参照]にとり,水10 mL,硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,水を加えて20 mL
とし,振り混ぜてから15分間放置する。
c) 器具 主な器具は,次による。
・ 共通すり合わせ平底試験管 例えば,容量50 mL,直径約23 mmで目盛のあるもの。
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料5.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水を加えて溶かし,水を加えて20 mLにす
る。
2) 試料を溶かした直後に濁りの程度をb) と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を共通
すり合わせ平底試験管の上方又は側方から観察する。
e) 判定 次の1) 及び2) に適合するとき,“水溶状:試験適合(規格値)”とする。
1) 試料溶液の濁りは,b) の濁りより濃くない。
2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。
4
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6.3
比旋光度[α]D
20(乾燥後)
比旋光度[α]D
20(乾燥後)の試験方法は,105 ℃で2時間乾燥した試料13 gを全量フラスコ50 mLに0.1
mgの桁まではかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合し,JIS K 0063の3.(測定方法)
による。
6.4
乾燥減量(105 ℃)
乾燥減量(105 ℃)の試験方法は,JIS K 0067の4.1.4(1)(第1法 大気圧下で加熱乾燥する方法)によ
る。この場合,試料2.0 gを0.1 mgの桁まではかりとり,2時間乾燥する。
6.5
強熱残分(硫酸塩)
強熱残分(硫酸塩)の試験方法は,JIS K 0067の4.4.4(4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)による。
この場合,試料10 gをはかりとる。試料を500 ℃以下で炭化後にJIS K 8951に規定する硫酸3 mLを用い,
強熱温度は,500 ℃±50 ℃とする。強熱残分は,0.1 mgの桁まではかる。残分は,6.9の試験に用いる。
6.6
酸(CH3COOHとして)
酸(CH3COOHとして)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 二酸化炭素を除いた水 JIS K 8001の5.8 c)(二酸化炭素を除いた水)による。
2) フェノールフタレイン溶液 JIS K 8799に規定するフェノールフタレイン1.0 gをはかりとり,JIS
K 8102に規定するエタノール(95)90 mLを加えて溶かし,水を加えて100 mLにする。
3) 0.05 mol/L 水酸化ナトリウム溶液(NaOH:2.000 g/L) 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液10 mLを全
量フラスコ200 mLに正確にとり,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合した後,ポリエチ
レンなどの樹脂製気密容器に保存する。使用時に調製し,ファクターは,1 mol/L 水酸化ナトリウ
ム溶液のファクターを用いる。
なお,1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液を調製する場合は,JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウ
ムを用い,JIS K 8001のJA.6.4 r) 1)(1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液)に従って調製,標定及び計
算する。
b) 器具 主な器具は,次による。
・ メスピペット又はミクロビュレット 最小目盛0.01 mL以下のもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料5.0 gを共通すり合わせ三角フラスコ100 mLにはかりとり,二酸化炭素を
除いた水50 mLを加えて溶かし,フェノールフタレイン溶液3滴を加え,メスピペット又はミクロ
ビュレットを用いて,0.05 mol/L 水酸化ナトリウム溶液0.10 mLを加える。
2) 白の背景を用いて,試料溶液から得られた上層(水相)の色を,共通すり合わせ三角フラスコの側
方から観察する。
d) 判定 試料溶液の色が,うすい紅色から紅色を示すとき,“酸(CH3COOHとして):質量分率0.006 %
以下(規格値)”とする。
注記 0.05 mol/L 水酸化ナトリウム溶液1 mLは,0.003 002 6 g CH3COOHに相当する。
6.7
塩化物(Cl)
塩化物(Cl)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) 6.2 a) 1) による。
2) 硝酸銀溶液(20 g/L) 6.2 a) 2) による。
5
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3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 6.2 a) 3) による。
b) 器具 主な器具は,次による。
・ 共通すり合わせ平底試験管 6.2 c) による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水10 mL及び硝酸(1+
2)5 mLを加えて溶かし,水を加えて25 mLにする。
2) 比較溶液の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)1.0 mLを共通すり合わせ平底試験管にとり,
硝酸(1+2)5 mLを加え,水を加えて25 mLにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加えて振り混ぜた後,15分間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“塩化物
(Cl):質量分率5 ppm以下(規格値)”とする。
6.8
硫酸塩(SO4)
硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。
2) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積2と水の体積1とを混合したもの。
3) 塩化バリウム溶液(100 g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gを水に溶かして
100 mLにしたもの。
4) 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
なお,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8962に規定する硫酸カリウム
1.81 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 器具 主な器具は,次による。
・ 共通すり合わせ平底試験管 6.2 c) による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水10 mL及び塩酸(2+
1)0.3 mLを加えて溶かし,水を加えて25 mLにする。
2) 比較溶液の調製は,共通すり合わせ平底試験管に硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)6.0 mL及び塩
酸(2+1)0.3 mLを加え,水を加えて25 mLにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,エタノール(95)3 mL及び塩化バリウム溶液(100 g/L)2 mLを加えて
振り混ぜた後,30分間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“硫酸塩
(SO4):質量分率0.003 %以下(規格値)”とする。
6.9
カルシウム(Ca),鉛(Pb)及び鉄(Fe)
カルシウム(Ca),鉛(Pb)及び鉄(Fe)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1) 塩酸(2+1) 6.8 a) 2) による。
2) カルシウム標準液(Ca:0.1 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
なお,カルシウム標準液(Ca:0.1 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8617に規定する炭酸カルシ
ウム2.50 gをはかりとり,水50 mL及び塩酸(2+1)15 mLを加え,沸騰しない程度に加熱して溶
かし,更に二酸化炭素を除き,冷却する。これを全量フラスコ1 000 mLに移し,水を標線まで加え
て混合する。この液100 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,塩酸(2+1)15 mLを加え,
更に水を標線まで加えて混合する。カルシウム系の可塑剤を含まないポリエチレン製瓶などに保存
する。
3) 鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
なお,鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8563に規定する硝酸鉛(II)1.60 g
を全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて溶かし,水を標線まで
加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸(1+2)25 mL及び水
を標線まで加えて混合する。使用時に調製する。
4) 鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
なお,鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム
鉄(III)・12水8.63 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて
溶かし,水を標線まで加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸
(1+2)25 mLを加え,更に水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に保存する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) フレーム原子吸光分析装置 装置の構成は,JIS K 0121に規定するもの。
2) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。
c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を表2に示す。
表2−分析種の測定波長の例
分析種
測定波長 nm
カルシウム(Ca)
422.7
鉛(Pb)
283.3
鉄(Fe)
248.3
d) 操作 操作は,有害な塩化水素が発生するので,排気に注意して,次のとおり行う。
1) 6.5の残分(試料量10 g)に塩酸(2+1)5 mLを加え,沸騰水浴上でほとんど蒸発乾固する。水10
mLを加えて溶かし,全量フラスコ50 mLに移し,水を標線まで加えて混合する(A液)。
2) 試料溶液の調製は,A液20 mL(試料量4 g)を全量フラスコ50 mLにとり,水を標線まで加えて混
合する(X液)。
3) 比較溶液の調製は,A液20 mL(試料量4 g)を全量フラスコ50 mLにとり,カルシウム標準液(Ca:
0.1 mg/mL)1.2 mL,鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL)1.2 mL及び鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL)2.0 mL
を加え,水を標線まで加えて混合する(Y液)。
4) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をアセチレン−空気フレーム中に噴霧し,表2に示す測
定波長付近で吸光度が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれアセチレン−空気フレ
ーム中に噴霧し,分析種の吸光度を測定し,X液の指示値n1及びY液の指示値n2を読み取る。
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5) 測定結果は,X液の指示値n1とY液の指示値からX液の指示値を引いたn2−n1とを比較する。
e) 判定 次に適合するとき,“カルシウム(Ca):質量分率0.003 %以下,鉛(Pb):質量分率3 ppm以下
(規格値),鉄(Fe):質量分率5 ppm以下(規格値)”とする。
n1は,n2−n1より大きくない。
注記 分析種の含有率(質量分率 %)は,次の式によって,おおよその値を求めることができる。
なお,含有率(質量分率 %)に104を乗じると,含有率(質量分率 ppm)に変換される。
100
000
1
1
2
1
×
×
−
×
=a
n
n
n
B
A
ここに,
A: 分析種の含有率(質量分率 %)
B: 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
a: X液に含まれる試料の質量(g)
6.10 転化糖
転化糖の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
・ 塩基性硫酸銅(II)溶液 JIS K 8621に規定する炭酸水素カリウム150 g,JIS K 8615に規定する炭
酸カリウム100 g及びJIS K 8983に規定する硫酸銅(II)五水和物6.93 gをはかりとり,水を加え
て溶かし,水を加えて1 000 mLにする。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) るつぼ形ガラスろ過器 細孔は,JIS R 3503の付図64のG4による。
2) 吸引ろ過装置 るつぼ形ガラスろ過器を取り付けられるもの。
3) 電気定温乾燥器 105 ℃±2 ℃に調節できるもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 塩基性硫酸銅(II)溶液50 mLをビーカー300 mLなどにとり,1分間煮沸し,試料10 gを水50 mL
に溶かした液を加え,5分間煮沸する。
2) 直ちに冷水100 mLを加え,恒量にしたるつぼ形ガラスろ過器を用いて吸引ろ過し,60 ℃の熱水約
50 mLで洗う。
3) るつぼ形ガラスろ過器を105 ℃±2 ℃の電気定温乾燥器で恒量になるまで乾燥して残分の質量を
求める。
d) 計算 転化糖は,次の式によって算出する。
05
.0
7
027
.0
1
2
×
−
=
W
W
A
ここに,
A: 転化糖(質量分率 %)
W1: 恒量にしたるつぼ形ガラスろ過器の質量(g)
W2: 恒量にした残分及びるつぼ形ガラスろ過器の質量(g)
0.027 7: 転化糖0.05 %に相当する残分量(g)
e) 判定 計算して得られた転化糖が,規格値を満足しているとき,“転化糖:質量分率0.05 %以下(規
格値)”とする。
7
容器
容器は,気密容器とする。
8
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8
表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 日本工業規格番号
b) 名称“スクロース”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 内容量
f)
製造番号
g) 製造業者名又はその略号