K 8371:2006
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬
協会(JRA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8371:1994は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical
analysis―Part2: Specifications―First seriesを基礎として用いた。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本産業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登
録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS K 8371には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
K 8371:2006
(2)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 一般事項 ························································································································ 1
4. 種類 ······························································································································ 1
5. 性質 ······························································································································ 1
5.1 性状 ···························································································································· 1
5.2 定性方法 ······················································································································ 1
6. 品質 ······························································································································ 2
7. 試験方法 ························································································································ 2
7.1 試験条件及び試験結果 ···································································································· 2
7.2 純度(CH3COONa・3H2O) ·································································································· 3
7.3 水溶状 ························································································································· 3
7.4 pH(50 g/l,25 ℃) ··········································································································· 3
7.5 塩化物(Cl) ···················································································································· 3
7.6 りん酸塩(PO4) ··············································································································· 3
7.7 硫酸塩(SO4) ·················································································································· 3
7.8 カリウム(K) ·················································································································· 3
7.9 銅(Cu) ························································································································· 3
7.10 カルシウム(Ca) ············································································································ 3
7.11 アルミニウム(Al) ·········································································································· 4
7.12 鉛(Pb) ························································································································ 4
7.13 鉄(Fe) ························································································································· 4
7.14 過マンガン酸還元性物質 ································································································ 4
8. 容器 ······························································································································ 4
9. 表示 ······························································································································ 4
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 5
日本産業規格 JIS
K 8371:2006
酢酸ナトリウム三水和物(試薬)
Sodium acetate trihydrate
CH3COONa・3H2O
FW:136.08
序文 この規格は,1983年に第1版として発行されたISO 6353-2,Reagents for chemical analysis―Part2:
Specifications―First seriesを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書に示す。
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いる酢酸ナトリウム三水和物について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical analysis―Part2: Specifications―First series (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定法通則
JIS K 0116 発光分光分析通則
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 0970 プッシュボタン式液体用微量体積計
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 9901 高純度試薬−硝酸
3. 一般事項 試験方法の一般的な事項は,JIS K 8001による。
4. 種類 種類は,特級とする。
5. 性質
5.1
性状 酢酸ナトリウム三水和物は,白い結晶又は結晶性粉末で,風解性があり,水に極めて溶けや
すく,エタノールにやや溶けやすい。
5.2
定性方法 定性方法は,次による。
a) 試料1 gに水20 mlを加えて溶かしJIS K 8001の5.29(炎色試験)(1)(アルカリ金属及びアルカリ土
類金属試験方法)によると,黄色が現れる。
2
K 8371:2006
b) 試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数3 430 cm-1,1 705 cm-1,1 560cm-1,
1 412 cm-1,928 cm-1,802 cm-1,642 cm-1及び525 cm-1付近に主な吸収を認める。この場合,試料調製
はJIS K 0117の5.3a)(錠剤法)による。赤外吸収スペクトルの一例を図1に示す。
図 1 赤外吸収スペクトルの一例
6. 品質 品質は,7.によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表 1 品質
項目
規格値
純度(CH3COONa・3H2O)
水溶状
pH(50 g/l,25℃)
塩化物(Cl)
りん酸塩(PO4)
硫酸塩(SO4)
カリウム(K)
銅(Cu)
カルシウム(Ca)
アルミニウム(Al)
鉛(Pb)
鉄(Fe)
過マンガン酸還元性物質(Oとして)
質量分率 %
質量分率 ppm
質量分率 ppm
質量分率 %
質量分率 %
質量分率 ppm
質量分率 %
質量分率 ppm
質量分率 ppm
質量分率 ppm
質量分率 %
99.0以上
試験適合
7.5〜9.0
5以下
5以下
0.002以下
0.01以下
5以下
0.002以下
5以下
5以下
5以下
0.002以下
7. 試験方法
7.1
試験条件及び試験結果 JIS K 8001の3.7(試験操作など)(1)(試験の環境)による。湿度管理は必
要に応じ実施する。また,表1で規定する各品質項目の試験は,次の各試験方法によって行い,得られる
計算値及び操作結果は,JIS K 8001の3.5(測定値)による。
7.2
純度(CH3COONa・3H2O) 試料0.3 gをビーカー100 mlに 0.1 mgのけたまではかりとり,JIS K 8001
に規定する酢酸(非水滴定用)50 mlを加えて溶かし,0.1 mol/l過塩素酸溶液(酢酸溶媒)でJIS K 0113
の5.(電位差滴定方法)によって電位差滴定を行う。
別に,同一条件で空試験を行い,滴定量を補正する。この場合,0.1 mol/l過塩素酸(酢酸溶媒)1 mlは,
0.013 608 g CH3COONa・3H2Oに相当する。
7.3
水溶状 JIS K 8001の5.2(溶状)による。この場合,試料は2 g,濁りの程度の適合限度標準は(a)
(澄明)を用いる。
7.4
pH(50 g/l,25 ℃) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料溶液 試料5.0 gを二酸化炭素を含まない水に溶かして100 mlにする。
b) 操作 JIS K 8001の5.5(pH)の(2)による。
7.5
塩化物(Cl) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gに水を加えて溶かして20 mlにする。
b) 標準側溶液 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 1.0 mlに水を加えて20 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.7[塩化物(Cl)](1)(比濁法)による。
7.6 りん酸塩(PO4) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料8.0 gに水20 ml及び塩酸(2+1) 12 mlを加えて溶かし,水浴上で蒸発乾固し,更に,
水20 ml及び塩酸(2+1) 4 mlを加えて水浴上で蒸発乾固した後,水を加えて溶かして40 mlにする(A
液)(A液は,7.7の試験にも用いる。)。A液20 ml(試料量4 g)に水を加えて30 mlにする。
b) 標準側溶液 塩酸(2+1) 8 mlを水浴上で蒸発乾固した後,りん酸塩標準液(PO4:0.01 mg/ml) 2.0 ml及
び水を加えて30 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.13[りん酸塩(PO4)](2)(抽出比色法)による。
7.7
硫酸塩(SO4) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.6のA液10 ml(試料量2 g)に塩酸(2+1) 0.3 ml及び水を加えて25 mlにする。
b) 標準側溶液 塩酸(2+1) 4 mlを水浴上で蒸発乾固した後,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml) 4.0 ml,塩
酸(2+1) 0.3 ml及び水を加えて25 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.15[硫酸塩(SO4)](1)(比濁法)による。
7.8 カリウム(K) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料1.0 gに水を加えて溶かし100 mlにする(B液)。B液20 ml(試料量0.2 g)に水を
加えて100 mlにする(X液)。
b) 標準側溶液 B液20 mlにカリウム標準液(K:0.01 mg/ml) 2.0 ml及び水を加えて100 mlにする(Y液)。
c) 操作 JIS K 8001の5.30(炎光光度法)(3)による。
7.9 銅(Cu) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料4.0 gに水40 mlを加えて溶かし,塩酸(2+1) 1 ml及び水を加えて80 mlにする。
b) 標準側溶液 試料4.0 gに水40 mlを加えて溶かし,塩酸(2+1) 1 ml,銅標準液(Cu:0.01 mg/ml) 2.0 ml,
鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml) 2.0 ml,鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml) 2.0 ml及び水を加えて80 mlにする。
c) 空試験用溶液 塩酸(2+1) 1 mlに水を加えて5 mlにする。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(2)(抽出液噴霧法)(d)による(操作の途中で得られるX液,
Y液及びZ液は7.12及び7.13の試験にも用いる。)。
7.10 カルシウム(Ca) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料1.0 gに塩酸(2+1) 1 ml及び水を加えて100 mlにする(X液)。
4
K 8371:2006
b) 標準側溶液 試料1.0 gに塩酸(2+1) 1 ml,カルシウム標準液(Ca:0.01 mg/ml) 2.0 ml及び水を加えて
100 mlにする(Y液)。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。
7.11 アルミニウム(Al) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gに硝酸(1)(2+1) 2 ml及び水を加えて溶かし,100 mlにする(X液)。
b) 標準側溶液 試料2.0 gに表2に示す標準液(Al:0.01 mg/ml)をそれぞれとり(2),水を加えて100 mlに
する(Y1,Y2及びY3液)。
注(1) JIS K 9901に規定するもの又は同等の品質のものを用いる。
(2) 標準液の採取には,JIS K 0970に規定するプッシュボタン式液体用微量体積計を用いる。
表 2 採取する標準液の量
標準液
mg/ml
採取量
μ1
Y1
Y2
Y3
アルミニウム標準液(Al)
0.01
500
1 000
2 000
c) 空試験用溶液 水30 mlに硝酸(1)(2+1) 2 mlを加え,更に水を加えて100 mlにする(Z液)。
d) 操作 ICP発光分光分析装置を用い,JIS K 0116の5.8.3(定量法)(b)(標準添加法)による。
測定波長は396.153 nmを用いる。
7.12 鉛(Pb) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.9のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.9のY液を用いる。
c) 空試験溶液 7.9のZ液を用いる。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(2)(d)による。
7.13 鉄(Fe) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.9のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.9のY液を用いる。
c) 空試験溶液 7.9のZ液を用いる。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(2)(d)による。
7.14 過マンガン酸還元性物質(Oとして) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料溶液 試料4.0 gに硫酸(1+15) 5 ml及び蒸留水50 mlを加えて溶かす。
b) 操作 JIS K 8001の5.27(1)(直接法)による。この場合,0.02 mol/l過マンガン酸カリウム溶液は0.10
ml,液温は20±5 ℃,放置時間は60分間とする。
8. 容器 容器は,気密容器とする。
9. 表示 容器には,次の事項を表示する。
a) 名称“酢酸ナトリウム三水和物”及び“試薬”の文字
b) 種類
c) 化学式及び式量
d) 純度
e) 内容量
f)
製造番号
g) 製造年月又はその略号
h) 製造業者名又はその略号
6
K 8371:2006
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 8371:2006 酢酸ナトリウム三水和物(試薬)
ISO 6353-2:1983,化学分析用試薬−第2部:仕様−第1シリーズ
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1. 適用範囲 試薬として用いる酢酸ナ
トリウム三水和物につい
て規定。
1
化学分析用試薬40
品目の仕様につい
て規定。
MOD/変更
JISは1品目1規格。
試薬の規格使用者が各規格を多く引
用しやすくするため1品目1規格と
している。
なお,対応国際規格は,20年以上見
直しがされていないため,市場の実態
に合わない。国際規格の改正提案を検
討する。
2. 引用規格 JIS K 0113
JIS K 0116
JIS K 0117
JIS K 0970
JIS K 8001
JIS K 9901
1
ISO 6353-1
MOD/変更
ISO規格1件を削除し,JISを追
加・引用,基本的には同等内容。
該当する対比項目を参照。
3. 一般事項 JIS K 8001による。
−
−
MOD/追加
項目を追加。
JIS K 8001を引用。
編集上の差異であり,技術的な差異で
はない。
4. 種類
−
−
MOD/追加
種類の項目を追加。
JISは種類として“特級”だけなので,
ISO規格と技術的な差異はない。
5. 性質
−
−
MOD/追加
酢酸ナトリウム三水和物の性質
の項を追加。
一般的な説明事項であり,技術的な差
異はない。
6. 品質
R29.1
MOD/変更
1) 品質に差異のある項目:カリ
ウム及び過マンガン酸還元
性物質
2) 追加した項目:水溶状
ISO規格は,長期間内容の見直しが行
われず国際市場でISO規格品が用い
られることはほとんどない。また,技
術的差異も軽微(1)(2)(3)である。
2
K
8
3
7
1
:
2
0
0
5
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
−
R29.2
試験溶液の調製。 MOD/変更
JISは,試験方法の該当項目ごと
に規定。
編集上の差異であり,技術的な差異は
軽微。
7. 試験方法
7.1 試験条件
及び試験結果
R29.3
MOD/追加
一般的な試験条件及び試験結果に関
する事項であり,技術的な差異はな
い。
7.2 純度
(CH3COONa
・3H2O)
非水滴定法
R29.3.1
非水滴定法
MOD/変更
ISO規格は,指示薬を用いた非水
滴定法,JISは,JIS K 0113を引
用した電位差滴定法。
国際的にも広く普及している方法に
変更。
ISO規格の見直し時に,改正の検討を
行う予定。
7.3 水溶状
−
−
MOD/追加
項目を追加。
JIS K 8001の5.7を引用。
JISとして必要。
ISO規格の見直し時に,提案の検討を
行う予定。
7.4 pH
(50 g/l,25 ℃)
溶液濃度はg/lを使用。
R29.3.2
溶液濃度は質量
分率%を使用。
MOD/変更
1) ISO規格は,溶液濃度を質量
分率%で規定,JISは溶液濃
度をg/lで規定。
2) JIS K 8001の5.5を引用。
JISは操作性からg/lを使用。ISO規
格の見直し時に,改正提案の検討を行
う予定。
7.5 塩化物(Cl)
比濁法
R29.3.3
比濁法
MOD/変更
試薬の濃度を変更。JIS K 8001の
5.7を引用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微で
あり,対策は考慮しない。
7.6 りん酸塩
(PO4)
抽出比色法
R29.3.4
抽出比色法
MOD/変更
試料量,試薬の種類及び標準液量
を変更。JIS K 8001の5.13を引用。
7.7 硫酸塩
(SO4)
比濁法
R29.3.5
種晶添加比濁法
MOD/変更
1) JISは種晶添加比濁法を比濁
法に変更。
2) JIS K 8001の5.15を引用。
7.8 カリウム
(K)
炎光光度法
R29.3.10 炎光光度法
MOD/変更
1) 試料量及び標準液量を変更。
2) JIS K 8001の5.30を引用。
7.9 銅(Cu)
原子吸光法(抽出液噴
霧法)
R29.3.8
アノードストリ
ッピングボルタ
ンメトリー法
MOD/変更
1) アノードストリッピングボル
タンメトリー法を原子吸光法
に変更。
国際的にも広く普及している方法に
変更。
ISO規格の見直し時に、改正提案の検
2
K
8
3
7
1
:
2
0
0
5
8
K 8371:2006
2) JIS K 8001の5.31を引用。
討を行う予定。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
7.10 カルシウム
(Ca)
原子吸光法(直接噴
霧法)
R29.8
原子吸光法(直接
噴霧法)
MOD/変更
1) 試料量及び標準液量を変更。
2) JIS K 8001の5.30を引用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微で
あり,対策は考慮しない。
7.11 アルミニウム
(Al)
ICP発光分光分析法
R29.3.6
アルミノン吸光
法
MOD/変更
アルミノン吸光法をICP発光分
光分析法に変更。
国際的にも広く普及している方法に
変更。
7.12 鉛 (Pb)
原子吸光法(抽出液
噴霧法)
R29.3.8
アノードストリ
ッピングボルタ
ンメトリー法
MOD/変更
1) アノードストリッピングボ
ルタンメトリー法を原子吸
光法に変更。
2) JIS K 8001の5.31を引用。
国際的にも広く普及している方法に
変更。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検
討を行う予定。
7.13 鉄(Fe)
原子吸光法(抽出液
噴霧法)
R29.3.9
アノードストリ
ッピングボルタ
ンメトリー法
MOD/変更
1) アノードストリッピングボ
ルタンメトリー法を原子吸
光法に変更。
2) JIS K 8001の5.31を引用。
国際的にも広く普及している方法に
変更。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検
討を行う予定。
7.14 過マンガン酸
還元性物質
(Oとして)
直接法
R29.3.11 直接法
MOD/変更
1) 試料量,試薬の種類,操作法
を変更。
2) JIS K 8001の5.27を引用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微で
あり,対策は考慮しない。
8.容器
−
−
MOD/追加
項目を追加。
規格適合性を評価する関係で必要な
項目を追加。
9.表示
−
−
MOD/追加
項目を追加。
7
K
8
3
7
1
:
2
0
0
5
注(1) 理由:軽微な技術的差異。6.品質の(Ⅳ)の1)〜2)は,いずれも一般用途の試薬としては軽微な技術的差異であり,この差が取引上の障害になる可能性はほとんど
ない。ISO規格,JISとも品質項目の設定・品質水準の設定は,市場での長い使用実績・経験を踏まえたものである。ISO規格とJISとの質量分率ppm〜質量分
率pptレベルの不純物のごくわずかの差異は,経験上,一般用途の試薬としては実用上差し支えないものと考えられる。
なお,不純物のごくわずかの差異がどのような影響を及ぼすか,あらゆる用途を想定して検証することは現実的ではない。(Ⅳ)の1)〜2)の品質項目及び品質水
準が不満足な場合は,通常,JIS試薬,ISO規格試薬とも対応できない。この場合,対応策としては,目的にあった高純度試薬など特殊用途の試薬を使用するこ
とになる。
(2) ISO試薬規格の状況:ISO規格の試薬は,規格の維持管理が行われていない(規格制定後約20年経過)。このため,ISO規格の内容が現在の市場の要求にこたえ
ているかどうかの検討が行われていない(JISとの差)。また,ISO規格の試薬は,我が国だけではなく,国際市場でも商取引がほとんどなく国際規格としての
存在意義が乏しい。
(3) 今後の対策:(1)及び(2)の理由から,当面,対策を考慮しない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2.
JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
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