K 8359:2006
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬
協会(JRA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8359:1996は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical
analysis―Part 2:Specifications―First seriesを基礎として用いた。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会
は,このような技術的な性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用
新案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS K 8359には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
K 8359:2006
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 一般事項 ························································································································ 1
4. 種類 ······························································································································ 1
5. 性質 ······························································································································ 1
5.1 性状 ···························································································································· 1
5.2 定性方法 ······················································································································ 1
6. 品質 ······························································································································ 2
7. 試験方法 ························································································································ 2
7.1 試験条件及び試験結果 ···································································································· 2
7.2 純度 (CH3COONH4) ······································································································· 2
7.3 水溶状 ························································································································· 2
7.4 強熱残分(硫酸塩) ······································································································· 2
7.5 pH (50 g/l,25 ℃) ·········································································································· 2
7.6 塩化物(Cl) ···················································································································· 2
7.7 硝酸塩(NO3) ·················································································································· 2
7.8 りん酸塩(PO4) ··············································································································· 3
7.9 硫酸塩(SO4) ·················································································································· 3
7.10 ナトリウム(Na) ············································································································ 3
7.11 カリウム(K) ················································································································· 3
7.12 7.12銅(Cu) ·················································································································· 3
7.13 マグネシウム(Mg) ········································································································· 3
7.14 カルシウム(Ca) ············································································································ 4
7.15 鉛(Pb) ························································································································ 4
7.16 鉄(Fe) ························································································································· 4
8. 容器 ······························································································································ 4
9. 表示 ······························································································································ 4
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 5
日本産業規格 JIS
K 8359:2006
酢酸アンモニウム(試薬)
Ammonium acetate
CH3COONH4 FW : 77.08
序文 この規格は,1983年に第1版として発行されたISO 6353-2,Reagents for chemical analysis―Part 2:
Specifications―First seriesを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書に示す。
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いる酢酸アンモニウムについて規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical analysis―Part 2: Specifications―First series (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8230 過酸化水素(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8872 ホルムアルデヒド液(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
3. 一般事項 試験方法の一般的な事項は,JIS K 8001による。
4. 種類 種類は,特級とする。
5. 性質
5.1
性状 酢酸アンモニウムは,無色又は白色の結晶で潮解性がある。水に極めて溶けやすく,エタノ
ールに溶けやすく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
5.2
定性方法 定性方法は,次による。
a) 試料1 gに水20 mlを加えて溶かす(A液)。A液10 mlに水酸化ナトリウム溶液(100 g/l)1 mlを加えて
2
K 8359:2006
加熱すると,アンモニアが発生する。
b) A液10 mlに塩化鉄(Ⅲ)溶液(300 g/l) 0.2 mlを加えると,赤褐色が現れる。
6. 品質 品質は,7. によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表 1 品質
項目
規格値
純度(CH3COONH4)
水溶状
強熱残分(硫酸塩)
pH(50g/l,25℃)
塩化物(Cl)
硝酸塩(NO3)
りん酸塩(PO4)
硫酸塩(SO4)
ナトリウム(Na)
カリウム(K)
銅(Cu)
マグネシウム(Mg)
カルシウム(Ca)
鉛(Pb)
鉄(Fe)
質量分率 %
質量分率 %
質量分率 ppm
質量分率 %
質量分率 ppm
質量分率 %
質量分率 %
質量分率 %
質量分率 ppm
質量分率 ppm
質量分率 ppm
質量分率 ppm
質量分率 ppm
97.0以上
試験適合
0.01以下
6.5〜7.5
5以下
0.001以下
3以下
0.001以下
0.001以下
0.001以下
2以下
2以下
5以下
3以下
2以下
7. 試験方法
7.1
試験条件及び試験結果 JIS K 8001の3.7(試験操作など)(1)(試験の環境)による。湿度管理は必
要に応じ実施する。また,表1で規定する各品質項目の試験は次の各試験方法によって行い,得られる計
算値及び操作結果は,JIS K 8001の3.5(測定値)による。
7.2
純度 (CH3COONH4) JIS K 8872に規定するホルムアルデヒド液25 mlに水50 mlを加え,フェノ
ールフタレイン溶液を指示薬として0.1 mol/l水酸化ナトリウム溶液で中和した後,0.1 mgのけたまではか
りとった試料約2 gを加え,ビュレットを用いて1 mol/l水酸化ナトリウム溶液20 mlを加えて,30分間放
置した後,1 mol/l水酸化ナトリウム溶液で滴定を続ける。終点は,液の色が無色から紅色に変わる点とす
る。この場合,1 mol/l水酸化ナトリウム溶液1 mlは,0.077 08 g CH3COONH4 に相当する。
7.3
水溶状 JIS K 8001の5.2(溶状)による。この場合,試料は2g,濁りの程度の適合限度標準は(a)
(澄明)を用いる。
7.4
強熱残分(硫酸塩) JIS K 0067の4.4.4(操作)(4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)による。
この場合,試料10 gを用いる。
7.5
pH (50 g/l,25 ℃) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料溶液 試料5.0 gを二酸化炭素を含まない水に溶かして100 mlにする。
b) 操作 JIS K 8001の5.5(pH)の(2)による。
7.6
塩化物(Cl) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gに水を加えて溶かして20 mlにする。
b) 標準側溶液 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 1.0 mlに水を加えて20 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.7[塩化物(Cl)](1)(比濁法)による。
7.7
硝酸塩(NO3) 溶液の調製及び操作は,次による。
3
K 8359:2006
a) 試料側溶液 試料1.0 gに水を加えて溶かして5 mlにする。
b) 標準側溶液 硝酸塩標準液(NO3:0.01 mg/ml) 1.0 mlに水を加えて5 mlにする。
c) 操作 試料側溶液,標準側溶液それぞれに,ブルシン溶液0.2 mlを加えて,冷却しながらJIS K 8951
に規定する硫酸10 mlを徐々に加え,沸騰水浴中で5分間加熱した後,冷却する。
d) 判定 試料側の色は,標準側の黄色より濃くないこと。
7.8
りん酸塩(PO4) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料3.0 gに水10 mlを加え,水浴上で揮散させた後,水を加えて20 mlにする。
b) 標準側溶液 りん酸塩標準液(PO4:0.01 mg/ml) 0.90 mlに水を加えて20 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.13[りん酸塩(PO4)](1)(比色法)による。
7.9
硫酸塩(SO4) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料5.0 gに水5 ml,炭酸ナトリウム溶液(100 g/l) 0.2 ml,JIS K 8230に規定する過酸化
水素1 ml,JIS K 8180に規定する塩酸10 ml及びJIS K 8541に規定する硝酸17 mlを加え,時計皿で
覆い,泡が発生しなくなるまで水浴上で加熱した後,時計皿をとり,水浴上で蒸発乾固し,水10 ml
及び塩酸(2+1) 0.3 mlを加えて溶かし,更に水を加えて25 mlにする。
b) 標準側溶液 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml) 5.0 mlに水5 ml,炭酸ナトリウム溶液(100 g/l) 0.2 ml,JIS
K 8230に規定する過酸化水素1 ml,JIS K 8180に規定する塩酸10 ml及びJIS K 8541に規定する硝酸
17 mlを加え,時計皿で覆い,泡が発生しなくなるまで水浴上で加熱した後,時計皿をとり,水浴上
で蒸発乾固し,水10 ml及び塩酸(2+1) 0.3 mlを加えて溶かし,更に水を加えて25 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.15[硫酸塩(SO4)](1)(比濁法)による。
7.10 ナトリウム(Na) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料1.0 gに塩酸(2+1) 1 ml及び水を加えて100 mlにする(X液)(X液は,7.11の試験
にも用いる。)。
b) 標準側溶液 試料1.0 gに塩酸(2+1) 1 ml,ナトリウム標準液(Na:0.01 mg/ml) 1.0 ml,カリウム標準液
(K:0.01 mg/ml) 1.0 ml及び水を加えて100 mlにする(Y液)(Y液は,7.11の試験にも用いる。)。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d) による。
7.11 カリウム(K) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.10のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.10のY液を用いる。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(1)(d)よる。
7.12 銅(Cu) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料10 gに水40 mlを加えて溶かし,塩酸(2+1) 1 ml及び水を加えて80 mlにする。
b) 標準側溶液 試料10 gに水40 mlを加えて溶かし,塩酸(2+1) 1 ml,銅標準液(Cu:0.01 mg/ml) 2.0 ml,
鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml) 3.0 ml,鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml) 2.0 ml及び水を加えて80 mlにする。
c) 空試験用溶液 塩酸(2+1) 1 mlに水を加えて5 mlにする。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(2)(抽出液噴霧法)(d)による(操作の途中で得られるX液,Y
液及びZ液は7.15及び7.16の試験にも用いる。)。
7.13 マグネシウム(Mg) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料5.0 gに塩酸(2+1) 1 ml及び水を加えて溶かして100 mlにする(X液)(X液は,7.14
の試験にも用いる。)。
b) 標準側溶液 試料5.0 gに塩酸(2+1) 1 ml,マグネシウム標準液(Mg:0.01 mg/ml) 1.0 ml,カルシウム
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K 8359:2006
標準液(Ca:0.01 mg/ml) 2.5 ml及び水を加えて100 mlにする(Y液)(Y液は,7.14の試験にも用いる。)。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(1)(d)による。
7.14 カルシウム(Ca) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.13のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.13のY液を用いる。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(1)(d)による。
7.15 鉛(Pb) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.12のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.12のY液を用いる。
c) 空試験用溶液 7.12のZ液を用いる。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(2)(d)③による。
7.16 鉄(Fe) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.12のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.12のY液を用いる。
c) 空試験用溶液 7.12のZ液を用いる。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(2)(d)③による。
8. 容器 容器は,気密容器とする。
9. 表示 容器には,次の事項を表示する。
a) 名称“酢酸アンモニウム”及び“試薬”の文字
b) 種類
c) 化学式及び式量
d) 純度
e) 内容量
f)
製造番号
g) 製造年月又はその略号
h) 製造業者名又はその略号
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K 8359:2006
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS K8359:2006 酢酸アンモニウム(試薬)
ISO 6353−2:1983, 化学分析用試薬―第2部:仕様−第1シリーズ
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
1. 適用範囲
試薬として用いる酢
酸アンモニウムにつ
いて規定。
1
化学分析用試薬40
品目の仕様につい
て規定。
MOD/変更
JISは1品目1規格。 試薬の規格使用者が各規格を多く引用
しやすくするために1品目1規格とし
ている。
なお,対応国際規格は20年以上見直し
がされていないため市場の実態に合わ
ない。国際規格の改正提案を検討する。
2. 引用規格
JIS K 0067
JIS K 8001
JIS K 8180
JIS K 8230
JIS K 8541
JIS K 8872
JIS K 8951
1
ISO 6353-1
MOD/変更
ISO規格を1件削除
し,JISを追加・引用,
基本的には同等内容。
該当する対比項目を参照。
3. 一般事項
JIS K 8001による。
―
―
MOD/追加
項目を追加。
JIS K 8001を引用。
編集上の差異であり,技術的な差異は
ない。
4. 種類
―
―
MOD/追加
種類の項目を追加。
JISは種類として“特級”だけなので,
ISO規格と技術的な差異はない。
5. 性質
―
―
MOD/追加
酢酸アンモニウムの
性質の項を追加。
一般的な説明事項であり,技術的な差
異はない。
2
K
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:
2
0
0
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(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
6. 品質
R4
MOD/変更
1) 品質に差異のある
項目:純度,硫酸
塩,銅,鉛及び鉄。
2) 追加した項目:水
溶状,りん酸塩,
ナトリウム,カリ
ウム,マグネシウ
ム及びカルシウ
ム。
ISO規格は,長期間内容の見直しが行
われず国際市場でISO規格品が用いら
れることはほとんどない。また,技術
的差異も軽微(1)(2)(3)である。
―
R4.2
試験溶液の調製
MOD/変更
JISは,試験方法の該
当項目ごとに規定。
編集上の差異であり,技術的な差異は
軽微。
7.試験方法
7.1 試験条件
及び試験結果
R4.3
MOD/追加
一般的な試験条件及び試験結果に関す
る事項であり,技術的な差異はない。
7.2純度
(CH3COONH4)
滴定法
R 4.3.1
滴定法
MOD/変更
試料量,試薬溶液濃度
などを変更。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微であ
り,対策は考慮しない。
7.3水溶状
―
―
MOD/追加
項目を追加。
JISとして必要。
ISO規格の見直し時に,提案の検討を
行う予定。
7.4強熱残分
(硫酸塩)
硫酸塩として強熱す
る方法。
R 4.3.8
硫酸塩として強熱
する方法。
MOD/変更
1) 強熱温度,強熱時
間などを変更。
2) JIS K 0067の4.4.4
を引用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微であ
り,対策は考慮しない。
2
K
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3
5
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:
2
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(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
7.5 pH
(50g/l,25℃)
溶液濃度はg/lで規
定。
R 4.3.2
溶液濃度は質量分
率%で規定。
MOD/変更
1) ISO規格は溶液濃
度を質量分率%で
規定,JISは溶液
濃度をg/l で規
定。
2) JIS K 8001の5.5
を引用。
JISは操作性からg/lを使用。ISO規格
の見直し時に,改正提案の検討を行う
予定。
7.6塩化物(Cl)
比濁法
R 4.3.3
比濁法
MOD/変更
1) 試料の量,試薬の
量を一部変更。
2) JIS K 8001の5.7
を引用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微であ
り,対策は考慮しない。
7.7
硝酸塩
(NO3)
ブルシン法
R 4.3.4
ブルシン法
MOD/変更
試薬の調製方法を一
部変更。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微であ
り,対策は考慮しない。
7.8りん酸塩
(PO4)
―
―
MOD/追加
項目を追加。
JISとして必要。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検
討を行う予定。
7.9
硫酸塩
(SO4)
比濁法
R 4.3.5
種晶添加比濁法
MOD/変更
1) JISは種晶添加比
濁法を比濁法に変
更。
2) JIS K 8001の5.15
を引用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微であ
り,対策は考慮しない。
7.10ナトリウ
ム
(Na)
原子吸光法(直接噴
霧法)
―
―
MOD/追加
項目を追加。
JISとして必要。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検
討を行う予定。
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:
2
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(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
7.11カリウム
(K)
原子吸光法(直接噴
霧法)
―
―
MOD/追加
項目を追加。
JISとして必要。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検
討を行う予定。
7.12銅(Cu)
原子吸光法(抽出液
噴霧法)
R 4.3.6
原子吸光法(直接
噴霧法)
MOD/変更
1) 試料の量,操作法
を一部変更。
2) JIS K 8001の5.31
を引用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微であ
り,対策は考慮しない。
7.13マグネシ
ウム(Mg)
原子吸光法(直接噴
霧法)
―
―
MOD/追加
項目を追加。
JISとして必要。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検
討を行う予定。
7.14カルシウ
ム(Ca)
原子吸光法(直接噴
霧法)
―
MOD/追加
項目を追加。
用途として必要。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検
討を行う予定。
7.15鉛(Pb)
原子吸光法(抽出液
噴霧法)
R 4.3.6
原子吸光法(直接
噴霧法)
MOD/変更
1) 試料の量,操作法
を一部変更。
2) JIS K 8001の5.31
を引用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微であ
り,対策は考慮しない。
7.16鉄(Fe)
原子吸光法(抽出液
噴霧法)
R 4.3.7
1,10-フェナントロ
リン法
MOD/変更
1) ISO規格は1,10-
フェナントロリン
法,JISは原子吸
光法(抽出液噴霧
法)に変更。
2) JIS K 8001の5.31
を引用。
国際的に広く普及している原子吸光法
に変更。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検
討を行う予定。
8.容器
―
―
―
MOD/追加
項目を追加。
規格適合性を評価する関係で必要な項
目を追加。
9.表示
―
―
―
MOD/追加
項目を追加。
2
K
8
3
5
9
:
2
0
0
6
9
K 8359:2006
注(1) 理由:軽微な技術的差異。6.品質の(Ⅳ)欄の1)〜2)は,いずれも一般用途の試薬としては軽微な技術的差異であり,この差が取引上の障害になる可能性はほと
んどない。ISO規格,JISとも品質項目の設定・品質水準の設定は,市場での長い使用実績・経験を踏まえたものである。ISO規格とJISとの質量分率ppm〜質
量分率pptレベルの不純物のごくわずかの差異は,経験上,一般用途の試薬としては実用上差し支えないものと考えられる。
なお,不純物のごくわずかの差異がどのような影響を及ぼすか,あらゆる用途を想定して検証することは現実的ではない。 (Ⅳ)の1)〜2)の品質項目及び品質水
準が不満足な場合は,通常,JIS試薬,ISO規格試薬とも対応できない。この場合,対応策としては,目的にあった高純度試薬など特殊用途の試薬を使用するこ
とになる。
(2) ISO試薬規格の状況:ISO規格の試薬は,規格の維持管理が行われていない(規格制定後約20年経過)。このため,ISO規格の内容が現在の市場の要求にこたえ
ているかどうかの検討が行われていない(JISとの差)。また,ISO規格の試薬は,我が国だけではなく,国際市場でも商取引がほとんどなく国際規格としての
存在意義が乏しい。
(3) 今後の対策:(1)及び(2)の理由から,当面,対策を考慮しない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2.
JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
2
K
8
3
5
9
:
2
0
0
6