2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 8318-1995
p−トルエンスルホンクロロアミド
ナトリウム三水和物(試薬)
Sodium p-toluenesulfonchloramide trihydrate
C7H7ClNaNO2S・3H2O FW : 281.69
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いるp−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物(1)
について規定する。
注(1) 別名:クロラミンT
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
2. 共通事項 この規格に共通する事項は,JIS K 8001による。
3. 種類 特級
4. 性質 p−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物は,次の性質を示す。
(1) 性状 p−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物は,白〜わずかに黄色の結晶性粉末で,
かすかに塩素臭があり,空気に触れて徐々に分解する。水及びエタノールに溶けやすく,ジエチルエ
ーテルにほとんど溶けない。
(2) 定性方法 試料の赤外吸収スペクトルを,JIS K 0117によって測定すると,波数3 250cm−1,1 250cm
−1,1 130cm−1,1 080cm−1及び810cm−1付近に主な吸収を認める。この場合,試料調製は,JIS K 0117
の6.2(1)(錠剤法)による。赤外吸収スペクトルの一例を図1に示す。
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図1 赤外吸収スペクトルの一例
5. 品質 品質は,6.によって試験し,表1に適合しなければならない。
表1 品質
項目
規格値
純度
98.0%以上
水溶状
試験適合
pH (50g/l, 25℃)
9.0〜11.0
硫酸着色物質
試験適合
6. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
(1) 純度 98.0%以上
試料0.5g(0.1mgのけたまではかる)→共通すり合わせよう素フラスコ200mlにとる+水80ml+よ
う化カリウム3g+塩酸 (2+1) 5ml→10分間暗所に放置→0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定(指
示薬:でんぷん溶液)。
別に同一条件で空試験を行い滴定量を補正する。
0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液1mlは,0.014 084g C7H7ClNaNO2S・3H2Oに相当する。
備考 純度から有効塩素を求める計算式
有効塩素 (%) =純度 (%) ×
69
.
281
45
.
35
ここに,
35.45: 塩素 (Cl) の原子量
281.69: p−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物の式量
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(2) 水溶状
試料2g+水 (→20ml) ……ほとんど澄明以内。
(3) pH (50 g/l, 25 ℃) 9.0〜11.0
試料溶液:試料5.0g+二酸化炭素を含まない水 (→100ml)。
操作:JIS K 8001の5.5(2)による。
(4) 硫酸着色物質
JIS K 8001の5.26(3)(c)(固体試料の場合)による。この場合,試料0.1g及び硫酸2mlを用い,比
色標準液A以下。
7. 容器 遮光した気密容器とする。
8. 貯蔵方法 p−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物は,冷所に保存する。
9. 表示 容器には,次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称 “p−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物”及び“試薬”の文字
(2) 種類
(3) 化学式,式量
(4) 品質(純度)
(5) 内容量
(6) 製造番号
(7) 製造年月又はその略号
(8) 製造業者名又はその略号
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原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
久保田 正 明
物質工学工業技術研究所計測化学部
地 崎 修
通商産業省基礎産業局生物化学産業課
津 田 博
通商産業省機械情報産業局計量行政室
倉 剛 進
工業技術院標準部繊維化学規格課
喜多川 忍
通商産業検査所化学部化学標準課
野々村 誠
都立工業技術センター無機化学部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
石 橋 無味雄
厚生省国立衛生試験所
川 瀬 晃
社団法人日本分析化学会
柳 瀬 斉 彦
社団法人日本化学工業協会
藤 貫 正
社団法人日本分析化学会
並 木 昭
財団法人化学品検査協会
鶴 田 利 行
硫酸協会
中 村 靖
日本鉱業協会
大 槻 孝
社団法人日本鉄鋼協会
日 暮 喜八郎
第一化学薬品株式会社
北 田 佳 伸
和光純薬工業株式会社
飯 岡 寛 一
柳島製薬株式会社
高 野 虞美子
東京化成工業株式会社
飛 田 和 彦
米山化学工業株式会社
山 岡 宏
片山化学工業株式会社
山 田 和 夫
関東化学株式会社
(事務局)
平 井 信 次
日本試薬連合会