K 8288:2007
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 一般事項 ························································································································· 1
4 種類······························································································································· 2
5 性質······························································································································· 2
5.1 性状 ···························································································································· 2
5.2 定性方法 ······················································································································ 2
6 品質······························································································································· 3
7 試験及び検査方法 ············································································································· 3
7.1 試験及び検査方法の条件並びに結果 ··················································································· 3
7.2 純度(C6H5Na3O7・2H2O) ······························································································· 3
7.3 水溶状 ························································································································· 3
7.4 pH(50 g/l,25 ℃) ········································································································ 3
7.5 塩化物(Cl) ················································································································ 3
7.6 りん酸塩(PO4) ··········································································································· 4
7.7 硫黄化合物(SO4として) ······························································································· 4
7.8 窒素化合物(Nとして)·································································································· 4
7.9 銅(Cu)······················································································································ 4
7.10 カルシウム(Ca) ········································································································ 4
7.11 鉛(Pb)····················································································································· 4
7.12 鉄(Fe) ····················································································································· 5
7.13 硫酸着色物質 ··············································································································· 5
8 記録······························································································································· 5
9 容器······························································································································· 5
10 表示 ····························································································································· 5
附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································· 6
K 8288:2007
(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬
協会(JRA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申
出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8288:1994は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護の対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
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日本工業規格 JIS
K 8288:2007
くえん酸三ナトリウム二水和物(試薬)
Trisodium citrate dihydrate (Reagent)
C6H5Na3O7・2H2O FW:294.10
序文
この規格は,1987年に第1版として発行されたISO 6353-3,Reagents for chemical analysis−Part 3:
Specifications−Second seriesを基に作成した日本工業規格であるが,対応国際規格の規定の一部に市場の実
態を反映していない部分があるため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,試薬として用いるくえん酸三ナトリウム二水和物について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 6353-3:1987,Reagents for chemical analysis−Part 3: Specifications−Second series(MOD)
なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正していることを示
す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8230 過酸化水素(試薬)
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
3
一般事項
試験及び検査方法の一般的な事項は,JIS K 8001による。
・
2
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4
種類
種類は,特級とする。
5
性質
5.1
性状
くえん酸三ナトリウム二水和物は,白い結晶又は結晶性粉末で,水に溶けやすく,エタノールにほとん
ど溶けない。
5.2
定性方法
定性方法は,次による。
a) 試料を用いてJIS K 8001の5.29(炎色試験)(1)(アルカリ金属及びアルカリ土類金属試験法)を行う
と,黄色が現れる。
b) 試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数1 590 cm−1,1 394 cm−1,1 282
cm−1及び843 cm−1付近に主な吸収を認める。この場合,試料調製はJIS K 0117の5.2(固体)b)(錠
剤法)による。赤外吸収スペクトルの一例を図1に示す。
図1−赤外吸収スペクトルの一例
3
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6
品質
品質は,箇条7によって試験及び検査したとき,表1に適合しなければならない。
表1−品質
項目
規格値
純度 (C6H5Na3O7・2H2O)
質量分率 %
99.0以上
水溶状
試験適合
pH (50 g/l,25 ℃)
7.5〜9.0
塩化物 (Cl)
質量分率 %
0.001以下
りん酸塩 (PO4)
質量分率 %
0.002以下
硫黄化合物(SO4として)
質量分率 %
0.005以下
窒素化合物(Nとして)
質量分率 %
0.001以下
銅 (Cu)
質量分率 ppm
1以下
カルシウム (Ca)
質量分率 %
0.002以下
鉛 (Pb)
質量分率 ppm
3以下
鉄 (Fe)
質量分率 ppm
5以下
硫酸着色物質
試験適合
7
試験及び検査方法
7.1
試験及び検査方法の条件並びに結果
試験及び検査方法の環境は,JIS K 8001の3.7(試験操作など)(1)(試験の環境)による。湿度管理は,
必要に応じて実施する。また,表1で規定する各品質項目の試験及び検査は次の各試験及び検査方法によ
って行い,得られる測定値の計算方法及び規格値に対する判定は,JIS K 8001の3.5(測定値)による。
7.2
純度 (C6H5Na3O7・2H2O)
試料約0.2 gを200 mlのビーカーに0.1 mgのけたまではかりとり,JIS K 8355に規定する酢酸30 mlを
加えて溶かし,0.1 mol/l過塩素酸(酢酸溶媒)でJIS K 0113の5.(電位差滴定方法)によって電位差滴定
を行う。この場合,指示電極はガラス電極,参照電極は塩化銀電極を用いる。
別に,同一条件で空試験を行い滴定量を補正する。この場合,0.1 mol/l過塩素酸(酢酸溶媒)1 mlは,
0.009 803 g C6H5Na3O7・2H2Oに相当する。
7.3
水溶状
水溶状は,JIS K 8001の5.2(溶状)による。この場合,試料は2 gを用い,濁りの程度の適合限度標準
はJIS K 8001の5.2 (1)(濁りの程度の適合限度標準)(a)(澄明)を用いる。
7.4
pH(50 g/l,25 ℃)
溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料溶液 試料5.0 gに二酸化炭素を含まない水を加えて溶かして100 mlにする。
b) 操作 JIS K 8001の5.5 (pH) (2)による。
7.5
塩化物 (Cl)
溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料1.0 gに水を加えて溶かして20 mlにする。
b) 標準側溶液 塩化物標準液 (Cl:0.01 mg/ml) 1.0 mlに水を加えて20 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.7[塩化物 (Cl)](1)(比濁法)による。
4
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7.6
りん酸塩 (PO4)
溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料1.0 gを白金皿にとり,加熱板上で徐々に加熱して炭化させた後,放冷する。水2 ml
で潤し,水浴上で蒸発乾固する。再び加熱板上で徐々に加熱した後,電気炉中(550±50 ℃)で強熱し
て灰化し,放冷する。これに水10 ml及びJIS K 8230に規定する過酸化水素1 mlを加えて数分間煮沸
した後,塩酸(2+1) 5 mlを加えて水浴上で蒸発乾固し,水を加えて20 mlにする。
b) 標準側溶液 りん酸塩標準液 (PO4:0.01 mg/ml) 2.0 mlを白金皿にとり,JIS K 8230に規定する過酸化
水素1 ml及び塩酸(2+1) 5 mlを加えて水浴上で蒸発乾固し,水を加えて20 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.13[りん酸塩 (PO4)](1)(比色法)による。
7.7
硫黄化合物(SO4として)
溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gを白金皿にとり,水10 mlを加えて溶かす。
b) 標準側溶液 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml) 10 mlを白金皿にとる。
c) 操作 JIS K 8001の5.16[硫黄化合物(SO4として)]による。
7.8
窒素化合物(Nとして)
溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gに水を加えて溶かして140 mlにする。
b) 標準側溶液 窒素標準液(N:0.01mg/ml) 2.0 mlに水を加えて140 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.12[窒素化合物(Nとして)](4)(蒸留−インドフェノール青法)による。
7.9
銅 (Cu)
溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料10 gに水40 ml及び塩酸(2+1) 3 mlを加えて溶かし,アンモニア水(2+3) でpH 5.5
に調節し,水を加えて80 mlにする(X液)。
b) 標準側溶液 試料10 gに水40 ml及び塩酸(2+1) 3 mlを加えて溶かし,銅標準液(Cu:0.01 mg/ml) 1.0
ml,鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml) 3.0 ml及び鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml) 5.0 mlを加えてアンモニア水(2+
3)でpH 5.5に調節し,水を加えて80 mlにする(Y液)。
c) 空試験用溶液 塩酸(2+1) 3 mlに水を加えて5 mlにする(Z液)。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(2)(抽出液噴霧法)(d)による。(操作の途中で得られるX液,
Y液及びZ液は7.11及び7.12にも用いる。)。
7.10 カルシウム (Ca)
溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gに水50 ml及び塩酸(2+1) 2 mlを加えて溶かし,水を加えて100 mlにする。
b) 標準側溶液 試料2.0 gに水50 ml,塩酸(2+1) 2 ml及びカルシウム標準液(Ca:0.01 mg/ml) 4.0 mlを加
えて溶かし,水を加えて100 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。
7.11 鉛 (Pb)
溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.9のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.9のY液を用いる。
c) 空試験用溶液 7.9のZ液を用いる。
5
K 8288:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
d) 操作 JIS K 8001の5.31 (2) (d) ③による。
7.12 鉄 (Fe)
溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.9のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.9のY液を用いる。
c) 空試験用溶液 7.9のZ液を用いる。
d) 操作 JIS K 8001の5.31 (2) (d) ③による。
7.13 硫酸着色物質
操作及び判定は,次による。
a) 操作 試料0.5 gにJIS K 8951に規定する硫酸10 mlを加えて110 ℃で30分間加熱する。
b) 判定 液の色は,比色標準液Fの色より濃くない。
8
記録
記録は,JIS K 0050の12.(記録)による。
9
容器
容器は,気密容器とする。
10 表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 名称“くえん酸三ナトリウム二水和物”及び“試薬”の文字
b) 種類
c) 化学式及び式量
d) 純度
e) 内容量
f)
製造番号
g) 製造業者名又はその略号
6
K
8
2
8
8
:
2
0
0
7
6
K
8
2
8
8
:
2
0
0
7
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 8288 : 2007 くえん酸三ナトリウム二水和物(試薬)
ISO 6353-3 : 1987,Reagents for chemical analysis−Part 3: Specifications−Second series
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規
格番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号及び名
称
内容
箇条番
号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲
試薬として用い
るくえん酸三ナ
トリウム二水和
物について規定。
1
化学分析用試薬
57品目の仕様に
ついて規定。
変更
JISは1品目1規格。
試薬の規格使用者が各規格を多く
引用しやすくするために1品目1
規格としている。
なお,対応国際規格は20年以上
見直しが行われていないため市場
の実態に合わない。国際規格の改
正提案を検討する予定。
2 引用規格
3 一般事項
JIS K 8001によ
る。
―
追加
項目を追加。
JIS K 8001を引用。
編集上の差異であり,技術的な差
異ではない。
4 種類
―
追加
種類の項目を追加。
JISは種類として“特級”だけな
ので,ISO規格と技術的な差異は
ない。
5 性質
―
―
追加
性質の項目を追加。
一般的な説明事項であり,技術的
差異はない。
6 品質
R94.1
変更
1) 品質に差異のある項:硫酸着色物質。
2) 追加した項目:水溶状,カルシウム。
3) ISO規格の重金属をJISは銅,鉛に変
更。
ISO規格は,長期間内容の見直し
が行われず国際市場でISO規格品
が用いられることはほとんどな
い。また,技術的差異も軽微1) 2) 3)
である。
―
R94.2.1
R94.2.2
R94.2.3
試料側溶液及び
標準側溶液の調
製
変更
JISは,試験及び検査方法の該当項目で
個別に規定。
編集上の差異であり,技術的な差
異ではない。
7
K
8
2
8
8
:
2
0
0
7
7
K
8
2
8
8
:
2
0
0
7
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規
格番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号及び名
称
内容
箇条番
号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
7 試験及び検査
方法
7.1 試験及び検
査方法の条件並
びに結果
R94.3
追加
一般的な試験及び検査方法の条件
並びに結果に関する事項であり,
技術的な差異はない。
7.2 純度
(C6H5Na3O7
・2H2O)
非水滴定法(電位
差滴定法)
R94.3.1 非水滴定法(指示
薬)
変更
1) 操作方法を変更。
2) JIS K 0113を引用。
JISは,技術的改良から電位差滴
定法を採用している。ISO規格の
見直し時に,改正提案の検討を行
う予定。
7.3 水溶状
追加
項目を追加。
品質確保のために必要。
ISO規格の見直し時に,提案の検
討を行う予定。
7.4 pH
(50 g/l,25 ℃)
溶液濃度はg/lで
規定。
R94.3.2 溶液濃度は質量
分率%で規定
変更
1) ISO規格は溶液濃度を質量分率%で
規定,JISは溶液濃度をg/lで規定。
2) JIS K 8001の5.5を引用。
JISは操作性から溶液濃度をg/lで
規定。ISO規格の見直し時に,改
正提案の検討を行う予定。
7.5塩化物 (Cl)
比濁法
R94.3.4 比濁法
変更
1) 試料量,標準液量などを変更。
2) JIS K 8001の5.7を引用。
技術的差異は軽微であり,対策は
考慮しない。
7.6 りん酸塩
(PO4)
比色法
R94.3.5 抽出比色法
変更
1) 試料量,試薬溶液濃度,標準液量,
操作などを変更。
2) JIS K 8001の5.13を引用。
7.7 硫黄化合物
(SO4として)
比濁法(酸化剤を
添加。)
R94.3.6 種晶添加比濁法
変更
1) JISは種晶添加比濁法を比濁法に変
更。
2) JIS K 8001の5.16を引用。
7.8 窒素化合物
(Nとして)
蒸留−インドフ
ェノール青法
R94.3.3 蒸留―ネスラー
法
追加
1) ISO規格はネスラー法,JISは蒸留―
インドフェノール青法。JISは有害な水
銀試薬を有害性の少ない試薬に変更。
2) JIS K 8001の5.12を引用。
ISO規格のネスラー法は環境・安
全上,変更が必要。ISO規格の見
直し時に,改正提案の検討を行う
予定。
7.9 銅 (Cu)
原子吸光法
R94.3.7 重金属(Pbとし
て)比濁法
変更
1) ISO規格は比濁法。JISは原子吸光法。
2) JIS K 8001の5.31を引用。
使用者によって具体的な情報を提
供するためにJISとして必要。ISO
規格の見直し時に,追加提案の検
討を行う予定。
8
K
8
2
8
8
:
2
0
0
7
8
K
8
2
8
8
:
2
0
0
7
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規
格番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号及び名
称
内容
箇条番
号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
7.10 カルシウム
(Ca)
原子吸光法
追加
項目を追加。
品質確保のために必要。
ISO規格の見直し時に,提案の検
討を行う予定。
7.11 鉛 (Pb)
原子吸光法
R94.3.7 重金属(Pbとし
て)比濁法
変更
1) ISO規格は比濁法。JISは原子吸光法。
2) JIS K 8001の5.31を引用。
使用者によって具体的な情報を提
供するためにJISとして必要。ISO
規格の見直し時に,追加提案の検
討を行う予定。
7.12 鉄 (Fe)
原子吸光法
R94.3.8 1,10-フェナント
ロリン法
変更
1) ISO規格は比色法。JISは原子吸光法。
2) JIS K 8001の5.31を引用。
技術的差異は軽微であり,対策は
考慮しない。
7.13 硫酸着色物
質
比色標準液F
R94.3.9 比色標準液G
変更
比色標準液を変更。
技術的差異は軽微であり,対策は
考慮しない。
8 記録
―
―
追加
項目を追加。
規格適合性を評価する関係で必要
な項目を追加。
9 容器
―
―
追加
項目を追加。
10 表示
―
―
追加
項目を追加。
注1) 理由:軽微な技術的差異。箇条6(品質)の(Ⅳ)欄の1)〜3)は,いずれも一般用途の試薬としては軽微な技術的差異であり,この差が取引上の障害になる可能性
はほとんどない。ISO規格,JISとも品質項目の設定・品質水準の設定は,市場での長い使用実績・経験を踏まえたものである。ISO規格とJISとの質量分率ppm
〜質量分率pptレベルの不純物のごくわずかの差異は,経験上,一般用途の試薬としては実用上差し支えないものと考えられる。
なお,不純物のごくわずかの差異がどのような影響を及ぼすか,あらゆる用途を想定して検証することは現実的ではない。この(Ⅳ)の1)〜3)の品質項目及び品
質水準が不満足な場合は,通常,JIS試薬,ISO規格試薬とも対応できない。この場合,対応策としては,目的にあった高純度試薬など特殊用途の試薬を使用す
ることになる。
2) ISO試薬規格の状況:ISO規格の試薬は,規格の維持管理が行われていない(規格制定後約20年経過)。このため,ISO規格の内容が現在の市場の要求にこたえ
ているかどうかの検討が行われていない(JISとの差)。また,ISO規格の試薬は,我が国だけではなく,国際市場でも商取引がほとんどなく国際規格としての存
在意義が乏しい。
3) 今後の対策:注1)及び注2)の理由から,当面,対策を考慮しない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:JIS 6353-3:1987,MOD
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
被引用法規
食品・添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)
放射性医薬品基準(平成8年厚生省告示第242号)
第十四改正日本薬局方(平成13年厚生労働省告示第111号)
生物学的製剤基準(平成5年厚生省告示第217号)
飼料及び飼料添加物の成分規格(昭和51年農林省令第35号)
普通肥料の公定規格(昭和61年農林水産省告示第284号)附2 農業環境技術研究所法
関連する外国規格
アメリカ Reagent Chemicals−American Chemical Society Specifications ACS (2000)
イギリス British Standards BS 6376-3 (1989)
韓国 韓国産業規格 (Korean Standards) KS M 8410 (1996) KS M ISO 6353-3 (2002)
中国 国家標準 (Guojia Biaozhum) GB/T 16493 (1996)
フランス Norme Française NF ISO 6353-3 (1988)
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。