K 8283:2006
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬
協会(JRA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8283:1995は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical
analysis―Part 2: Specifications―First seriesを基礎として用いた。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS K 8283には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
K 8283:2006
(2)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 一般事項 ························································································································ 1
4. 種類 ······························································································································ 1
5. 性質 ······························································································································ 1
5.1 性状 ···························································································································· 2
5.2 定性方法 ······················································································································ 2
6. 品質 ······························································································································ 2
7. 試験方法 ························································································································ 2
7.1 試験条件及び試験結果 ···································································································· 2
7.2 純度(C6H8O7・H2O)·········································································································· 3
7.3 水溶状 ························································································································· 3
7.4 エタノール溶状 ············································································································· 3
7.5 強熱残分(硫酸塩) ······································································································· 3
7.6 塩化物(Cl) ···················································································································· 3
7.7 りん酸塩(PO4) ··············································································································· 3
7.8 硫黄化合物(SO4として) ··································································································· 3
7.9 銅(Cu) ························································································································· 3
7.10 カルシウム(Ca) ············································································································ 3
7.11 亜鉛(Zn) ····················································································································· 4
7.12 鉛(Pb) ························································································································ 4
7.13 鉄(Fe) ························································································································· 4
7.14 しゅう酸(C2H2O4) ········································································································· 4
7.15 硫酸着色物質 ··············································································································· 4
8. 容器 ······························································································································ 4
9. 表示 ······························································································································ 4
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 6
日本産業規格 JIS
K 8283:2006
くえん酸−水和物(試薬)
Citric acid monohydrate
C6H8O7・H2O FW : 210.14
序文 この規格は,1983年に第1版として発行されたISO 6353-2,Regents for chemical analysis―Part 2:
Specifications―First seriesを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書に示す。
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いるくえん酸一水和物について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6353-2:1983,Regents for chemical analysis―Part 2: Specifications―First series (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8012 亜鉛(試薬)
JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8230 過酸化水素(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
3. 一般事項 試験方法の一般的な事項は,JIS K 8001による。
4. 種類 種類は,特級とする。
5. 性質
CH2COOH
C COOH H2O
CH2COOH
HO
2
K 8283:2006
5.1
性状 くえん酸一水和物は,白い結晶,粒又は結晶性粉末で,水に極めて溶けやすく,エタノール
に溶けやすく,ジエチルエーテルにやや溶けにくい。
5.2
定性方法 試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数3 370 cm-1,1 757 cm-1,
1 728 cm-1,1 171 cm-1,1 113 cm-1,936 cm-1及び897 cm-1付近に主な吸収を認める。この場合,試料調製は
JIS K 0117の5.3 a)(錠剤法)による。赤外吸収スペクトルの一例を,図1に示す。
図 1 赤外吸収スペクトルの一例
6. 品質 品質は,7.によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表 1 品質
項目
規格値
純度(C6H8O7・H2O)
水溶状
エタノール溶状
強熱残分(硫酸塩)
塩化物(Cl)
りん酸塩(PO4)
硫黄化合物(SO4として)
銅(Cu)
カルシウム(Ca)
亜鉛(Zn)
鉛(Pb)
鉄(Fe)
しゅう酸(C2H2O4)
硫酸着色物質
質量分率 %
質量分率 %
質量分率 ppm
質量分率 %
質量分率 %
質量分率 ppm
質量分率 %
質量分率 ppm
質量分率 ppm
質量分率 ppm
質量分率 %
99.5以上
試験適合
試験適合
0.02以下
5以下
0.001以下
0.005以下
1以下
0.002以下
1以下
1以下
3以下
0.01以下
試験適合
7. 試験方法
7.1
試験条件及び試験結果 JIS K 8001の3.7(試験操作など)(1)(試験の環境)による。湿度管理は必
要に応じ実施する。また,表1で規定する各品質項目の試験は,次の各試験方法によって行い,得られる
計算値及び操作結果は,JIS K 8001の3.5(測定値)による。
3
K 8283:2006
7.2
純度(C6H8O7・H2O) 試料約2 gをコニカルビーカー200 mlに0.1 mgのけたまではかりとり,水40 ml
を加えて溶かし,指示薬としてフェノールフタレイン溶液2〜3滴を加えた後,1 mol/l水酸化ナトリウム
溶液で滴定する。終点は,液の色が無色からうすい紅色に変わる点とする。この場合,1 mol/l水酸化ナト
リウム溶液1 mlは,0.070 05 g C6H8O7・H2Oに相当する。
7.3
水溶状 JIS K 8001の5.2(溶状)による。この場合,試料は2 g,濁りの程度の適合限度標準は(a)
(澄明)を用いる。
7.4
エタノール溶状 JIS K 8001の5.2による。この場合,試料は2 g,溶媒はJIS K 8102に規定するエ
タノール(95)を用い,濁りの程度の適合限度標準は(a)を用いる。
7.5
強熱残分(硫酸塩) JIS K 0067の4.4.4(4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)による。試料5.0
gを用いる。
7.6
塩化物(Cl) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gに水を加えて溶かして20 mlにする。
b) 標準側溶液 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 1.0 mlに水を加えて20 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.7[塩化物(Cl)](1)(比濁法)による。
7.7
りん酸塩(PO4) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gを白金皿にとり,水5 ml,炭酸ナトリウム溶液(100 g/l) 3 mlを加えて溶かし,
水浴上で蒸発乾固する。これを加熱板上で徐々に加熱し炭化させた後,放冷する。水2 mlで潤し,再
び水浴上で蒸発乾固する。さらに,加熱板上で徐々に加熱し,電気炉中で強熱灰化した後,放冷する。
水10 ml及びJIS K 8230に規定する過酸化水素1 mlを加えて数分間煮沸した後,塩酸(2+1) 2 mlを加
えて水浴上で蒸発乾固し,水を加えて20 mlにする。
b) 標準側溶液 りん酸塩標準液(PO4:0.01 mg/ml) 2.0 mlを白金皿にとり,JIS K 8230に規定する過酸化
水素1 ml及び塩酸(2+1) 2 mlを加えて水浴上で蒸発乾固し,水を加えて20 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.13[りん酸塩(PO4)](1)(比色法)による。
7.8 硫黄化合物(SO4として) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gを白金皿にとり,水10 mlを加えて溶かす。
b) 標準側溶液 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml) 10 mlを白金皿にとる。
c) 操作 JIS K 8001の5.16[硫黄化合物(SO4として)]による。
7.9 銅(Cu) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料10 gに水40 mlを加えて溶かし,アンモニア水(2+3)で中和し,塩酸(2+1) 1 ml及
び水を加えて80 mlにする。
b) 標準側溶液 試料10 gに水40 mlを加えて溶かし,銅標準液(Cu:0.01 mg/ml) 1.0 ml,亜鉛標準液(Zn:
0.01 mg/ml) 1.0 ml,鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml) 1.0 ml及び鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml) 3.0 mlを加えてアン
モニア水(2+3)で中和し,塩酸(2+1) 1 ml及び水を加えて80 mlにする。
c) 空試験用溶液 標準側溶液の中和に用いた量のアンモニア水(2+3)を蒸発皿にとり,水浴上で蒸発乾
固し,塩酸(2+1) 1 ml及び水を加えて5 mlにする。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(2)(抽出液噴霧法)(d)による。この場合,操作①及び②は,
くえん酸水素二アンモニウム溶液(100 g/l) 2 mlを加えないで行う(操作の途中で得られるX液,Y液
及びZ液は7.11,7.12及び7.13の試験にも用いる。)。
7.10 カルシウム(Ca) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gに塩酸(2+1) 1 ml及び水を加えて100 mlにする。
4
K 8283:2006
b) 標準側溶液 試料2.0 gに塩酸(2+1) 2 ml,カルシウム標準液(Ca:0.01 mg/ml) 4.0 ml及び水を加えて
100 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。
7.11 亜鉛(Zn) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.9のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.9のY液を用いる。
c) 空試験溶液 7.9のZ液を用いる。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(2)(d)③による。
7.12 鉛(Pb) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.9のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.9のY液を用いる。
c) 空試験溶液 7.9のZ液を用いる。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(2)(d)③による。
7.13 鉄(Fe) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.9のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.9のY液を用いる。
c) 空試験溶液 7.9のZ液を用いる。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(2)(d)③による。
7.14 しゅう酸(C2H2O4) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2 gに水4 mlを加えて溶かす。
b) 標準側溶液 試料1gに水3 mlを加えて溶かし,しゅう酸標準液(C2H2O4:0.1 mg/ml) 1.0 mlを加える。
c) 操作 試料側溶液,標準側溶液それぞれに,JIS K 8180に規定する塩酸3 ml及びJIS K 8012に規定す
る亜鉛(粒径1.00〜1.40 mmのもの)1 gを加えて1分間煮沸し,2分間放置する。ろ紙(5種C)を
用いてろ過した後,水5 mlで3回洗い,ろ液及び洗液を併せ,あらかじめ塩化フェニルヒドラジニウ
ム溶液(10 g/l) 0.25 mlを入れた共通すり合わせ平底試験管に入れ,水を加えて25 mlにする。約90 ℃
で3分間加熱し,流水で冷却する。JIS K 8180に規定する塩酸25 ml及びヘキサシアノ鉄(Ⅲ)酸カリウ
ム溶液(50 g/l)0.25 mlを加えて振り混ぜる。試料側の色は,標準側の赤より濃くないこと。
7.15 硫酸着色物質 JIS K 8001の5.26(3)(c)(固体試料の場合)による。この場合,試料0.3 g及びJIS K
8951に規定する硫酸10 mlを用い110 ℃で30分間加熱する。液の色は,比色標準液Gの色より濃くない
こと。
8. 容器 容器は,気密容器とする。
9. 表示 容器には,次の事項を表示する。
a) 名称 “くえん酸一水和物”及び“試薬”の文字
b) 種類
c) 化学式及び式量
d) 純度
e) 内容量
f)
製造番号
5
K 8283:2006
g) 製造業者名又はその略号
6
K 8283:2006
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 8283:2006 くえん酸一水和物
ISO 6353-2:1983,化学分析用試薬−第2部:仕様−第1シリーズ
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ご
との評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1.適用範囲
試薬として用いるく
えん酸一水和物につ
いて規定。
1
化学分析用試薬40品目の仕
様について規定。
MOD/変更 JISは1品目1規格。
試薬の規格使用者が各規格を多く引用
しやすくするために1品目1規格とし
ている。
なお,対応国際規格は,20年以上見直
しがされていないため市場の実態に合
わない。国際規格の改正提案を検討す
る。
2.引用規格
JIS K 0067
JIS K 0117
JIS K 8001
JIS K 8012
JIS K 8102
JIS K 8180
JIS K 8230
JIS K 8951
1
ISO 6353-1
MOD/追加 ISO規格を1件削除し,JIS
を追加・引用,基本的には同
等内容。
該当する対比項目を参照。
3.一般事項
JIS K 8001による。
―
―
MOD/追加 項目を追加。
JIS K 8001を追加。
編集上の差異であり,技術的な差異で
はない。
4.種類
―
―
MOD/追加 種類の項目を追加。
JISは種類として“特級”だけなので,
ISO規格と技術的な差異はない。
5.性質
―
―
MOD/追加 くえん酸一水和物の性質の
項を追加。
一般的な説明事項であり,技術的な差
異はない。
2
K
8
2
8
3
:
2
0
0
6
7
K 8283:2006
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごと
の評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
6.品質
R8.1
MOD/変更 1) 品質に差異のある項:銅,
鉛,鉄,しゅう酸。ISO規
格の硫酸塩を硫黄化合物に
変更。
2) 追加した項目:水溶状,エ
タノール溶状,カルシウム,
亜鉛。
ISO規格は,長期間内容の見直しが
行われず国際市場でISO規格品が
用いられることはほとんどない。ま
た,技術的差異も軽微(1)(2)(3)であ
る。
―
R8.2
R8.2.1
R8.2.2
R8.2.3
R8.2.4
試験溶液の調製
試料側溶液Ⅰ
試料側溶液Ⅱ
試料側溶液Ⅲ
標準側溶液
MOD/変更 JISは試験方法の該当項目ごと
に規定。
編集上の差異であり,技術的な差異
ではない。
7.試験方法
7.1 試験条件及び
試験結果
R8.3
MOD/追加
一般的な試験条件及び試験結果に
関する事項であり,技術的な差異は
ない。
7.2純度
(C6H8O7・H2O)
中和滴定法
R8.3.1
中和滴定法
MOD/変更 試料量を変更。
JISは,定期的に見直しを行ってい
るが,ISO規格は,長年見直しが行
われていないことから実績のある
従来のJIS法を踏襲。技術的な差異
は軽微であり,対策は考慮しない。
7.3水溶状
―
―
MOD/追加 項目を追加。
JISとして必要。
ISO規格の見直し時に,提案の検討
を行う予定。
7.4エタノール溶状
―
―
MOD/追加 項目を追加。
JISとして必要。
ISO規格の見直し時に,提案の検討
を行う予定。
2
K
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2
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3
:
2
0
0
6
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K 8283:2006
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごと
の評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
7.5強熱残分
(硫酸塩)
強熱温度
500±50℃
強熱温度 650±50℃
MOD/変更 1) 試料量などを変更。
2) JIS K 0067を引用。
JISは,定期的に見直しを行ってい
るが,ISO規格は,長年見直しが行
われていないことから実績のある
従来のJIS法を踏襲。技術的な差異
は軽微であり,対策は考慮しない。
7.6塩化物(Cl)
比濁法
R8.3.2
比濁法
IDT
7.7りん酸塩(PO4)
比色法
R8.3.4
抽出比色法
MOD/変更 1) 試料量,試薬溶液濃度,標
準液量,操作などを変更。
2) JIS K 8001の5.13を引用。
JISは,定期的に見直しを行ってい
るが,ISO規格は,長年見直しが行
われていないことから実績のある
従来のJIS法を踏襲。技術的な差異
は軽微であり,対策は考慮しない。
7.8硫黄化合物
(SO4として)
比濁法
R8.3.5
種晶添加比濁法
MOD/変更 1) JISは種晶添加比濁法を比
濁法に変更。
2) JIS K 8001の5.16を引用。
7.9銅(Cu)
原子吸光法
R8.3.6
原子吸光法
MOD/変更 1) 試料量,試薬量などを変更。
2) JIS K 8001の5.31を引用。
7.10カルシウム
(Ca)
原子吸光法
―
―
MOD/追加 項目を追加。
JISとして必要。
ISO規格の見直し時に,提案の検討
を行う予定。
7.11亜鉛(Zn)
原子吸光法
―
―
MOD/追加 項目を追加。
7.12鉛(Pb)
原子吸光法
R8.3.6
原子吸光法
MOD/変更 1) 試料量,試薬量などを変更。
2) JIS K 8001の5.31を引用。
JISは,定期的に見直しを行ってい
るが,ISO規格は,長年見直しが行
われていないことから実績のある
従来のJIS法を踏襲。技術的な差異
は軽微であり,対策は考慮しない。
7.13鉄(Fe)
原子吸光法
R8.3.7
1,10-フェナントロリン法
MOD/変更 1) 1,10-フェナントロリン法を
原子吸光法に変更。
2) JIS K 8001の5.31を引用。
国際的にも広く普及している方法
に変更。
ISO規格の見直し時に,提案の検討
を行う予定。
2
K
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:
2
0
0
6
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K 8283:2006
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごと
の評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
7.14しゅう酸
(C2H2O4)
比色法
R8.3.3
比色法
MOD/変更 試料量,試薬溶液濃度,標準液
濃度,標準液量,操作などを変
更。
JISは,定期的に見直しを行ってい
るが,ISO規格は,長年見直しが行
われていないことから実績のある
従来のJIS法を踏襲。技術的な差異
は軽微であり,対策は考慮しない。
7.15硫酸着色物質
比色法
R8.3.8
比色法
IDT
8.容器
―
―
MOD/追加 項目を追加。
規格適合性を評価する関係で必要
な項目を追加。
9.表示
―
―
MOD/追加 項目を追加。
注(1) 理由:軽微な技術的差異。6.品質の(Ⅳ)の1) 〜2)は,いずれも一般用途の試薬としては軽微な技術的差異であり,この差が取引上の障害になる可能性はほとん
どない。ISO規格,JISとも品質項目の設定・品質水準の設定は,市場での長い使用実績・経験を踏まえたものである。ISO規格とJISとの質量分率ppm〜質
量分率pptレベルの不純物のごくわずかの差異は,経験上,一般用途の試薬としては実用上差し支えないものと考えられる。
なお,不純物のごくわずかの差異がどのような影響を及ぼすか,あらゆる用途を想定して検証することは現実的ではない。(Ⅳ)の1) 〜2)の品質項目及び品質
水準が不満足な場合は,通常,JIS試薬,ISO規格試薬とも対応できない。この場合,対応策としては,目的にあった高純度試薬など特殊用途の試薬を使用す
ることになる。
(2) ISO試薬規格の状況:ISO規格の試薬は,規格の維持管理が行われていない(規格制定後約20年経過)。このため,ISO規格の内容が現在の市場の要求にこた
えているかどうかの検討が行われていない(JISとの差)。また,ISO規格の試薬は,我が国だけではなく,国際市場でも商取引がほとんどなく国際規格として
の存在意義が乏しい。
(3) 今後の対策:(1)及び(2)の理由から,当面,対策を考慮しない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
2
K
8
2
8
3
:
2
0
0
6
10
K 8283:2006
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2.
JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
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