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(1)
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類······························································································································· 2
4 性質······························································································································· 2
4.1 性状 ···························································································································· 2
4.2 定性方法 ······················································································································ 2
5 品質······························································································································· 2
6 試験方法························································································································· 2
6.1 一般事項 ······················································································································ 2
6.2 濃度(HCOOH) ··········································································································· 2
6.3 水溶状 ························································································································· 3
6.4 不揮発物 ······················································································································ 4
6.5 酢酸(CH3COOH)(GC) ······························································································· 4
6.6 塩化物(Cl) ················································································································ 5
6.7 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 6
6.8 亜硫酸塩 ······················································································································ 6
6.9 銅(Cu),鉛(Pb)及び鉄(Fe)······················································································ 7
7 容器······························································································································· 8
8 貯蔵方法························································································································· 8
9 表示······························································································································· 8
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まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人
日本試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を
改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格で
ある。これによって,JIS K 8264:2011は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,令和2年9月22日までの間は,産業標準化法第30条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS K 8264:2011を適用してもよい。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
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ぎ酸(試薬)
Formic acid (Reagent)
HCOOH FW:46.03
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適用範囲
この規格は,試薬として用いるぎ酸について規定する。
警告1 ぎ酸は,有害なので,蒸気を吸入しないようにし,粘膜及び皮膚に付着しないようにする。
また,引火性があるので,火気から遠ざけるようにする。
警告2 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とす
る。この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするもので
はない。この規格の利用者は,安全データシート(SDS)などを参考にして各自の責任にお
いて安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JIS K 0114 ガスクロマトグラフィー通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8550 硝酸銀(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬)
JIS K 8659 でんぷん(溶性)(試薬)
JIS K 8799 フェノールフタレイン(試薬)
JIS K 8913 よう化カリウム(試薬)
JIS K 8920 よう素(試薬)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
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種類
種類は,特級とする。
4
性質
4.1
性状
ぎ酸は,無色透明の液体で刺激臭があり,水,エタノール(99.5)及びジエチルエーテルに極めて混ざ
りやすい。密度は,濃度が質量分率98.0 %以上では約1.22 g/mL,質量分率88.0〜90.0 %では約1.20 g/mL
である。
4.2
定性方法
定性方法は,次による。
a) 試料5 mLに水20 mLを加えて溶かす(A液)。A液5 mLに酢酸鉛(II)溶液(200 g/L)2 mLを加え
ると,白い結晶性の沈殿が生じる。
b) A液5 mLに硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加えて加熱すると,直ちに濁る。
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品質
品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表1−品質
項目
規格値
試験方法
濃度(HCOOH)
(密度約1.22 g/mLの場合)
質量分率 %
98.0以上
6.2
(密度約1.20 g/mLの場合)
質量分率 %
88.0〜90.0
水溶状
−
試験適合
6.3
不揮発物
質量分率 %
0.002以下
6.4
酢酸(CH3COOH)(GC)
質量分率 %
0.3以下
6.5
塩化物(Cl)
質量分率 ppm
5以下
6.6
硫酸塩(SO4)
質量分率 %
0.005以下
6.7
亜硫酸塩
−
試験適合
6.8
銅(Cu)
質量分率 ppm
3以下
6.9
鉛(Pb)
質量分率 ppm
3以下
6.9
鉄(Fe)
質量分率 ppm
3以下
6.9
6
試験方法
6.1
一般事項
試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
6.2
濃度(HCOOH)
濃度(HCOOH)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 二酸化炭素を除いた水 JIS K 8001の5.8 c)(二酸化炭素を除いた水)による。
2) フェノールフタレイン溶液 JIS K 8799に規定するフェノールフタレイン1.0 gをJIS K 8102に規
定するエタノール(95)90 mLに溶かし,水で100 mLにする。
3) 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液(NaOH:40.00 g/L) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを用
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い,JIS K 8001のJA.6.4 r) 1)(1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液)に従って,調製,標定及び計算し
たもの。
b) 装置 主な装置は,次による。
・ 自動滴定装置 電位差滴定の機能をもち,最小吐出量が0.01 mL以下のもの。
c) 操作 操作は,次による。
1) 二酸化炭素を除いた水20 mLを共通すり合わせ三角フラスコ200 mLなどに入れ,質量を0.1 mgの
桁まではかり(m1 g),試料1 gを加えて,再び0.1 mgの桁まではかり(m2 g),二酸化炭素を除い
た水50 mLを加える。
2) 次のいずれかの方法で,滴定する。
2.1) 指示薬としてフェノールフタレイン溶液約3滴を加え,1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定する。
終点は,液のうすい紅色が30秒間持続する点とする。
2.2) JIS K 0113の5.(電位差滴定方法)によって,指示薬を用いず,指示電極に白金電極若しくは銀
電極,及び参照電極に銀−塩化銀電極,又は指示電極と参照電極とを組み合わせた複合電極を用
いて,1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定を行う。終点は,変曲点とする。
d) 計算 濃度(HCOOH)は,次の式によって算出する。
100
03
046
.0
1
2
×
−
×
×
=
m
m
f
V
B
ここに,
B: 濃度(HCOOH)(質量分率 %)
V: 滴定に要した1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の体積
(mL)
f: 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液のファクター
m2: 試料を入れた共通すり合わせ三角フラスコの質量(g)
m1: 二酸化炭素を除いた水を入れた共通すり合わせ三角フ
ラスコの質量(g)
0.046 03: 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液1 mLに相当するHCOOH
の質量を示す換算係数(g/mL)
6.3
水溶状
水溶状の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %〜61 %,特級)の体積1と水の体積2と
を混合したもの。
2) 硝酸銀溶液(20 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gをはかりとり,水を加えて溶かし,更に水
を加えて100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に保存する。
3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準は,“澄明”を用いる。
塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)0.2 mLを共通すり合わせ平底試験管[c)参照]にとり,水10 mL,
硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,更に水を加えて20 mLとし,振り混ぜて
から15分間放置する。
c) 器具 主な器具は,次による。
・ 共通すり合わせ平底試験管 容量50 mL,直径約24 mmで目盛のあるもの。
d) 操作 操作は,次による。
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1) 試料溶液の調製は,試料5.0 mLを共通すり合わせ平底試験管にとり,水を加えて20 mLにした後,
軽く振り混ぜる。
2) 試料溶液の濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を共通すり合わせ平
底試験管の上方又は側方から観察する。
e) 判定 試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くなく,ごみ,浮遊物などの異物をほとんど認めないとき,
“水溶状:試験適合(規格値)”とする。
6.4
不揮発物
不揮発物の試験方法は,JIS K 0067の4.3.4(操作)(1)(第1法 水浴上で加熱蒸発する方法)による。
この場合,試料50 gを0.1 mgの桁まではかりとる。残分は,6.9の試験に用いる。
6.5
酢酸(CH3COOH)(GC)
酢酸(CH3COOH)(GC)の試験方法は,次による。
a) 試薬 試薬は,次による。
・ 酢酸 JIS K 8355に規定するもの。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) ガスクロマトグラフ 装置の構成は,JIS K 0114に規定するもの。
2) マイクロシリンジ又は液体試料導入装置 0.2 µL又は1.0 µLを採取できるもの。
c) 分析条件 分析条件は,次の1)又は2)による。
なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることが確認されている場合には,その条件を用
いてもよい。
1) 充塡カラムの場合
・ 検出器の種類 水素炎イオン化検出器
・ カラム充塡剤 粒度150 µm〜180 µmのけい藻土を担体に用い,それに固定相液体としてグリコ
ール系を10 %含浸させたもの,又はこれと同等の分離能をもつもの。
注記 けい藻土には,クロモソルブW,シマライトWなどがあり,グリコール系固定相液体
には,ポリエチレングリコール1 000,ポリエチレングリコール20Mなどがある。
・ カラム用管
材質 ガラス
内径 2 mm〜4 mm
長さ 2 m〜3 m
・ 設定温度
カラム槽 130 ℃〜150 ℃
検出器槽 150 ℃〜180 ℃
試料気化室 130 ℃〜150 ℃
・ キャリヤーガス
種類 窒素又はヘリウム
流量 30 mL/min〜50 mL/min
・ 試料の導入量 0.20 µL
2) キャピラリーカラムの場合
・ 検出器の種類 水素炎イオン化検出器
・ キャピラリーカラム
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材質 石英ガラス
内径 1.2 mm
長さ 20 m〜40 m
固定相液体の種類 ポリエチレングリコール
固定相液体の膜厚 1.0 µm〜2.0 µm
・ 設定温度
カラム槽 130 ℃〜150 ℃
検出器槽 180 ℃〜210 ℃
試料気化室 180 ℃〜210 ℃
・ キャリヤーガス
種類 窒素又はヘリウム
流量 20 mL/min〜30 mL/min
・ 試料の導入量 1.0 µL
d) 操作 操作は,次による。
1) 標準添加試料の調製は,試料100 gをはかりとり,これに酢酸300 mgを加えて混合する。
2) 試料及び標準添加試料をマイクロシリンジ又は液体試料導入装置を用いてガスクロマトグラフに導
入してクロマトグラムを記録する。
なお,あらかじめ,酢酸の保持時間を確認しておく。
3) 試料及び標準添加試料の酢酸のピーク面積を,JIS K 0114の11.3(ピーク面積の測定)a)(データ
処理ソフト又はデータ処理装置を用いる方法)によって測定する。
e) 判定 試料の酢酸のピーク面積が,標準添加試料の酢酸のピーク面積から試料の酢酸のピーク面積を
引いた値より大きくないとき,“酢酸(CH3COOH)(GC):質量分率0.3 %以下(規格値)”とする。
6.6
塩化物(Cl)
塩化物(Cl)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1)による。
2) 硝酸銀溶液(20 g/L) 6.3 a) 2)による。
3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 6.3 a) 3)による。
b) 器具 器具は,次による。
・ 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
c) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを共通すり合わせ平底試験管にとり,硝酸(1+2)10 mLを加えて,
振り混ぜた後,水を加えて20 mLにする。
2) 比較溶液の調製は,共通すり合わせ平底試験管に塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)1.0 mL及び硝酸
(1+2)10 mLを加えて,振り混ぜた後,水を加えて20 mLにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加えて振り混ぜた後,15分間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を共通すり合わせ平底試験管
の上方又は側方から観察して濁りを比較する。
d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“塩化物
(Cl):質量分率5 ppm以下(規格値)”とする。
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6.7
硫酸塩(SO4)
硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。
2) 塩化バリウム溶液(100 g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gを水に溶かして
100 mLにしたもの。
3) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積2と水の体積1とを混合したもの。
4) 炭酸ナトリウム溶液(100 g/L) JIS K 8625に規定する炭酸ナトリウム10 gを水に溶かして100 mL
にしたもの。
5) 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
2) 蒸発皿 JIS R 3503に規定するもの。
3) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。
c) 操作 操作は,次による。
なお,有害なぎ酸の蒸気が発生するため,排気に注意する。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを蒸発皿などにとり,炭酸ナトリウム溶液(100 g/L)0.2 mLを加え
て沸騰水浴上で加熱して蒸発乾固する。これに,塩酸(2+1)1 mL及び水10 mLを加えて煮沸し,
冷却後,共通すり合わせ平底試験管に移し,水を加えて25 mLとする。
2) 比較溶液の調製は,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)5.0 mL,水5 mL及び炭酸ナトリウム溶液(100
g/L)0.2 mLを蒸発皿などにとり,塩酸(2+1)1 mLを加えて煮沸し,冷却後,共通すり合わせ平
底試験管に移し,水を加えて25 mLとする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,エタノール(95)3 mL及び塩化バリウム溶液(100 g/L)2 mLを加えて
振り混ぜた後,1時間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を共通すり合わせ平底試験管
の上方又は側方から観察して濁りを比較する。
d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“硫酸塩
(SO4):質量分率0.005 %以下(規格値)”とする。
6.8
亜硫酸塩
亜硫酸塩の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) でんぷん溶液 JIS K 8659に規定する特級又は1級のでんぷん(溶性)1.0 gに水10 mLを加えてか
き混ぜながら熱水200 mL中に入れて溶かす。これを約1分間煮沸した後に冷却する。冷所に保存
し,10日以内に使用する。
2) 0.05 mol/L よう素溶液(I2:12.69 g/L) JIS K 8180に規定する塩酸(特級),JIS K 8913に規定す
るよう化カリウム及びJIS K 8920に規定するよう素を用い,JIS K 8001のJA.6.4 w)(0.05 mol/L よ
う素溶液)に従って,調製,標定及び計算したもの。
b) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料30 gをビーカー100 mLなどにはかりとり,水を加えて溶かし,更に水を
加えて50 mLにする。
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2) でんぷん溶液0.5 mLを加えて振り混ぜた後,0.05 mol/L よう素溶液0.20 mLを加える。
3) 白の背景を用いて,試料溶液の色をビーカーなどの上方又は側方から観察する。
c) 判定 試料溶液に青から青紫が現れるとき,“亜硫酸塩:試験適合(規格値)”とする。
注記 試料溶液に青から青紫が現れる場合,亜硫酸塩(SO2として)は,質量分率約0.001 %以下に
相当する。
6.9
銅(Cu),鉛(Pb)及び鉄(Fe)
銅(Cu),鉛(Pb)及び鉄(Fe)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 塩酸(2+1) 6.7 a) 3)による。
2) 銅標準液(Cu:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
3) 鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
4) 鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
b) 装置 主な装置は,次による。
・ フレーム原子吸光分析装置 装置の構成は,JIS K 0121に規定するもの。
c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を表2に示す。
表2−分析種の測定波長の例
分析種
測定波長 nm
銅(Cu)
324.8
鉛(Pb)
283.3
鉄(Fe)
248.3
d) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,6.4の残分(試料量50 g)に塩酸(2+1)1 mLを加えて溶かした後,全量フラ
スコ100 mLに移し,少量の水で蒸発皿などを洗い,洗液を全量フラスコ100 mLに合わせ,更に水
を標線まで加えて混合する(B液)。B液20 mL(試料量10 g)を全量フラスコ50 mLに正確にとり,
水を標線まで加えて混合する(X液)。
2) 比較溶液の調製は,B液20 mL及び塩酸(2+1)1 mLを全量フラスコ50 mLにとり,銅標準液(Cu:
0.01 mg/mL)3.0 mL,鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL)3.0 mL及び鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL)3.0 mL
を加え,水を標線まで加えて混合する(Y液)。
3) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液を空気−アセチレンフレーム中に噴霧し,表2に示す測
定波長付近で吸光度が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれ空気−アセチレンフレ
ーム中に噴霧し,分析種の吸光度を測定し,X液の指示値及びY液の指示値を読み取る。
4) 測定結果は,X液の指示値を,Y液の指示値からX液の指示値を引いた値と比較する。
e) 判定 X液の指示値が,Y液の指示値からX液の指示値を引いた値より大きくないとき,“銅(Cu):
質量分率3 ppm以下(規格値),鉛(Pb):質量分率3 ppm以下(規格値),鉄(Fe):質量分率3 ppm
以下(規格値)”とする。
注記 分析種の含有率(質量分率ppm)は,次の式によって,おおよその値を求めることができる。
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6
1
2
1
10
000
1
×
×
−
×
=m
n
n
n
D
C
ここに,
C: 分析種の含有率(質量分率ppm)
D: 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
m: X液中の試料の質量(g)
n1: X液の指示値
n2: Y液の指示値
7
容器
容器は,気密容器とする。
8
貯蔵方法
製品は,火気に注意し,なるべく冷所に保存する。
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表示
容器には,次の事項を表示する。
a) この規格の番号
b) 名称“ぎ酸”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 濃度
f)
内容量
g) 製造番号
h) 製造業者名又はその略号