K 8213:2014
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類······························································································································· 2
4 性質······························································································································· 2
4.1 性状 ···························································································································· 2
4.2 定性方法 ······················································································································ 2
5 品質······························································································································· 3
6 試験方法························································································································· 3
6.1 一般事項 ······················································································································ 3
6.2 特級 ···························································································································· 3
6.2.1 純度[CH3(CH2)6CH2OH](GC) ··················································································· 3
6.2.2 密度(20 ℃) ············································································································· 4
6.2.3 屈折率
20
D
n ·················································································································· 4
6.2.4 水分 ·························································································································· 4
6.2.5 不揮発物 ···················································································································· 4
6.2.6 酸価 ·························································································································· 4
6.3 分配係数測定用 ············································································································· 6
6.3.1 純度[CH3(CH2)6CH2OH](GC) ··················································································· 6
6.3.2 密度(20 ℃) ············································································································· 6
6.3.3 屈折率
20
D
n ·················································································································· 6
6.3.4 不揮発物 ···················································································································· 6
6.3.5 酸価 ·························································································································· 6
7 容器······························································································································· 6
8 表示······························································································································· 6
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8213:1996は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成26年9月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS K 8213:1996によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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1-オクタノール(試薬)
1-Octanol (Reagent)
CH3(CH2)6CH2OH FW:130.23
序文
この規格は,1955年に制定され,その後4回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1996年に
行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,試薬として用いる1-オクタノール1)について規定する。
注1) 別名 n-オクチルアルコール
警告 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。
この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。
この規格の利用者は,SDS(安全データシート),MSDS(化学物質等安全データシート:JIS Z
7250−2012年廃止,猶予期間2016年まで)などを参考にして各自の責任において安全及び健
康に対する適切な措置をとらなければならない。
なお,1-オクタノールは液体で,引火性があるので火気に注意する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0061 化学製品の密度及び比重測定方法
JIS K 0062 化学製品の屈折率測定方法
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0068 化学製品の水分測定方法
JIS K 0070 化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方
法
JIS K 0114 ガスクロマトグラフィー通則
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 1107 窒素
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬)
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JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8103 ジエチルエーテル(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬)
JIS K 8603 ソーダ石灰(試薬)
JIS K 8799 フェノールフタレイン(試薬)
JIS K 8844 ブロモフェノールブルー(試薬)
3
種類
種類は,特級及び分配係数測定用とする。
4
性質
4.1
性状
1-オクタノールは,無色の液体で,エタノール及びジエチルエーテルに極めて溶けやすく,水に極めて
溶けにくい。沸点は約195 ℃である。
4.2
定性方法
試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117に従って測定すると,波数3 336 cm-1,2 956 cm-1,2 927 cm-1,
2 857 cm-1,1 467 cm-1,1 378 cm-1,1 058 cm-1及び772 cm-1付近に主な吸収ピークを認める。試料調製をJIS
K 0117の5.4 a)(液膜法)によって行い,窓板に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を,
図1に示す。
図1−赤外吸収スペクトルの例
注記 図1は,独立行政法人産業技術総合研究所のSDBSから引用したものである。
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品質
品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表1−品質
項目
特級
分配係数測定用
規格値
試験方法
規格値
試験方法
純度[CH3(CH2)6CH2OH](GC) 質量分率 %
98.0以上
6.2.1
99.5以上
6.3.1
密度(20 ℃)
g/ml
0.820〜0.833
6.2.2
0.824〜0.828
6.3.2
屈折率
20
D
n
1.428〜1.431
6.2.3
1.428〜1.431
6.3.3
水分
質量分率 %
0.1以下
6.2.4
−
−
不揮発物
質量分率 %
0.01以下
6.2.5
0.01以下
6.3.4
酸価
0.1以下
6.2.6
0.1以下
6.3.5
6
試験方法
6.1
一般事項
試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
6.2
特級
特級の試験方法は,次による。
6.2.1
純度[CH3(CH2)6CH2OH](GC)
純度[CH3(CH2)6CH2OH](GC)の試験方法は,次による。
a) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) マイクロシリンジ又は試料導入装置 少量の定容量の測定溶液をガスクロマトグラフのカラムに導
入するマイクロシリンジ又は装置。
2) ガスクロマトグラフ 装置の構成は,JIS K 0114に規定するもの。
b) 分析条件 分析条件は,次による。
なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることが確認されている場合には,その条件を用
いてもよい。
1) 検出器の種類 水素炎イオン化検出器
2) 固定相液体名 ポリエチレングリコール
3) 固定相液体の膜厚 0.25 μm
4) カラム用キャピラリーの材質,内径及び長さ 石英ガラス,0.25 mm及び30 m
5) 設定温度 カラム槽 初期温度100 ℃から,毎分10 ℃で250 ℃まで昇温し,250 ℃で5分間保
持する。
試料気化室 280 ℃
検出器槽 280 ℃
6) キャリヤーガスの種類及び流量 ヘリウム,1.0 ml/min
7) 試料の導入方式 スプリット注入法(スプリット比 1:140)
8) 試料の導入量 1 μl
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料の導入及び記録 試料をマイクロシリンジ又は試料導入装置を用いてガスクロマトグラフに導
入してクロマトグラムを記録する。
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なお,あらかじめ1-オクタノールの保持時間を確認しておく。
2) ピーク面積の測定 クロマトグラムのピーク面積の測定は,JIS K 0114の11.3 a)(データ処理ソフ
ト又はデータ処理装置を用いる方法)による。
d) 定量法 検出したピークの面積を測定し,JIS K 0114の11.5(面積百分率法)によって純度
[CH3(CH2)6CH2OH](GC)を求める。
6.2.2
密度(20 ℃)
密度(20 ℃)の試験方法は,JIS K 0061の7.2(比重瓶法)又は7.3(振動式密度計法)による。
6.2.3
屈折率
20
D
n
屈折率
20
D
nの試験方法は,JIS K 0062による。
6.2.4
水分
水分の試験方法は,JIS K 0068の6.3(容量滴定法)又は6.4(電量滴定法)による。
なお,容量滴定法の場合,試料10 g(12.1 ml)をはかりとり,滴定溶媒はメタノールとする。電量滴定
法の場合,試料2.0 g(2.4 ml)をはかりとる。
6.2.5
不揮発物
不揮発物の試験方法は,JIS K 0067の4.3.4(2)(第2法 熱板上で加熱蒸発する方法)による。ただし,
この場合,試料20 g(24.2 ml)をはかりとる。
6.2.6
酸価
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) ソーダ石灰 JIS K 8603に規定するもの(必要な場合に用いる。)。
2) 水酸化カリウム溶液(250 g/l) JIS K 8574に規定する水酸化カリウム29.4 gを水で溶かして100 ml
にする(必要な場合に用いる。)。高密度ポリエチレンなどの樹脂製の瓶などに保存する。
3) 二酸化炭素を除いた水 次の3.1)〜3.4)のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたものを用
い,使用時に調製する。
3.1) 水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから5分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ
ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶に水酸化カリ
ウム溶液(250 g/l)を入れたもの,又はソーダ石灰管を連結して空気中の二酸化炭素を遮り,冷却
したもの。
3.2) 水をフラスコに入れ,水の中にJIS K 1107に規定する窒素を15分間以上通じたもの。
3.3) 二酸化炭素分離膜をもつガス分離管を用いて,水から二酸化炭素を除いたもの。
3.4) 新鮮な18 MΩ・cm以上の抵抗率のある水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立てないように採取
したもの。ただし,採水後速やかに用いる。
4) フェノールフタレイン溶液 JIS K 8799に規定するフェノールフタレイン1.0 gをJIS K 8102に規
定するエタノール(95)90 mlに溶かし,水で100 mlにする。
5) ブロモフェノールブルー溶液 JIS K 8844に規定するブロモフェノールブルー0.10 gをエタノール
(95)50 mlに溶かし,水で100 mlにする。褐色ガラス製瓶に保存する。
6) 0.1 mol/l 塩酸(HCl:3.646 g/l) 0.1 mol/l 塩酸の調製,標定及び計算は,次による。
注記 0.1 mol/l 塩酸の調製,標定及び計算は,JIS K 8001のJA.5.2(滴定用溶液の調製,標定及
び計算)e) 4)と同じである。
6.1) 調製 JIS K 8180に規定する塩酸9 mlをはかりとり,水を加えて1 000 mlとし,混合した後,気
密容器に入れて保存する。
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6.2) 標定 標定は,認証標準物質2)又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質の炭酸ナトリウム
を用い,次のとおり行う。
6.2.1) 認証標準物質2)の炭酸ナトリウムを用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。
6.2.2) 容量分析用標準物質の炭酸ナトリウムを用いる場合は,試験成績書などに従って乾燥する。
6.2.3) 認証標準物質2)又は容量分析用標準物質の炭酸ナトリウム0.13 g〜0.16 gを0.1 mgの桁まではか
りとり,コニカルビーカー200 mlに移し,水20 mlを加えて溶かす。指示薬としてブロモフェノ
ールブルー溶液数滴を加え,6.1)で調製した0.1 mol/l 塩酸で滴定する。この場合,終点付近で煮
沸して二酸化炭素を除き,冷却した後,引き続き滴定を行う。終点は,液の色が青紫から青みの
緑になる点とする。
注2) 認証標準物質を供給する者として,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総合セン
ター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認証標準物質
生産者がある。
6.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。
100
99
2
005
.0
1
A
V
m
f
×
×
=
ここに,
f1: 0.1 mol/l 塩酸のファクター
m: はかりとった炭酸ナトリウムの質量(g)
A: 炭酸ナトリウムの純度(質量分率 %)
V: 滴定に要した0.1 mol/l 塩酸の体積(ml)
0.005 299: 0.1 mol/l 塩酸1 mlに相当する炭酸ナトリウムの質量を示
す換算係数(g/ml)
7) 0.1 mol/l 水酸化カリウム・エタノール溶液 0.1 mol/l 水酸化カリウム・エタノール溶液の調製,標
定及び計算は,次による。
7.1) 調製 JIS K 8574に規定する水酸化カリウム6.6 gを1 000 mlの高密度ポリエチレンなどの樹脂製
の気密容器にはかりとり,二酸化炭素を含まない水5 mlを加えて溶かした後,JIS K 8102に規定
するエタノール(95)を加えて1 000 mlとし,振り混ぜる。二酸化炭素を遮り,2〜3日間放置し
た後,その上澄み液をポリエチレンなどの樹脂製気密容器に移し,必要があれば,ソーダ石灰管
を付けて保存する。
7.2) 標定 三角フラスコ200 mlなどに0.1 mol/l 塩酸25 mlを正確に入れ,二酸化炭素を含まない水50
ml及び指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え,7.1)で調製した0.1 mol/l 水酸化カリ
ウム・エタノール溶液で滴定する。終点は,液の薄い紅色が約30秒間残るときとする。標定は使
用時に行う。
7.3) 計算 計算は,次による。
V
f
f
25
1×
=
ここに,
f: 0.1 mol/l 水酸化カリウム・エタノール溶液のファクター
f1: 0.1 mol/l 塩酸のファクター
V: 滴定に要した0.1 mol/l 水酸化カリウム・エタノール溶液の体
積(ml)
b) 操作 操作は,次による。
酸価の試験方法は,JIS K 0070の3.1(中和滴定法)による。この場合,試料20 g(24.2 ml)を用
い,溶剤は,JIS K 8101に規定するエタノール(99.5)の体積1とJIS K 8103に規定するジエチルエ
6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ーテルの体積1とを混合し,使用直前にフェノールフタレイン溶液を指示薬として数滴加え,0.1 mol/l
水酸化カリウム・エタノール溶液で中和したものを用いる。
6.3
分配係数測定用
分配係数測定用の試験方法は,次による。
6.3.1
純度[CH3(CH2)6CH2OH](GC)
純度[CH3(CH2)6CH2OH](GC)の試験方法は,6.2.1による。
6.3.2
密度(20 ℃)
密度(20 ℃)の試験方法は,6.2.2による。
6.3.3
屈折率
20
D
n
屈折率
20
D
nの試験方法は,6.2.3による。
6.3.4
不揮発物
不揮発物の試験方法は,6.2.5による。
6.3.5
酸価
酸価の試験方法は,6.2.6による。
7
容器
容器は,気密容器とする。
8
表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 日本工業規格番号
b) 名称 “1-オクタノール”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 純度
f)
内容量
g) 製造番号
h) 製造業者名又はその略号