2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 8197-1996
N-1−ナフチルエチレンジアミン
二塩酸塩(試薬)
N-1-Naphthylethylenediamine dihydrochloride
C12H14N2・2HCl FW : 259.18
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いるN-1−ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩について規定す
る。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0068 化学製品の水分測定方法
JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
2. 共通事項 この規格に共通する事項は,JIS K 8001による。
3. 種類 特級
4. 性質 N-1−ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩は,次の性質を示す。
(1) N-1−ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩は,白〜わずかに紅色の結晶性粉末で,水にやや溶けにくく,
エタノールに溶けにくく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
(2) 定性方法 試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数2 920cm−1,1 580cm−1,
1 490cm−1,1 400cm−1,1 140cm−1及び770cm−1付近に主な吸収を認める。この場合,試料調製はJIS
K 0117の6.2(1)(錠剤法)による。赤外吸収スペクトルの一例を図1に示す。
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K 8197-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1 赤外吸収スペクトルの一例
5. 品質 品質は,6.によって試験し,表1に適合しなければならない。
表1 品質
項目
規格値
純度(無水物換算)
97.0%以上
水溶状
試験適合
水分
5.0%以下
強熱残分(硫酸塩)
0.05%以下
鋭敏度
試験適合
6. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
(1) 純度(無水物換算) 97.0%以上
(a) 操作 試料0.3g(0.1mgのけたまではる)+水50ml+エタノール (95) 50ml→溶かす→0.1mol/l硝酸
銀溶液でJIS K 0113によって電位差滴定を行う (aml)。この場合,指示電極には銀電極,参照電極
には硝酸カリウム溶液(飽和)を内部液として含むカロメル電極を用いる。
(b) 計算
100
100
100
012959
.0
×
×
×
×
w
S
f
a
A
−
=
ここに,
A: 純度(無水物換算) (%)
S: はかりとった試料の質量 (g)
w: (3)で求めた水分 (%)
f: 0.1mol/l硝酸銀液のファクター
0.012 959: 0.1mol/l硝酸銀溶液1mlのC12H14N2・2HCl相当量
(2) 水溶状
試料0.4g+水 (→20ml)……澄明。
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(3) 水分 5.0%以下
JIS K 0068の4.(カールフィッシャー滴定法)4.3.5(1)(直接滴定)による。この場合,試料0.3gをと
り,滴定溶剤はメタノールとする。
(4) 強熱残分(硫酸塩) 0.05%以下
JIS K 0067の4.4.4(4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)による。
試料2g及び硫酸1mlを用い,残分1mg以下。
(5) 鋭敏度
スルファニル酸10mg+水 (→20ml) →その1.0ml+塩酸1滴+亜硝酸ナトリウム溶液 (100g/l) 1滴→
10℃以下で3分間放置+アミド硫酸溶液 (100g/l) 0.5ml→3分間放置+試料溶液 (0.002g/l)(1)1.0ml……1
分間以内に明らかな紫紅色が現れる。
注(1) 試料溶液 (0.002g/l) の調製 試料0.20g→全量フラスコ1 000mlにとる→水を線まで加える→そ
の1.0ml+水 (→100ml)。
7. 容器 遮光した気密容器とする。
8. 表示 容器には,次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称 “N-1−ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩”及び“試薬”の文字
(2) 種類
(3) 化学式,式量
(4) 品質(純度)
(5) 内容量
(6) 製造番号
(7) 製造業者名又はその略号
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原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
川 瀬 晃
社団法人日本分析化学会
地 崎 修
通商産業省基礎産業局生物化学産業課
岡 林 哲 夫
工業技術院標準部繊維化学規格課
札 川 紀 子
物質工学工業技術研究所計測化学部
高 橋 孝 一
通商産業検査所検査部検査業務課
野々村 誠
都立工業技術センター無機化学部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
石 橋 無味雄
厚生省国立衛生試験所
森 崎 謙 一
社団法人日本化学工業協会
嶋 貫 孝
社団法人日本分析化学会
並 木 昭
財団法人化学品検査協会
鶴 田 利 行
硫酸協会
中 村 靖
日本鉱業協会
大 槻 孝
社団法人日本鉄鋼協会
坂 本 勉
財団法人日本規格協会
高 田 芳 矩
財団法人日本分析センター
日 暮 喜八郎
第一化学薬品株式会社
鈴 木 正 信
和光純薬工業株式会社
飯 岡 寛 一
柳島製薬株式会社
高 野 虞美子
東京化成工業株式会社
飛 田 和 彦
米山化学工業株式会社
山 岡 宏
片山化学工業株式会社
山 田 和 夫
関東化学株式会社
(事務局)
平 井 信 次
日本試薬連合会