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K 8160:2017  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 種類······························································································································· 2 

4 性質······························································································································· 2 

4.1 性状 ···························································································································· 2 

4.2 定性方法 ······················································································································ 2 

5 品質······························································································································· 2 

6 試験方法························································································································· 2 

6.1 一般事項 ······················································································································ 2 

6.2 純度(MnCl2・4H2O) ····································································································· 3 

6.3 水溶状 ························································································································· 4 

6.4 pH(50 g/L,25 ℃) ······································································································ 4 

6.5 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 5 

6.6 ナトリウム(Na),カリウム(K),マグネシウム(Mg)及びカルシウム(Ca) ························ 5 

6.7 ナトリウム(Na),銅(Cu),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),亜鉛(Zn),鉛(Pb), 

   鉄(Fe)及びニッケル(Ni) ··························································································· 7 

7 容器······························································································································· 9 

8 表示······························································································································· 9 

K 8160:2017  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 8160:2010は改正され,この規格に置き換えられた。 

なお,平成29年8月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ

ーク表示認証において,JIS K 8160:2010によることができる。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

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塩化マンガン (II) 四水和物(試薬) 

Manganese (II) chloride tetrahydrate 

MnCl2・4H2O  FW:197.91 

適用範囲 

この規格は,試薬として用いる塩化マンガン(II)四水和物について規定する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0116 発光分光分析通則 

JIS K 0121 原子吸光分析通則 

JIS K 0970 ピストン式ピペット 

JIS K 1107 窒素 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8085 アンモニア水(試薬) 

JIS K 8102 エタノール(95)(試薬) 

JIS K 8107 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬) 

JIS K 8116 塩化アンモニウム(試薬) 

JIS K 8121 塩化カリウム(試薬) 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8152 塩化ニッケル(II)六水和物(試薬) 

JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8201 塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬) 

JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8550 硝酸銀(試薬) 

JIS K 8563 硝酸鉛(II)(試薬) 

JIS K 8617 炭酸カルシウム(試薬) 

JIS K 8736 エリオクロムブラックT(試薬) 

JIS K 8891 メタノール(試薬) 

JIS K 8953 硫酸亜鉛七水和物(試薬) 

JIS K 8962 硫酸カリウム(試薬) 

JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬) 

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K 8160:2017  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS K 8983 硫酸銅(II)五水和物(試薬) 

JIS K 8995 硫酸マグネシウム七水和物(試薬) 

JIS K 9502 L(+)-アスコルビン酸(試薬) 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS R 3505 ガラス製体積計 

JIS Z 8802 pH測定方法 

種類 

種類は,特級とする。 

性質 

4.1 

性状 

塩化マンガン(II)四水和物は,うすい紅色の結晶又は結晶性粉末で,水に極めて溶けやすく,エタノ

ール(99.5)にやや溶けやすい。 

4.2 

定性方法 

定性方法は,次による。 

a) 試料1 gをはかりとり,水200 mLを加えて溶かす(A液)。A液10 mLに硝酸銀溶液(20 g/L)1 mL

を加えると白い沈殿が生じる。 

b) A液10 mLに硫酸(1+5)10 mL及び過よう素酸カリウム溶液(飽和)1 mLを加えて加熱すると紫赤

が現れる。 

注記 過よう素酸カリウムの溶解度は,0.66 g/100 mL(水,13 ℃)である。 

品質 

品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

表1−品質 

項目 

規格値 

試験方法 

純度(MnCl2・4H2O) 

質量分率 % 

99.0 以上 

6.2 

水溶状 

− 

試験適合 

6.3 

pH(50 g/L,25 ℃) 

− 

4.0〜6.5 

6.4 

硫酸塩(SO4) 

質量分率 % 

0.005 以下 

6.5 

ナトリウム(Na) 

質量分率 % 

0.005 以下 

6.6又は6.7 

カリウム(K) 

質量分率 % 

0.002 以下 

6.6 

銅(Cu) 

質量分率 ppm 

5 以下 

6.7 

マグネシウム(Mg) 

質量分率 % 

0.005 以下 

6.6又は6.7 

カルシウム(Ca) 

質量分率 % 

0.005 以下 

6.6又は6.7 

亜鉛(Zn) 

質量分率 % 

0.001 以下 

6.7 

鉛(Pb) 

質量分率 % 

0.001 以下 

6.7 

鉄(Fe) 

質量分率 % 

0.001 以下 

6.7 

ニッケル(Ni) 

質量分率 % 

0.002 以下 

6.7 

試験方法 

6.1 

一般事項 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

一般事項は,次による。 

a) 試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。 

b) 使用するガラス器具は,特に規定がない場合は,JIS R 3503及びJIS R 3505による。 

c) 使用する標準液は,計量計測トレーサビリティが確保された標準液を,使用用途に合致することを確

認し,必要ならば希釈して使用する。このような標準液がない場合,使用用途に合致することを確認

して市販の標準液を用いるか,又は調製したものを用いる。 

注記1 計量計測トレーサビリティが確保された標準液としては,計量標準供給制度[JCSS(Japan 

Calibration Service System)]に基づく標準液,国立研究開発法人産業技術総合研究所計量標

準総合センター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST),ドイツ連邦材料試験研究所

(BAM)などが供給する標準液及びこれらへの計量計測トレーサビリティが確保された市

販の認証標準液がある。 

d) 滴定用溶液の調製及び標定は,JIS K 8001の附属書JA(試験用溶液類の調製方法及び滴定用溶液類の

調製及び標定)による。市販品を用いる場合は,使用用途に合致することを確認する。 

注記2 計量計測トレーサビリティが確保された滴定用溶液としては,ISO/IEC 17025に基づく認

定試験所が認定の範囲で値付けした市販の滴定用溶液がある。 

6.2 

純度(MnCl2・4H2O) 

純度(MnCl2・4H2O)の試験方法は,次による。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) L(+)-アスコルビン酸 JIS K 9502に規定するもの。 

2) アンモニア性塩化アンモニウム溶液(pH 10) JIS K 8116に規定する塩化アンモニウム7 gをはか

りとり,JIS K 8085に規定するアンモニア水(質量分率28.0 %〜30.0 %)57 mL及び水を加えて溶

かし,水を加えて100 mLにする。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に密栓して保存する。 

3) エリオクロムブラックT希釈粉末(必要な場合に用いる。) JIS K 8736に規定するエリオクロムブ

ラックT 0.10 gをはかりとり,JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム10 gを加えて混合する。褐色

ガラス製瓶に保存する。 

4) エリオクロムブラックT溶液(必要な場合に用いる。) JIS K 8736に規定するエリオクロムブラッ

クT 0.5 gをはかりとり,JIS K 8891に規定するメタノールを加えて溶かし,JIS K 8891に規定する

メタノールを加えて100 mLにする。保存する場合,JIS K 8201に規定する塩化ヒドロキシルアン

モニウム0.5 gを加えて溶かし,JIS K 8891に規定するメタノールを加えて100 mLにする。褐色ガ

ラス製瓶に保存する。 

5) 0.1 mol/L エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(0.1 mol/L EDTA2Na溶液)

(C10H14O8N2Na2・2H2O:37.22 g/L) JIS K 8107に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリ

ウム二水和物を用い,6.1 d)による。 

b) 装置 主な装置は,次による。 

自動滴定装置(必要な場合に用いる。) 光度滴定の機能をもち,最小吐出量が0.01 mL以下のもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

試料0.6 gを三角フラスコ200 mLに0.1 mgの桁まではかりとり,水100 mLを加えて溶かし,0.1 mol/L 

EDTA2Na溶液約20 mLをビュレットを用いて加える。これに,L(+)-アスコルビン酸0.1 g,アンモニ

ア性塩化アンモニウム溶液(pH 10)10 mL及び指示薬エリオクロムブラックT希釈粉末0.03 g〜0.04 g

又はエリオクロムブラックT溶液2,3滴を加え,引き続き同じビュレットから0.1 mol/L EDTA2Na

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

溶液で滴定する。終点は,液の色が赤から赤紫を経て明らかな青に変わる点とする。 

または,光度滴定によって,波長620 nm〜660 nmで 0.1 mol/L EDTA2Na溶液で滴定する。終点は,

変曲点とする。 

d) 計算 純度(MnCl2・4H2O)は,次の式によって算出する。 

100

791

019

.0

×

×

×

=

m

f

V

A

ここに, 

A: 純度(MnCl2・4H2O)(質量分率 %) 

V: 滴定に要した0.1 mol/L EDTA2Na溶液の体積(mL) 

f: 0.1 mol/L EDTA2Na溶液のファクター 

m: はかりとった試料の質量(g) 

0.019 791: 0.1 mol/L EDTA2Na溶液1 mLに相当するMnCl2・4H2Oの

質量を示す換算係数(g/mL) 

6.3 

水溶状 

水溶状の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %〜61 %,特級)の体積1と水の体積2と

を混合する。 

2) 硝酸銀溶液(20 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gをはかりとり,水を加えて溶かし,水を加

えて100 mLにする。褐色ガラス製瓶に保存する。 

3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。 

なお,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)を調製する場合,JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム

1.65 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。

この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準は,“澄明”を用いる。 

澄明の限度標準の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)0.2 mLを共通すり合わせ平底試験管[6.3 

c)参照]にとり,水10 mL,硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,水を加えて20 

mLとし,振り混ぜてから15分間放置する。 

c) 器具 主な器具は,次のとおりとする。 

共通すり合わせ平底試験管 例として,容量50 mL,直径約23 mmで目盛のあるもの。 

d) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料2.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水を加えて溶かし,水を加えて20 mLにす

る。 

2) 試料を溶かした直後に濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を共通す

り合わせ平底試験管の上方又は側方から観察する。 

e) 判定 d)によって操作し,次の1)及び2)に適合するとき,“水溶状:試験適合(規格値)”とする。 

1) 試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。 

2) ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。 

6.4 

pH(50 g/L,25 ℃) 

pH(50 g/L,25 ℃)の試験方法は,次による。 

a) ガス及び試験用溶液類 ガス及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 窒素 JIS K 1107に規定するもの。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2) 二酸化炭素を除いた水 JIS K 8001の5.8 c)(二酸化炭素を除いた水)による。 

b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。 

1) 恒温水槽 25 ℃±0.5 ℃に調節できるもの。 

2) pH計 JIS Z 8802に規定する形式II以上の性能のもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料5.0 gを全量フラスコ100 mLにはかりとり,二酸化炭素を除いた水を加え

て溶かし,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合する。この液を適切な容量のビーカーにと

る。 

2) JIS Z 8802の8.2(測定方法)による。この場合,液温25 ℃±0.5 ℃の恒温水槽につけた試料溶液

の液面上に窒素を流し,かき混ぜながらはかる。 

6.5 

硫酸塩(SO4) 

硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。 

2) 塩化バリウム溶液(100 g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gをはかりとり,

水を加えて溶かし,水を加えて100 mLにする。 

3) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積2と水の体積1とを混合する。 

4) 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。 

なお,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8962に規定する硫酸カリウム

1.81 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。

この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。 

共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水15 mLを加えて溶か

し,塩酸(2+1)0.3 mL及び水を加えて25 mLにする。 

2) 比較溶液の調製は,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)5.0 mLを共通すり合わせ平底試験管にとり,

塩酸(2+1)0.3 mL及び水を加えて25 mLにする。 

3) 試料溶液及び比較溶液に,エタノール(95)3 mL及び塩化バリウム溶液(100 g/L)2 mLを加えて

振り混ぜた後,1時間放置する。 

4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。 

d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“硫酸塩(SO4):質量分率0.005 %以下(規格値)”とす

る。 

試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。 

6.6 

ナトリウム(Na),カリウム(K),マグネシウム(Mg)及びカルシウム(Ca) 

ナトリウム(Na),カリウム(K),マグネシウム(Mg)及びカルシウム(Ca)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 塩酸(2+1) 6.5 a) 3)による。 

2) カリウム標準液(K:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。 

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K 8160:2017  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

なお,カリウム標準液(K:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8121に規定する塩化カリウ

ム1.91 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,更に水を標線まで加えて混合

する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。ポリエ

チレンなどの樹脂製瓶に保存する。 

3) ナトリウム標準液(Na:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。 

なお,ナトリウム標準液(Na:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8150に規定する塩化ナト

リウム2.54 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合

する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。ポリエ

チレンなどの樹脂製瓶に保存する。 

4) マグネシウム標準液(Mg:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。 

なお,マグネシウム標準液(Mg:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8995に規定する硫酸マ

グネシウム七水和物10.1 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,塩酸(2+1)15 mL及び水を加

えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,

塩酸(2+1)15 mL及び水を標線まで加えて混合する。 

5) カルシウム標準液(Ca:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。 

なお,マグネシウム標準液(Mg:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8617に規定する炭酸カ

ルシウム2.50 gをはかりとり,水50 mL及び塩酸(2+1)15 mLを加え,沸騰しない程度に加熱し

て溶かし,更に二酸化炭素を除き,冷却する。これを全量フラスコ1 000 mLに移し,水を標線まで

加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,塩酸(2+1)15 mLを加え,

更に水を標線まで加えて混合する。カルシウム系の可塑剤を含まないポリエチレンなどの樹脂製瓶

に保存する。 

b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。 

フレーム原子吸光分析装置 装置の構成は,JIS K 0121に規定するもの。 

c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を表2に示す。 

表2−分析種の測定波長の例 

分析種 

測定波長 nm 

ナトリウム(Na) 

589.0 

カリウム(K) 

766.5 

マグネシウム(Mg) 

285.2 

カルシウム(Ca) 

422.7 

d) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを全量フラスコ100 mLにはかりとり,塩酸(2+1)1 mL及び水を加

えて溶かし,水を標線まで加えて混合する(X液)。 

2) 比較溶液の調製は,試料2.0 gを全量フラスコ100 mLにはかりとり,ナトリウム標準液(Na:0.01 

mg/mL)10 mL,カリウム標準液(K:0.01 mg/mL)4.0 mL,マグネシウム標準液(Mg:0.01 mg/mL)

10 mL,カルシウム(Ca:0.01 mg/mL)10 mL,塩酸(2+1)l mL及び水を加えて溶かし,水を標線

まで加えて混合する(Y液)。 

なお,カリウム(K)だけを測定する場合,他の分析種の標準液は,加えない。 

3) 空試験溶液の調製は,全量フラスコ100 mLに塩酸(2+1)1 mLをとり,水を標線まで加えて混合

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

する(Z液)。 

4) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をフレーム中に噴霧し,表2に示す測定波長付近で吸光

度が最大となる波長を設定する。X液,Y液及びZ液をそれぞれフレーム中に噴霧し,X液の指示

値n1,Y液の指示値n2及びZ液の指示値n3を読み取る。 

5) 測定結果は,X液の指示値からZ液の指示値を引いたn1−n3をY液の指示値からX液の指示値を

引いたn2−n1とを比較する。 

e) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“ナトリウム(Na):質量分率0.005 %以下(規格値),

カリウム(K):質量分率0.002 %以下(規格値),マグネシウム(Mg):質量分率0.005 %以下(規格

値),カルシウム(Ca):質量分率0.005 %以下(規格値)”とする。 

n1−n3は,n2−n1より大きくない。 

注記 分析種の含有率(質量分率 %)は,次の式によって求めることができる。 

100

000

1

1

2

3

1

×

×

×

=a

n

n

n

n

B

A

ここに, 

A: 分析種の含有率(質量分率 %) 

B: 用いた標準液中の分析種の質量(mg) 

a: はかりとった試料の質量(g) 

6.7 

ナトリウム(Na),銅(Cu),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),亜鉛(Zn),鉛(Pb),鉄(Fe)

及びニッケル(Ni) 

ナトリウム(Na),銅(Cu),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),亜鉛(Zn),鉛(Pb),鉄(Fe)

及びニッケル(Ni)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 塩酸(2+1) 6.5 a) 3)による。 

2) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1)による。 

3) イットリウム標準液(Y:1 mg/mL) 次のいずれかを用いる。 

3.1) 硝酸イットリウム(III)六水和物(質量分率99.9 %以上)4.31 gを全量フラスコ1 000 mLにはか

りとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。 

3.2) 酸化イットリウム(III)(質量分率99.99 %以上)1.27 gをビーカー200 mLなどにはかりとり,硝

酸(質量分率60 %〜61 %,特級)75 mLを加えて,熱板(ホットプレート)上で加熱し溶解させ,

全量フラスコ1 000 mLに移し,ビーカー200 mLなどを洗い,洗液を全量フラスコ1 000 mLに加

えた後,水を標線まで加えて混合する。 

注記 イットリウム標準液(Y:1 mg/mL)は,ICP発光分光分析法で発光強度を補正するための

内標準である。市販のイットリウム標準液(Y:1 mg/mL)は,使用目的に合致した場合に

は,市販のものを用いてもよい。 

4) ナトリウム標準液(Na:0.01 mg/mL) 6.6 a) 3)による。 

5) 銅標準液(Cu:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。 

なお,銅標準液(Cu:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8983に規定する硫酸銅(II)五水

和物3.93 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて溶かし,水

を標線まで加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸(1+2)25 

mLを加え,水を標線まで加えて混合する。 

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K 8160:2017  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6) マグネシウム標準液(Mg:0.01 mL) 6.6 a) 4)による。 

7) カルシウム標準液(Ca:0.01 mg/mL) 6.6 a) 5)による。 

8) 亜鉛標準液(Zn:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。 

なお,亜鉛標準液(Zn:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8953に規定する硫酸亜鉛七水和

物4.40 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて溶かし,水を

標線まで加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸(1+2)25 mL

を加え,水を標線まで加えて混合する。 

9) 鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。 

なお,鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8563に規定する硝酸鉛(II)1.60 g

を全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて溶かし,水を標線まで

加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸(1+2)25 mLを加え,

更に水を標線まで加えて混合する。 

10) 鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。 

なお,鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム

鉄(III)・12水8.63 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて

溶かし,水を標線まで加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸

(1+2)25 mLを加え,水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に保存する。 

11) ニッケル標準液(Ni:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。 

なお,ニッケル標準液(Ni:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8152に規定する塩化ニッケ

ル(II)六水和物4.05 g(質量分率100 %としての相当量)を全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,

硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。この液10 mLを全量フ

ラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸(1+2)25 mLを加え,水を標線まで加えて混合する。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。 

1) ピストン式ピペット JIS K 0970に規定するもの。 

2) ICP発光分光分析装置 装置の構成は,JIS K 0116に規定するもの。 

c) 分析種及び内標準イットリウムの測定波長 分析種及び内標準イットリウムの測定波長の例を表3に

示す。 

なお,別の条件でも同等の試験結果が得られる場合には,その条件を用いてもよい。 

表3−分析種及び内標準イットリウムの測定波長の例 

分析種 

波長 nm 

ナトリウム(Na) 

589.592 

銅(Cu) 

327.395 

マグネシウム(Mg) 

285.213 

カルシウム(Ca) 

396.847 

亜鉛(Zn) 

213.857 

鉛(Pb) 

217.000 

鉄(Fe) 

238.204 

ニッケル(Ni) 

230.299 

イットリウム(Y) 

360.074 

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K 8160:2017  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを全量フラスコ50 mLにはかりとり,硝酸(1+2)1 mL,イットリ

ウム標準液(Y:1 mg/mL)50 μL及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する(X液)。 

2) 3個の全量フラスコ50 mLを準備する。それぞれに硝酸(1+2)1 mL,イットリウム標準液(Y:1 

mg/mL)50 μL及び水 10 mLをとり,ピストン式ピペットで表4に示す各標準液の体積を3段階に

とり,水を標線まで加えて混合する(それぞれ,Y1液,Y2液及びY3液とする。)。 

表4−採取する標準液の体積 

標準液 

mg/mL 

採取量 μL 

Y1 

Y2 

Y3 

ナトリウム標準液(Na) 

0.01 

2 000 

5 000 

8 000 

銅標準液(Cu) 

0.01 

250 

500 

1 000 

マグネシウム標準液(Mg)  0.01 

2 000 

5 000 

8 000 

カルシウム標準液(Ca) 

0.01 

2 000 

5 000 

8 000 

亜鉛標準液(Zn) 

0.01 

500 

1 000 

2 000 

鉛標準液(Pb) 

0.01 

500 

1 000 

2 000 

鉄標準液(Fe) 

0.01 

500 

1 000 

2 000 

ニッケル標準液(Ni) 

0.01 

1 000 

2 000 

4 000 

3) 空試験溶液の調製は,全量フラスコ50 mLに硝酸(1+2)1 mL及びイットリウム標準液(Y:1 mg/mL)

50 μLをとり,水を標線まで加えて混合する(Z液)。 

4) ICP発光分光分析装置の一般事項は,JIS K 0116の箇条4(ICP発光分光分析)による。 

5) ICP発光分光分析装置は,高周波プラズマを点灯するなどによって,発光強度を測定できる状態に

する。 

6) 同一分析種ごとに複数波長を選択し,Y1液,Y2液及びY3液を用いて,関係線を作成し,関係線

のy切片が低く,感度及び直線性が良好な波長を選択する。この条件を満たせない場合,分析結果

に対する影響(定量限界,再現精度)を考慮して選択する。 

7) Z液,X液,Y1液,Y2液及びY3液をアルゴンプラズマ中に噴霧し,分析種の発光強度を測定する。 

e) 計算 JIS K 0116の4.7.3のa) 2)[強度比法(内標準法)]によって検量線を作成し,分析種の含有率

を計算する。 

f) 

判定 d)によって操作し,e)によって計算し,次に適合するとき,“ナトリウム(Na):質量分率0.005 %

以下(規格値),マグネシウム(Mg):質量分率0.005 %以下(規格値),カルシウム(Ca):質量分率

0.005 %以下(規格値),銅(Cu):質量分率5 ppm以下(規格値),亜鉛(Zn):質量分率0.001 %以下

(規格値),鉛(Pb):質量分率0.001 %以下(規格値),鉄(Fe):質量分率0.001 %以下(規格値),

ニッケル(Ni):質量分率0.002 %以下(規格値)”とする。 

計算して得られた含有率が,規格値を満足している。 

容器 

容器は,気密容器とする。 

表示 

容器には,次の事項を表示する。 

10 

K 8160:2017  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 日本工業規格番号 

b) 名称“塩化マンガン(II)四水和物”及び“試薬”の文字 

c) 種類 

d) 化学式及び式量 

e) 純度 

f) 

内容量 

g) 製造番号 

h) 製造業者名又はその略号