2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 8154-1995
塩化パラジウム (II) (試薬)
Palladium (II) chloride
PdCl2 FW : 177.33
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いる塩化パラジウム (II) について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 8001 試薬試験方法通則
2. 共通事項 この規格に共通する事項は,JIS K 8001による。
3. 種類 特級
4. 性質 塩化パラジウム (II) は,次の性質を示す。
(1) 性状 塩化パラジウム (II) は,暗い褐色の粉末で,吸湿性がある。水に溶けにくく,エタノールにほ
とんど溶けない。うすい塩酸に溶ける。
(2) 定性方法
(a) 試料0.1gに硝酸 (1+2) 2ml及び水40mlを加えて加熱して溶かし,硝酸銀溶液 (20g/l) 1mlを加える
と白い沈殿が生じる。
(b) 試料0.1gに塩酸 (2+1) 1ml及び水10mlを加えて加熱して溶かし,ジメチルグリオキシム・エタノ
ール溶液1mlを加えると黄色の沈殿が生じる。
5. 品質 品質は,6.によって試験し,表1に適合しなければならない。
表1 品質
項目
規格値
純度(乾燥後)
99.0%以上
希塩酸溶状
試験適合
乾燥減量 (105℃)
1.0%以下
硝酸塩
試験適合
銀 (Ag)
0.001%以下
銅 (Cu)
0.001%以下
鉄 (Fe)
0.005%以下
6. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
2
K 8154-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(1) 純度(乾燥後) 99.0%以上
(a) 操作 (3)の残分0.5g(0.1mgのけたまではかる)+塩酸 (2+1) 5ml+水50ml→水浴上で加熱して溶
かす→全量フラスコ250mlに水で洗い入れ,水を標線まで加える→その25ml(正確にとる)をビー
カー300mlに入れる+水50ml+0.01mol/lEDTA2Na溶液40ml(正確にとる)→酢酸ナトリウム溶液
(200g/l) でpH5.0に調節→5分間煮沸→冷却→酢酸ナトリウム溶液 (200g/l) を滴下してpH5.0±0.2
に保ちながら→0.01mol/l酢酸亜鉛溶液で逆滴定 (aml) (指示薬:キシレノールオレンジ溶液。終点
は液の黄色が赤みを帯びた黄色に変わる点)。
別に同一条件で空試験を行う (bml)。
(b) 計算
100
250
25
)
(
3
773
001
.0
×
×
×
−
×
=
S
f
a
b
A
ここに,
A: 純度 (%)
S: はかりとった試料の質量 (g)
f: 0.01mol/l酢酸亜鉛溶液のファクター
0.001 773 3: 0.01mol/lEDTA2Na1mgのPdCl2相当量 (g)
(2) 希塩酸溶状
試料0.1g+塩酸 (2+1) 1ml+水10ml→水浴上で加熱して溶かす→冷却+水 (→40ml) →その20ml
……澄明。
(3) 乾燥減量 (105℃) 1.0%以下
JIS K 0067の4.1.4(1)(第1法 大気圧下で加熱乾燥する方法)による。この場合,試料1.0g(0.1mg
のけたまではかる)を用いて105℃で3時間乾燥し,減量10mg以下。
(4) 硝酸塩
試験溶液:試料0.10g+水25ml+塩酸 (2+1) 0.1ml→水浴上で加熱して溶かす→冷却+水酸化ナト
リウム溶液 (100g/l) 4ml+ホルムアルデヒド液3ml→煮沸(上澄み液が透明になるまで)→ろ過→水で
洗う→(ろ液+洗液)→水浴上で蒸発乾固+水2m1+硫酸 (1+15) 0.5ml+水 (→10ml)。
操作:試験溶液10ml+インジゴカルミン溶液 (1.8g/l) 0.10ml→硫酸10mlを振り混ぜながら徐々に加
える→10分間放置……青を保つ(N03:約0.05%以下)。
(5) 銀 (Ag) 0.001%以下
試料側溶液:試料2.5g+塩酸 (2+1) 3ml+水20ml→水浴上で加熱して溶かす→冷却+水 (→50ml)
(S液)。
S液20ml(試料量1g)+水 (→100ml) (X液)[(6)及び(7)の試験にも用いる]。
標準側溶液:S液20ml+銀標準液 (0.01mgAg/ml) 1.0ml+銅標準液 (0.01mgCu/ml) 1.0ml+鉄標準液
(0.01mgFe/ml) 5.0ml+水 (→100ml) (Y液)[(6)及び(7)の試験にも用いる]。
空試験溶液:塩酸 (2+1) 1.2ml+水 (→100ml) (Z液)[(6)及び(7)の試験にも用いる]。
操作:JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。測定波長328.1nm。
(6) 銅 (Cu) 0.001%以下
試料側溶液:(5)のX液。
標準側溶液:(5)のY液。
空試験溶液:(5)のZ液。
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K 8154-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
操作:JIS K 8001の5.31(1)(d)による。測定波長324.7nm。
(7) 鉄 (Fe) 0.005%以下
試料側溶液:(5)のX液。
標準側溶液:(5)のY液。
空試験溶液:(5)のZ液。
操作:JIS K 8001の5.31(1)(d)による。測定波長248.3nm。
7. 容器 気密容器とする。
8. 表示 容器には,次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称 “塩化パラジウム (II) ”及び“試薬”の文字
(2) 種類
(3) 化学式,式量
(4) 品質(純度)
(5) 内容量
(6) 製造番号
(7) 製造年月又はその略号
(8) 製造業者名又はその略号
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
久保田 正 明
物質工学工業技術研究所計測化学部
地 崎 修
通商産業省基礎産業局生物化学産業課
津 田 博
通商産業省機械情報産業局計量行政室
倉 剛 進
工業技術院標準部繊維化学規格課
喜多川 忍
通商産業検査所化学部化学標準課
野々村 誠
都立工業技術センター無機化学部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
石 橋 無味雄
厚生省国立衛生試験所
川 瀬 晃
社団法人日本分析化学会
柳 瀬 斉 彦
社団法人日本化学工業協会
藤 貫 正
社団法人日本分析化学会
並 木 昭
財団法人化学品検査協会
鶴 田 利 行
硫酸協会
中 村 靖
日本鉱業協会
大 槻 孝
社団法人日本鉄鋼協会
日 暮 喜八郎
第一化学薬品株式会社
北 田 佳 伸
和光純薬工業株式会社
飯 岡 寛 一
柳島制約株式会社
高 野 虞美子
東京化成工業株式会社
飛 田 和 彦
米山化学工業株式会社
山 岡 宏
片山化学工業株式会社
山 田 和 夫
関東化学株式会社
(事務局)
平 井 信 次
日本試薬連合会