2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 8153-1995
ヘキサクロロ白金 (IV) 酸六水和物
(試薬)
Hydrogen hexachloroplatinate (IV) hexahydrate
H2PtCl6・6H2O FW : 517.90
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いるヘキサクロロ白金 (IV) 酸六水和物(1)について規定する。
注(1) 別名:塩化白金酸六水和物
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 8001 試薬試験方法通則
2. 共通事項 この規格に共通する事項は,JIS K 8001による。
3. 種類 特級
4. 性質 ヘキサクロロ白金 (IV) 酸六水和物は,次の性質を示す。
(1) 性状 ヘキサクロロ白金 (IV) 酸六水和物は,赤褐色の結晶又は結晶塊で,潮解性が強い。水に極め
て溶けやすく,エタノール及びジエチルエーテルにやや溶けやすい。水溶液は酸性である。
(2) 定性方法 6.(2)のA液1mlに塩化カリウム溶液 (100g/l) 0.5mlを加えると,黄色の沈殿が生じる。
5. 品質 品質は,6.によって試験し,表1に適合しなければならない。
表1 品質
項目
規格値
純度
98.5%以上
水溶状
試験適合
エタノール溶状
試験適合
硝酸可溶分(強熱後) 0.2%以下
硝酸塩
試験適合
硫酸塩
試験適合
2
K 8153-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
(1) 純度 98.5%以上
(a) 操作 試料0.5g(0.1mgのけたまではかる)+水10ml+塩化アンモニウム飽和溶液10ml→ふたをし
て18時間放置→ろ紙(5種C)を用いてろ過→沈殿を塩化アンモニウム飽和溶液20mlで洗う→恒
量にした磁器るつぼ (a g) に沈殿をろ紙ごと入れる→乾燥→徐々に加熱→炭化→強熱→デシケータ
ー中で放冷→質量をはかる (b g)。
(b) 計算
100
8
654
.2
)
(
×
×
S
a
b
A
−
=
ここに,
A: 純度 (%)
S: はかりとった試料の質量 (g)
2.654 8:
の原子量
の式量
Pt
O
・6H
PtCl
H
2
6
2
(2) 水溶状
試料1.0g+水 (→10ml) ……澄明(A液)[定性方法,(5)及び(6)の試験に用いる]。
(3) エタノール溶状
試料0.5g+エタノール (95) (→5ml) ……澄明[(4)の試験に用いる]。
(4) 硝酸可溶分(強熱後) 0.2%以下
(3)の溶液5ml(試料量0.5g)→磁器るつぼにとる→水浴上で蒸発乾固→徐々に加熱→強熱→冷却+
硝酸 (1+2) 5ml→水浴上で15分間加熱+水10ml→ろ紙(5種C)を用いてろ過→恒量にした磁器るつ
ぼにろ液をとる→ろ紙を熱水5mlで洗う→ろ液と洗液を合わせる→水浴上で蒸発乾固→強熱→デシケ
ーター中で放冷→質量をはかる……残分1mg以下。
(5) 硝酸塩
試料側溶液:(2)のA液0.5ml(試料0.05g)+水 (→10ml) +インジゴカルミン溶液 (1.8g/l) 0.10ml。
対照側溶液:(2)のA液0.5ml+水 (→10ml)。
操作:試料側溶液,対照側溶液それぞれに,+硫酸10ml(振り混ぜながら徐々に加える)→10分
間放置……試料側の色は対照側より青い(NO3:約0.1%以下)。
(6) 硫酸塩
(2)のA液5ml(試料0.5g)+水 (→10ml) +塩化バリウム溶液 (100g/l) 2ml→30分間放置……澄明
(SO4:約0.005%以下)。
7. 容器 気密容器とする。
8. 表示 容器には,次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称 “ヘキサクロロ白金 (IV) 酸六水和物”及び“試薬”の文字
(2) 種類
(3) 化学式,式量
(4) 品質(純度)
(5) 内容量
(6) 製造番号
3
K 8153-1995
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(7) 製造年月及びその略号
(8) 製造業者名又はその略号
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
久保田 正 明
物質工学工業技術研究所計測化学部
地 崎 修
通商産業省基礎産業局生物化学産業課
津 田 博
通商産業省機械情報産業局計量行政室
倉 剛 進
工業技術院標準部繊維化学規格課
喜多川 忍
通商産業検査所化学部化学標準課
野々村 誠
都立工業技術センター無機化学部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
石 橋 無味雄
厚生省国立衛生試験所
川 瀬 晃
社団法人日本分析化学会
柳 瀬 斉 彦
社団法人日本化学工業協会
藤 貫 正
社団法人日本分析化学会
並 木 昭
財団法人化学品検査協会
鶴 田 利 行
硫酸協会
中 村 靖
日本鉱業協会
大 槻 孝
社団法人日本鉄鋼協会
日 暮 喜八郎
第一化学製薬株式会社
北 田 佳 伸
和光純薬工業株式会社
飯 岡 寛 一
柳島製薬株式会社
高 野 虞美子
東京化成工業株式会社
飛 田 和 彦
米山化学工業株式会社
山 岡 宏
片山化学工業株式会社
山 田 和 夫
関東化学株式会社
(事務局)
平 井 信 次
日本試薬連合会