K 8150:2006
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬
協会(JRA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8150:1994は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical
analysis―Part 2:Specifications―First seriesを基礎として用いた。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS K 8150には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
目次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 一般事項 ························································································································ 1
4. 種類 ······························································································································ 1
5. 性質 ······························································································································ 1
5.1 性状 ···························································································································· 1
5.2 定性方法 ······················································································································ 1
6. 品質 ······························································································································ 2
7. 試験方法 ························································································································ 2
7.1 試験条件及び試験結果 ···································································································· 2
7.2 純度 (NaCl) ·················································································································· 2
7.3 水溶状 ························································································································· 2
7.4 pH (50 g/l,25 ℃) ·········································································································· 2
7.5 臭化物 ························································································································· 2
7.6 よう化物 ······················································································································ 2
7.7 りん酸塩 (PO4) ············································································································· 2
7.8 硫酸塩 (SO4) ················································································································ 3
7.9 窒素化合物(Nとして) ·································································································· 3
7.10 カリウム (K) ··············································································································· 3
7.11 銅 (Cu) ······················································································································· 3
7.12 マグネシウム (Mg) ······································································································· 3
7.13 カルシウム (Ca) ··········································································································· 3
7.14 バリウム (Ba) ·············································································································· 3
7.15 鉛 (Pb) ······················································································································· 4
7.16 鉄 (Fe) ······················································································································· 4
7.17 ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸塩[Fe(CN)6] ············································································ 4
8. 容器 ······························································································································ 4
9. 表示 ······························································································································ 4
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 6
1
K 8150:2006
日本産業規格 JIS
K 8150:2006
塩化ナトリウム(試薬)
Sodium chloride
NaCl FW:58.44
序文 この規格は,1983年に第1版として発行されたISO 6353-2,Reagents for chemical analysis―Part
2:Specifications―First seriesを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書に示す。
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いる塩化ナトリウムについて規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical analysis―Part 2:Specifications―First series (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8802 ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸カリウム三水和物(試薬)
JIS K 8848 ヘキサン(試薬)
JIS K 8979 硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)六水和物(試薬)
JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(Ⅲ)・12水(試薬)
JIS K 9009 りん酸二水素ナトリウム二水和物(試薬)
3. 一般事項 試験方法の一般的な事項は,JIS K 8001による。
4. 種類 種類は,特級とする。
5. 性質
5.1
性状 塩化ナトリウムは,白い結晶又は結晶性粉末で,水に溶けやすく,エタノールに溶けにくい。
5.2
定性方法 定性方法は,次による。
a) 試料1 gに水200 mlを加えて溶かす(A液)。A液10 mlに硝酸 (1+2) 0.05 mlを加え,更に硝酸銀溶
2
K 8150:2006
液 (20 g/l)1 mlを加えると白い沈殿が生じる。
b) A液を用いてJIS K 8001の5.29(炎色試験)(1)(アルカリ金属及びアルカリ土類金属試験法)による
と,黄色が現れる。
6. 品質 品質は,7.によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表 1 品質
項目
規格値
純度 (NaCl)
水溶状
pH (50 g/l,25 ℃)
臭化物
よう化物
りん酸塩 (PO4)
硫酸塩 (SO4)
窒素化合物(Nとして)
カリウム (K)
銅(Cu)
マグネシウム (Mg)
カルシウム (Ca)
バリウム (Ba)
鉛 (Pb)
鉄 (Fe)
ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸塩 [Fe(CN)6]
質量分率 %
質量分率 ppm
質量分率 %
質量分率 %
質量分率 %
質量分率 ppm
質量分率 %
質量分率 %
質量分率 %
質量分率 ppm
質量分率 ppm
質量分率 ppm
99.5以上
試験適合
5.0〜8.0
試験適合
試験適合
5以下
0.002以下
0.001以下
0.005以下
2以下
0.002以下
0.002以下
0.001以下
2以下
2以下
1以下
7. 試験方法
7.1
試験条件及び試験結果 JIS K 8001の3.7(試験操作など)(1)(試験の環境)による。湿度管理は必
要に応じ実施する。また,表1で規定する各品質項目の試験は,次の各試験方法によって行い,得られる
計算値及び操作結果は,JIS K 8001の3.5(測定値)による。
7.2
純度 (NaCl) 試料約0.2 gを0.1 mgのけたまではかり,水50 mlを加えて溶かして,0.1 mol/l硝酸
銀溶液を用い,JIS K 0113の5.(電位差滴定法)によって電位差滴定を行う。指示電極は銀電極,参照電
極は銀比較電極を用いる。この場合,0.1 mol/l硝酸銀溶液1 mlは,0.005 844 g NaClに相当する。
7.3
水溶状 JIS K 8001の5.2(溶状)による。この場合,試料1 gをとり,濁りの程度の適合限度標準
は(a)(澄明)を用いる。
7.4
pH (50 g/l,25 ℃) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料溶液 試料5.0 gに二酸化炭素を含まない水を加えて溶かして100 mlにする。
b) 操作 JIS K 8001の5.5(pH)(2)による。
7.5
臭化物 試料1.0 gを共通すり合わせ試験管にとり,水5 mlを加え溶かす。塩酸 (2+1) 3滴及びJIS
K 8848に規定するヘキサン1 mlを加え,p−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム溶液3滴を振り混
ぜながら滴下する。このとき,ヘキサン層に黄〜黄赤が現れないこと(Br:約質量分率0.01 %以下)。
7.6
よう化物 試料2.0 gを共通すり合わせ試験管にとり,水10 mlを加え溶かす。塩化鉄(Ⅲ)溶液3
滴及びJIS K 8848に規定するヘキサン1 mlを加えて振り混ぜ,30分間放置し,再び振り混ぜる。このと
き,ヘキサン層に赤紫〜紫が現れないこと(I:約質量分率0.002 %以下)。
7.7
りん酸塩 (PO4) 溶液の調製及び操作は,次による。
3
K 8150:2006
a) 試料側溶液 試料2.0 gに水を加えて溶かして20 mlにする。
b) 標準側溶液 りん酸標準液 (PO4:0.01 mg/ml) 1.0 mlに水を加えて20 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.13[りん酸塩 (PO4)](1)(比色法)による。
7.8
硫酸塩 (SO4) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gに塩酸 (2+1) 0.3 ml及び水を加えて溶かして25 mlにする。
b) 標準側溶液 硫酸塩標準液 (SO4:0.01 mg/ml) 4.0 mlに塩酸(2+1)0.3 mlを加え,更に水を加えて25
mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.15 [硫酸塩 (SO4)] (1)(比濁法)による。
7.9
窒素化合物(Nとして) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料1.0 gに水を加えて溶かして140 mlにする。
b) 標準側溶液 窒素標準液(N:0.01 mg/ml)1.0 mlに水を加えて140 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.12[窒素化合物(Nとして)](4)(蒸留−インドフェノール青法)による。
7.10 カリウム (K) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料1.0 gに水を加えて溶かして100 mlにする(X液)。
b) 標準側溶液 試料1.0 gにカリウム標準液 (K:0.1 mg/ml) 0.50 ml及び水を加えて溶かして100 mlにす
る(Y液)。
c) 操作 JIS K 8001の5.30(炎光光度法)による。
7.11 銅 (Cu) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料10 gに塩酸 (2+1) 1 ml及び水を加えて溶かして80 mlにする。
b) 標準側溶液 試料10 gに銅標準液 (Cu:0.01 mg/ml) 2.0 ml,鉛標準液 (Pb:0.01 mg/ml) 2.0 ml,鉄標
準液 (Fe:0.01 mg/ml) 2.0 ml,塩酸 (2+1) 1 ml及び水を加えて溶かして80 mlにする。
c) 空試験用溶液 塩酸 (2+1) 1 mlに水を加えて5 mlにする。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(2)(抽出液噴霧法)による(操作の途中で得られるX液,Y
液及びZ液は7.15及び7.16の試験にも用いる。)。
7.12 マグネシウム (Mg) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料1.0 gに塩酸 (2+1) 1 ml及び水を加えて溶かして100 mlにする(X液)(X液は,
7.13の試験にも用いる。)。
b) 標準側溶液 試料1.0 gにマグネシウム標準液 (Mg:0.01 mg/ml) 2.0 ml,カルシウム標準液 (Ca:0.01
mg/ml) 2.0 ml,塩酸 (2+1) 1 ml及び水を加えて溶かして100 mlにする(Y液)(Y液は,7.13の試験
にも用いる。)。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(1)(d)による。
7.13 カルシウム (Ca) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.12のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.12のY液を用いる。
c) 操作 JIS K 8001の5.31 (1)(d)による。
7.14 バリウム (Ba) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料8 gに水を加えて溶かして40 mlにする(B液)。B液20 ml(試料量4 g)をとり,
水を加えて25 mlにする。
b) 標準側溶液 B液10 ml(試料量2 g)にバリウム標準液 (Ba:0.01 mg/ml) 2.0 ml及び水を加えて25 ml
にする。
4
K 8150:2006
c) 操作 JIS K 8001の5.20[バリウム (Ba)](2)(クロム酸バリウム法)による。
7.15 鉛 (Pb) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.11のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.11のY液を用いる。
c) 空試験用溶液 7.11のZ液を用いる。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(2)(抽出液噴霧法)(d)③による。
7.16 鉄 (Fe) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.11のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.11のY液を用いる。
c) 空試験用溶液 7.11のZ液を用いる。
d) 操作 JIS K 8001の5.31 (2) (d) ③による。
7.17 ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸塩[Fe(CN)6] 溶液の調製,操作及び判定は,次による。
a) 試料側溶液 試料3.5 gをとり,少量の水を加えて溶かし,更に水を加えて12 mlにする。硫酸(質量
分率20 %)0.2 ml及び鉄(Ⅱ)/鉄(Ⅲ)溶液(1) 0.2 mlを加え,よく振り混ぜて2分間放置する。
b) 標準側溶液 試料1 gにヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸塩標準液 [Fe(CN)6:0.001 mg/ml](2) 2.5 ml及び少量の
水を加えて溶かし,更に水を加えて12 mlにする。硫酸(質量分率20 %)0.2 ml及び鉄(Ⅱ)/鉄(Ⅲ)
溶液(1) 0.2 mlを加え,よく振り混ぜて2分間放置する。
c) 操作 試料側溶液,標準側溶液それぞれにりん酸二水素ナトリウム溶液1 ml (3)を加え,30分間放置す
る。
d) 判定 試料側の色は,標準側の青より濃くないこと。
注(1) 鉄(Ⅱ)/鉄(Ⅲ)溶液の調製は,JIS K 8979に規定する硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)六水和物
10 gとJIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム鉄(Ⅲ)・12水1 gとを水に溶かし,硫酸(質
量分率20 %)5 ml及び水を加えて100 mlにする。
(2) ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸塩標準液の調製は,JIS K 8802に規定するヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸カ
リウム三水和物1.99 gに水を加えて1 000 mlにする[Fe(CN)6:1 mg/ml]。この25 mlをとり,水を
加えて250 mlにする。更にこの10 mlをとり,水を加えて1 000 mlにする。
(3) りん酸二水素ナトリウム溶液の調製は,JIS K 9009に規定するりん酸二水素ナトリウム二水和
物20 gを水に溶かし,硫酸(質量分率20 %)1 ml及び水を加えて100 mlにする。
8. 容器 容器は,気密容器とする。
9. 表示 容器には,次の事項を表示する。
a) 名称 “塩化ナトリウム”及び“試薬”の文字
b) 種類
c) 化学式及び式量
d) 純度
e) 内容量
f) 製造番号
g) 製造業者名又はその略号
5
K 8150:2006
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 8150:2006 塩化ナトリウム(試薬)
ISO 6353‒2:1983,化学分析用試薬−第2部:仕様−第1シリーズ
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国
際規格番
号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1. 適用範
囲
試薬として用いる塩化ナ
トリウムについて規定。
1
化学分析用試薬
40品目の仕様に
ついて規定。
MOD/変更
JISは1品目1規格。
試薬の規格使用者が各規格を多く引
用しやすくするために1品目1規格と
している。
なお,対応国際規格は20年以上見
直しをされていなく市場の実態に合
わない。国際規格の改正提案を検討す
る。
2. 引用規
格
JIS K 0113
JIS K 8001
JIS K 8802
JIS K 8848
JIS K 8979
JIS K 8982
JIS K 9009
1
ISO 6353‒1
MOD/変更
ISO規格1件を削除し,JIS
を追加・引用,基本的には
同等内容。
該当する対比項目を参照。
3. 一般事
項
JIS K 8001による。
―
―
MOD/追加
項目を追加。
JIS K 8001を引用。
編集上の差異であり,技術的な差異で
はない。
4. 種類
―
―
MOD/追加
種類の項目を追加。
JISは種類として“特級”だけなので,
ISO規格と技術的な差異はない。
5. 性質
―
―
MOD/追加
塩化ナトリウムの性質の
項を追加。
一般的な説明事項であり,技術的な差
異はない。
6. 品質
R32.1
MOD/変更
1) 品質に差異のある項
目:カリウム。
2) ISO規格の重金属を
JISは銅,鉛に変更。
3) 追加した項目:水溶状。
ISO規格は,長期間内容の見直しが行
われず国際市場でISO規格品が用いら
れることはほとんどない。技術的差異
も軽微(1)(2)(3)である。
2
K
8
1
5
0
:
0
0
0
0
5
K
8
1
5
0
:
2
0
0
6
6
K 8150:2006
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国
際規格番
号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの評
価
技術的差異の内容
−
R 32.2
試験溶液の調製。
JISは試験方法の該当項
目で個別に規定。
編集上の差異であり,技術的な差異ではな
い。
7. 試験方
法
7.1試験条
件及び試
験結果
R32.3
MOD/追加
一般的な試験条件及び試験結果に関
する事項であり,技術的な差異はな
い。
7.2
純度
(NaCl)
電位差滴定法
R32.3.1
電位差適定法
ただし,硝酸を添
加。
MOD/変更
1) ISO規格は硝酸を
添加。
2) JIS K 0113の5.を
引用。
技術的な差異は軽微であり,対策は考
慮しない。
7.3水溶状
MOD/追加
項目を追加。
JISとして必要。ISO規格の見直し時
に,改正提案の検討を行う予定。
7.4 pH
(50g/l,
25 ℃)
溶液濃度はg/lで規定。
R32.3.2
溶液濃度は質量
分率%で規定。
MOD/変更
1) ISO規格は溶液濃
度を質量分率%で
規定,JISは溶液濃
度をg/lで規定。
2) JIS K 8001の5.5を
引用。
JISは操作性から溶液濃度をg/lで規
定。ISO規格の見直し時に,改正提案
の検討を行う予定。
7.5臭化物
抽出溶剤にヘキサンを使
用。
R32.3.4
酸化剤にクロム
酸溶液,抽出溶剤
に四塩化炭素を
使用。
MOD/変更
ISO規格は酸化剤にク
ロム酸溶液,抽出溶剤
に四塩化炭素を使用。
JISは抽出溶剤にヘキ
サンを使用。
ISO規格の酸化剤にクロム酸溶液,抽
出溶剤に四塩化炭素の使用は,環境・
安全上,変更が必要。ISO規格の見直
し時に,改正提案の検討を行う予定。
7.6よう化
物
抽出溶剤にヘキサンを使
用。
R32.3.3
抽出溶剤に四塩
化炭素を使用。
MOD/変更
ISO規格は,抽出溶剤
に四塩化炭素を使用。
JISは抽出溶剤にヘキ
サンを使用。
ISO規格は抽出溶剤に四塩化炭素の使
用は,環境・安全上,変更が必要。ISO
規格の見直し時に,改正提案の検討を
行う予定。
6
K
8
1
5
0
:
2
0
0
6
2
K
8
1
5
0
:
0
0
0
0
7
K 8150:2006
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
7.7 りん酸
塩 (PO4)
比濁法
R32.3.6
比濁法
MOD/変更 1) 試料量濃度など。
2) JIS K 8001の5.13
を引用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微で
あり,対策は考慮しない。
7.8 硫酸塩
(SO4)
比濁法
R32.3.7
種晶添加比濁法
MOD/変更 1) ISO規格は種晶添
加比濁法,JISは比
濁法。
2) JIS K 8001の5.15
を引用。
7.9 窒素化
合物(Nと
して)
蒸留―インドフェノール
法
R32.3.8
蒸留―ネスラー法
MOD/変更 1) ISO規格は蒸留―
ネスラー法,JISは
蒸留―インドフェ
ノール青法。JISは
有害性の少ない試
薬に変更。
2) JIS K 8001の5.12
を引用。
ISO規格のネスラー法は環境・安全
上,変更が必要。ISO規格の見直し時
に,改正提案の検討を行う予定。
7.10 カリ
ウム (K)
炎光光度法
R32.3.13
炎光光度法
MOD/変更 1) 試料量など。
2) JIS K 8001の5.30
を引用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微で
あり,対策は考慮しない。
7.11 銅
(Cu)
原子吸光法
R32.3.9
重金属(Pbとして)
比濁法
MOD/変更
1) ISO規格の重金属
をJISは鉛,銅を対
象にして試験。
2) JIS K 8001の5.31
を引用。
使用者に,より具体的な情報を提供す
るためにJISとして必要。ISO規格の
見直し時に,改正提案の検討を行う予
定。
2
K
8
1
5
0
:
0
0
0
0
7
K
8
1
5
0
:
2
0
0
6
8
K 8150:2006
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
内容
7.12 マグ
ネシウム
(Mg)
原子吸光法
R32.3.12
原子吸光法
MOD/変更 1) 試料量など。
2) JIS K 8001の5.31
を引用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微で
あり,対策は考慮しない。
7.13 カル
シウム
(Ca)
原子吸光法
R32.3.12
原子吸光法
MOD/変更 1) 試料量など。
2) JIS K 8001の5.31
を引用。
7.14 バリ
ウム (Ba)
クロム酸バリウム法
R32.3.11
硫酸バリウム法
MOD/変更 1) ISO規格は硫酸バ
リウム法,JISはク
ロム酸バリウム法。
2) JIS K 8001の5.20
を引用。
実績のある従来のJISの方法を踏襲。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検
討を行う予定。
7.15 鉛
(Pb)
原子吸光法
R32.3.9
重金属(Pbとして)
比濁法
MOD/変更 1) ISO規格の重金属
をJISは鉛,銅を対
象にして試験。
2) ISO規格は比濁法。
JISは原子吸光法。
3) JIS K 8001の5.31
を引用。
使用者に,より具体的な情報を提供す
るためにJISとして必要。ISO規格の
見直し時に,改正提案の検討を行う予
定。
7.16 鉄
(Fe)
原子吸光法
R32.3.10
1,10-フェナントロリ
ン法
MOD/変更 1) ISO規格は1,10-
フェナントロリン
法,JISは原子吸光
法。
2) JIS K 8001の5.31
を引用。
国際的にも広く普及している方法に
変更。ISO規格の見直し時に,改正提
案の検討を行う予定。
7.17 ヘキサ
シアノ鉄
(Ⅱ)酸塩
[Fe(CN)6]
R32.3.5
IDT
8
K
8
1
5
0
:
2
0
0
6
2
K
8
1
5
0
:
0
0
0
0
9
K 8150:2006
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
8. 容器
―
MOD/追加 項目を追加。
規格適合性を評価する関係で必要な
項目を追加。
9. 表示
―
MOD/追加 項目を追加。
注(1) 理由:軽微な技術的差異。6.品質の(Ⅳ)欄の1)〜3)は,いずれも一般用途の試薬としては軽微な技術的差異であり,この差が取引上の障害になる可能性はほと
んどない。ISO規格,JISとも品質項目の設定・品質水準の設定は,市場での長い使用実績・経験を踏まえたものである。ISO規格とJISとの質量分率ppm〜質
量分率pptレベルの不純物のごくわずかの差異は,経験上,一般用途の試薬としては実用上差し支えないものと考えられる。
なお,不純物のごくわずかの差異がどのような影響を及ぼすか,あらゆる用途を想定して検証することは現実的ではない。Ⅳ)の1)〜3)の品質項目及び品質水
準が不満足な場合は,通常,JIS試薬,ISO規格試薬とも対応できない。この場合,対応策としては,目的にあった高純度試薬など特殊用途の試薬を使用するこ
とになる。
(2) ISO試薬規格の状況:ISO規格の試薬は,規格の維持管理が行われていない(規格制定後約20年経過)。このため,ISO規格の内容が現在の市場の要求にこたえ
ているかどうかの検討が行われていない(JISとの差)。また,ISO規格の試薬は,我が国だけではなく,国際市場でも商取引がほとんどなく国際規格としての
存在意義が乏しい。
(3) 今後の対策:(1)及び(2)の理由から,当面,対策を考慮しない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
2
K
8
1
5
0
:
0
0
0
0
9
K
8
1
5
0
:
2
0
0
6
10
K 8150:2006