K 8118:2004
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬
協会(JRA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8118:1998は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
K 8118:2004
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 共通事項 ························································································································ 1
4. 性質 ······························································································································ 1
4.1 性状 ···························································································································· 1
4.2 定性方法 ······················································································································ 1
5. 品質 ······························································································································ 1
6. 試験方法 ························································································································ 2
6.1 純度 ···························································································································· 2
6.2 水溶状 ························································································································· 2
6.3 pH ······························································································································ 2
6.4 窒素化合物(Nとして)·································································································· 2
6.5 重金属(Pbとして) ······································································································ 2
6.6 オキシダント測定適合性 ································································································· 2
7. 容器 ······························································································································ 3
8. 表示 ······························································································································ 3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 8118:2004
りん酸二水素カリウム(オキシダント測定用)
(試薬)
Potassium dihydrogenphosphate for oxidant analysis
KH2PO4 FW:136.09
1. 適用範囲 この規格は,オキシダント測定に用いるりん酸二水素カリウムについて規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 9020 りん酸水素二ナトリウム(試薬)
3. 共通事項 共通する事項は,JIS K 8001による。
4. 性質
4.1
性状 りん酸二水素カリウムは,白い結晶又は結晶性粉末で,水に溶けやすく,エタノールにはほ
とんど溶けない。水溶液は酸性である。
4.2
定性方法
a) 試料2 gに水20 mlを加えて溶かす(A液)。A液10 mlに硝酸銀溶液(20 g/L)1 mlを加えると黄色の
沈殿が生じ,これに硝酸(1+2)1 ml又はアンモニア水(2+3)5 mlを加えると,沈殿は溶ける。
b) A液を用いてJIS K 8001の5.29(炎色試験)(1)によると,紫が現れる。
5. 品質 品質は,6.によって試験し,表1に適合しなければならない。
表 1 品質
項目
規格値
純度
水溶状
pH(50 g/L,25 ℃)
窒素化合物(Nとして)
重金属(Pbとして)
オキシダント測定適合性
%
%
%
99.0 以上
試験適合
4.2〜4.6
0.001 以下
0.001 以下
試験適合
2
K 8118:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6. 試験方法
6.1
純度 試料3.5 gを0.1 mgのけたまで200 mlのビーカーにはかりとり,二酸化炭素を含まない水50
mlを加え溶かした後,約15 ℃に保ちながら1 mol/L水酸化ナトリウム溶液を用い,JIS K 0113の5.(電
位差滴定方法)によって電位差滴定を行う。この場合,指示電極はガラス電極,参照電極は塩化銀電極を
用いる。
1 mol/L水酸化ナトリウム溶液1 mlは0.136 09 g KH2PO4に相当する。
6.2
水溶状 JIS K 8001の5.2(溶状)による。この場合,試料は2 g,濁りの程度の適合限度標準は,
(a)(澄明)を用いる。
6.3
pH (50 g/L,25 ℃)
a) 試験溶液の調製 試料5.0 gを二酸化炭素を含まない水に溶かして100 mlにする。
b) 操作 JIS K 8001の5.5(pH)の(2)による。
6.4
窒素化合物(Nとして)
a) 試料側溶液の調製 試料1.0 gを水に溶かして140 mlにする。
b) 標準側溶液の調製 窒素標準液(Nとして0.01 mg/ml)1.0 mlに水を加えて140 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.12の(4)(蒸留−インドフェノール青法)による。
6.5
重金属(Pbとして)
a) 試料側溶液の調製 試料6.0 gを水20 mlに溶かし,pH試験紙を用いて塩酸(2+1)でpH 3.5に調節した
後,水を加えて30 mlにする(B液)。
B液15 ml(試料量3 g)をとり,水で20 mlにする。
b) 標準側溶液の調製 B液5.0 ml(試料量1 g)に鉛標準液(Pbとして0.01 mg/ml)2.0 mlを加え,水で
20 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.24の(2)(分液硫化ナトリウム法)による。
6.6
オキシダント測定適合性
a) 試料溶液の調製 試料3.5 gを水200 mlに溶かし,りん酸水素二ナトリウム(1)3.6 gを加え,pH計を
用い1 mol/L水酸化ナトリウム溶液又は1 mol/L塩酸でpHを6.8〜7.2に調節した後,よう化カリウム
(オキシダント測定用)25 gを加えて溶かし,再びpHを6.8〜7.2に調節(2)した後,全量フラスコ250
mlに移し入れ,水を標線まで加える(C液)。
b) 試験用溶液の調製 0.05 mol/Lよう素溶液0.40 mlを褐色全量フラスコ50 mlにとり,C液を標線まで
加える。その0.50 mlを別の褐色全量フラスコ50 mlにとり,C液を標線まで加える(X液)。
c) 空試験溶液の調製 C液を褐色全量フラスコ50 mlに標線までとる(Y液)。
d) 操作 X液,Y液を暗所に30分間放置する。
吸収セル(光路長20 mm)を用い,波長352 nm付近の吸収極大の波長においてY液を対照液とし
てX液の吸光度を測定するとき,その値は0.200〜0.240でなければならない。
同一条件で水を対照液としてY液の吸光度を測定するとき,その値は0.030以下でなければならな
い。
注(1) JIS K 9020に規定するpH標準液用を用い,次の試験に適合するもの。
試料2 gを水20 mlに溶かし,よう化カリウム溶液 (100 g/L) 1 mlとでんぷん溶液1 mlを加え
るとき,紫が現れない。この液に,(0.05 mol/Lよう素溶液1 mlに水を加え50 mlとした液)0.05
mlを加えるとき,紫が現れる。
(2) 塩酸を加える場合は,溶液がpH 6.8より酸性側にならないように注意して行う。
3
K 8118:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7. 容器 気密容器とする。
8. 表示 容器には,次の事項を表示しなければならない。
a) 名称 “りん酸二水素カリウム(オキシダント測定用)”及び“試薬”の文字
b) 化学式及び式量
c) 品質(純度)
d) 内容量
e) 製造番号
f)
製造業者名又はその略号