K 8116:2006
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬
協会(JRA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8116:1996は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical
analysis―Part 2:Specifications―First seriesを基礎として用いた。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS K 8116には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
K 8116:2006
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 一般事項 ························································································································ 1
4. 種類 ······························································································································ 1
5. 性質 ······························································································································ 1
5.1 性状 ···························································································································· 1
5.2 定性方法 ··················································································································· 1
6. 品質 ······························································································································ 2
7. 試験方法 ························································································································ 2
7.1 試験条件及び試験結果 ···································································································· 2
7.2 純度(NH4Cl) ·············································································································· 2
7.3 水溶状 ························································································································· 2
7.4 強熱残分(硫酸塩) ······································································································· 2
7.5 pH(50 g/l,25 ℃) ······································································································· 2
7.6 硝酸塩 ························································································································· 2
7.7 りん酸塩(PO4) ··········································································································· 2
7.8 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 3
7.9 ナトリウム(Na) ·········································································································· 3
7.10 カリウム(K)············································································································· 3
7.11 銅(Cu) ···················································································································· 3
7.12 マグネシウム(Mg) ····································································································· 3
7.13 カルシウム(Ca) ········································································································ 3
7.14 鉛(Pb) ···················································································································· 4
7.15 鉄(Fe) ····················································································································· 4
8. 容器 ······························································································································ 4
9. 表示 ······························································································································ 4
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表 ·································································· 5
日本産業規格 JIS
K 8116:2006
塩化アンモニウム(試薬)
Ammonium chloride
NH4Cl FW:53.49
序文 この規格は,1983年に第1版として発行されたISO 6353-2,Reagents for chemical analysis―Part
2:Specifications―First series を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書に示す。
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いる塩化アンモニウムについて規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical analysis―Part 2:Specifications―First series (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8872 ホルムアルデヒド液(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
3. 一般事項 試験方法の一般的な事項は,JIS K 8001による。
4. 種類 種類は,特級とする。
5. 性質
5.1 性状 塩化アンモニウムは,白い結晶性粉末又は塊状で,水に溶けやすく,エタノールに溶けにくい。
5.2 定性方法 定性方法は,次による。
a) 試料1 gに水20 mlを加えて溶かす(A液)。A液5 mlに水酸化ナトリウム溶液(300 g/l)1 mlを加え
て加熱すると,アンモニアが発生する。
b) A液5 mlに硝酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加えると白い沈殿が生じる。この沈殿にアンモニア水(2+3)
2 mlを加えると溶ける。
2
K 8116:2006
6. 品質 品質は,7.によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表 1 品質
項目
規格値
純度(NH4Cl)
水溶状
質量分率 %
99.5 以上
試験適合
強熱残分(硫酸塩)
質量分率 %
0.01 以下
pH(50 g/l,25 ℃)
硝酸塩
4.5〜5.5
試験適合
りん酸塩(PO4)
質量分率 ppm
2 以下
硫酸塩(SO4)
ナトリウム(Na)
質量分率 %
質量分率 %
0.001 以下
0.005 以下
カリウム(K)
銅(Cu)
マグネシウム(Mg)
質量分率 %
質量分率 ppm
質量分率 ppm
0.005 以下
2 以下
5 以下
カルシウム(Ca)
鉛(Pb)
質量分率 %
質量分率 ppm
0.001 以下
2 以下
鉄(Fe)
質量分率 ppm
2 以下
7. 試験方法
7.1
試験条件及び試験結果 JIS K 8001の3.7(試験操作など)(1)(試験の環境)による。湿度管理は,
必要に応じ実施する。また,表1で規定する各品質項目の試験は,次の各試験方法によって行い,得られ
る計算値及び操作結果は,JIS K 8001の3.5(測定値)による。
7.2
純度(NH4Cl) JIS K 8872に規定するホルムアルデヒド液25 mlに水50 mlを加え,フェノールフ
タレイン溶液を指示薬として0.1 mol/l水酸化ナトリウム溶液で中和した後,0.1 mgのけたまではかりとっ
た試料1.5 gを加えて溶かす。次に,ビュレットを用いて1 mol/l水酸化ナトリウム溶液20 mlを加えて1
時間放置した後,1 mol/l水酸化ナトリウム溶液で滴定を続ける。終点は,液の色が無色から紅色に変わる
点とする。この場合,1 mol/l水酸化ナトリウム溶液1 mlは,0.053 49 g NH4Clに相当する。
7.3 水溶状 JIS K 8001の5.2(溶状)による。この場合,試料は2 g,濁りの程度の適合限度標準は(a)
(澄明)を用いる。
7.4 強熱残分(硫酸塩) JIS K 0067の4.4.4(操作)(4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)による。
この場合,試料10 g,JIS K 8951に規定する硫酸0.5 mlを用いる。
7.5
pH(50 g/l,25 ℃) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料溶液 試料5.0 gに二酸化炭素を含まない水を加えて溶かし100 mlにする。
b) 操作 JIS K 8001の5.5(pH)(2)による。
7.6
硝酸塩 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料溶液 試料3 gに水を加えて溶かし10 mlにする。
b) 操作 JIS K 8001の5.10[硝酸塩(NO3)](1)(インジゴカルミン法)による。この場合,インジゴ
カルミン溶液(1.8 g/l)0.10 mlを用いる(NO3として約質量分率0.003 %以下。)。
7.7
りん酸塩(PO4) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料5.0 gを白金皿にとり,炭酸ナトリウム溶液(100 g/l)2 mlを加える。水浴上で蒸発
乾固した後,徐々に強熱する。放却後,水5 ml及び塩酸(2+1)2 mlを加えて水浴上で蒸発乾固した
後,水を加えて20 mlにする。
3
K 8116:2006
b) 標準側溶液 炭酸ナトリウム溶液(100 g/l)2 ml及び塩酸(2+1)2 mlを加えて水浴上で蒸発乾固し
た後,りん酸塩標準液(PO4:0.01 mg/ml)1.0 ml及び水を加えて20 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.13[りん酸塩(PO4)](1)(比色法)による。
7.8
硫酸塩(SO4) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料5.0 gに水10 ml及び炭酸ナトリウム溶液(100 g/l)1 mlを加えて水浴上で蒸発乾固
する。次に,加熱板上で白煙が発生しなくなるまで徐々に加熱する。放却後,塩酸(2+1)2 mlを加
えて水浴上で蒸発乾固した後,放冷する。塩酸(2+1)0.3 ml及び水を加えて25 mlにする。
b) 標準側溶液 炭酸ナトリウム溶液(100 g/l)1 ml及び塩酸(2+1)2 mlを加えて水浴上で蒸発乾固し
た後,放冷する。塩酸(2+1)0.3 ml,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml)5.0 ml及び水を加えて25 ml
にする。
c) 操作 JIS K 8001の5.15[硫酸塩(SO4)](1)(比濁法)による。
7.9
ナトリウム(Na) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gに水20 mlを加えて溶かし,塩酸(2+1)1 ml及び水を加えて100 mlにする
(X液)(X液は,7.10の試験にも用いる。)。
b) 標準側溶液 試料2.0 gに水20 mlを加えて溶かし,塩酸(2+1)1 ml,ナトリウム標準液(Na:0.1 mg/ml)
1.0 ml,カリウム標準液(K:0.1 mg/ml)1.0 ml及び水を加えて100 mlにする(Y液)(Y液は,7.10
の試験にも用いる。)。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。
7.10 カリウム(K) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.9のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.9のY液を用いる。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(1)(d)による。
7.11 銅(Cu) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料10 gに水40 mlを加えて溶かし,塩酸(2+1)1 ml及び水を加えて80 mlにする。
b) 標準側溶液 試料10 gに水40 mlを加えて溶かし,塩酸(2+1)1 ml,銅標準液(Cu:0.01 mg/ml)
2.0 ml,鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml)2.0 ml,鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml)2.0 ml及び水を加えて80 ml
にする。
c) 空試験用溶液 塩酸(2+1)1 mlに水を加えて5 mlにする。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(2)(抽出液噴霧法)(d)③による(操作の途中で得られるX液,Y液及び
Z液は,7.14及び7.15の試験にも用いる。)。
7.12 マグネシウム(Mg) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gに水20 mlを加えて溶かし,塩酸(2+1)1 ml及び水を加えて100 mlにする
(X液)(X液は,7.13の試験にも用いる。)。
b) 標準側溶液 試料2.0 gに水20 mlを加えて溶かし,塩酸(2+1)1 ml,マグネシウム標準液(Mg:0.01
mg/ml)1.0 ml,カルシウム標準液(Ca:0.01 mg/ml)2.0 ml及び水を加えて100 mlにする(Y液)(Y
液は,7.13の試験にも用いる。)。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(1)(d)による。
7.13 カルシウム(Ca) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.12のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.12のY液を用いる。
4
K 8116:2006
c) 操作 JIS K 8001の5.31(1)(d)による。
7.14 鉛(Pb) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.11のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.11のY液を用いる。
c) 空試験用溶液 7.11のZ液を用いる。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(2)(d)③による。
7.15 鉄(Fe) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.11のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.11のY液を用いる。
c) 空試験用溶液 7.11のZ液を用いる。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(2)(d)③による。
8. 容器 容器は,気密容器とする。
9. 表示 容器には,次の事項を表示する。
a) 名称 “塩化アンモニウム”及び“試薬”の文字
b) 種類
c) 化学式及び式量
d) 純度
e) 内容量
f)
製造番号
g) 製造業者名又はその略号
5
K 8116:2006
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 8116 : 2006 塩化アンモニウム(試薬)
ISO 6353-2:1983, 化学分析用試薬―第2部:仕様―第1シリーズ
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの評
価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技術
的差異の理由及び今後の対
策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
1. 適用範囲
試薬として用いる塩
化アンモニウムにつ
いて規定。
1
化学分析用試薬40
品目の仕様につい
て規定。
MOD/変更
JISは1品目1規格。
試薬の規格使用者が各規格
を多く引用しやすくするた
めに1品目1規格としてい
る。
なお,対応国際規格は20年
間以上見直しが行われてい
ないため市場の実態に合わ
ない。国際規格の改正提案を
検討する。
2. 引用規格
JIS K 0067,JIS K
8001,JIS K 8872,JIS
K 8951
1
ISO 6353-1
MOD/変更
ISO規格1件を削除し,JISを追加・
引用,基本的には同等内容。
該当する対比項目を参照。
3. 一般事項
JIS K 8001による。
―
―
MOD/追加
項目を追加。
編集上の差異であり,技術的
な差異ではない。
4. 種類
―
―
MOD/追加
種類の項目を追加。
JISは種類として“特級”だ
けなので,ISO規格と技術的
な差異はない。
5. 性質
―
―
MOD/追加
塩化アンモニウムの性質の項を追
加。
一般的な説明事項であり,技
術的な差異はない。
6. 品質
R5.1
MOD/変更
1) 品質に差異のある項目:強熱残
分,りん酸塩,硫酸塩,マグネ
シウム。
2) 追加した項目:水溶状,硝酸塩,
銅,鉛。
ISO規格は,長期間内容の見
直しが行われず,国際市場で
ISO規格品が用いられること
はほとんどない。また,技術
的差異も軽微(1)(2)(3)である。
2
K
8
11
6
:
0
0
0
0
2
K
8
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6
:
2
0
0
6
6
K 8116:2006
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの評
価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技術
的差異の理由及び今後の対
策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
―
R5.2
試験溶液の調製方
法
MOD/変更
JISは,試験方法の該当項目で個別
に規定。
編集上の差異であり,技術的
な差異ではない。
7. 試験方法
7.1試験条件及
び試験結果
R5.3
―
MOD/追加
項目を追加。
一般的な試験条件及び試験
結果に関する事項であり,技
術的な差異はない。
7.2 純度
(NH4Cl)
滴定法
R5.3.1
滴定法
MOD/変更
試料の量,放置時間などを変更。
JISはデータの信頼性を考慮して放
置時間を延長。
JISは,定期的に見直しを行
っているが,ISO規格は,長
年見直しが行われていない
ことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異
は軽微であり,対策は考慮し
ない。
7.3 水溶状
―
―
MOD/追加
項目を追加。
用途上で必要。
ISO規格の見直し時に,提案
の検討を行う予定。
7.4 強熱残分
(硫酸塩)
硫酸塩として強熱す
る方法。
R5.3.8
強熱する方法。
MOD/変更
1) 試料の量,加熱温度などを変更。
2) そのまま強熱する方法から硫酸
を添加して強熱する方法に変
更。
3) JIS K 0067の4.4.4を引用。
JISは,定期的に見直しを行
っているが,ISO規格は,長
年見直しが行われていない
ことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異
は軽微であり,対策は考慮し
ない。
7.5 pH
(50 g/l,25 ℃)
溶液濃度はg/lで規
定。
R 5.3.2
溶液濃度は質量分
率%で規定。
MOD/変更
1) ISO規格は溶液濃度を質量分
率%で規定,JISは溶液濃度を
g/l で規定。
2) JIS K 8001の5.5を引用。
JISは操作性から溶液濃度を
g/lで規定。ISO規格の見直
し時に,改正提案の検討を行
う予定。
2
K
8
11
6
:
2
0
0
6
2
K
8
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6
:
0
0
0
0
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(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの評
価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技術
的差異の理由及び今後の対
策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
7.6 硝酸塩
インジゴカルミン法
―
―
MOD/追加
項目を追加。
これまでの実績からJISとし
て必要。
ISO規格の見直し時に,追加
提案の検討を行う予定。
7.7 りん酸塩
(PO4)
比色法
R5.3.3
抽出比色法
MOD/変更
1) 試薬,試料調製方法を変更。
2) 抽出比色法を強熱処理後比色
法に変更。
3) JIS K 8001の5.13を引用。
JISは,定期的に見直しを行
っているが,ISO規格は,長
年見直しが行われていない
ことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異
は軽微であり,対策は考慮し
ない。
7.8 硫酸塩
(SO4)
比濁法
R5.3.4
種晶添加比濁法
MOD/変更
1) 試料の量,試料調製方法を変
更。
2) 種晶添加比濁法を比濁法に変
更。
3) JIS K 8001の5.15を引用。
7.9 ナトリウ
ム(Na)
原子吸光法
R5.3.7
炎光光度法
MOD/変更
1) 試料の量,試薬の量を変更。
2) 炎光光度法を原子吸光法に変
更。
3) JIS K 8001の5.31を引用。
国際的にも広く普及してい
る方法に変更。
ISO規格の見直し時に,改正
提案の検討を行う予定。
7.10 カリウム
(K)
原子吸光法
R5.3.7
炎光光度法
MOD/変更
7.11 銅(Cu) 原子吸光法
―
―
MOD/追加
項目を追加。
これまでの実績からJISとし
て必要。
ISO規格の見直し時に,追加
提案の検討を行う予定。
7.12 マグネシ
ウム(Mg)
原子吸光法
R5.3.5
原子吸光法
MOD/変更
1) 試料の量,試薬の量などを変更。
2) JIS K 8001の5.31を引用。
JISは,定期的に見直しを行
っているが,ISO規格は,長
年見直しが行われていない
ことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異
は軽微であり,対策は考慮し
ない。
7.13 カルシウ
ム(Ca)
原子吸光法
R5.3.5
2
K
8
11
6
:
0
0
0
0
2
K
8
11
6
:
2
0
0
6
8
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(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの評
価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技術
的差異の理由及び今後の対
策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
7.14 鉛(Pb) 原子吸光法
―
―
MOD/追加
項目を追加。
これまでの実績からJISとし
て必要。
ISO規格の見直し時に,追加
提案の検討を行う予定。
7.15 鉄(Fe)
原子吸光法
R5.3.6
1,10-フェナントロ
リン法
MOD/変更
1) 1,10-フェナントロリン法を原
子吸光法に変更。
2) JIS K 8001の5.31を引用。
国際的にも広く普及してい
る方法に変更。
ISO規格の見直し時に,改正
提案の検討を行う予定。
8. 容器
―
―
MOD/追加
項目を追加。
規格適合性を評価する関係
で必要な項目を追加。
9. 表示
―
―
MOD/追加
項目を追加。
注(1) 理由:軽微な技術的差異。6.品質の(Ⅳ)欄の1)〜2)は,いずれも一般用途の試薬としては軽微な技術的差異であり,この差が取引上の障害になる可能性はほ
とんどない。ISO規格,JISとも品質項目の設定・品質水準の設定は,市場での長い使用実績・経験を踏まえたものである。ISO規格とJISとの質量分率ppm
〜質量分率pptレベルの不純物のごくわずかの差異は,経験上,一般用途の試薬としては実用上差し支えないものと考えられる。
なお,不純物のごくわずかの差異がどのような影響を及ぼすか,あらゆる用途を想定して検証することは現実的ではない。 (Ⅳ)の1)〜2)の品質項目及び品質
水準が不満足な場合は,通常,JIS試薬,ISO規格試薬とも対応できない。この場合,対応策としては,目的に合致した高純度試薬など特殊用途の試薬を使用
することになる。
(2) ISO試薬規格の状況:ISO規格の試薬は,規格の維持管理が行なわれていない(規格制定後約20年経過)。このため,ISO規格の内容が現在の市場の要求にこ
たえているかどうかの検討が行われていない(JISとの差)。また,ISO規格の試薬は,我が国だけではなく,国際市場でも商取引がほとんどなく国際規格とし
ての存在意義がとぼしい。
(3) 今後の対策:(1)及び(2)の理由から,当面,対策を考慮しない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
−MOD/追加・・・・・・・・・ 国際規格の規定項目又は規定内容を追加している。
−MOD/変更・・・・・・・・・国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
−MOD ・・・・・・・・・・・・国際規格を修正している。
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