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K 8092:2017  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 種類······························································································································· 1 

4 性質······························································································································· 1 

4.1 性状 ···························································································································· 1 

4.2 定性方法 ······················································································································ 2 

5 品質······························································································································· 2 

6 試験方法························································································································· 2 

6.1 一般事項 ······················································································································ 2 

6.2 純度(C16H8N2Na2O8S2)(乾燥後) ···················································································· 2 

6.3 水不溶分 ······················································································································ 3 

6.4 乾燥減量(105 ℃) ······································································································· 4 

6.5 強熱残分(硫酸塩)(乾燥後) ·························································································· 4 

6.6 変色範囲(pH) ············································································································ 4 

6.7 鋭敏度(乾燥後) ·········································································································· 5 

7 容器······························································································································· 5 

8 表示······························································································································· 5 

K 8092:2017  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 8092:2010は改正され,この規格に置き換えられた。 

なお,平成29年8月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ

ーク表示認証において,JIS K 8092:2010によることができる。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 8092:2017 

インジゴカルミン(試薬) 

Indigo carmine 

C16H8N2Na2O8S2  FW:466.35 

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるインジゴカルミンについて規定する。 

注記 化学名:3,3'-ジオキソ-2,2'-ビス-インドリデン-5,5'-ジスルホン酸二ナトリウム 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法 

JIS K 0115 吸光光度分析通則 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8121 塩化カリウム(試薬) 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8359 酢酸アンモニウム(試薬) 

JIS K 8548 硝酸カリウム(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS K 9020 りん酸水素二ナトリウム(試薬) 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS R 3505 ガラス製体積計 

種類 

種類は,特級とする。 

性質 

4.1 

性状 

インジゴカルミンは,暗い紫みの青から暗い赤みの紫の粉末又は小塊で,水にやや溶けにくく,エタノ

ール(99.5)及びジエチルエーテルにほとんど溶けない。 

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K 8092:2017  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.2 

定性方法 

定性方法は,次による。 

a) 試料0.1 gに水50 mLを加え,加熱して溶かす(A液)。A液1 mLに水を加えて20 mLとし,硝酸(1

+2)1 mLを加え,更に硫酸3 mLを注意して振り混ぜながら加えると,液の色は濃い青から黄に変

わる。 

b) 炎色試験は,直径約0.8 mmの白金線を先端から約30 mmまで塩酸(1+1)に浸し,炎の長さ約120 mm,

内炎の長さ約30 mm程度としたガスバーナーの無色炎中に,内炎の最上部から約10 mmの位置に水

平に入れた後,放冷する。この操作を炎に色が現れなくなるまで繰り返す。次に,白金線の先端約5 mm

を水で浸し,少量の試料を付着させたものをガスバーナーの無色炎中に入れると黄が現れる。 

品質 

品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

表1−品質 

項目 

規格値 

試験方法 

純度(C16H8N2Na2O8S2)(乾燥後) 

質量分率 % 

97.5 以上 

6.2 

水不溶分 

質量分率 % 

0.3 以下 

6.3 

乾燥減量(105 ℃) 

質量分率 % 

8.0 以下 

6.4 

強熱残分(硫酸塩)(乾燥後) 

質量分率 % 

29.0〜33.0 

6.5 

変色範囲(pH) 

− 

(青)11.6〜14.0(黄) 

6.6 

鋭敏度(乾燥後) 

− 

試験適合 

6.7 

試験方法 

6.1 

一般事項 

一般事項は,次による。 

a) 試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。 

b) 使用するガラス器具は,特に規定がない場合は,JIS R 3503及びJIS R 3505による。 

c) 使用する標準液は,計量計測トレーサビリティが確保された標準液を,使用用途に合致することを確

認し,必要ならば希釈して使用する。このような標準液がない場合,使用用途に合致することを確認

して市販の標準液を用いるか,又は調製したものを用いる。 

注記1 計量計測トレーサビリティが確保された標準液としては,計量標準供給制度[JCSS(Japan 

Calibration Service System)]に基づく標準液,国立研究開発法人産業技術総合研究所計量標

準総合センター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST),ドイツ連邦材料試験研究所

(BAM)などが供給する標準液及びこれらへの計量計測トレーサビリティが確保された市

販の認証標準液がある。 

d) 滴定用溶液の調製及び標定は,JIS K 8001の附属書JA(試験用溶液類の調製方法及び滴定用溶液類の

調製及び標定)による。市販品を用いる場合は,使用用途に合致することを確認する。 

注記2 計量計測トレーサビリティが確保された滴定用溶液としては,ISO/IEC 17025に基づく認

定試験所が認定の範囲で値付けした市販の滴定用溶液がある。 

6.2 

純度(C16H8N2Na2O8S2)(乾燥後) 

純度(C16H8N2Na2O8S2)(乾燥後)の試験方法は,次による。 

K 8092:2017  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

0.02 mol/L 酢酸アンモニウム溶液 JIS K 8359に規定する酢酸アンモニウム1.542 g(質量分率

100 %としての相当量)をビーカー100 mLにはかりとり,水を加えて溶かした後,全量フラスコ1 000 

mLに移し,水を標線まで加えて混合する。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。 

1) 吸収セル 光の吸収を測定するために試料,対照液などを入れる容器で,光路長が10 mmのもの。 

2) 分光光度計 装置の構成は,JIS K 0115に規定するもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

6.4の残分0.1 gをビーカー300 mLなどに0.1 mgの桁まではかりとり,0.02 mol/L 酢酸アンモニウ

ム溶液200 mLを加え,加温して溶かし,冷却する。これを全量フラスコ250 mLに移し,0.02 mol/L 酢

酸アンモニウム溶液40 mLで洗い入れ,更に標線まで0.02 mol/L 酢酸アンモニウム溶液を加えて混合

する。この液25 mLを全量フラスコ100 mLに正確にとり,0.02 mol/L 酢酸アンモニウム溶液を標線

まで加えて混合する。さらに,この液10 mLを全量フラスコ100 mLに正確にとり,0.02 mol/L 酢酸

アンモニウム溶液を標線まで加えて混合したものを,試料溶液とする。試料溶液を,0.02 mol/L 酢酸

アンモニウム溶液を対照液として,吸収セルを用い,波長610 nmにおける吸光度をJIS K 0115の6.

(特定波長における吸収の測定)によって測定する。 

d) 計算 純度(C16H8N2Na2O8S2)(乾燥後)は,次の式によって算出する。 

100

78

.4

×

×

=

m

B

A

ここに, 

A: 純度(C16H8N2Na2O8S2)(乾燥後)(質量分率 %) 

B: 吸光度 

m: はかりとった試料の質量(g) 

4.78: 吸光係数[インジゴカルミン(質量分率 100 %相当)0.1 gを

溶媒に溶かして10 000倍希釈し,吸収セル(光路長10 mm)
を用いて測定した吸光度] 

6.3 

水不溶分 

水不溶分の試験方法は,次による。 

a) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。 

1) 磁製乳鉢(必要な場合に用いる。) 固体を粉砕したり,2種以上の粉末を均一に混合するために乳

棒とともに用いる磁製の鉢。 

2) るつぼ形ガラスろ過器 1G3のもの。 

3) 電気定温乾燥器 105 ℃±2 ℃に調節できるもの。 

4) 吸引ろ過装置 物質を溶液から分離するためにガラスろ過器と吸引瓶とを組み合わせた装置。 

b) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料1.0 gをビーカー300 mLなどにはかりとり,水200 mLを加えて加熱して溶かし,冷却する。 

なお,塊状で溶けにくいものは,磁製乳鉢で粉砕して用いる。 

2) これを,105 ℃±2 ℃の電気定温乾燥器で恒量にしたるつぼ形ガラスろ過器を用いて,吸引ろ過装

置でろ過する。 

3) るつぼ形ガラスろ過器を水で洗浄する。 

なお,洗浄は,洗液が無色になるまで行う。 

K 8092:2017  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4) るつぼ形ガラスろ過器は,105 ℃±2 ℃の電気定温乾燥器で1時間乾燥して残分の質量を求める。 

6.4 

乾燥減量(105 ℃) 

乾燥減量(105 ℃)は,JIS K 0067の4.1.4(1)(第1法 大気圧下で加熱乾燥する方法)による。この

場合,試料1 gを0.1 mgの桁まではかりとり,4時間乾燥する(残分は,6.2,6.5及び6.7の試験に用いる。)。 

6.5 

強熱残分(硫酸塩)(乾燥後) 

強熱残分(硫酸塩)(乾燥後)は,JIS K 0067の4.4.4(4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)によ

る。この場合,6.4の残分0.5 gを0.1 mgの桁まではかりとり,JIS K 8951に規定する硫酸0.5 mLを加え

て灰化し,放冷する。再び,硫酸0.5 mLを加え灰化した後,600 ℃±50 ℃で強熱する。強熱残分は,0.1 

mgの桁まではかる。 

6.6 

変色範囲(pH) 

変色範囲(pH)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 二酸化炭素を除いた水 JIS K 8001の5.8 c)(二酸化炭素を除いた水)による。 

2) pH 11.6の緩衝液(りん酸水素二ナトリウム−水酸化ナトリウム混合溶液) 全量フラスコ100 mL

に0.05 mol/L りん酸水素二ナトリウム溶液50.0 mL及び0.2 mol/L 水酸化ナトリウム溶液6.75 mL

をとり,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合する。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存す

る。 

なお,0.05 mol/L りん酸水素二ナトリウム溶液及び0.2 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の調製方法

は,次による。 

0.05 mol/L りん酸水素二ナトリウム溶液の調製は,JIS K 9020 に規定するりん酸水素二ナトリウ

ム(pH標準液用)3.55 g(質量分率100 %としての相当質量)を全量フラスコ500 mLにはかりとり,

適量の水で溶かし,水を標線まで加えて混合する。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。 

0.2 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の調製は,JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを用い,6.1 d)

による。 

3) pH 13.0の緩衝液(塩化カリウム−水酸化ナトリウム混合溶液) 全量フラスコ100 mLに0.2 mol/L 塩

化カリウム溶液25.0 mL及び0.2 mol/L 水酸化ナトリウム溶液66.0 mLをとり,二酸化炭素を除いた

水を標線まで加えて混合する。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。 

なお,0.2 mol/L 塩化カリウム溶液及び0.2 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の調製は,次による。 

0.2 mol/L 塩化カリウム溶液の調製は,JIS K 8121に規定する塩化カリウム7.46 g(質量分率100 %

としての相当質量)を全量フラスコ500 mLにはかりとり,適量の水で溶かし,水を標線まで加え

て混合する。 

0.2 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の調製は,6.6 a) 2)による。 

4) pH 14.0の緩衝液 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液を用いる。JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウ

ムを用い,6.1 d)による。 

b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。 

共通すり合わせ平底試験管 例として,容量50 mL,直径約23 mmで目盛のあるもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料0.10 gをコニカルビーカー200 mLなどにはかりとり,水100 mLを加え,

加温して溶かし,冷却する。 

2) pH 11.6,pH 13.0及びpH 14.0の緩衝液10 mLずつを,別の共通すり合わせ平底試験管にとり,試料

K 8092:2017  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

溶液0.1 mLを加える。 

3) 2)によって操作した各pHの溶液を白の背景を用いて,上方又は側方から,色を観察する。 

d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“変色範囲(pH):(青)11.6〜14.0(黄)(規格値)”と

する。 

各pHの溶液は,pH 11.6で青,pH 13.0で黄緑及びpH 14.0で黄が現れる。 

6.7 

鋭敏度(乾燥後) 

鋭敏度の試験方法は,次による。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。 

2) 塩化ナトリウム溶液 JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム0.05 gをはかりとり,水70 mLを加え

て溶かす。 

3) 硝酸塩標準液(NO3:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。 

なお,硝酸塩標準液(NO3:0.01 mg/mL)を調製する場合は,110 ℃で乾燥したJIS K 8548に規

定する硝酸カリウム1.63 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線ま

で加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合

する。 

b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。 

共通すり合わせ平底試験管 6.6 b)による。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,6.4の残分0.10 gをはかりとり,水80 mL及び硫酸10 mLを注意して加え室温

まで冷却後,水を加えて100 mLにする(B液)。 

2) 共通すり合わせ平底試験管に塩化ナトリウム溶液7 mLをとり,硝酸塩標準液(NO3:0.01 mg/mL)

3 mLを加え,次にB液0.1 mLを正確に加える。これに発熱に注意して硫酸10 mLを振り混ぜなが

ら徐々に加え,試料溶液の色を観察する。 

d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“鋭敏度(乾燥後):試験適合(規格値)”とする。 

試料溶液の青は,5分間以内に消失する。 

容器 

容器は,遮光した気密容器とする。 

表示 

容器には,次の事項を表示する。 

a) 日本工業規格番号 

b) 名称“インジゴカルミン”及び“試薬”の文字 

c) 種類 

d) 化学式及び式量 

e) 純度 

f) 

内容量 

g) 製造番号 

h) 製造業者名又はその略号