K 8034:2006
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬
協会(JRA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8034:1995は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical
analysis―Part 2: Specifications―First seriesを基礎として用いた。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会
は,このような技術的な性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用
新案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS K 8034には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
K 8034:2006
目 次
ページ
序文 ································································································································ 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 一般事項 ························································································································ 1
4. 種類 ······························································································································ 1
5. 性質 ······························································································································ 1
5.1 性状 ···························································································································· 2
5.2 定性方法 ······················································································································ 2
6. 品質 ······························································································································ 2
7. 試験方法 ························································································································ 3
7.1 試験条件及び試験結果 ···································································································· 3
7.2 純度 (CH3COCH3)(GC) ··································································································· 3
7.3 水溶状 ························································································································· 3
7.4 密度 (20 ℃) ················································································································· 3
7.5 屈折率n 2D0 ···················································································································· 3
7.6 水分 ···························································································································· 3
7.7 不揮発物 ······················································································································ 3
7.8 酸(CH3COOHとして) ································································································· 4
7.9 塩基(NH3として) ······································································································· 4
7.10 アルデヒド(HCHOとして) ························································································· 4
7.11 メタノール(CH3OH) ·································································································· 4
7.12 過マンガン酸還元性物質(Oとして) ·················································································· 4
8. 容器 ······························································································································ 4
9. 表示 ······························································································································ 4
10. 取扱い上の注意事項 ······································································································· 4
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 5
日本産業規格 JIS
K 8034:2006
アセトン(試薬)
Acetone
CH3COCH3 FW : 58.08
序文 この規格は,1983年に第1版として発行されたISO 6353-2,Reagents for chemical analysis―Part 2:
Specifications―First seriesを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書に示す。
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いるアセトンについて規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical analysis―Part 2: Specifications―First series(MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0061 化学製品の密度及び比重測定方法
JIS K 0062 化学製品の屈折率測定方法
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0068 化学製品の水分測定方法
JIS K 0114 ガスクロマトグラフ分析通則
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8105 エチレングリコール(試薬)
JIS K 8777 ピリジン(試薬)
3. 一般事項 試験方法の一般的な事項は,JIS K 8001による。
4. 種類 種類は,特級とする。
5. 性質
2
K 8034:2006
5.1
性状 アセトンは,無色の揮発性の液体で,特異なにおいがある。水,エタノール及びジエチルエ
ーテルに極めて溶けやすい。沸点は,約56 ℃である。
5.2
定性方法 試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると波数3 005 cm-1,1 717 cm-1,
1 420 cm-1,1 364 cm-1,1 221 cm-1,1 092 cm-1,901 cm-1及び530 cm-1付近に主な吸収を認める。この場合,
試料調製はJIS K 0117の5.4 a)(液膜法)による。窓板に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクト
ルの一例を,図1に示す。
図 1 赤外吸収スペクトルの一例
6. 品質 品質は,7. によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
3
K 8034:2006
表 1 品質
項目
規格値
純度(CH3COCH3) (GC)
水溶状
密度(20 ℃)
屈折率 n2D0
水分
不揮発物
酸(CH3COOHとして)
塩基(NH3として)
アルデヒド(HCHOとして)
メタノール(CH3OH)
過マンガン酸還元性物質(O
として)
質量分率 %
g/ml
質量分率 %
質量分率 ppm
質量分率 %
質量分率 %
質量分率 %
質量分率 %
質量分率 ppm
99.5以上
試験適合
0.789〜0.792
1.358〜1.360
0.3以下
5以下
0.002以下
0.001以下
0.002以下
0.05以下
2以下
7. 試験方法
7.1
試験条件及び試験結果 JIS K 8001の3.7(試験操作など)(1)(試験の環境)による。湿度管理は必
要に応じ実施する。また,表1で規定する各品質項目の試験は,次の各試験方法によって行い,得られる
計算値及び操作結果は,JIS K 8001の3.5(測定値)による。
7.2
純度 (CH3COCH3)(GC) 一般事項は,JIS K 0114によるほかは,次による。ここで,7.11の試験も
同時に行う。
a) 分析条件 一例を,次に示すが,これと同等の性能の条件でもよい。
検出器の種類:水素炎イオン化検出器
固定相液体名: メチルシリコーン
固定相液体の膜厚:5.0 μm
カラム用キャピラリーの材質,内径及び長さ:石英ガラス,0.53 mm,30 m
温度設定:カラム槽:40 ℃で5分間保持した後,毎分5 ℃の割合で90 ℃まで昇温して,2分間保持
する。
検出器槽:150 ℃
試料気化室:150 ℃
キャリヤーガスの種類及び流量:ヘリウム,5 ml/min
試料量及び試料導入方法:0.2 μl,直接注入法
b) 定量方法 JIS K 0114の11.3 b)(データ処理装置を用いる方法)によって,各成分のピーク面積を測
定し,JIS K 0114の11.5(面積百分率法)によって純度を算出する。
7.3
水溶状 JIS K 8001の5.2(溶状)による。この場合,試料は10 ml,放置時間は30分間及び濁りの
程度の適合限度標準は(a)(澄明)を用いる。
7.4
密度 (20 ℃) JIS K 0061の7.2(比重瓶法)又は7.3(振動式密度計法)による。
7.5 屈折率n 2D0 JIS K 0062による。
7.6
水分 JIS K 0068の6.(カールフィッシャー滴定法)6.3.5 a)(直接滴定)による。この場合,試料
5.0 gをとり,滴定溶媒はピリジン−エチレングリコール混合液[JIS K 8777に規定するピリジン5+JIS K
8105に規定するエチレングリコール1(体積比)]とする。
7.7
不揮発物 JIS K 0067の4.3.4 (1)(第1法 水浴上で加熱蒸発する方法)による。試料200 gを用い
4
K 8034:2006
る。
7.8 酸(CH3COOHとして) 7.9による。
7.9 塩基(NH3として) JIS K 8001の5.6(酸,塩基)(1)(水溶性有機溶媒の場合)による。この場合,
a mlは20 ml,b ml は50 ml,c gは20 g,V1 mlは0.14 ml,V2 mlは0.23 mlとする。
参考 V1(0.05 mol/l 水酸化ナトリウム溶液)1 mlは,0.003 002 6 g CH3COOHに相当する。
V2(0.05 mol/l 塩酸)1 mlは,0.000 851 5 g NH3に相当する。
7.10 アルデヒド(HCHOとして) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gに水を加えて10 mlにする。
b) 標準側溶液 ホルムアルデヒド標準液 (HCHO:0.01 mg/ml) 4.0 mlに水を加えて10 mlにする。
c) 操作 試料側溶液,標準側溶液それぞれに,ジメドン・エタノール溶液(1) 0.15 mlを加えて,沸騰水
浴中で1時間加熱する。
なお,試料側溶液は,アセトンのにおいがなくなるまで加熱する。
試料側溶液,標準側溶液にそれぞれ水を加えて10 mlにする。ときどき振り混ぜながら5 ℃以下に
冷却し,約20分間放置する。
注(1) ジメドン・エタノール溶液の調製は,5,5-ジメチル-1,3-シクロヘキサンジオン(ジメドン)
(質量分率99 %以上)5 gにJIS K 8102に規定するエタノール(95)を加えて溶かし100 ml
にする。
d) 判定 試料側の濁りは,標準側の白濁より濃くないこと。
7.11 メタノール (CH3OH) 7.2による。この場合,7.2の分析条件でメタノールの相対保持時間を確認し
ておく。
7.12 過マンガン酸還元性物質(Oとして) 試料20 gに0.02 mol/l過マンガン酸カリウム溶液0.05 mlを加
えて振り混ぜ,光を遮り,液温約25 ℃で15分間放置したとき紅色を保つこと。
8. 容器 容器は,遮光した気密容器とする。
9. 表示 容器には,次の事項を表示する。
a) 名称“アセトン”及び“試薬”の文字
b) 種類
c) 化学式及び式量
d) 純度
e) 内容量
f) 製造番号
g) 製造業者名又はその略号
10. 取扱い上の注意事項 アセトンは引火性が強いので火気を避ける。また,有害なので,蒸気を吸入し
ないようにし,粘膜及び皮膚に付着しないようにする。
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附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 8034:2006 アセトン(試薬)
ISO 6353-2:1983, 化学分析用試薬―第2部:仕様−第1シリーズ
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1. 適用範囲 試薬として用いるアセ
トンについて規定。
1
化学分析用試薬40品
目の仕様について規
定。
MOD/変更 JISは1品目1規格。
試薬の規格使用者が各規格を多く引用
しやすくするために1品目1規格とし
ている。
なお,対応国際規格は20年以上見直
しがされていないため市場の実態に合
わない。国際規格の改正提案を検討す
る。
2. 引用規格 JIS K 0061
JIS K 0062
JIS K 0067
JIS K 0068
JIS K 0114
JIS K 0117
JIS K 8001
JIS K 8102
JIS K 8105
JIS K 8777
1
ISO 6353-1
MOD/追加 ISOを一件削除し,JIS
を追加・引用,基本的
には同等内容。
該当する対比項目を参照。
3. 一般事項 JIS K 8001による。
―
―
MOD/追加 項目を追加。
JIS K 8001を引用。
編集上の差異であり,技術的な差異は
ない。
4. 種類
―
―
MOD/追加 種類の項目を追加。
JISは種類として“特級”だけなので,
ISO規格と技術的な差異はない。
5. 性質
―
―
MOD/追加 アセトンの性質の項を
追加。
一般的な説明事項であり,技術的な差
異はない。
2
K
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3
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:
2
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(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
6. 品質
R2.1
MOD/変更 1) 品質に差異のある
項目:密度,不揮発
物,酸,過マンガン
酸還元性物質。
2) 追加した項目:水溶
状,屈折率。
ISO規格は,長期間内容の見直しが行
われず国際市場でISO規格品が用い
られることはほとんどない。また,技
術的差異も軽微(1)(2)(3)である。
7. 試験方法
7.1 試験条
件及び試験
結果
R2.2
MOD/追加
一般的な試験条件及び試験結果に関
する事項であり,技術的な差異はな
い。
7.2純度
(CH3COCH3
)(GC)
ガスクロマトグラフ法
R 2.2.1
ガスクロマトグラフ
法
MOD/変更 分析条件などを変更。
国際的にも広く普及しているキャピ
ラリーカラム法に変更。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検
討を行う予定。
7.3水溶状
―
―
MOD/追加 項目を追加。
JISとして必要。
ISO規格の見直し時に,提案の検討を
行う予定。
7.4
密度
(20 ℃)
比重瓶法又は振動式密
度計法
R 2.2.2
比重瓶法
MOD/選択 JIS K 0061の項目を追
加。
精度の高い振動式密度計法を選択で
きるようにした。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検
討を行う予定。
7.5屈折率
n2D0
―
―
MOD/追加 項目を追加。JIS K 0062
を引用。
JISとして必要。
ISO規格の見直し時に,提案の検討を
行う予定。
2
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:
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(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
7.6 水分
カールフィッシャー滴
定法
R 2.2.8
カールフィッシャー
滴定法
MOD/変更 1) 試料の量,滴定溶媒
を変更。
2) JIS K 0068を引用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微で
あり,対策は考慮しない。
7.7 不揮発
物
水浴上加熱蒸発法
R 2.2.3
水浴上加熱蒸発法
MOD/変更 試料の量を変更。
7.8酸
(CH3COO
Hとして)
中和滴定法
R 2.2.4
中和滴定法
MOD/変更 試料の量,指示薬及び操
作方法を変更。
7.9
塩基
(NH3とし
て)
中和滴定法
R 2.2.5
中和滴定法
MOD/変更 試料の量,指示薬及び操
作方法を変更。
7.10アルデ
ヒド(HCHO
として)
比濁法
R 2.2.7
比濁法
MOD/変更 液量,加熱時間を変更。
7.11メタノ
ール
ガスクロマトグラフ法
R 2.2.1
ガスクロマトグラフ
法
MOD/変更 分析条件などを変更。
国際的にも広く普及しているキャピ
ラリーカラム法に変更。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検
討を行う予定。
7.12過マン
ガン酸還元
性物質(O
として)
直接法
R 2.2.6
直接法
MOD/変更 試料量,試薬溶液の濃度
及び量,指示薬,液温な
どを変更。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微で
あり,対策は考慮しない。
8. 容器
―
―
MOD/追加 項目を追加。
規格適合性を評価する関係で必要な
項目を追加。
9. 表示
―
―
MOD/追加 項目を追加。
10. 取扱い
上の注意事
項
―
―
MOD/追加 項目を追加。
2
K
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0
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:
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0
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K
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0
3
4
:
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0
0
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注(1) 理由:軽微な技術的差異。6.品質の(Ⅳ)欄の1)〜2)は,いずれも一般用途の試薬としては軽微な技術的差異であり,この差が取引上の障害になる可能性はほと
んどない。ISO規格,JISとも品質項目の設定・品質水準の設定は,市場での長い使用実績・経験を踏まえたものである。ISO規格とJISとの質量分率ppm〜質
量分率pptレベルの不純物のごくわずかの差異は,経験上,一般用途の試薬としては実用上差し支えないものと考えられる。
なお,不純物のごくわずかの差異がどのような影響を及ぼすか,あらゆる用途を想定して検証することは現実的ではない。 (Ⅳ)の1)〜2)の品質項目及び品質
水準が不満足な場合は,通常,JIS試薬,ISO規格試薬とも対応できない。この場合,対応策としては,目的にあった高純度試薬など特殊用途の試薬を使用する
ことになる。
(2) ISO試薬規格の状況:ISO規格の試薬は,規格の維持管理が行われていない(規格制定後約20年経過)。このため,ISO規格の内容が現在の市場の要求にこたえ
ているかどうかの検討が行われていない(JISとの差)。また,ISO規格の試薬は,我が国だけではなく,国際市場でも商取引がほとんどなく国際規格としての
存在意義が乏しい。
(3) 今後の対策:(1)及び(2)の理由から,当面,対策を考慮しない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
― MOD/選択……… 国際規格の規定内容と別の選択肢がある。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
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