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K 7627 : 1998 (ISO/DIS 11699-1 : 1996) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによってJIS K 7627-1997は改正され,この規格に置き換えられる。 

今回の改正では,対応国際規格にない,フィルムシステムクラス (W) 及びその境界値を規定から削除

し,参考として附属書表1に記述した。 

JIS K 7627には,次に示す附属書がある。 

附属書(参考) フィルムシステムクラス (W) 及びその境界値 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 7627 : 1998 

(ISO/DIS 11699-1 : 1996) 

工業用X線写真フィルム− 

第1部:工業用X線写真 

フィルムシステムの分類 

Non-destructive testing−Industrial radiographic films− 

Part 1 : classification of film systems for induslrial radiography 

序文 この規格は,ISO/DIS 11699-1 (Non-destructive testing−Industrial radiographic film−Part 1 : 

Classification of film systems for industrial radiography) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。 

1. 適用範囲 この規格は,工業用放射線フィルムにおけるフィルムシステムクラスの定義並びに階調度

及び粒状度の求め方について規定する。 

この規格は,工業用放射線試験(非破壊試験)のために,鉛はく(箔)スクリーンと組み合わせて使用

するフィルムシステムに適用し,ISO 5579などの国際規格の要求を満たす画質を達成することを目的とす

る。 

この規格は,蛍光スクリーンと組み合わせて使用するフィルムシステムについては規定しない。 

この規定に定めたフィルムの特性値の測定方法に続いて,ISO 11699-2ではフィルムの処理の評価方法に

ついて規定し,実用条件のすべてに対応するフィルムシステムの品質が管理できるようにする。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによってこの規格の一部を構成する。この

規格の発行の時点では,引用規格は,記載してある発行年の版が有効であったが,すべて規格は改正され

ることがあるので,この規格に基づいて協定を結ぶ受渡当事者は,次に掲げる規格の最新版を適用するよ

うに推奨する。 

ISO 5579 : 1985 Non-destructive testing−Radiographic examination of metallic materials by X- and gamma 

rays−Basic rules 

ISO/DIS 11699-2 Non-destructive testing−Industrial radiographic films−Part 2 : Control of film processing 

by means of reference values) 

3. 用語の定義 この規格で用いる用語の定義は,次による。 

3.1 

フィルムシステム (film system)  フィルム並びにフィルム製造業者及び/又は処理薬品製造業者

の推奨する処理条件を組み合わせたもの。 

3.2 

階調度 (gradient G)  規定された濃度 (D) における,特性曲線への接線のこう配。 

K 7627 : 1998 (ISO/DIS 11699-1 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考 階調度 (G) は,フィルムシステムのコントラストの指標となる。 

3.3 

粒状度 (granularity σD)  均一に照射した(1)フイルムにおける,濃度 (D) の変動。 

注(1) この規格において,フィルムクラスの境界値として用いられる粒状度 (σD) の数値(表1参照)

は,照射エネルギー及びスクリーンを一定条件にして求めたものとする。 

3.4 

ISOスピード (ISO speed S)  現像済みフィルムの拡散濃度として (D0+2.0) を与える照射量KSの

逆数から表2によって算出する。 

S

1

K

S=

3.5 

フィルムシステムクラス (film system class)  表1に示す境界値に基づいて分類したクラス。 

3.6 

階調度・ノイズ比 (gradient-noise-ratio)  階調度 (G) と粒状度 (σD) との比。 

参考 階調度・ノイズ比は,信号・ノイズ比(S/N比)と同じ意味をもつ。 

4. サンプリング及び試験片の保存 試験片の保存及び作成方法は,試験片に使用の場におけるフィルム

の特性を正しく代表させることを目的とし,試験片は,使用者における平均的な保存期間に相当する時間,

製造業者の推奨する環境条件下に保存した後に作成する。 

参考 階調度及び粒状度の試験に当たっては,試験片における測定結果が,実際の非破壊試験におい

て得られる平均的結果に一致していることが重要である。そのためには,試験片を異なる製造

ロットから,この規格に規定した方法によって定期的に採取する必要がある。 

5. 試験方法 

5.1 

試験の準備 試験片への照射線源として,タングステンターゲットのX線管を用いる。 

固有フィルタと,X線管にできるだけ近接させて付加した銅フィルタとを併せて,8.00mm±0.05mmの

銅フィルタと等価となるようにする。管電圧は,発生するX線の線質が,銅フィルタの厚さ3.5mm±0.2mm

が半価層となるように設定する。 

参考 通常,約220kVの管電圧がこの条件を満足する。 

このフィルムシステムに使用する鉛はくスクリーンの厚さは,線源側が0.02mm,裏側が0.04mmとする。

フィルムの片面だけに乳剤が塗布されている場合,乳剤面は,線源側に向けなければならない。 

また,フィルムとスクリーンとを完全に密着させなければならない。 

5.2 

階調度の求め方 階調度は,D対log10K曲線(以下,特性曲線という。)を基に求める。特性曲線は,

三次曲線によって近似される。 

この規格に定める階調度 (G) は,濃度 (D) 対照射量 (K) 曲線上の,濃度が(D0+2.0及びD0+4.0)の

箇所におけるこう配 (dD/dK) の値から,次の式によって求める。 

dK

dD

e

K

K

d

dD

G

10

10

log

log

ここに, 

G: 階調度 

K: (D0+2.0及びD0+4.0)の濃度を得るために要した照射量 

 D0:ベース濃度+かぶり(以下,最小濃度という。) 

この近似曲線の形に十分な精度をもたせるためには,濃度の値が1.0から5.0までの範囲を,少なくとも

12等分した各濃度点に対応する照射量での試験を必要とする。 

試験における測定値のばらつきは,95%の信頼限界において,5%以下でなければならない。 

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K 7627 : 1998 (ISO/DIS 11699-1 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.3 

粒状度の求め方 粒状度は,全面同一濃度となるように照射し処理したフィルムを,マイクロデン

シトメータによって直線的に走査し,濃度測定して求める。この場合,フィルムの濃度は,(最小濃度+2.00

±0.05)の範囲にあるようにする。 

また,両面の乳剤層ともマイクロデンシトメータの焦点深度内に入るようにしなければならない。マイ

クロデンシトメータのアパーチュア径は,100μm±5μm,走査距離は100mm以上とする。 

マイクロデンシトメータによる濃度測定には,粒状度とは無関係な低周波の変動を取り除くために,0.1

ラインペア/mmのハイパスフィルタを用いる。 

マイクロデンシトメータによって測定された平行濃度を拡散濃度に換算し,拡散濃度の標準偏差 (σD) 

をもって粒状度とする。粒状度のばらつきは,95%の信頼限界において±10%以下とする。そのために,

少なくとも6個の異なる試験片での測定を行う。 

5.4 

ISOスピードの求め方 ISOスピード (S) は,拡散濃度として (D0+2.0) を与える照射量KSを用い

て,表2から求める。 

6. フィルムシステムクラス及びその境界値 フィルムシステムクラスの境界値は,5.に規定した試験方

法によって得られた階調度の最小値,階調度・ノイズ比の最小値及び粒状度の最大値を用いて定義する(表

1参照)。 

フィルムシステムにクラス付けをするためには,そのフィルムシステムが,階調度,粒状度などの特性

値のすべてにおいて,表1に定めた数値を満たしていなければならない。 

エネルギーの異なる放射線において使用する場合又は金属はくスクリーンとの組合せ若しくはスクリー

ンなしで使用する場合においても,5.1によって決めたフィルムシステムクラスの呼称は変更しない。 

製造業者は,使用者からの要求があれば,5.に規定した特性値のすべて及び以下に述べる項目を記載し

た証明書をもって,フィルムシステムの分類を表示する。 

現像処理方法(手現像又は自動現像) 

処理薬品 

現像処理時間 

現像処理温度 

表1 フィルムシステムクラス (T) 及びその境界値 

フィルムシステムクラ
ス 

D=D0+2.0における 

階調度の最小値 

D=D0+4.0における 

階調度の最小値 

D=D0+2.0における 

階調度・ノイズ比の最
小値 

D=D0+2.0における 

粒状度の最大値 

T1 

4.3 

7.4 

270 

0.018 

T2 

4.1 

6.8 

150 

0.028 

T3 

3.8 

6.4 

120 

0.032 

T4 

3.5 

5.0 

100 

0.039 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2 ISOスピード数値表 

log10KSの範囲 

ISOスピード 

log10KSの範囲 

ISOスピード 

−3.05〜−2.96 

1 000 

−1.75〜−1.66 

50 

−2.95〜−2.86 

800 

−1.65〜−1.56 

40 

−2.85〜−2.76 

640 

−1.55〜−1.46 

32 

−2.75〜−2.66 

500 

−1.45〜−1.36 

25 

−2.65〜−2.56 

400 

−1.35〜−1.26 

20 

−2.55〜−2.46 

320 

−1.25〜−1.16 

16 

−2.45〜−2.36 

250 

−1.15〜−1.06 

12 

−2.35〜−2.26 

200 

−1.05〜−0.96 

10 

−2.25〜−2.16 

160 

−0.95〜−0.86 

−2.15〜−2.06 

125 

−0.85〜−0.76 

−2.05〜−1.96 

100 

−0.75〜−0.66 

−1.95〜−1.86 

80 

−0.65〜−0.56 

−1.85〜−1.76 

64 

7. 関連規格 

ISO 7004 : 1987 Photography−Industrial radiographic film−Determination of ISO speed and 

average gradient when exposed to X- and gamma-radiation 

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K 7627 : 1998 (ISO/DIS 11699-1 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(参考) フイルムシステムクラス (W) 及びその境界値 

この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

工業用放射線フィルムの中,階調度が比較的低く,粒状度が小の特性値をもつフィルムシステムクラス 

(W) 及びその境界値を附属書表1に参考として記述する。 

附属書表1 フィルムシステムクラス (W) 及びその境界値 

フィルムシステムクラ

ス 

D=D0+2.0における 

階調度の最小値 

D=D0+4.0における 

階調度の最小値 

D=D0+2.0における 

階調度・ノイズ比の最 
小値 

D=D0+2.0における 

粒状度の最大値 

W-A 

3.8 

5.7 

135 

0.027 

W-B 

3.5 

5.0 

110 

0.032 

W-C 

3.5未満 

5.0未満 

80 

0.039 

工業用X線フィルム原案委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

久 保 走 一 

東京工芸大学 

松 山   格 

元東京都立工業技術センター 

西 出 徹 雄 

通商産業省基礎産業局 

宮 崎 正 浩 

工業技術院標準部 

大 岡 紀 一 

日本原子力研究所 

関 田 純一郎 

テスコ株式会社開発部 

丸 山   温 

財団法人日本溶接構造専門学校 

加 藤   潔 

日本X線検査株式会社技術開発部 

小 山 悌次郎 

日本アグファ・ゲバルト株式会社 

片 岡 光 昭 

日本コダック株式会社 

伊 庭 功 明 

日本非破壊検査協会 

水 川 延 彦 

富士写真フィルム株式会社工業標準室 

(関係者) 

渡 辺 武 夫 

工業技術院標準部 

(事務局) 

甘 利 孝 三 

写真感光材料工業会