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K 7380-1:2011   

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 原理······························································································································· 2 

5 装置······························································································································· 2 

6 試薬及び器具 ··················································································································· 2 

7 試料採取························································································································· 3 

8 手順······························································································································· 3 

8.1 試料溶液の調製 ············································································································· 3 

8.2 ガスクロマトグラフの設定 ······························································································ 4 

8.3 測定 ···························································································································· 4 

8.4 検量線の作成 ················································································································ 4 

9 結果の算出 ······················································································································ 4 

10 試験報告 ······················································································································· 4 

附属書A(参考)塩化ビニルモノマー含有量測定に望ましいガスクロマトグラフ用カラム ·················· 5 

附属書B(参考)塩化ビニルモノマーの検量線用溶液の測定チャート例 ·········································· 6 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 7 

K 7380-1:2011   

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,塩ビ工業・環境協会(VEC),日本プラスチ

ック工業連盟(JPIF)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制

定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格であ

る。 

これによって,JIS K 7380:1999は廃止され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS K 7380の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 7380-1 第1部:ガスクロマトグラフ法 

JIS K 7380-2 第2部:乾燥粉末・ガスクロマトグラフ法 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

      JIS 

K 7380-1:2011 

プラスチック− 

塩化ビニルホモポリマー及びコポリマー− 

残留塩化ビニルモノマーの求め方− 

第1部:ガスクロマトグラフ法 

Plastics-Homopolymer and copolymer resins of vinyl chloride- 

Determination of residual vinyl chloride monomer- 

Part 1: Gas-chromatographic method 

序文 

この規格は,2008年に第2版として発行されたISO 6401を基に,技術的内容を変更して作成した日本

工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,塩化ビニルホモポリマー及びコポリマー並びに配合材料中の残留塩化ビニルモノマー含有

量の求め方について規定する。この規格は,成形品を含む全ての試料形状に適用でき,残留塩化ビニルモ

ノマー含有量が,0.1 mg/kg〜3.0 mg/kgのものに適用する。 

ただし,試料形状が粉状のものは,JIS K 7380-2によって測定してもよい。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 6401:2008,Plastics−Poly(vinyl chloride)−Determination of residual vinyl chloride monomer−

Gas-chromatographic method(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

警告 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。

この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。

この規格の利用者は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなければな

らない。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0114 ガスクロマトグラフ分析通則 

K 7380-1:2011   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS R 3505 ガラス製体積計 

ISO 472,Plastics−Vocabulary 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0114及びISO 472による。 

原理 

試料をN,N'-ジメチルアセトアミドに溶解又は膨潤させたものを試料溶液とし,ヘッドスペース法ガスク

ロマトグラフを用いて試料溶液中の塩化ビニルモノマー(以下,VCMという。)のピーク面積を測定し,

検量線を用いて定量する。 

装置 

装置は,次による。 

5.1 

ガスクロマトグラフ ガスクロマトグラフは,JIS K 0114に規定するもので,自動静的ヘッドスペ

ース試料注入装置が附属したものを用いる。 

5.2 

水素炎イオン化検出器 

5.3 

ガスクロマトグラフのカラム カラムは,VCM濃度が0.01 mg/Lの溶液から得る信号強度が,バッ

クグラウンドノイズの強度の少なくとも3倍となるものを用いる。 

カラムの例を,表A.1に示す。 

5.4 

データ処理システム ガスクロマトグラフのデータ収集及び計算ができるものを用いる。 

5.5 

ガラス瓶 ガラス瓶は,容量が30 mLで,ポリテトラフルオロエチレン(以下,PTFEという。)で

覆ったシリコン製セプタム及びアルミニウム製の栓がついたものを用いる。 

5.6 

バイアル瓶 バイアル瓶は,容量が22.5 mLで,PTFEで覆ったシリコン製セプタム及びアルミニウ

ム製の栓がついたものを用いる。 

5.7 

全量ピペット 全量ピペットは,JIS R 3505に規定する,容量が10 mL及び25 mLのものを用いる。 

5.8 

マイクロシリンジ マイクロシリンジは,容量が100 μL及び500 μLのものを用いる。 

5.9 

ガスタイトシリンジ ガスタイトシリンジは,容量が10 mLで閉止弁が付いたものを用いる。 

5.10 はかり はかりは,0.1 mgまではかれるものを用いる。 

試薬及び器具 

試薬及び器具は,次による。 

6.1 

VCM VCMは,純度が99.5 %を超えるものを用いる。 

警告 VCMは,室温で気体の可燃性有害物質であり,この取扱いについては,十分に換気することが

できる換気装置内で行う。 

6.2 

N,N'-ジメチルアセトアミド N,N'-ジメチルアセトアミドは,密度が0.937 g/mLで,試験条件で塩化

ビニルと同じガスクロマトグラフの保持時間を示す不純物を含んでいないものを用いる。 

警告 N,N'-ジメチルアセトアミドは,有害物質であり,この取扱いについては,十分に換気すること

ができる換気装置内で行う。 

6.3 

検出器ガス及びキャリヤガス ガスは,検出下限を維持するために,99.99 %以上のガスを用いる。 

6.4 

VCM標準溶液 標準溶液は,VCM濃度が約1 600 mg/Lのもので,次のように調製したものを用い

K 7380-1:2011   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

る。30 mLのガラス瓶(5.5)に,全量ピペット(5.7)を用いて25 mLのN,N'-ジメチルアセトアミド(6.2)

を加え,PTFEで覆われたシリコン製セプタム及びアルミキャップで栓をする。このN,N'-ジメチルアセト

アミドを含む瓶の質量を0.1 mgまではかり記録する。内部を洗浄した10 mLのガスタイトシリンジ(5.9)

を用いて,ガラス瓶(5.5)のセプタムを通してシリンジの先端を液体の表面下まで差し込み,N,N'-ジメチ

ルアセトアミドの中に10 mLのVCMを注入する。このとき,ガラス瓶の中が,空気で汚染されないよう

に注意する。この操作で調製したものを溶液Aとする。 

この操作を,別のガラス瓶(5.5)を用いて繰り返して調製したものを溶液Bとする。 

VCMを完全に吸着するために,溶液A及び溶液Bを室温で2時間放置する。その後,再び各ガラス瓶

の質量を0.1 mgまではかり,加えたVCMの量を求め,溶液A及び溶液BのVCMの濃度(mg/L)を算出

し,記録する。これら溶液は,冷蔵庫内に保管する。 

6.5 

VCM検量線用溶液の調製用溶液 調製用溶液は,VCM濃度が約32 mg/Lのもので,次のように調

製したものを用いる。ガラス瓶(5.5)に,ガラスピペットを用いて,25 mLのN,N'-ジメチルアセトアミド

(6.2)を加え,PTFEで覆われたシリコン製セプタム及びアルミキャップで栓をする。マイクロシリンジ

(5.8)を用いて,500 μLの溶液Aをガラス瓶のセプタムを通して注入する。この操作で調製したものを

溶液Cとする。同じ操作で溶液Bを注入して調製したものを溶液Dとする。 

溶液C及び溶液DのVCMの濃度(mg/L)を算出し,記録する。 

6.6 

VCM検量線用溶液 検量線用溶液は,VCM濃度が0 mg/L〜約30 mg/Lのもので,次のように調製

したものを用いる。7個の容量22.5 mgのバイアル瓶(5.6)に,ガラスピペットを用いて,それぞれに    

10 mLのN,N'-ジメチルアセトアミド(6.2)を注入する。100 μLのマイクロシリンジ(5.8)を用いて,溶

液Cを0 μL,20 μL,40 μL,50 μL,60 μL,80 μL及び100 μL各バイアル瓶に加えてPTFEで覆われたシ

リコン製セプタム及びアルミキャップで栓をする。さらに,2個のバイアル瓶(5.6)にガラスピペットを

用いて,それぞれに10 mLのN,N'-ジメチルアセトアミド(6.2)を注入する。この2個のバイアル瓶には,

100 μLのマイクロシリンジ(5.8)を用いて,溶液Dを20 μL添加する(最終的なVCM濃度は,約0.06 mg/L

となる。)。PTFEで覆われたシリコン製セプタム及びアルミキャップで栓をする。この2個の溶液は,検

量線の妥当性を確認するために用いる。 

試料採取 

試料は,試料形状(成形品,ポリマーなど)及び試験の目的を考慮して,代表的な部分となるものを採

取する。 

試料がポリマーの場合は,ポリマー中のVCMは,揮発性があり,その保存状態によって,VCMの濃度

勾配(表面部が揮散しやすい。)を形成することがあり試料採取を迅速に行うなどの注意を要す。この濃度

勾配の発生を防ぐには,結露が発生しないように低温で保存することが望ましい。試験機関間での試料の

送付又は保管が必要な場合は,ガラス瓶(5.5)又はバイアル瓶(5.6)に試料を満たして密封することが望

ましい。 

手順 

8.1 

試料溶液の調製 

小片にした試料を,はかり(5.10)で計量して1 gを0.001 gまではかりとり採取し,バイアル瓶(5.6)

に入れ,10 mLのN,N'-ジメチルアセトアミドを添加した後にPTFEで覆われたシリコン製セプタム及びア

ルミキャップで栓をする。試料溶液は,同じ手順で三つ調製する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

8.2 

ガスクロマトグラフの設定 

用いるガスクロマトグラフ及びカラムの種類によって,ガスクロマトグラフ(5.1)及び水素炎イオン化

検出器(5.2)を適切に設定する。 

注記 附属書Aに,VCMを測定するのに適切なカラムの例を示す。また,このカラムを用いた場合

の,設定条件例を,例示する。 

トランスファライン温度:150 ℃ 

カラムオーブン温度プロファイル:80 ℃で2分間放置,昇温速度5 ℃/分で80 ℃〜170 ℃

とし,次いで昇温速度20 ℃/分で170 ℃〜230 ℃とする。 

これらの条件で,VCMは,8.4分で溶出する。 

8.3 

測定 

試料溶液(8.1)並びに6.6に規定する七つのVCM検量線用溶液及び二つの校正用溶液を自動静的ヘッ

ドスペース試料注入装置に置き,温度平衡とするために温度70 ℃で1時間放置した後に測定を行う。 

自動静的ヘッドスペース試料注入装置の望ましい設定条件は,次による。 

ニードル温度:150 ℃ 

加圧時間:1.0 分 

注入時間:0.1 分 

取出時間:0.5 分 

8.4 

検量線の作成 

8.3の測定で得られた七つのVCM検量線用溶液の結果を用いてJIS K 0114によってピーク面積を求め,

VCM濃度(mg/L)とピーク面積との関係を装置によって図示し,検量線を作成する。 

注記 附属書Bに,VCMの検量線用溶液の測定チャートの例を示す。 

結果の算出 

8.4に規定する検量線を用いて,8.3の測定で得られた三つの試料溶液及び二つの校正溶液のピーク面積

からVCM濃度(mg/L)を求め,試料溶液に含まれるVCMの質量(g)を算出する。結果は,次の式を用

いてmg/kgに換算して,VCM含有量(M)として表示する。 

10

×

m

c

M=

ここに, 

c: 検量線から求めた試料溶液のVCM含有量(mg/L) 

m: 試料の質量(g) 

M: VCM含有量(mg/kg) 

10 試験報告 

試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) この規格の番号(JIS K 7380-1) 

b) 試料の詳細 

c) 個々の測定結果並びに平均値及び標準偏差 

d) 測定条件 

e) 二つの検量線校正溶液のVCM推定含有量及び測定含有量 

f) 

この規格から逸脱した事項 

g) 試験年月日 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

塩化ビニルモノマー含有量測定に望ましいガスクロマトグラフ用カラム 

この規格に用いることが望ましいカラムを,表A.1に示す。 

表A.1−望ましいカラム 

カラム 

長さ(m) 

直径(mm) 

カラムの種類 

15.00 

0.53 

スチレン,ジビニルベンゼン共重合体 

30.00 

0.53 

多孔質ジビニルベンゼンホモポリマー 

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附属書B 

(参考) 

塩化ビニルモノマーの検量線用溶液の測定チャート例 

VCM検量線用溶液の測定チャートの一例を,図B.1に示す。 

X 保持時間(分) 
Y 信号強度 

塩化ビニル濃度:0.06 mg/L 

塩化ビニル濃度:0.19 mg/L 

塩化ビニル濃度:0.31 mg/L 

図B.1−測定チャート例(表A.1に示すカラム2を用いている。) 

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附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS K 7380-1:2011 プラスチック−塩化ビニルホモポリマー及びコポリマー−残留
塩化ビニルモノマーの求め方−第1部:ガスクロマトグラフ法 

ISO 6401:2008 Plastics−Poly(vinyl chloride)−Determination of residual vinyl 
chloride monomer−Gas-chromatographic method 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごとの
評価 

技術的差異の内容 

2 引用規
格 

3 用語及
び定義 

JIS K 0114を引用 

− 

追加 

JIS K 0114の追加 

実質的な技術的差異はない。 

5 装置 

JIS K 0114及びJIS 
R 3505を引用 

− 

追加 

JIS K 0114及びJIS R 3503
の追加 

実質的な技術的差異はない。 

8.4 検量
線の作成 

JIS K 0114を引用 

8.4 

− 

追加 

JIS K 0114を追加 

実質的な技術的差異はない。 

− 

− 

10 

To 

be 

determined 

by 

interlaboratory trial 

削除 

対応国際規格には具体的な
数値が示されていない。 

精度をとれるようにする。 

 
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 6401:2008,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

2

K

 7

3

8

0

-1

2

0

11

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。