K 7369:2009
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 原理······························································································································· 2
5 試験用添加物 ··················································································································· 2
6 装置······························································································································· 2
7 手順······························································································································· 3
8 測定回数························································································································· 3
9 計算及び結果の表示 ·········································································································· 3
9.1 各ふるいの上及びふるい受け皿の中に残った試験試料の平均質量の計算 ··································· 3
9.2 ふるい残率及びふるい受け皿残率の計算············································································· 4
9.3 平均粒子径の計算 ·········································································································· 4
10 試験報告書 ···················································································································· 5
附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································· 6
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,塩ビ工業・環境協会(VEC),日本プラスチッ
ク工業連盟(JPIF)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべき
との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
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日本工業規格
JIS
K 7369:2009
プラスチック−ポリ塩化ビニルホモポリマー及び
コポリマー−機械ふるい分けによる粒子径の求め方
Plastics-Polyvinyl chloride homopolymer and
copolymer resins-Determination of particle size by mechanical sieving
序文
この規格は,2005年に第1版として発行されたISO 22498を基に,技術的内容を変更して作成した日本
工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,ポリ塩化ビニルホモポリマー及びコポリマーの機械ふるいを用いたふるい残率及び平均粒
子径の求め方について規定する。
この規格の方法では,ふるい網の公称目開きが,0.038 mmより小さいふるいを用いることは望ましくな
い。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 22498:2005,Plastics−Vinyl chloride homopolymer and copolymer resins−Particle size
determination by mechanical sieving (MOD)
なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,“修正している”こと
を示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
ふるい残率(sieve retention)
試験手順の終わりに,ふるいの上に残った試験試料の質量分率(%)。
2
K 7369:2009
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3.2
ふるい受け皿残率(pan retention)
試験手順の終わりに,積み重ねた複数のふるい又は一つのふるいの下に設置した受け皿中の試験試料の
質量分率(%)。
3.3
平均粒子径(mean particle size)
各粒子径及び質量分率から算出する,試験試料を主に構成している粒子の代表粒子径。
4
原理
試験試料を,機械ふるい装置に設置した一つのふるい又はふるい網の開口寸法が異なる複数のふるいを
積み重ねたものを用いてふるい分け,各ふるい上及びふるい受け皿の試験試料の残量を求める。平均粒子
径は,計算によって求める。
5
試験用添加物
試験用添加物は,次による。
5.1
静電気防止剤 静電気防止剤は,酸化アルミ,カーボンブラック又はこれらと同等の効果があるも
ので,液体でもよい。ただし,粉体の場合は,その粒子径が,試験に用いる最小公称目開きのふるいを十
分に通過するものとする。
5.2
非粘着性ゴムブロック 非粘着性ゴムブロックは,タイプAデュロメータ硬さが70〜80のもので,
寸法が約40 mm×約10 mm×約15 mmのものを用いる。
注記 ゴムブロックは,ふるい分けるときに,試験試料による目詰まりを防止するためにふるい中の
試験試料に添加するものである。
6
装置
装置は,次による。
6.1
静電気防止剤用はかり 静電気防止剤のひょう量に用いるはかりは,精度±0.001 gのものとする。
6.2
試験試料用はかり 試験試料のひょう量に用いるはかりは,各ふるい上及びふるい受け皿に残留し
ている試験試料をひょう量するのに十分な大きさ及びひょう量範囲で,精度±0.1 gのものとする。
6.3
ふるい ふるいは,ふるい枠の径200 mmで,JIS Z 8801-1の規定に適合し,ふた及び底部にふるい
受け皿を備えるもの。ふるい網の公称目開きは,7.5の規定によるものとするが,0.425 mm,0.250 mm,
0.150 mm,0.106 mm,0.075 mm及び0.063 mmの中から選択する又はこの組合せを用いることが望ましい。
また,受渡当事者間の協定による目開きの網をもつふるい又は組合せを用いてもよい。
6.4
ふるい振動機 ふるい振動機は,タイマ付きスイッチを備えることが望ましく,一つ又は複数のふ
るいを積み重ねたものを,均一な垂直運動することができ,かつ,垂直運動のストロークの前後がタップ
(緩やかに)又はジャーク(急激に)とすることができるものとする。タッピング速度は,150±15 タッ
プ/分とする。
6.5
軟質毛ブラシ 軟質毛ブラシは,ふるい網の目詰まりを除去でき,ふるいの網を変形させない程度
の柔らかさのブラシを用いる。
6.6
電気掃除機 電気掃除機は,微粉を安全に吸引できるものとする。
3
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7
手順
手順は,次による。
7.1
ふるい,ふた及びふるい受け皿は,電気掃除機 (6.6) で清掃し,樹脂粒子などの異物の付着がない
ことを確認する。除去し難い残留物は,軟質毛ブラシ (6.5) を用いて取り除く。
7.2
ふるいは,網の損傷又はゆがみの有無を調べ,これらの欠陥のあるものは取り替える。
7.3
ふるいの質量又は複数のふるいの場合は,個々のふるいの質量をひょう量し,0.1 gで丸める。
7.4
受け皿をひょう量し,0.1 gで丸める。
7.5
ふるい及びふるい受け皿を順に重ねて組み込む。個々のふるいには2〜3個の非粘着性ゴムブロック
(5.2) を用いてもよい。複数のふるいを積み重ねて用いる場合は,下からふるいの網の公称目開きが小さい
順に組み込み,公称目開きの一番大きなふるいが最上段となるようにする。
積み重ねたふるいを用いて平均粒子径を求める場合は,最上段のふるい上及びふるい受け皿内での試験
試料の残率の合計が4 %以下となるように,各ふるいの網の公称目開きの設定を選択する必要がある。ふ
るいの網の公称目開きが段階的に配分されるようできるだけ多くのふるいを用いる。適用可能な組合せを
6.3に示す。
7.6
20.0±0.1 gの試験試料をはかりとり,粉体又は液体の静電気防止剤 (5.1) を添加する。静電気防止
剤の添加量は,試験試料の粉が容易に流動できるようになる量とするが,試験試料質量の0.1 %を超えて
はならない。
静電気防止剤を溶媒などで溶解又は分散した溶液を用いる場合は,静電気防止剤及び溶媒の残留量が試
験試料量の0.1 %を超えていないことを確認する。
7.7
ひょう量した試験試料及び静電気防止剤をスパチュラで混合し,その混合物がふるいからあふれ出
ないよう又は飛散しないようにして,ふるいの最上段に入れる。必要ならば,軟質毛ブラシを用いて混合
物を完全に移す。
7.8
ふるい又は積み重ねた最上部のふるいにふたをし,ふるい振動機にセットする。
7.9
ふるい振動機のタイマを10分〜20分に設定し,スイッチを入れる。
7.10 振動終了後,ふるいを最上段から注意深く分離する。非粘着性ゴムブロックを用いた場合は,注意
深く非粘着性ゴムブロックを取り除き,付着した粉を該当するふるいに戻す。ふるい又は各々のふるい及
びふるい受け皿をそれらの上及び内に残った試験試料と共にひょう量する。
8
測定回数
試験回数は,各試験試料について2回の測定を行う。
9
計算及び結果の表示
9.1
各ふるいの上及びふるい受け皿の中に残った試験試料の平均質量の計算
各々のふるい上の残率及びふるい受け皿の内に残った試験試料の質量 (g) については,測定1回目は式
(1) で,測定2回目は式 (2) によって算出する。
3
2
1
m
m
m
=
−
············································································· (1)
ここに,
m1: 1回目に求めた各々の残留試験試料を含んだふるい
又はふるい受け皿の質量
m2: 1回目に求めた各々のふるい又はふるい受け皿だけ
の質量
m3: 1回目に求めた各々のふるい又はふるい受け皿に残
4
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留した試験試料の質量
6
5
4
m
m
m
=
−
············································································ (2)
ここに,
m4: 2回目に求めた各々の残留試験試料を含んだふるい
又はふるい受け皿の質量
m5: 2回目に求めた各々のふるい又はふるい受け皿だけ
の質量
m6: 2回目に求めた各々のふるい又はふるい受け皿に残
留した試験試料の質量
次に,各ふるいの上及びふるい受け皿の内に残った試験試料の平均質量mr (g),すなわち,2回の測定値
の平均値を式 (3) によって算出する。
2
6
3
r
m
m
m
+
=
··········································································· (3)
9.2
ふるい残率及びふるい受け皿残率の計算
各ふるいのふるい残率又はふるい受け皿残率 (R) は,式 (4) によって算出する。
s
r100
m
m
R
×
=
············································································· (4)
ここに,
R: ふるい残率又はふるい受け皿残率(%)
ms: 二つの試験試料の平均質量 (g)
9.3
平均粒子径の計算
平均粒子径の計算は,次による。
9.3.1
各ふるいのふるい残率(%)及びふるい受け皿残率(%)を式 (3) 及び式 (4) によって計算し,
全ふるいのふるい残率及びふるい受け皿残率の合計値が,99 %以上であることを確認する。これを外れる
場合は,再試験を行う。
9.3.2
積み重ねたふるいの一番上から始め,各ふるいと次の段のふるいとを一組にし,各組の下の段(小
さい開口寸法の方)に残留した試験試料の平均粒子径を式 (5) によって算出する。
2
2
1
r
d
d
D
+
=
············································································· (5)
ここに,
Dr: 小さい開口寸法のふるいが保持する試験試料の平均
粒子径 (mm)
d1: 大きい開口寸法の網をもつふるいの網の公称目開き
(mm)
d2: 小さい開口寸法の網をもつふるい網の公称目開き
(mm)
9.3.3
試験試料の平均粒子径 (D) は,式 (6) によって算出する。
(
)(
)
(
)
100
.......
n
n
2
2
1
1
R
D
R
D
R
D
D
×
+
+
×
+
×
=
········································· (6)
ここに, D1,D2,....Dn: 式 (5) によって算出した積み重ねられた
ふるいの各ペアの平均粒子径 (mm)
R1,R2,....Rn: 各ペアで小さい開口の方のふるいの試験試
料残率(%)
平均粒子径の算出では,最大公称目開きの網をもつふるい及びふるい受け皿に残留した試験試
料は無視する。粒子径の値は,0.001 mmまで表示する。
5
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
10 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) この規格の番号 (JIS K 7369)
b) 試験試料(樹脂)を識別する詳細な資料
c) 用いた静電気防止剤の種類及び量
d) 非粘着性ゴムブロックを用いた場合は,その種類及び硬度。
e) 求めた特性値,すなわち,種々の開口寸法のふるいでのふるい残率(%)及び/又は試験試料全体の
平均粒子径 (mm)
f)
ふるい振動機タイマの設定時間(分)
g) 試験年月日
1
ふるい
2
ふるい受け皿
図1−機械ふるい装置の例
1
2
附属書JA
(参考)
JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 7369:2009 プラスチック−ポリ塩化ビニルホモポリマー及びコポリマー−機
械ふるい分けによる粒子径の求め方
ISO 22498:2005,Plastics−Vinyl chloride homopolymer and copolymer resins−Particle
size determination by mechanical sieving
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
4 原理
4
原理
変更
①対応国際規格の適用範囲中
の一部を,この規格ではこの箇
条に移した。
②対応国際規格の7.5の規定と
重複する部分を削除した。
技術的差異はない。
① 適用範囲として好ましくない
部分を原理へ移した。
② 重複規定の削除
5 試験用
添加物
5
材料
変更
5.1 この規格では,静電気防止
剤は,液体も使用可能とした。
また,粉体を用いる場合の注意
事項を追加した。
国内の実績から,及び7.6の規定と
合わせるため。
ISOに提案する。
6 装置
6.3 ふるい
6.3
ふるい
変更
ISO 565からJIS Z 8801-1へ変
更
ISO 565は,公称目開きの規定だけ
で,ISO 3310-1の方が適しており,
これに対応したJIS Z 8801-1を引
用規格とした。
ISOに提案する。
7 手順
7.5
7.9
7
手順
変更
7.5 “非粘着性ゴムブロック
を,用いてもよい。”に変更し
た。
7.9 振動機のタイマの設定時
間を変更した。
7.5 国内の実績から,非粘着性ゴム
ブロックは,用いない方がよい場合
もあるため。
7.9 対応国際規格のタイマの詳細
な設定時間は,意味があるものでは
ないと判明し,国内の実績を考慮し
て変更した。
ISOに提案する。
2
K
7
3
6
9
:
2
0
0
9
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
9 計算及
び結果の
表示
9
計算及び結果の表示
追加
9.3.3 に結果の表示は,“0.001
mmまで表示する。”を追加
用語の箇条から,適切な場所に移行
した。
ISOに提案する。
10
精度
削除
箇条削除
対応国際規格のこの箇条は規定内
容がないため,この規格では削除し
た。
ISOに提案する。
10 試験報
告書
11
試験報告書
変更
“f) ふるい振動機タイマの設
定時間”を追加した。
前記のタイマの設定時間変更によ
って追加した。
ISOに提案する。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 22498:2005,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ··············· 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ··············· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ··············· 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ·············· 国際規格を修正している。
2
K
7
3
6
9
:
2
0
0
9
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。