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K 7364-2:2004 (ISO 9988-2:1999) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本プラスチック工業連盟(JPIF)/財団法人

日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 9988-2:1999,Plastics―

Polyoxymethylene (POM) moulding and extrusion materials―Part 2:Preparation of test specimens and 

determination of propertiesを基礎として用いた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS K 7364の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 7364-1 第1部:呼び方のシステム及び仕様表記の基礎 

JIS K 7364-2 第2部:試験片の作り方及び諸性質の求め方 

K 7364-2:2004 (ISO 9988-2:1999) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 試験片の作り方 ··············································································································· 3 

3.1 成形前の材料の取扱い ···································································································· 3 

3.2 射出成形 ······················································································································ 3 

4. 試験片の状態調節 ············································································································ 4 

5. 諸性質の求め方 ··············································································································· 4 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 7364-2:2004 

(ISO 9988-2:1999) 

プラスチック―ポリオキシメチレン(POM) 

成形用及び押出用材料― 

第2部:試験片の作り方及び諸性質の求め方 

Plastics―Polyoxymethylene (POM) moulding and extrusion materials―Part 

2:Preparation of test specimens and determination of properties 

序文 この規格は,1999年に第2版として発行されたISO 9988-2:1999,Plastics―Polyoxymethylene (POM) 

moulding and extrusion materials―Part 2:Preparation of test specimens and determination of propertiesを翻訳し,

技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。 

1. 適用範囲 この規格は,成形用及び押出用ポリオキシメチレン(POM)材料の試験片の作り方及び諸性

質の求め方について規定する。この規格では,試験材料の取扱い方並びに成形する前の試験材料及び試験

する前の試験片の状態調節の要求事項を規定する。 

この規格は,試験片を作る手順及び条件,並びに成形した試験片を用いて,その材料の諸性質を求める

手順を示す。また,成形用及び押出用ポリオキシメチレンの特徴を知るための,適切で,かつ,必要な諸

性質の求め方について規定する。 

諸性質は,JIS K 7140-1に規定する一般的試験方法の中から選定している。この規格は,成形用及び押

出用材料の広範囲に使われている試験方法並びにその他特に重要な試験方法を含んでいる。JIS K 7364-1

で規定する表示特性(メルトフローレイト及び引張弾性率)がこれに相当する。 

この規格で規定する試験片の作り方,状態調節方法,試験片寸法及び試験手順は,再現性があり,他と

比較できる試験結果を得るためには必要である。寸法の異なる試験片又は異なった手順で得られた試験結

果は,必ずしも一致するとは限らない。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修

正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 9988-2:1999,Plastics―Polyoxymethylene (POM) moulding and extrusion materials―Part 2:

Preparation of test specimens and determination of properties (IDT) 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その

最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 2134 湿潤状態での固体電気絶縁材料の比較トラッキング指数及び保証トラッキング指数を決

K 7364-2:2004 (ISO 9988-2:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

定する試験方法 

備考 IEC 60112:1979, Method for determining the comparative and the proof tracking indices of solid 

insulating materials under moist conditions が,この規格と一致している。 

JIS K 7100 プラスチック―状態調節及び試験のための標準雰囲気 

備考 ISO 291:1997, Plastics−Standard atmospheres for conditioning and testingからの引用事項は,こ

の規格の該当事項と同等である。 

JIS K 7110 プラスチック―アイゾット衝撃強さの試験方法 

備考 ISO 180:1993, Plastics−Determination of Izod impact strengthからの引用事項は,この規格の

該当事項と同等である。 

JIS K 7112 プラスチック―非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法 

備考 ISO 1183:1987, Plastics−Methods for determining the density and relative density of non-cellular 

plasticsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS K 7115 プラスチック―クリープ特性の試験方法−第1部:引張クリープ 

備考 ISO 899-1:1993, Plastics−Determination of creep behaviour−Part 1:Tensile creepからの引用事

項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS K 7139 プラスチック―多目的試験片 

備考 ISO 3167:1993, Plastics−Multipurpose test specimensが,この規格と一致している。 

JIS K 7140-1 プラスチック―比較可能なシングルポイントデータの取得と提示―第1部:成形材料 

備考 ISO 10350-1:1998, Plastics―Acquisition and presentation of comparable single-point data―Part 

1:Moulding materialsが,この規格と一致している。 

JIS K 7152-1 プラスチック―熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片―第1部:通則並びに多

目的試験片及び短冊形試験片の成形 

備考 ISO 294-1:1996, Plastics―Injection moulding of test specimens of thermoplastic materials―Part 

1:General principles, and moulding of multipurpose and bar test specimensが,この規格と一致して

いる。 

JIS K 7152-3 プラスチック―熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片―第3部:小形角板 

備考 ISO 294-3:1996, Plastics―Injection moulding of test specimens of thermoplastic materials―Part 

3:Small platesが,この規格と一致している。 

JIS K 7152-4 プラスチック―熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片―第4部:成形収縮率の

求め方 

備考 ISO 294-4:1997, Plastics―Injection moulding of test specimens of thermoplastic materials―Part 

4:Determination of moulding shrinkageが,この規格と一致している。 

JIS K 7161 プラスチック―引張特性の試験方法 第1部:通則 

備考 ISO 527-1:1993, Plastics―Determination of tensile properties―Part 1:General principlesが,この

規格と一致している。 

JIS K 7162 プラスチック―引張特性の試験方法 第2部:型成形,押出成形及び注型プラスチック

の試験条件 

備考 ISO 527-2:1993, Plastics―Determination of tensile properties―Part 2:Test conditions for moulding 

and extrusion plasticsが,この規格と一致している。 

JIS K 7171 プラスチック―曲げ特性の試験方法 

K 7364-2:2004 (ISO 9988-2:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考 ISO 178:1993, Plastics―Determination of flexural propertiesが,この規格と一致している。 

JIS K 7191-1 プラスチック―荷重たわみ温度の試験方法―第1部:通則 

備考 ISO 75-1:1993, Plastics―Determination of temperature of deflection under load―Part 1:General 

test methodが,この規格と一致している。 

JIS K 7191-2 プラスチック―荷重たわみ温度の試験方法―第2部:プラスチック及びエボナイト 

備考 ISO 75-2:1993, Plastics―Determination of temperature of deflection under load―Part 2:Plastics 

and eboniteが,この規格と一致している。 

JIS K 7209 プラスチック―吸水率の求め方 

備考 ISO 62:1999, Plastics―Determination of water absorptionが,この規格と一致している。 

JIS K 7210 プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボ

リュームフローレイト(MVR)の試験方法 

備考 ISO 1133:1997, Plastics―Determination of the melt mass-flow rate (MFR) and the melt 

volume-flow rate (MVR) of thermoplastics が,この規格と一致している。 

JIS K 7364-1 プラスチック―ポリオキシメチレン(POM)の成形用及び押出用材料―第1部:呼び

方のシステム及び仕様表記の基礎 

備考 ISO 9988-1:1998, Plastics―Polyoxymethylene (POM) moulding and extrusion materials―Part 

1:Designation system and basis for specificationsが,この規格と一致している。 

ISO 179-1:2000, Plastics-Determination of Charpy impact properties―Part 1:Non-instrumented impact test 

ISO 3146:1985, Plastics-Determination of melting behaviour (melting temperature or melting range) of  

semi-crystalline polymers 

IEC 60093:1980, Methods of test for volume resistivity and surface resistivity of solid electrical insulating 

materials 

IEC 60243-1:1998, Electrical strength of insulating materials―Test methods―Part 1:Tests at power 

frequencies 

IEC 60250:1969, Recommended methods for the determination of the permittivity and dielectric dissipation 

factor of electrical insulating materials at power, audio and radio frequencies including metre wavelengths 

IEC 60296:1982, Specification for unused mineral insulating oils for transformers and switchgear 

3. 試験片の作り方 試験片は,射出成形で作るものとし,常に同じ成形条件で,同じ手順で作ることを

基本とする。材料は,用いる直前まで防湿容器に保存する。 

3.1 

成形前の材料の取扱い 一般的に,成形前に材料の前処理は必要がない。 

3.2 

射出成形 射出成形試験片は,JIS K 7152-1,JIS K 7152-3,及びJIS K 7152-4に従って,表1の条

件で作製する。 

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K 7364-2:2004 (ISO 9988-2:1999) 

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表 1 試験片の射出成形条件 

材料 

溶融温度 

℃ 

金型温度 

℃ 

平均射出速度 

mm/s 

ホモポリマー,MFR 7以下 

215 

90 

140±100 

ホモポリマー,MFR 7を超える 

215 

90 

300±100 

ホモポリマー,衝撃性改良,MFR 7以下 

210 

60 

140±100 

コポリマー,MFR 4を超える 

205 

90 

200±100 

コポリマー,衝撃性改良 

205 

80 

200±100 

コポリマー,MFR 4以下 

205 

90 

140±100 

4. 試験片の状態調節 試験片は,JIS K 7100に従って(23±2)℃,(50±5)% RHの条件下で,少なく

とも16時間状態調節を行う。 

5. 諸性質の求め方 諸性質の求め方及びデータの表示は,JIS K 7140-1による。すべての試験は,表2

及び表3に特に規定がなければ,(23±2)℃,(50±5)%RHの標準状態で行う。 

表2には,JIS K 7140-1に規定するものの中から,ポリオキシメチレン成形用及び押出用材料に適切な

性質を規定している。これらの性質は,他の熱可塑性プラスチックのデータと比較するのに有用である。   

表3には,表2に記載していない性質で,ポリオキシメチレン成形用及び押出用材料を特徴づけるのに

重要な性質又は一般に広く用いられる性質を記している。 

これらの性質を測定する試験片は,JIS K 7140-1には規定していない。 

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表 2 一般的な性質及びその試験条件(JIS K 7140-1からの抜粋) 

性質 

単位 

規格 

試験片のタイプ 

(寸法:mm) 

試験条件及び補足説明 

レオロジー的性質 

メルトマスフローレイト 
(MFR) 

g/10 min 

JIS K 7210 

成形材料 

温度 190 ℃,荷重 2.16 kg 

メルトボリュームフローレート 
(MVR) 

cm3/10 min 

機械的性質 
引張弾性率 

MPa 

 
JIS K 7161 
JIS K 7162 
 
 

 
JIS K 7139 
   タイプA 
 
 

試験速度 1 mm/min 

引張降伏応力 

MPa 

試験速度 50 mm/min 
 

引張降伏ひずみ 

引張破壊呼びひずみ 

引張破壊応力 

MPa 

試験速度 5 mm/min 
引張破壊ひずみが10 %未満
の場合だけに適用する。 

引張破壊ひずみ 

引張クリープ弾性率 

MPa 

JIS K 7115 
 

JIS K 7139 
 タイプA 

1時間 

ひずみ 
0.5 %以下 

1 000時間 

曲げ弾性率 

MPa 

JIS K 7171 

80×10×4  

試験速度2 mm/min 

シャルピー衝撃強さ 
(ノッチなし) 

kJ/m2 

ISO 179-1 
 

80×10×4 

1e法(エッジワイズ衝撃) 
 

シャルピー衝撃強さ 
(ノッチ付き) 

80×10×4 
V-ノッチ 
r=0.25 

熱的性質 
溶融温度 
 

℃ 

ISO 3146 

成形材料 

C法(DSC又はDTA) 
10 ℃/minで実施。 

荷重たわみ温度 
 

℃ 

JIS K 7191-1 
JIS K 7191-2 

80×10×4 
フラットワイズ 

A法(1.8 MPa) 
及びB法(0.45 MPa) 

線膨張係数 

℃−1 

TMA法 
(JIS K 7140-1
参照) 

JIS K 7139から
作成 
 

流れ方向 
 

23〜55 ℃
の温度範囲
でのセカン
ト(secant)
値を記録す
る。 

流れに直角 
方向 

電気的性質 

比較トラッキング 
指数 

− 

JIS C 2134 

≧15×≧15×4 

溶液Aを用いる。 

その他の性質 

吸水率 

JIS K 7209 

50×50×3 又は 

φ50×3 円盤 

23 ℃,24時間水中に浸せ
き 

密度 

g/ml 

JIS K 7112 

10×10×4 

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表 3 追加可能な性質及びその試験条件 

性質 

単位 

規格 

試験片のタイプ 

(寸法:mm) 

試験条件及び補足説明 

機械的性質 

アイゾット衝撃強さ 
(ノッチ付き) 

kJ/m2 

JIS K 7110 

80×10×4 

 1A法 

電気的性質 

比誘電率 

− 

IEC 60250 

≧60×≧60×2 
 

周波数 100 Hz及び1 MHz 
(電極のエッジの影響を補
償する。) 

誘電正接 

体積抵抗率 

Ω・m 

IEC 60093 

電圧 100 V 

表面抵抗率 

Ω 

耐電圧 

kV/mm 

IEC 60243-1 

25 mm/75 mmの同軸シリン
ダー形の電極を使用。 
IEC 60296の変圧器油に浸
せきする。短時間試験方法
(迅速試験方法)を用いる。 

その他の性質 

成形収縮率 

JIS K 7152-4 60×60×2 

流れ方向と流れに直角方向
の収縮率,後収縮率及び全
収縮率を報告する。