K 7314-2 : 1999 (ISO 14910-2 : 1997)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
今回の制定は,国際規格に整合させるために,ISO 14910-2 : 1997を基礎として用いた。
JIS K 7314 : 1999は,一般名称を“プラスチック−熱可塑性ポリエステル/エステルエラストマー及び
ポリエーテル/エステルエラストマー成形用及び押出用材料”として,次の各部によって構成する。
第1部:呼び方のシステム及び仕様表記の基礎
第2部:試験片の作り方及び諸性質の求め方
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 7314-2 : 1999
(ISO 14910-2 : 1997)
プラスチック−熱可塑性
ポリエステル/エステルエラストマー
及びポリエーテル/エステルエラストマー
成形用及び押出用材料−
第2部:試験片の作り方及び諸性質の求め方
Plastics−Thermoplastic polyester/ester and polyether/ester elastomers for
moulding and extrusion−
Part 2 : Preparation of test specimens and determination of properties
序文 この規格は,1997年に第1版として発行されたISO 14910-2, Plastics−Thermoplastic polyester/ester and
Polyether/ester elastomer sfor moulding and extrusion−Part 2 : Preparation of test specimens and determination of
propertiesを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
1. 適用範囲 この規格は,成形用及び押出用熱可塑性ポリエステル/エステル及びポリエーテル/エス
テル材料の試験片の作り方及び諸性質の求め方について規定する。この規格では,試験材料の取扱い,成
形前の試験材料及び試験前の試験片の状態調節についての要求事項を規定する。
この規格は,試験片を作る手順及び条件,並びに成形された試験片を用いて,その材料の諸性質を求め
る手順を示す。成形用及び押出用熱可塑性ポリエステル/エステル並びにポリエーテル/エステル材料の
特徴を知るための適切,かつ,必要な諸性質及び求め方について規定する。
諸性質は,JIS K 7140に規定する一般的な試験方法から選んだ。これらの成形用及び押出用材料に対し
て広範囲に使われている試験方法,及び特殊で重要な他の試験方法,並びにJIS K 7314-1に規定する区分
用の性質:硬さ,融点及び引張/曲げ弾性率も,この規格に含む。
再現性があり,他と比較できる試験結果を得るためには,ここに規定する試験片の作り方,状態調節方
法,試験片寸法及び試験手順を採用する。
寸法の異なる試験片及び異なった手順で得られた試験結果は,必ずしも一致するとは限らない。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。記載された発効年又は発行年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・
追補には適用しない。
JIS C 2134 : 1996 湿潤状態での固体電気絶縁材料の比較トラッキング指数及び保証トラッキング指
数を決定する試験方法
2
K 7314-2 : 1999 (ISO 14910-2 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考 IEC 60112 : 1979 Method for determining comparative and the proof tracking indices of solid
insulating materials under moist conditionsが,この規格と一致している。
JIS K 7111 : 1996 プラスチック−シャルピー衝撃強さの試験方法
備考 ISO 179 : 1993 Plastics−Determination of Charpy impact strengthが,この規格と一致している。
JIS K 7139 : 1996 プラスチック−多目的試験片
備考 ISO 3167 : 1993 Plastics−Preparation and use of multipurpose test specimensが,この規格と一
致している。
JIS K 7140 : 1995 プラスチック−比較可能なシングルポイントデータの取得と提示
備考 ISO 10350 : 1993 Plastics−Acquisition and presentation of comparable single-point dataが,この
規格と一致している。
JIS K 7152-1 : 1999 プラスチック−熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片−第1部:通則並び
に多目的試験片及び短冊形試験片の成形
備考 ISO 294-1 : 1996 Plastics−Injection moulding test specimens of thermoplastic materials−Part 1 :
General principles, and moulding of multipurpose and bar testが,この規格と一致している。
JIS K 7160 : 1996 プラスチック−引張衝撃強さの試験方法
備考 ISO 8256 : 1990 Plastics−Determination of tensile impact strengthが,この規格と一致している。
JIS K 7161 : 1994 プラスチック−引張特性の試験方法 第1部:通則
備考 ISO 527-1 : 1993 Plastics−Determination of tensile properties−Part 1 : General Principlesが,こ
の規格と一致している。
JIS K 7162 : 1994 プラスチック−引張特性の試験方法 第2部:型成形,押出成形及び注型プラスチ
ックの試験条件
備考 ISO 527-2 : 1993 Plastics−Determination of tensile properties−Part 2 : Test conditions for
moulding and extrusion plasticsが,この規格と一致している。
JIS K 7171 : 1994 プラスチック−曲げ特性の試験方法
備考 ISO 178 : 1993 Plastics−Determination of flexural propertiesが,この規格と一致している。
JIS K 7191-1 : 1996 プラスチック−荷重たわみ温度の試験方法−第1部:通則
備考 ISO 75-1 : 1993 Plastics−Determination of temperature of deflection under load−Part 1 : General
test methodが,この規格と一致している。
JIS K 7191-2 : 1996 プラスチック−荷重たわみ温度の試験方法−第2部:プラスチック及びエボナイ
ト
備考 ISO 75-2 : 1993 Plastics−Determination of temperature of deflection under load−Part 2 : Plastics
and eboniteが,この規格と一致している。
ISO 34-1 : 1994 Rubber, vulcanized or thermoplastics−Determination of tear strength−Part 1 : trouser,
angle and crescent test pieces
ISO 62 : 1980 Plastics−Determination of water absorption
ISO 291 : 1977 Plastics−Standard atmospheres for conditioning and testing
ISO 306 : 1994 Plastics−Thermoplastic materials−Determination of Vicat softening temperature (VST)
ISO 868 : 1985 Plastics and ebonite−Determination of indentation hardness by means of a durometer
(Shorehardness)
ISO 899-1 : 1993 Plastics−Determination of creep behaviour−Part 1 : Tensile creep
3
K 7314-2 : 1999 (ISO 14910-2 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ISO 1133 : 1997 Plastics−Determination of the melt mass-flow rate (MFR) and the melt volume-flow rate
(MVR) of thermoplastics
ISO 1183 : 1987 Plastics−Methods for determining the density and relative density of non-cellular plastics
ISO 1210 : 1992 Plastics−Determination of the burning behaviour of horizontal and vertical specimens in
contact with a small-flame ignition source
ISO 3146 : 1985 Plastics−Determination of melting behaviour (melting temperature or melting range) of
semicrystalline polymers
ISO 3451-2 : 1984 Plastics−Determination of ash−Part 2 : Poly (alkylene terephthalate) plastics
IEC 60093 : 1980 Methods of test for volume resistivity and surface resistivity of solid electrical insulating
materials
IEC 60243-1 : 1988 Methods of test for electric strength of solid insulating materials−Part 1 : Test at power
frequencies
IEC 60250 : 1969 Recommended methods for the determination of the permittivity and dielectric dissipation
factor of electrical insulating materials at power, audio and radio frequencies including metrewave lengths
IEC 60296 : 1982 Specification for unused mineral insulating oils for transformers and switchgear
IEC 61006 : 1991 Methods of test for the determination of the glass transition temperature of electrical
insulating materials
3. 試験片の作り方 試験片は,常に同一の手順で,同一の成形条件で作らなければならない。
試験片は,射出成形で作る。
材料は,使用するまでは防湿された容器に保管しておく。
充てん又は補強された材料の水分率は,その材料の総量に対する百分率で表示する。
3.1
成形前の材料の取扱い 成形の前に,試料の水分率は0.05% (m/m) を超えてはならない。
水分率を確実に低く保つために,射出成形機のホッパーの中の材料を,乾燥空気,窒素,又はアルゴン
で覆うようにすることを推奨する。また,脱湿ホッパードライヤーを使うと,よりよい結果が得られる。
3.2
射出成形 射出成形試験片は,JIS K 7152-1に従い,表1に規定した条件で作らなければならない。
表1 試験片の射出成形条件
融点
℃
ショアD硬さ 試験片厚さ
mm
金型温度
℃
溶融温度
℃
平均射出速度
mm/s
≦160
−
2
20
融点より30℃高い温度
200±100
>160
≦50
2
40
融点より30℃高い温度
200+100
>160
>50
2
50
融点より30℃高い温度
200+100
−
−
4
20
融点より30℃高い温度
200±100
4. 試験片の状態調節 機械的性質,電気的性質,及び密度を測定する試験片は,ISO 291に従って,23℃
±2℃,(50±5) %RHの条件下で,少なくとも16時間状態調節をしなければならない。
5. 諸性質の求め方 諸性質の求め方及びデータの提示は,JIS K 7140に規定した規格,補足説明及び備
考に従う。すべての試験は,次の表に特に規定がなければ,23℃±2℃,(50±5) %RHの標準状態で行う。
表2に,JIS K 7140に規定するものの中から,成形用及び押出用熱可塑性ポリエステル/エステル並び
にポリエーテル/エステル材料に適切な性質を規定した。これらの性質は,他の熱可塑性プラスチックの
4
K 7314-2 : 1999 (ISO 14910-2 : 1997)
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データと比較するのに有用である。
表2 一般的性質及びその試験条件(JIS K 7140から抜粋)
性質
単位
規格
試験片のタイ
プ及び寸法
mm
試験片の作
り方1)
試験条件及び
補足説明
レオロジー的性質
メルトマスフローレイト
(MFR)
g/10min
ISO 1133
成形材料
−
温度2),荷重2.16kg
メルトボリュームレイト
(MVR)
cm3/10min
機械的性質
曲げ弾性率
MPa
JIS K 7171
(ISO 178)
80×10×4
M
試験速度2mm/min
シャルピー衝撃強さ
(ノッチなし)
kJ/m2
JIS K 7111
(ISO 179)
80×10×4
M
方法1eU
(エッジワイズ衝撃)
シャルピー衝撃強さ
(ノッチ付き)
kJ/m2
JIS K 7111
(ISO 179)
80×10×4
M
方法1eA
(エッジワイズ衝撃)
引張衝撃強さ
(ノッチ付き)
kJ/m2
JIS K 7160
(ISO 8256)
80×10×4
機械加工ダブルVノッ
チ,r=1
M
ノッチ付きシャルピー試験で破
壊しなかった場合だけ適用す
る。
熱的性質
融点
℃
ISO 3146
成形材料
−
C法(DSC又はDTA)10℃
/minを使用する。
ガラス転移点
℃
IEC 61006
成形材料
−
A法(DSC又はDTA)10℃
/minを使用する。
荷重たわみ温度
℃
JIS K 7191-1
(ISO 75-1)
JIS K 7191-2
(ISO 75-2)
80×10×43)
又は
110×10×4
M
0.45MPa及び1.8MPa
ビカット軟化温度
℃
ISO 306
10×10×4
M
加熱速度50℃/h
荷重50N
線膨張係数
℃-1
TMA [JIS K 7140
(ISO 10350)]
JIS K 7139
(ISO 3167) による
M
流れ方向に平
行
23〜55℃の温
度範囲でのセ
カント値を記
録する。
流れ方向に直
角
燃焼性
mm/min
ISO 1210
125×13×3
追加試験片の厚さ<
3mm
M
A法:試験片の水平燃焼速度
s
125×13×3
追加試験片の厚さ<
3mm
M
B法:垂直試験片の
a)火炎燃焼時間
b)赤熱燃焼時間
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K 7314-2 : 1999 (ISO 14910-2 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
性質
単位
規格
試験片のタイ
プ及び寸法
mm
試験片の作
り方1)
試験条件及び
補足説明
電気的性質
比誘電率
IEC 60250
≧80×≧80×1
M
周波数:100Hz及び1MHz,電
極のエッジの影響を補償する。
誘電正接
体積抵抗率
Ω・m
IEC 60093
M
電圧100V
表面抵抗率
Ω
耐電圧
kV/mm
IEC 60243-1
≧80×≧80×1
M
25mm/75mmの同軸シリンダ
ー形の電極を使用する。
IEC 60296の変圧器油に浸
せきする。
短時間試験法(迅速昇圧法)
を使用。
≧80×≧80×3
耐トラッキング性
JIS C 2134 (IEC
60112)
≧15×≧15×4
M
溶液Aを使用する。
その他の性質
吸水率
%
ISO 62
50×50×3又は
50φ×3
M
23℃水中に24時間浸せきする。
厚さ≦1
M
M
23℃水中飽和
23℃50%RH飽和
密度
kg/m3
ISO 1183
10×10×4
M
注1) M:射出成形
2) 190℃−融点≦175℃
220℃−175℃<融点≦210℃
240℃−融点≧210℃;すべてブロー成形材料
3) 80×10×4の短冊状試験片を判定試験として使う。
表3には,表2に記載していない性質で,成形用及び押出用熱可塑性ポリエステル/エステル並びにポ
リエーテル/エステル材料を特徴付けるのに重要な性質,又は一般に広く用いられている性質を記載する。
これらの性質を用いて異なる材料と比較できるのは,同じ系統の熱可塑性プラスチックに限られる。
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K 7314-2 : 1999 (ISO 14910-2 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3 追加の諸性質及び試験条件
性質
単位
規格
試験片のタイプ
及び寸法
mm
試験片の
作り方
試験条件及び
補足説明
その他の性質
引張弾性率
MPa
JIS K 7161
(ISO 527-1)
JIS K 7162
(ISO 527-2)
1BA
M
試験速度1mm/min
引張降伏応力
試験速度50mm/min
引張降伏ひずみ
%
引張破壊呼びひずみ
50%ひずみ時引張応力 MPa
引張クリープ弾性率
MPa
ISO 899-1
1BA
M
1時間
ひずみ
≦
0.5%
1000時間
引裂強さ
kN/m
ISO 34-1
B法:
手順(a)
角度付き試験片
厚さ2mm
M
試験速度500mm/min
硬さ
−
ISO 868
≧80×≧80×≧6
M
試験速度1mm/min
最低厚みを得るために試験片
を重ねてもよい。
灰分
%
ISO 3451-2
成形材料
−
充てん,及び/又は補強グレ
ードだけに適用。
JIS K 7314-2 原案作成委員会 構成表
氏名
所属
本委員会
分科会
植 村 勝
工学院大学
◎委員長
八 田 勲
工業技術院標準部
○
西 出 徹 雄
通商産業省基礎産業局
○
橋 本 進
財団法人日本規格協会
○
高 杉 和 徳
株式会社東芝
○
吉 川 高 雄
財団法人鉄道総合技術研究所
○
浅 田 正 博
鐘淵化学工業株式会社
○
高 石 信 爾
カネボウ合繊株式会社
○
○
田 村 恒太郎
大日本インキ化学工業株式会社
○
○
森 川 武
帝人株式会社
○
○主査
光 本 明
デュポン株式会社
○
○
松 山 雄二郎
東洋紡績株式会社
○
○
菅 尚 彦
東レ株式会社
○
○
内 藤 永 祥
東レ・デュポン株式会社
○
○
早乙女 忠
日本イージープラスチックス株式会社
○
○
木 村 博 文
ポリプラスチックス株式会社
○
○
桜 井 正 憲
三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社
○
○
豊 岡 豊
三菱レイヨン株式会社
○
○
山 口 泰 彦
ユニチカ株式会社
○
○
木 庭 道 夫
工業用熱可塑性樹脂技術連絡会
○
○
酒 井 昌 利
日本プラスチック工業連盟
事務局
事務局