K7245: 2000 (ISO 9702: 1996)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
今回の制定は,国際規格に整合させるために,ISO 9702 : 1996を基礎として用いた。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K7245: 2000
(ISO 9702: 1996)
プラスチック
−エポキシ樹脂用アミン系硬化剤−
第一,第二,第三アミノ基
窒素含有量の求め方
Plastics−Amine epoxide hardeners−Determination of primary,
secondary and tertiary amine group nitrogen content
序文 この規格は,1996年度に発行されたISO 9702: 1996, Plastics−Amine epoxide hardeners−Determination
of primary, secondary and tertiary amine group nitrogen contentを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更
することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,エポキシ樹脂用の脂肪族又は芳香族アミン系硬化剤中の第一,第二及び第三
アミノ基窒素含有量の求め方について規定する。
2. 原理
2.1
脂肪族アミン化合物
2.1.1
全アミノ基窒素含有量 (XT) の測定 酢酸中で臭化水素酸又は過塩素酸による全アミノ基窒素の
塩基性の電位差滴定法は,次の反応式による。
RNH2+H+→RN+H3
(RR') NH+H+→ (RR') N+H2
(RR'R") N+H+→ (RR'R") N+H
ここに,R,R',R"は,アミノ基窒素に直接結合する芳香環を含まない基を意味する。以下同じ。
結果は窒素の質量百分率で示す。
2.1.2
第三アミノ基窒素含有量 (X3) の測定 第三アミノ基窒素含有量の測定は,まず,無水酢酸を用い
て第一及び第二アミノ基をアミド基に変える。アミド化反応は,次の反応式による。
RNH2+ (CH3CO) 2O→RNHCOCH3+CH3COOH
(RR') NH+ (CH3CO) 2O→ (RR') NCOCH3+CH3COOH
酢酸と無水酢酸中とで臭化水素酸又は過塩素酸による第三アミノ基窒素の塩基性の電位差滴定法は,次
の反応式による。
(RR'R") N+H+→ (RR'R") N+H
2
K7245: 2000 (ISO 9702: 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
結果は窒素の質量百分率で示す。
2.1.3
第一アミノ基窒素含有量 (XL1) の測定 N, N−ジメチルホルムアミド中で第一アミノ基と2,4−ベ
ンタジオン(以下アセチルアセトンという)からイミンを形成する反応は次の反応式による。
RNH2+CH3COCH2COCH3→CH3C (NR) CH2COCH3+H2O
一定過剰に加えたアセチルアセトンの未反応部分を電位差滴定法によって水酸化カリウムで測定する
(アセチルアセトンと第一アミノ基との反応生成物は,この条件では中性である)。
結果は窒素の質量百分率で示す。
2.1.4
第二アミノ基窒素含有量 (XL2) の測定 第二アミノ基窒素含有量は全アミノ基窒素含有量から第
一及び第三アミノ基窒素含有量の合計量を差し引いて求める。
2.2
芳香族アミン化合物
2.2.1
全アミノ基窒素含有量 (XT) の測定 酢酸中で臭化水素酸又は過塩素酸による全アミノ基窒素の
塩基性の電位差滴定法は,次の反応式による。
ArNH2+H+→ArN+H3
(ArAr') NH+H+→ (ArAr') N+H2
(ArAr'Ar")N+H+→ (ArAr'Ar") N+H
ここに,Ar,Ar'Ar"はアミノ基窒素に直接結合する芳香環を含む基を意味する。以下同じ。
結果は窒素の質量百分率で示す。
2.2.2
第三アミノ基窒素含有量 (X3) の測定 第三アミノ基窒素含有量の測定は,まず,無水酢酸を用い
て第一及び第二アミノ基をアミド化する。アミド化反応は次の反応式による。
ArNH2+ (CH3CO) 2O→ArNHCOCH3+CH3COOH
(ArAr')NH+ (CH3CO) 2O→ (ArAr') NCOCH3+CH3OOH
酢酸と無水酢酸中とで臭化水素酸又は過塩素酸による第三アミノ基窒素の塩基性の電位差滴定法は,次
の反応式による。
(ArAr'Ar")N+H+→ (ArAr'Ar") N+H
結果は窒素の質量百分率で示す。
2.2.3
芳香族第二及び第三アミノ基窒素含有量の和 (XR2+3) の測定 芳香族第二及び第三アミノ基窒素
含有量の和の測定は,まず,酢酸中でサリチルアルデヒドを用いて第一アミノ基をシッフ塩基に変える。
シッフ塩基化の反応は,次の反応式による。
ArNH2+C6H4 (OH) CHO→ArN=CHC6H4 (OH) +H2O
酢酸中で塩酸による第二及び第三アミノ基窒素の塩基性の電位差滴定法は,次の反応式による。
(ArAr')NH+H+→ (ArAr') N+H2
(ArAr')NH+H+→ (ArAr') N+H2
(ArAr'Ar")N+H+→ (ArAr'Ar") N+H
備考 弱塩基性アミンを含むときの第二及び第三アミノ基窒素の塩基性の電位差滴定法は酢酸中で臭
化水素酸又は過塩素酸で滴定する。
結果は窒素の質量百分率で示す。
2.2.4
芳香族第一アミノ基窒素含有量 (XR1) の測定 芳香族第一アミノ基窒素含有量は全アミノ基窒素
含有量から第二及び第三アミノ基窒素含有量の合計量を差し引いて求める。
2.2.5
芳香族第二アミノ基窒素含有量 (XR2) の測定 芳香族第二アミノ基窒素含有量は第二及び第三ア
ミノ基窒素含有量の合計量から第三アミノ基窒素含有量を差し引いて求める。
3
K7245: 2000 (ISO 9702: 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.
試薬 試薬は,次のものを用いる。
a) 酢酸
備考 JIS K 8355に規定するもの。
b) 無水酢酸
備考 JIS K 8886に規定するもの。
c) アセチルアセトン
備考 JIS K 8027に規定するもの。
d) N, N−ジメチルホルムアミド
備考 JIS K 8500に規定するもの。
e) 1.5mol/lアセチルアセトンのN, N−ジメチルホルムアミド溶液
f)
サリチルアルデヒド
備考 JIS K 8390に規定するもの。
g) エタン−1, 2−ジオール(以下,エチレングリコールという。)
備考 JIS K 8105に規定するもの。
h) 2−プロパノール
備考 JIS K 8839に規定するもの。
i)
エチレングリコールと2−プロパノールの混合溶液 エチレングリコールと2−プロパノールの混合
溶液は500mlのエチレングリコールと500mlの2−プロパノールを混合して調製する。
j)
フタル酸水素カリウム
備考 JIS K 8005に規定する容量分析用標準物質のフタル酸水素カリウム。
k) 臭化水素酸の酢酸溶液 (50g/l)
備考 JIS K 8509に規定する臭化水素酸とJIS K 8355に規定する酢酸を用いて調製する。
l)
過塩素酸
備考 JIS K 8223に規定するもの。
m) 水酸化カリウム
備考 JIS K 8574に規定するもの。
n) 塩酸
備考 JIS K 8180に規定するもの。
o) 炭酸ナトリウム
備考 JIS K 8005に規定する容量分析用標準物質の炭酸ナトリウム。
p) 0.1mol/l臭化水素酸の酢酸溶液
1) 調製 褐色の全量フラスコ1 000mlに酢酸100mlをとり,これに臭化水素酸25mlをゆっくり加え,
注意しながらかき混ぜる。酢酸を標線まで加える。
2) 標定 フタル酸水素カリウム0.1〜0.2gを0.1mgのけたまではかりとり,酢酸50mlに溶解する。
0.1mol/l臭化水素酸の酢酸溶液で電位的に滴定する (V1) 。
酢酸50mlを用いて空試験を行う (V2) 。
溶液の濃度C1は,次の式によって小数点以下3けたまで算出する。
4
K7245: 2000 (ISO 9702: 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
)
(
20423
.0
2
1
0
1
V
V
m
C
−
×
=
ここに,
C1: 臭化水素酸の酢酸溶液の濃度 (mol/l)
m0: フタル酸水素カリウムの質量 (g)
V1: 滴定で終点までに要した臭化水素酸の酢酸溶液の容量
(ml)
V2: 空試験に要した臭化水素酸の酢酸溶液の容量 (ml)
0.204 23: 1mol/l臭化水素酸1mlに相当するフタル酸水素カリウム
の量 (g)
q) 0.1mol/l過塩素酸の酢酸溶液
1) 調製 褐色の全量フラスコ1 000mlに500mlの酢酸と8.5mlの70%過塩素酸(又は9.9mlの60%過
塩素酸)を混合する。これに30ml(60%の過塩素酸を使用したときは35ml)の無水酢酸を加えてよ
くかき混ぜる。酢酸で標線まで希釈する。
2) 標定 標定の操作はp) 2)と同様に行う。濃度は同じ式から求められるが,このときC1は過塩素酸
の酢酸溶液の濃度とする。
r) 0.5mol/l水酸化カリウムの2−プロパノール溶液
1) 調製 丸底フラスコに2−プロパノール1 000mlをとり,水酸化カリウム30gを加える。数時間還
流加熱して完全に溶かす。二酸化炭素を遮って2〜3日間放置した後,その上澄み液をポリエチレン
製瓶に入れ,ソーダ石灰を満たした保護管を付けて保存する。保存中はけん化されるおそれのある
コルク栓,ゴム栓,活栓などに触れないようにする。
2) 標定 フタル酸水素カリウム0.5〜1.0gを0.1mgのけたまではかりとり,水100mlに溶かす。
0.5mol/l水酸化カリウム溶液で電位的に滴定する (V3) 。
別に空試験を行う (V4) 。
溶液の濃度C2は,次の式によって小数点以下3けたまで算出する。
)
(
20423
.0
4
3
1
2
V
V
m
C
−
×
=
ここに,
C2: 水酸化カリウム溶液の濃度 (mol/l)
m1: フタル酸水素カリウムの質量 (g)
V3: 滴定で終点までに要した水酸化カリウム溶液の容量
(ml)
V4: 空試験に要した水酸化カリウム溶液の容量 (ml)
0.204 23: 1mol/l水酸化カリウム1mlに相当するフタル酸水素カリ
ウムの量 (g)
s)
0.1mol/l塩酸の混合溶液
1) 調製 塩酸9mlにエチレングリコールと2−プロパノールの混合溶液1 000mlを加える。
2) 標定 酸ナトリウム0.13〜0.16gを0.1mgのけたまではかりとり,水100mlに溶かす。
0.1mol/l塩酸のエチレングリコールと2−プロパノールの混合溶液で電位的に滴定する (V5) 。
別に空試験を行う (V6) 。
溶液の濃度C3は,次の式によって小数点以下3けたまで算出する。
5
K7245: 2000 (ISO 9702: 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
)
(
05299
.0
6
5
2
3
V
V
m
C
−
×
=
ここに,
C3: 塩酸の混合溶液の濃度 (mol/l)
m2: 炭酸ナトリウムの質量 (g)
V5: 滴定で終点までに要した塩酸の混合溶液の容量 (ml)
V6: 空試験に要した塩酸の混合溶液の容量 (ml)
0.052 99: 1mol/l塩酸1mlに相当する炭酸ナトリウムの量 (g)
4. 装置 装置は,次による。
a) 感量0.1mg分析用はかり
b) ビーカー 100ml
c) メスシリンダー 50ml
d) 共通すり合わせ三角フラスコ 20ml
e) 全量ピペット 5ml
f)
メスピペット 1ml
g) 40℃を維持できる湯浴
h) フラスコ 100ml,1 000ml,2 000ml
i)
褐色の全量フラスコ 1 000ml
j)
ガラス電極,カロメル電極を備えた電位差滴定装置
備考1. JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則がある。
2. JIS R 3503 化学分析用ガラス器具がある。
3. JIS R 3505 ガラス製体積計がある。
5. 手順
5.1
脂肪族アミン化合物
5.1.1
全アミノ基窒素含有量 (XT) の測定 アミノ基約1mmolに相当するアミン系硬化剤 (mT) をビー
カー100mlに0.1mgのけたまではかりとる。酢酸50mlに溶かす。臭化水素酸溶液又は過塩素酸溶液で電位
的に滴定する (V1) 。
備考 N−アミノエチルピペラジンの一つの窒素は過塩素酸との反応が遅いため終点の検出が困難で
ある。したがって,N−アミノエチルピペラジン又はその誘導体の測定には臭化水素酸溶液を
用いる。
別に酢酸50mlで空試験を行う (V2) 。
5.1.2
第三アミノ基窒素含有量 (X3) の測定 アミノ基約1mmolに相当するアミン系硬化剤 (m3) をビー
カ100mlに0.1mgのけたまではかりとる。酢酸10mlに溶かす。
無水酢酸10mlを加え,十分に混合する。室温で30分間放置する。酢酸40mlを加え,臭化水素酸溶液
又は過塩素酸溶液で電位的に滴定する (V1) 。
別に空試験を行う (V2) 。
5.1.3
第一アミノ基窒素含有量 (XL1) の測定 アミノ基約2mmolに相当するアミン系硬化剤 (m1) を共
通すり合わせ三角フラスコ20mlに0.1mgのけたまではかりとる。全量ピペット5mlを用いて1.5mol/lアセ
チルアセトンのN, N−ジメチルホルムアミド溶液5mlを加えてフラスコに密栓をし,十分に混合する。水
浴上で40℃に30分間保つ。
6
K7245: 2000 (ISO 9702: 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
室温まで冷却後,N, N−ジメチルホルムアミド50mlを用いて混合物をビーカー100mlに移す。水酸化カ
リウム溶液で電位的に滴定する (V3) 。
別に空試験を行う (V4) 。
5.1.4
第二アミノ基窒素含有量 (XL2) の測定 第二アミノ基窒素含有量は全アミノ基窒素含有量から第
一及び第三アミノ基窒素含有量の合計量を差し引いて求める。
5.2
芳香族アミン化合物
5.2.1
全アミノ基窒素含有量 (XT) の測定 芳香族アミン化合物の全アミノ基窒素含有量は脂肪族アミ
ン化合物の場合と同様の方法で測定する(5.1.1参照)。
5.2.2
第三アミノ基窒素含有量 (X3) の測定 芳香族アミン化合物の第三アミノ基窒素含有量は脂肪族
アミン化合物の場合と同様の方法で測定する(5.1.2参照)。
5.2.3
第二及び第三アミノ基窒素含有量 (XR2+3) の測定
a) アミノ基約1mmolに相当するアミン系硬化剤 (m2+3) をフラスコ100mlに0.1mgのけたまではかりと
る。10mlの酢酸に溶かす。メスピペット1mlを使用してサリチルアルデヒド1mlを加える。室温に
30分間放置する。エチレングリコールと2−プロパノールの混合溶液50mlを加え,塩酸で電位的に
滴定する (V5) 。
別に空試験を行う (V6) 。
b) 4, 4'−ジアミノジフェニルスルホン系のような弱塩基性物質の第二及び第三アミノ基窒素含有量の測
定は,次のように行う。
アミノ基約1mmolに相当するアミン系硬化剤 (m2+3) をビーカー100mlに0.1mgのけたまではかり
とり,酢酸10mlに溶かす。メスピペット1mlを用いてサリチルアルデヒド1mlを加えて十分に混合
する。室温で30分間放置する。酢酸40mlを加え,臭化水素酸溶液又は過塩素酸溶液で電位的に滴定
する (V1) 。
別に空試験を行う (V2) 。
5.2.4
第一アミノ基窒素含有量 (XR1) の測定 第一アミノ基窒素含有量は,全アミノ基窒素含有量から
第二及び第三アミノ基窒素含有量の合計量を差し引いて求める。
5.2.5
第二アミノ基窒素含有量 (XR2) の測定 第二アミノ基窒素含有量は,第二及び第三アミノ基窒素
含有量の合計量から第三アミノ基窒素含有量を差し引いて求める。
6. 結果の表示 それぞれのアミノ基窒素含有量は,次の式を用いて百分率で求める。
6.1
全アミノ基窒素含有量XT 全アミノ基窒素含有量は,次の式から算出し,小数点以下1けたに丸め
て表示する。
T
T
m
V
V
C
X
100
)
(
014
.0
2
1
1
×
−
×
×
=
ここに,
C1: 臭化水素酸溶液又は過塩素酸溶液の濃度 (mol/l)
V1: 滴定に使用した溶液の終点までの消費量 (ml)
V2: 空試験での溶液の消費量 (ml)
mT: アミン系硬化剤の質量 (g)
6.2
第三アミノ基窒素含有量X3(5.1.2及び5.2.2参照) 第三アミノ基窒素含有量は,次の式から算出
し,小数点以下1けたに丸めて表示する。
7
K7245: 2000 (ISO 9702: 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3
2
1
1
3
100
)
(
014
.0
m
V
V
C
X
×
−
×
×
=
ここに, C1: 臭化水素酸溶液又は過塩素酸溶液の濃度 (mol/l)
V1: 滴定に使用した溶液の終点までの消費量 (ml)
V2: 空試験での溶液の消費量 (ml)
m3: アミン系硬化剤の質量 (g)
6.3
脂肪族第一アミノ基窒素含有量XL1(5.1.3参照) 脂肪族第一アミノ基窒素含有量は,次の式から
算出し,小数点以下1けたに丸めて表示する。
1
3
4
2
1
100
)
(
014
.0
m
V
V
C
XL
×
−
×
×
=
ここに, C2: 水酸化カリウム溶液の濃度 (mol/l)
V3: 滴定に使用した溶液の終点までの消費量 (ml)
V4: 空試験における溶液の消費量 (ml)
m1: アミン系硬化剤の質量 (g)
6.4
脂肪族第二アミノ基窒素含有量XL2(5.1.4参照) 脂肪族第二アミノ基窒素含有量は,次の式から
算出し,小数点以下1けたまで表示する。
)
(
3
1
2
X
X
X
X
L
T
L
+
−
=
ここに,
XT: アミン系硬化剤の全アミノ基窒素含有量 (%)
XL1: アミン系硬化剤の脂肪族第一アミノ基窒素含有量 (%)
X3: アミン系硬化剤の第三アミノ基窒素含有量 (%)
6.5
芳香族第二及び第三アミノ基窒素含有量の合計量XR2+3(5.2.3参照) 芳香族第二及び第三アミノ基
窒素含有量の合計量は,次の式から算出し,小数点以下1けたに丸めて表示する。
3
2
6
5
3
3
2
100
)
(
014
.0
+
+
×
−
×
×
=
m
V
V
C
XR
又は
3
2
2
1
1
100
)
(
014
.0
+
×
−
×
×
m
V
V
C
ここに,
C3: 塩酸溶液の濃度 (mol/l)
V5: 滴定に使用した溶液の終点までの消費量 (ml)
V6: 空試験における溶液の消費量 (ml)
m2+3: アミン系硬化剤の質量 (g)
C1: 臭化水素酸溶液又は過塩素酸溶液の濃度 (mol/l)
V1: 滴定に使用した溶液の終点までの消費量 (ml)
V2: 空試験における溶液の消費量 (ml)
6.6
芳香族第一アミノ基窒素含有量XR1(5.4.2参照) 芳香族第一アミノ基窒素含有量は,次の式から
算出し,小数点以下1けたまで表示する。
3
2
1
+
−
=
R
T
R
X
X
X
ここに,
XT: アミン系硬化剤の全アミノ基窒素含有量 (%)
XR2+3: アミン系硬化剤の芳香族第二及び第三アミノ基窒素含有量
の合計量 (%)
6.7
芳香族第二アミノ基窒素含有量XR2(5.2.5参照) 芳香族第二アミノ基窒素含有量は,次の式から
算出し,小数点以下1けたまで表示する。
3
3
2
2
X
X
X
R
R
−
=
+
ここに,
X3: アミン系硬化剤の第三アミノ基窒素含有量 (%)
XR2+3: 芳香族第二及び第三アミノ基窒素含有量の合計量 (%)
8
K7245: 2000 (ISO 9702: 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7. 精度 1994年に日本で実施されたラウンドロビンテストの結果から得られた精度は,次のとおりであ
る。
脂肪族アミノ基窒素含有量:
m,sr,sR,r,Rの値は,質量百分率で示す。
アミノ基窒素の種類
平均値
併行精度
室間精度
m
sr
r
sR
R
第一アミノ基窒素
8.49
0.59
1.64
1.37
3.83
第二アミノ基窒素
6.90
0.49
1.38
1.46
4.08
第三アミノ基窒素
10.23
0.12
0.34
0.54
1.51
芳香族アミノ基窒素含有量:
m,sr,sR,r,Rの値は,質量百分率で示す。
アミノ基窒素の種類
平均値
併行精度
室間精度
m
sr
r
sR
R
第一アミノ基窒素
3.38
0.34
0.94
0.74
2.08
第二アミノ基窒素
4.27
0.32
0.89
0.75
2.11
第三アミノ基窒素
4.44
0.04
0.10
0.14
0.39
m=アミノ基窒素の種類ごとの全平均値
sr=アミノ基窒素の種類ごとの併行標準偏差
sR=アミノ基窒素の種類ごとの室間標準偏差
r=併行精度(測定単位における)
=2.8×sr
R=室間精度(測定単位における)
=2.8×sR
8. 試験報告書 試験報告書には,次の事項を記載する。
a) 日本工業規格番号
b) 試料名(タイプ,供給源,その他)
c) 試験条件
d) 個々の測定値と平均値
e) 測定日
f)
測定に関する注意事項
g) 規格に規定されていないが結果に影響すると予測される事項
関連規格 JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS K 8027 アセチルアセトン(試薬)
JIS K 8105 エチレングリコール(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8223 過塩素酸(試薬)
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8390 サリチルアルデヒド(試薬)
JIS K 8500 N,N−ジメチルホルムアミド(試薬)
JIS K 8509 臭化水素酸(試薬)
JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬)
JIS K 8839 2−プロパノール(試薬)
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K7245: 2000 (ISO 9702: 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS K 8886 無水酢酸(試薬)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS R 3505 ガラス製体積計
JIS原案調査作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
垣 内 弘
横浜国立大学名誉教授
(副委員長)
増 田 優
通商産業省基礎産業局
(委員)
大 嶋 清 治
工業技術院標準部
小 倉 悟
工業技術院標準部
稲 葉 和 英
工業技術院標準部
○ 宮 入 裕 夫
東京医科歯科大学医用器材研究所
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会技術部
木 原 幸 弘
財団法人日本規格協会技術部
○ 永 瀬 利 平
ソマール株式会社
○ 北 村 卓
大日本インキ化学工業株式会社
○ 久戸瀬 極
ダウ・ケミカル日本株式会社
○ 武 田 恭 幸
東都化成株式会社
○ 村 田 保 幸
油化シェルエポキシ株式会社
○ 菅 広次郎
三井石油化学工業株式会社
○ 高 橋 泰
旭チバ株式会社
○ 秋 本 耕 司
旭電化工業株式会社
○ 神 尾 邦 政
住友化学工業株式会社
○ 浜 口 昌 弘
日本化薬株式会社
◎ 北 原 正 友
富士化成工業株式会社
○ 山 村 宜 民
ヘンケル白水株式会社
○ 伊 東 達 郎
エポキシ樹脂技術協会
(事務局)
田 村 正 勝
日本プラスチック工業連盟
備考 ○印は国際整合化JIS(翻訳)作成分科会委員,◎印は同委員会幹事
[文責 JIS K 7245原案作成分科会(エポキシ樹脂技術協会内)]