サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

K 7240 : 1999 (ISO 119 : 1977) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

今回の制定では,ISO 119 : 1977を基礎として用いた。

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 7240 : 1999 

(ISO 119 : 1977) 

プラスチック− 

フェノール樹脂成形品中の 

遊離フェノールの測定方法−よう素滴定方法 

Plastics−Phenol-formaldehyde mouldings 

−Determination of free phenols-Iodometric method 

序文 この規格は,1977年に第1版として発行された,ISO 119,Plastics−Phenol-formaldehyde mouldings

−Determination of free phenols−Iodometric methodを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更すること

なく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,フェノール樹脂成形品中の遊離フェノールを定量的によう素滴定によって測

定する方法について規定する。 

備考1. この規格は,遊離フェノールの絶対量を測定する試験方法ではない。 

2. 成形品の遊離フェノールの量は,硬化度によって大きく影響される。 

3. 食料品やその他の品物が成形品に接触して汚染の可能性があるときに,この試験方法が重要

である。 

4. 遊離フェノールとは,フェノール樹脂成形品中から抽出された未反応フェノールである。 

2. 引用規格 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

ISO/R 385 Burettes 

ISO 565 Test sieves−Woven metal wire cloth and perforated plate−Nominal sizes of apertures 

ISO 648 Laboratory glassware−One-mark pipettes 

3. 原理 この試験方法は,粉砕した成形品から抽出した遊離フェノールの熱水溶液を作製し,四ほう酸

ナトリウムの存在下でよう素溶液によってよう素化を行い,酸性にした後,直ちにでんぷん溶液を指示薬

としてチオ硫酸ナトリウム標準規定液によって過剰よう素の滴定を行う方法である。 

各フェノール分子に六つのよう素原子が反応すると仮定して計算する。 

4. 試薬 分析にあたっては,分析用に規定された試薬と蒸留水又はこれらと同等の純度の水を使用する。 

4.1 

四ほう酸ナトリウム10水塩 (Na2B4O710H2O) 

K 7240 : 1999 (ISO 119 : 1977) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.2 

硫酸溶液 2mol/λ 

4.3 

よう素溶液 約0.05mol/λ 

500g/λのよう素カリ溶液約40mlに6.35gのよう素を溶かし,それを1 000mlまで水で薄める。 

4.4 

チオ硫酸ナトリウム溶液 0.05mol/λ標準規定液 

4.5 

でんぷん溶液 約2.5g/λ 

5. 器具及び装置 器具及び装置は,次のとおりとする。 

5.1 

成形品を粉末にするための器具 

5.2 

ふるい ISO 565の規定を満足する,250μmの通常の開口部をもつもの。 

5.3 

てんびん 感量0.01gのもの。 

5.4 

フラスコ 250ml共栓付きフラスコ 

5.5 

よう素フラスコ 250ml共栓付きよう素フラスコ 

5.6 

ガラスフィルタ又は細孔径40〜90μmのガラスろ過器 代替用としては,固く目の詰んだ中程度の

ろ過スピードをもったろ紙とともにろ過ロートを使用してもよい。 

5.7 

ピペット ISO 648に規定する5mlと10mlピペット。 

5.8 

ビュレット ISO/R385に規定するビュレット。 

6. 試料の調製 やすりかけ,平削り,粉砕,丸削り,穴あけなどによって成形品が発熱しないように十

分注意して粉砕し,かさを小さくした後,5.2に規定するふるいを使ってふるい分けし,通過した部分を試

料とする。試料は必要なときまで,密栓付きのフラスコに保管しておく。 

7.3に示す水による抽出は,成形品を粉砕してから1時間以内に始める。 

備考 成形品の粉砕方法は,試験結果に影響を及ぼすので,必要がある場合,受渡当事者間で協議を

する。 

7. 手順 

7.1 

試料 測定に使用する試料5±0.1gを,0.01gまで正確に量り採る。 

7.2 

ブランク試験 7.3の抽出液5mlの部分を水5mlで置き換え,7.4の手順に従って,正確にブランク

試験を行う。 

7.3 

試験溶液の調製 7.1の試料を5.4のフラスコに入れ,90〜100℃の水を質量で10倍加える。フラス

コに栓をし,フラスコを振り動かして成形粉を十分湿らせる。時々フラスコを振り動かしながら,1時間

以内に室温まで冷却し抽出液とする。次に,ガラスフィルタ,又はガラスろ過器を使って,フラスコの抽

出液をろ過する。 

7.4 

測定 5.7のピペットを使って,ろ過液5mlを5.5のよう素フラスコに入れる。4.3のよう素溶液10ml

と4.1の四ほう酸ナトリウム3〜4gを加え,水で約100mlまで薄め,直ちにフラスコに栓をする。混合液

を10分間静止し,その後,4.2の硫酸溶液20〜30mlを加える。4.5のでんぷん液2mlを指示液として加え,

遊離したよう素を4.4のチオ硫酸ナトリウム溶液で青色のでんぷんよう素色が消えるまで滴定を続ける。

成形品から出てくる淡い青白色が残ることもある。 

8. 結果の表示 成形品中の遊離フェノールの量は,フェノール (C6H5OH) の質量百分率で表し,次の式

によって算出する。 

K 7240 : 1999 (ISO 119 : 1977) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.0

57

.1

)

(

5.0

100

7

015

.0

)

(

2

1

2

1

×

×

×

×

×

T

V

V

T

V

V

ここに, 

V1: 7.2のブランク試験で使用された4.4のチオ硫酸ナトリウム

溶液の容量 (ml) 

V2: 7.4の測定で使用された4.4のチオ硫酸ナトリウム溶液の容

量 (ml) 

T: 4.4のチオ硫酸ナトリウム溶液の規定度。 

0.015 7: 正確な1mol/λチオ硫酸ナトリウム溶液1mlに相当するフェ

ノールの質量 (g) 

0.5: 7.4の測定で使用されたろ過液5mlに相当する試料の質量 

(g) 

もし,T=0.05 mol/λとすると,上記の遊離フェノール量の計算式は簡略化され, 

0.157 (V1−V2) 

となる。 

数値の表し方は,小数点以下3けたまでとし,規定の数値より1けた下位まで求めてJIS Z 8401(数値

の丸め方)によって丸める。 

9. 報告 結果の報告には,次の事項を記載する。 

a) この規格の規格番号 

b) 試料の必要な詳細事項 

c) 成形品を粉末にするための方法 

d) 遊離フェノール量 

e) 試験年月日 

JIS K 7240原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

牧     廣 

拓殖大学工学部 

(委員) 

増 田   優 

通商産業省基礎産業局化学製品課 

岡 林 哲 夫 

工業技術院繊維規格課 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

高 野 忠 夫 

財団法人高分子素材センター 

村 上 陽 一 

日本電機工業会 

神 谷   操 

東日本プラスチック成形工業協会 

田 口 勝 彦 

富士電機株式会社 

森   興 次 

株式会社東芝 

森   幸 一 

住友ベークライト株式会社 

頼 田 沢 二 

旭有機材工業株式会社 

小久保 正 典 

東芝ケミカル株式会社 

菅 野 晴 三 

日本合成化工株式会社 

栗 原 幸 雄 

日立化成工業株式会社 

愛 甲   裕 

フドー株式会社 

麻 生 善 博 

松下電工株式会社品質保証課 

井 上 正 博 

明和化成株式会社 

秦 野 主 計 

合成樹脂工業協会 

(事務局) 

田 村 正 勝 

日本プラスチック連盟