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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 7239-1991 

エポキシ樹脂の酸無水物系硬化剤中の 

遊離酸分測定方法 

Determination of free acid in acid anhydride-based 

hardeners for epoxide resins 

1. 適用範囲 この規格は,エポキシ樹脂の硬化剤として用いる酸無水物系硬化剤中の微量の遊離酸分を

測定する方法について規定する。ただし,分子中にカルボン酸基を1個以上含有する酸無水物系硬化剤に

は適用できない。 

備考1. この試験方法は,遊離酸がローダミン6G塩基を発色させる原理を応用したもので,510nmの

吸光度を測定して微量の遊離酸を定量する方法である。 

測定範囲は,遊離酸分0.1〜1.0%で,繰返しの変動係数は,2〜10%である。 

2. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS K 0068 化学製品の水分試験方法 

JIS K 0115 吸光光度分析のための通則 

JIS K 8680 トルエン(試薬) 

JIS K 8687 ナトリウム(試薬) 

JIS K 8900 2−ブタノン(試薬) 

JIS K 9012 りん酸三ナトリウム・12水(試薬) 

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用) 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS R 3505 ガラス製化学用体積計 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

関連規格 JIS K 4128 無水フタル酸 

JIS K 7231 エポキシ樹脂及び硬化剤の試験方法通則 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。 

(1) 酸無水物系硬化剤 分子中に酸無水物基を1個以上もち,これによってエポキシ樹脂を硬化させるこ

とができる酸無水物。 

(2) 遊離酸 酸無水物系硬化剤を加水分解することによって得られるカルボン酸基を分子中に2個以上含

有する化合物。 

(3) 遊離酸分 試料中に含まれる遊離酸を質量百分率で示した数値。 

3. 器具及び装置 器具及び装置は,次のとおりとする。 

K 7239-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) 化学はかり 感量0.1mgのもの。 

(2) フラスコ,漏斗及び瓶 JIS R 3503に規定する所定の容量のもの,又はこれと同様以上の品質のもの。 

(3) 全量フラスコ,メスピペット及び全量ピペット JIS R 3505に規定する所定の容量のもの,又はこれ

と同様以上の精度のもの。 

(4) ろ紙 JIS P 3801に規定する5種Bのもの,又はこれと同様以上の品質のもの。 

(5) 分光光度計 JIS K 0115に規定する分光光度計であって,測定波長510nm,セルの厚み10mm及びス

リット幅0.005mmのもの,又はこれと同様以上の精度のもの。 

4. 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(1) トルエン JIS K 8680に規定するトルエンに10w/v gの合成ゼオライト4A型(Na塩)を入れ,1日

以上静置した後上澄み液を採り,水分をJIS K 0068に規定するカールフィッシャー法によって定量し,

水分が20ppm以下のもの。 

(2) 2−ブタノン JIS K 8900に規定する2−ブタノンに10w/v gの合成ゼオライト4A型(Na塩)を入れ,

1日以上静置した後上澄み液を採り,水分をJIS K 0068に規定するカールフィッシャー法によって定

量し,水分が20ppm以下のもの。 

(3) 標準遊離酸(1) 測定対象とする酸無水物系硬化剤の試料10gに蒸留水60mlを加え3時間煮沸し,室

温まで放冷後,析出した結晶をろ過,水洗し,乾燥したもの。 

注(1) 標準遊離酸は,赤外線吸収スペクトル分析によって酸無水物の吸収がないことを確認した後使

用することが望ましい。 

(4) りん酸三ナトリウム水溶液 JIS K 9012に規定するりん酸三ナトリウム0.1gを蒸留水10mlに溶かし

たもの。 

(5) 金属ナトリウム JIS K 8687に規定するもの。 

(6) トルエン・2−ブタノン混合溶媒 4.(1)に規定するトルエン及び4.(2)に規定する2−ブタノンを容量比

95 : 5に混合したもの。 

(7) ローダミン6G溶液 ローダミン6G(CAS No. 989-38-8又はColour Index No. CI-45160参照)を乳鉢

で粉砕したもの20mgをりん酸三ナトリウム水溶液10 mlに分散させ,分液漏斗に移し,トルエン200ml

を加えて軽く振り混ぜて抽出する。1時間静置後,ろ過し,着色瓶に移す。この中に,金属ナトリウ

ム粒をカミソリなどで0.5〜1mm厚に切った薄片,0.5〜1gを加えて,12時間以上静置保存したもの。 

参考1. CASとは,米国のChemical Abstract Serviceのことで,我が国では,化学技術情報協会がここ

と基本契約しており,化学技術情報協会と契約した者がコンピュータによって情報を入手で

きるようになっている。 

2. Colour Indexとは,米国のThe American Association of Textile Chemists and Colorists及びイギリ

スのThe Society of Dyers and Colouristsの共同編集で1956年に発行された図書名のことである。 

3. 金属ナトリウムは,この試験の操作上危険はないが,直接水と接触すると,激しく反応する

ので取扱いには注意する。また,金属ナトリウムを扱う際には,手袋をするなどして直接手

に触れないよう注意する。 

5. 操作 

5.1 

検量線の作成 検量線の作成は,次による。 

(1) ブランク値の測定 全量フラスコ10mlにローダミン6G溶液2ml(2)を全量ピペットで採り,トルエン・

K 7239-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2−ブタノン混合溶媒で標線まで希釈する。この溶液をセルに採り,分光光度計を用いて510nmの吸

光度を,トルエンを対照として発色5分後に測定する(3)。 

注(2) JIS K 0068に規定するカールフィッシャー法によって使用直前に,水分を測定する。20ppm以

上のときは,再度調製する。 

注(3) 吸光度は0.30〜0.50とし,これを外れるときは,再度調製する。 

(2) 標準遊離酸溶液の調製 標準遊離酸試料0.1mg当量を0.1mgまで全量フラスコ100mlに量り採り,2

−ブタノン50mlを加え室温で完全に溶解する。次にトルエンを加えて標線まで希釈する。この中か

ら10mlを全量ピペットで別の100ml全量フラスコに採り,トルエンを加えて標線まで希釈する。 

(3) 標準遊離酸溶液の吸光度測定 全量フラスコ10mlにローダミン6G溶液2mlを全量ピペットで加え,

その上に,標準遊離酸溶液1.0mlをメスピペットで採り,添加する。次にトルエン・2−ブタノン混合

溶媒で標線まで希釈する。この溶液をセルに採り,分光光度計を用いて510nmの吸光度をトルエンを

対照として発色5分後に測定する。同様にして,標準遊離酸溶液1.5ml,2.0ml及び2.5mlを用いたと

きの吸光度を測定する。 

(4) 検量線の作成 5.1(3)で得られた吸光度から5.1(1)で得られたブランク値を差し引いた値を縦軸,遊離

酸量 (μg) を横軸に取り,原点を通る直線を引き検量線とする(4)。 

注(4) 検量線は,遊離酸測定を行う日ごとに作成する。 

5.2 

試料溶液の吸光度測定 試料溶液の吸光度測定は,次による。 

(1) 試料溶液の調製 試料0.2gを,全量フラスコ50mlに0.1mgまで正確に量り採る。トルエン・2−ブタ

ノン混合溶媒約30mlを加えて室温で溶解した後,トルエン・2−ブタノン混合溶媒で標線まで希釈す

る。 

(2) 試料溶液の吸光度測定 全量フラスコ10mlにローダミン6G溶液2mlを全量ピペットで加え,その上

に,1〜5mlの試料溶液をメスピペットを用いて0.05mlまで正確に量り採り,添加する。次にトルエ

ン・2−ブタノン混合溶媒で標線まで希釈する。この溶液をセルに採り,分光光度計を用いて510nm

の吸光度を,トルエンを対照として発色5分後に測定する。同様の操作を2回繰り返す。 

6. 計算 遊離酸分は,次の式によって算出し,2回の測定値の平均値をJIS Z 8401によって小数点以下

2けたに丸める。 

S

D

A

C

×

×

10

ここに, C: 遊離酸分 (%) 
 

A: 試料溶液の吸光度からブランク値を差し引き,検量線より求

めた遊離酸量 (μg) 

D: 希釈倍率=50 (ml) /試料溶液の添加量 (ml) 

S: 試料量 (mg) 

7. 報告 報告には,次の事項を記入する。 

(1) 試料名 

(2) 試験結果 

(3) 試験年月日 

(4) その他必要とする事項 

JIS 7239 新規原案作成委員会 構成表 

K 7239-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

氏名 

所属 

(委員長) 

垣 内   弘 

エポキシ樹脂技術協会[横浜国立大学(名誉教授)] 

阿 部 巳喜雄 

通商産業省基礎産業局 

櫻 井 俊 彦 

工業技術院標準部 

北 野   武 

工業技術院繊維高分子材料研究所 

宮 入 裕 夫 

東京医科歯科大学医用器材研究所 

野 口 義 男 

航空宇宙技術研究所 

(幹事) 

中 原   武 

日立化成工業株式会社 

(幹事) 

国 武 憂 璽 

大日本インキ化学工業株式会社 

(幹事) 

井 上 恒 市 

新日本理化株式会社 

溝 口 健 一 

日本化薬株式会社 

中 村 裕 一 

日本チバガイギー株式会社 

(幹事) 

才 木 研三郎 

日本ゼオン株式会社 

柘 植 盛 男 

住友ベークライト株式会社 

(幹事) 

藤 基 佳 久 

ソマール株式会社 

河 村 憲 行 

東芝ケミカル株式会社 

河 本 紀 雄 

日東電工株式会社 

中 島 博 行 

三菱電機株式会社 

与那原 邦 夫 

ユニオン化成株式会社 

(事務局) 

伊 東 達 郎 

エポキシ樹脂技術協会