2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 7238-1991
エポキシ樹脂の指定分類
Designation of epoxide resins
1. 適用範囲 この規格は,エポキシ樹脂の分類及びその表示の方法について規定する。
備考1. この規格の引用規格を次に示す。
JIS K 6900 プラスチック用語
JIS K 7232 エポキシ樹脂及び硬化剤の比重試験方法
JIS K 7233 エポキシ樹脂及び硬化剤の粘度試験方法
JIS K 7236 エポキシ樹脂のエポキシ当量試験方法
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 3673-1 : 1980 Plastics−Epoxide resins−Part 1 : Designation
3. この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
参考として併記したものである。
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 6900によるほか次のとおりとする。
(1) エポキシ樹脂 分子中に二つ以上のエポキシ基をもつ化合物で,他の化合物を作用させることによっ
て硬化し得るもの。
(2) 有機改質剤 エポキシ樹脂の作業性及び物性を改良するための有機化合物で,分子中に一つのエポキ
シ基をもつ化合物(モノエポキシ化合物)を含む。ただし,溶剤,硬化剤を除く。
3. 分類及びその表示の方法 エポキシ樹脂の分類方法は,その特性に一連の数字を割り当て,製品の主
な情報である主たる化学構造及びその他の特性を表1に示す分類番号を用いて表す。
表示の方法は,まず,記号“EP”でエポキシドを示し,次に2けたの数字で(化学構造分類番号),更
に続けて4けたの数字(粘度,エポキシ当量,有機改質剤又は溶剤,比重)の合計6けたの数字をもって
表示する。
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表1 エポキシ樹脂分類表
けた
番号
I及びII
III
IV
V
VI
特性
化学構造
粘度
(25℃)
エポキシ
当量
有機改質剤
又は溶剤
比重
(25℃)
単位
−
Pa・s {P}
g/eq
−
−
分
類
番
号
と
そ
の
特
性
xx
分類なし
x
特定されない
x 特定されない x 特定されない x 特定されない
01 ビスフェノールAグリシジ
ルエーテル
1 0.25 {2.5} 未満
1 115以下
1 無し
1 1.100未満
02 芳香族グリシジルエーテル
又は グリシジルエステル
2 0.25以上1以下
{2.5以上10以下}
2 116以上
150以下
2 有機改質剤
2 1.100以上
1.149以下
03 脂肪族グリシジルエーテル
又は グリシジルエステル
3 1を超え5以下
{10を超え50以下}
3 151以上
175以下
3 溶剤
3 1.150以上
1.199以下
04 脂環式グリシジルエーテル
又は グリシジルエステル
4 5を超え液状
{50を超えた液状}
4 176以上
210以下
4 有機改質剤及
び溶剤
4 1.200以上
1.299以下
05 エポキシ化シクロオレフィ
ン
5 半固体
5 211以上
290以下
5 1.300以上
1.399以下
06 エポキシ化ノボラック
6 固体
6 291以上
525以下
6 1.400以上
1.599以下
07 ハロゲン化エポキシド
7 526以上
1 025以下
7 1.600以上
1.809以下
08 含窒素エポキシド
8 1 026以上
2 050以下
8 1.810以上
09 ヘテロサイクリックエポキ
シド
9 2 050を超え
る
10 エポキシ化オレフィン
11 01以外のビスフェノールタ
イプエポキシド
12 混合物
備考1. 規格適用例
表示例 EPO14413は,次のエポキシ樹脂を表示している。
2. 実際には,分類番号のあらゆる組合せが可能とは限らない。
3. 化学構造は2けたの分類番号で表示する。新規のこの分類にない樹脂はxxで表示する。
4. この表の分類番号の01から11までの樹脂の混合物は,そのうちのどれか1つの項目で表示
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するか又は12で表示する。この場合,主成分が01から11までのいずれかに限定できるもの
は,主成分の分類番号で表示するのが望ましい。
5. 同一の製品であっても,その規格値幅が複数の分類番号にまたがる場合は,その表示番号が
ロットによって異なることがある。
6. 特性の一部が特定されないときは,該当する部分に小文字の “x” を挿入する。
4. 試験方法 試験方法は,次による。
(1) 粘度試験方法 JIS K 7233による。
(2) エポキシ当量試験方法 JIS K 7236による。
(3) 比重試験方法 JIS K 7232による。
関連規格 ASTM D 1763-81 Standard Specification for EPOXY RESINS
JIS K 7238 新規原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
垣 内 弘
エポキシ樹脂技術協会[横浜国立大学(名誉教授)]
阿 部 巳喜雄
通商産業省基礎産業局
櫻 井 俊 彦
工業技術院標準部
北 野 武
工業技術院繊維高分子材料研究所
宮 入 裕 夫
東京医科歯科大学医用器材研究所
栗 田 邦 夫
旭チバ株式会社
(幹事)
江 原 俊 治
大日本インキ化学工業株式会社
(幹事)
土 田 健 次
東都化成株式会社
泉 田 建 治
日本化薬株式会社
(幹事)
長谷川 博 昭
油化シェルエポキシ株式会社
大 島 明
ダウ・ケミカル日本株式会社
水 元 冨士敏
株式会社アサヒ化学研究所
水 口 隆 三
日本ペイント株式会社
長谷川 謙 三
関西ペイント株式会社
鎌 形 一 夫
四国化成工業株式会社
中 原 武
日立化成工業株式会社
坂 田 憲 治
三井東圧化学株式会社
(事務局)
伊 東 達 郎
エポキシ樹脂技術協会