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K 7234-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 7234-1986 

エポキシ樹脂の軟化点試験方法 

Testing Methods for Softening Point of Epoxide Resins 

1. 適用範囲 この規格は,常温で固形のエポキシ樹脂の軟化点試験方法について規定する。 

引用規格: 

JIS B 1501 玉軸受用鋼球 

JIS B 7410 石油類試験用ガラス製温度計 

JIS K 2207 石油アスファルト 

JIS K 7231 エポキシ樹脂及び硬化剤の試験方法通則 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。 

(1) エポキシ樹脂 JIS K 7231(エポキシ樹脂及び硬化剤の試験方法通則)による。 

(2) 軟化点 エポキシ樹脂が加熱されることによって次第に軟化し,規定の状態(1)になったときの温度。 

注(1) 規定の状態とは,それぞれの試験方法に示す。 

3. 試験方法の種類 試験方法の種類は,次の二とおりとする。 

(1) 環球法 

(2) 水銀置換法 

4. 試験方法 

4.1 

環球法 

4.1.1 

試験方法の概要 規定の環に試料を充てんし,水浴又はグリセリン浴中に水平に支え,試料の中央

に規定の質量の球を置き,浴温を規定の速さで上昇させたとき,球の重さで軟化した試料が環台の底板に

触れたときの温度を軟化点とする。 

4.1.2 

器具及び装置 試験器は図1に示す構造のものでJIS K 2207(石油アスファルト)の5.4に規定す

る試験器と同一とする。 

(1) 環 図2(a)に示す形状・寸法の黄銅製又はニッケルめっき若しくはクロムめっきの黄銅製のもの。 

(2) 球 JIS B 1501(玉軸受用鋼球)に規定する8

3(径9.525mm)等級60以上で質量3.5±0.05gのもの。 

(3) 球案内 図2(b)に示す形状・寸法の黄銅製又はニッケルめっき若しくはクロムめっきの黄銅製のもの。 

(4) 環台 図3に示す形状・寸法の黄銅製又はニッケルめっき若しくはクロムめっきの黄銅製のもので,

温度計及び環を次に示すように保持できるもの。 

環をその上面が加熱浴上端から75mm以上,浴液面から50mm以上,下方にあるように水平に保持

できるもの。 

K 7234-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

環の下面と環台の底板上面との距離は25.4mmとし,底板は加熱浴の底から12.7〜19.1mmとする。

温度計をその水銀球下端が環の下面と同一平面上で環から10mm以内の位置にあるよう,また試料棚

と触れないように保持できるもの。 

(5) 加熱浴 図1に示す外径100±2mm,高さ140〜150mmのビーカーで,その材質はJIS R 3503(化学

分析用ガラス器具)に規定する硬質1級のもの。 

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K 7234-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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図1 軟化点試験器(一例) 

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図2 環及び球案内 

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図3 環台 

(6) 温度計 JIS B 7410(石油類試験用ガラス製温度計)のSP33及びSP34に規定するもの,又はこれと

同等の性能をもつもの。 

備考 軟化点が200℃を超えるエポキシ樹脂があるが,その場合はJIS B 7410に規定する温度計

DIST77,DIST78,又はこれと同等の性能をもつものを使用すること。 

(7) 加熱装置 加熱浴液を毎分5℃以上の割合で上昇させる能力のもの。 

4.1.3 

試験の手順 試験の手順は,次のとおりとする。 

(1) 試料を100mlのビーカーに約10g採り,推定軟化点よりも約50℃(2)高く設定した加熱装置(油浴,熱

風乾燥器等)で部分的過熱がないように加熱溶融し,脱泡する。 

注(2) エポキシ樹脂の種類によっては推定軟化点+50℃の加熱では脱泡が困難なもの又は劣化が始ま

るものがある。このような場合にはできるだけ短時間で溶融脱泡できる温度を推定軟化点+30

〜80℃の範囲で選ぶ必要がある。 

(2) 2個の環を試料と同じ温度に加熱し,シリコーングリースなどのはく離剤を塗布した平滑な金属板上

に置き,直ちに気泡を入れないように注意して試料を2個の環にやや過剰に注ぎ込む。 

(3) 試料を注入した環を室温で30分間以上(3)放冷した後,過剰の試料を環の上縁と同じ高さまで削り取る。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注(3) 環に試料を注ぎ込んでから4時間以内に試験を終了すること。 

(4) 試料に注ぎ込んだ2個の環に球案内をはめ,温度計とともに加熱浴内に組み立てる。 

(5) 軟化点が80℃以下の場合は新たに煮沸した後室温に冷やした蒸留水(4)を,また軟化点が80℃を超える

場合は室温のグリセリンを,加熱浴に100〜110mmの高さまで満たす。 

注(4) 試料に泡が付くと試験結果に影響するので,浴の水は新たに煮沸した蒸留水を用いる。 

(6) 浴温を室温で15分間保持する。 

(7) あらかじめ浴温にした球をピンセットで球案内の中央部に置き,加熱を始める。 

(8) 加熱開始3分後から軟化点に達するまで,浴温が毎分5±0.5℃の速さで上昇するように加熱する。 

備考 昇温速度の毎分5±0.5℃は平均値であってはならない。 

(9) 試料が次第に軟化して伸び,底板に触れたときの温度計示度を小数点以下1けたまで読み,2個の測

定値の平均値を整数に丸めて軟化点とする。 

(10) 2個の結果の差が1℃を超えた場合及び毎分5±0.5℃の昇温速度が守れなかった場合には,新しい試料

で試験をやり直す。 

4.1.4 

許容差 許容差は,次のとおりとする。 

(1) 室内許容差 同一試験室において,同一人が同一試験器で日又は時間を変えて同一試料を2回試験し

たとき,試験結果の差は表1の許容差を超えてはならない。 

表1 

単位℃ 

軟化点 

許容差 

80以下のもの 

1.0 

80を超えるもの 

2.0 

(2) 室間許容差 異なる2試験室において,別人が別試験器で同一試料をそれぞれ1同ずつ試験して求め

た試験結果の差は,表2の許容差を超えてはならない。 

表2 

単位℃ 

軟化点 

許容差 

80以下のもの 

4.0 

80を超えるもの 

8.0 

4.2 

水銀置換法 

4.2.1 

試験方法の概要 標準測定管に試料を充てんし,規定量の水銀で封じた後,加熱浴中に鉛直に支え,

浴温を規定の速さで上昇させたとき,軟化した試料が水銀の表面に浮き上がった瞬間の温度を軟化点とす

る。 

備考 水銀は“毒物及び劇物取締法”に定める毒物,“特定化学物質等障害予防規則”に定める特定第

2類物質である。したがって,その取扱い,保管,廃棄などについては“水質汚濁防止法”,“毒

物及び劇物取締法”,“労働安全衛生法”及び各法の政令,省令に定めるところを遵守して管理

すること。 

4.2.2 

器具及び装置 器具及び装置は,次のとおりとする。 

(1) 標準測定管 図4に示す形状の側管付き標準測定管で内径14±0.1mm,全長150mm,側管の外径10mm,

材質はJIS R 3503に規定する硬質1級のもの。 

(2) 温度計 JIS B 7410のSP33及びSP34に規定するもの,又はこれと同等の性能をもつもの。 

備考 軟化点が200℃を超えるエポキシ樹脂があるが,その場合はJIS B 7410に規定する温度計

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DIST77,DIST78,又はこれと同等の性能をもつものを使用すること。 

(3) 加熱浴 標準測定管を鉛直に保持し,かつ,かくはん(攪拌)装置を内装し得る大きさのガラス槽で

あって,その材質はJIS R 3503に規定する硬質1級のもの。 

(4) 加熱装置 加熱浴液を毎分2℃以上の割合で均一に上昇させる能力のあるもの。 

4.2.3 

試験の手順 試験の手順は,次のとおりとする。 

(1) 試料を砕き,約1〜5mmの範囲のものを標準測定管に3±0.1g量り採る。予想される軟化点より約30℃

高く設定した加熱装置(油浴,熱風乾燥器など)に標準測定管を入れ,試料を溶融して脱泡する。 

一方,規定の温度計をコルク栓に通し,試料と同じ温度に加温しておく。 

(2) 加熱装置から標準測定管を出し,試料と同温度の温度計を溶融した試料中に差し込み,温度計の水銀

球が半分試料中に浸り,軸が標準測定管の中央になるように固定する(図4参照)。 

(3) 試料が固化し,予想される軟化点より約30℃低い温度になるまで放冷する。 

(4) 水銀50±0.1gを側管から固化した試料の上に加える。 

(5) 予想される軟化点より約30℃低い温度の加熱浴(5)に標準測定管を浸せきする。このとき,標準測定管

内の水銀の上面が加熱浴液面より約5mm下になるように固定する。 

注(5) 加熱浴の熱媒は,シリコーンオイル又はグリセリンとする。 

(6) 加熱浴の温度が均一になるようにかき混ぜながら,浴温を毎分2±0.2℃の割合で昇温するように加熱

する。 

備考 昇温速度の毎分2±0.2℃は,平均値であってはならない。 

(7) 標準測定管の水銀面をよく観察し,軟化した樹脂が水銀の上部表面に現れ出た瞬間の温度計示度を読

み,記録する。 

(8) 試験は同一試料について2回行い,その測定値の平均値を整数に丸めて軟化点とする。 

(9) 2回の測定値の差が1℃を超えた場合及び毎分2℃の昇温速度が守れなかった場合には,新しい試料で

試験をやり直す。 

備考 この試験方法の操作は水銀蒸気の吸入防止のため,すべてドラフト内で行うこと。 

4.2.4 

許容差 許容差は,次のとおりとする。 

(1) 室内許容差 同一試験室において,同一人が同一試験器で日又は時間を変えて同一試料を2回試験し

たとき,試験結果の差は1℃を超えてはならない。 

(2) 室間許容差 異なる2試験室において,別人が別試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験したとき,

試験結果の差は4℃を超えてはならない。 

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図4 水銀置換法標準測定管 

5. 報告 報告には,次の事項について記入する。 

(1) 試料の名称 

(2) 試験方法 

(3) 試験結果 

(4) 試験年月日 

(5) その他必要とする事項 

備考 環球法の場合,80℃近くの軟化点のときは使用した熱媒の名称を付記する。