K 7227 : 1998 (ISO 4611 : 1987)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
JIS K 7227には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) 調節した雰囲気と平衡状態にある,プラスチック材料の試験片による水分の吸収
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 7227 : 1998
(ISO 4611 : 1987)
プラスチックー湿熱,水噴霧及び
塩水ミストに対する
暴露効果の測定方法
PlasticsーDetermination of the effects of exposure to damp heat,
water spray and salt mist
序文
この規格は,ISO 4611 : 1987, Plastics−Determination of the effects of exposure to damp heat, water spray and salt
mistを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
1. 適用範囲
この規格は,次に示す雰囲気に対するプラスチックの暴露条件及び所定の暴露期間後における主な特性
の変化についての評価方法について規定する。
なお,この規格は,通常,標準試験片及び製品又はその部品の形態でのすべてのプラスチックに適用で
きる。
a) 湿熱状態
b) 水噴霧
c) 塩水ミスト
参考 この規格は,次の測定方法を個別に考慮している。
1) 質量の変化
2) 寸法及び外観の変化
3) 物理的特性の変化
2. 引用規格
次の規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この規格の発行
時点では,引用規格は,ここに示す発行年の規格が有効であるが,すべての規格は改定されることがある
ので,この規格の使用者は引用規格の最新版を適用できるかどうか検討することが望ましい。
JIS K 7151 : 1995 プラスチック−熱可塑性プラスチック材料の圧縮成形試験片
備考 ISO 293 : 1986, Plastics−Compression moulding test specimens of thermoplastic materialsが,こ
の規格と一致している。
JIS K 7152 : 1995 プラスチック−熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片
備考 ISO 294 : 1995, Plastics−Injection moulding of test specimens of thermoplastic materialsが,この
2
K 7227 : 1998 (ISO 4611 : 1987)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
規格と一致している。
ISO 175 : 1981 Plastics−Determination of the effects of liquid chemicals, including water
ISO 295 : 1991 Plastics−Compression moulding of test specimens of thermosetting materials
ISO 2557-1 : 1989 Plastics−Amorphous thermoplastics−Preparation of test specimens with a specified
maximum reversion−Part 1 : Bars
ISO 2557-2 : 1986 Plastics−Amorphous thermoplastics−Preparation of test specimens with a specified
reversion−Part 2:Plates
ISO 2818 : 1994 Plastics−Preparation of test specimens by machining
ISO 3205 : 1976 Preferred test temperatures
ISO 4582 : 1980 Plastics−Determination of changes in colour and variations in properties after exposure to
dayligit under glass, natural weathering or artificial light
ISO 9227 : 1990 Corrosion tests in artificial atmospheres−Salt spray tests
IEC Publication 60068 Basic environmental testing procedures
60068-2-3 test Ca : Damp heat, steady state
60068-2-3 test Ka : Salt mist
60068-2-30 test Db : Damp heat cyclic (12+12-hour cycle)
60068-2-38 test Z/AD : Composite temperature/humidity cyclic test
3. 原理
特定の環境条件において,一定の暴露期間の前後に行われる一つ又はそれ以上の特定の測定及び外観変
化の観察。必要であれば,一つ又はそれ以上の特性の測定は,暴露に続いて暴露前の試験片の状態と同じ
湿度雰囲気との平衡状態を得るための,乾燥処理や状態の再調節処理の後で行う。
4. 一般試験条件
4.1
試験の環境条件及び装置
4.1.1
湿熱
推奨する試験条件は,4.1.1.1及び4.1.1.2による。ただし,関連する製品仕様又は受渡当事者間の協定に
よって,他の温度及び/又は湿度条件を指定してもよい。
4.1.1.1
定常状態での試験
適切な試験方法は,IEC 60068-2-3の規定に基づき,次の試験条件による。
温度:40℃±2℃
相対湿度: (93±3) %
4.1.1.2
繰返し試験
繰返し試験が必要な場合は,IEC 60068-2-30を採用してもよい。
参考 IEC 60068-2-30には次の温度変化を行う12時間+12時間のサイクルを規定している。
25℃±3℃から
a) 40℃±2℃へ
b) 55℃±2℃へ
相対湿度は,高い方の温度で (93±3) %に,その他の温度では95%以上に維持する。
参考 湿度は何度も0℃以下にする場合を含めて,温度と湿度を共に変化させるサイクルについては,
IEC 60068-2-38にいくつかの指針がある。
3
K 7227 : 1998 (ISO 4611 : 1987)
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4.1.2
水噴霧
塩水に代えてpH6〜7の蒸留水又は脱イオン水を用いる。試験層の温度は40℃±2℃とする。
参考1. この暴露条件と湿熱における定常状態(4.1.1参照)との条件の主な違いは,小さい水滴の形
で定時液相が存在することである。
2. それらの条件を得る適切な試験装置は,塩水ミストにさらす試験装置と実質的に同じであり
(4.1.3参照),関連する仕様に記載されている。
4.1.3
塩水ミスト
塩水ミスト(又は塩水噴霧)にさらす適切な試験装置及び試験方法は,ISO 9227による。
一般的な操作条件は,次による。
試験層内温度
35±2℃
塩化ナトリウム水溶液:濃度
50g/l±5g/l
pH
6.5〜7.2
溶液は,分析グレードの塩化ナトリウムを蒸留水又は脱イオン水に溶かして作成する。
参考1. 要求純度は,ISO 9227によって,8 000mm2水平採取面積上で,24時間の間に採取されたミス
ト量1ml/h〜2ml/hとなり,この条件は,IEC 60068-2-11とも一致する。
2. この試験においては,温度35℃を維持した。ISO 3205で推奨されている温度の中には含まれ
ていないが,引用したISO 9227に規定され,既存の多くの国家規格に採用されているためで
ある。
4.2
試験期間
試験期間は,目的に沿って,関連規格の規定又は受渡当事者間の協定による。試験期間は,次の標準的
な数値から選ぶのがよい。
一般の試験 24,48,96,168時間
長期の試験 1,2,4,8,16,26,52,78週間
4.3
試験片
試験片は,5.2,6.2及び7.2による。
4.4
試験片の状態調節
試験片は,受渡当事者間の協定がない場合,少なくとも温度23℃±2℃,相対湿度 (50±5) %で86時間
静置する。
備考 温度と,特に湿度について平衡状態への到達が非常に早いか,又は反対に非常に遅いことが知
られているある種の材料については,これらの材料に関する特別な規定として,より短いか,
より長い状態調節期間を指定してもよい(附属書参照)。
4.5
試験後の処理
暴露した試験片は,次のいずれかの方法で試験する。
a) 暴露した後は,そのままの状態
b) 暴露に続いて,乾燥又は状態を再調節
最初の方法は,暴露終了後までに吸収した水量を保持している間に,材料の状態を知る必要がある場合
に用いる。第2の方法は,ただ暴露だけの結果として,材料特性の変化を求める必要がある場合に用いる。
状態を再調節する場合には,湿度雰囲気との平衡に関して,暴露前の初期の状態に極力近づける(4.4参照)。
4.5.1
暴露後,そのままの状態での試験
暴露した試験片は,必要であれば,蒸留水又は脱イオン水ですすいだ後,ふいて乾かし,密閉容器23℃
4
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±2℃に保つ。
参考 保持時間は,通常4時間あれば十分である。
4.5.2
暴露し,乾燥又は状態再調節した後の試験
試験片をすすぎ,ふき上げた後,附属書のA.3.1及びA.3.2に規定した方法を十分考慮し,乾燥又は状態
の再調節を行い,暴露前と同じ雰囲気条件と平衡になるようにする。
ほかに,関連する製品規格に規定がなく,受渡当事者間の協定もない場合には,試験片はオーブン内で
50℃±2℃で24時間乾燥し,デシケータで23℃±2℃に冷却する。
5. 質量の変化
5.1
一般
このような試験において,質量の変化は,少なくとも部分的には水分吸収に基づくもので,そのために
試験片の状態調節や乾燥又は状態の再調節によって特に影響を受けるため,関連する製品仕様に,正確な
試験条件を指定する。
通常,試験片を暴露した後,すすぎ,ふいて乾かして直ちにひょう量するか,又は4.5.1に規定するよう
に取り扱う。
乾燥又は状態の再調節の後,質量の測定が必要な場合には,試験片は4.5.2によって乾燥又は状態の再調
節を行う。
備考 この試験方法は,発泡材料には適用しない。
参考1. 質量変化は,一般に試験片の表面積に比例するが,その厚さによっても影響される。
2. この試験方法に基づく異なるプラスチックの比較は,使用する試験片の形や寸法が同じで,
(表面,内面応力などの)状態もできる限り等しい場合にだけ行う意味がある。
5.2
試験片
試験片は成形又は加工によって直接作成する。切削表面は滑らかで,作成方法によっては生成すること
がある焦げ跡が少しでもあってはならない。
5.2.1
成形及び押出コンパウンド
試験片は,一辺の長さ50mm±1mmの正方形で,厚さ3mm±0.2mmとする。同じ表面積をもつ長方形を
用いてもよい(例えば100mm×25mm=2 500mm2)。
試験片は,同じ厚さのシートから切り出すか,又はその材料の関連仕様に示された条件若しくは材料メ
ーカーが規定する条件の下で,圧縮成形,射出成形若しくは押出成形で作成する。
成形材料は,別途,規定の寸法の金型によって直接に成形してもよい。
参考 試験片を成形及び加工によって作成するための一般原理は,次の国際規格に含まれている。
JIS K 7151,JIS K 7152,ISO 295,ISO 2557-1,ISO 2557-2及びISO 2818
5.2.2
シート
試験片は,一辺が50mm±1mmの正方形又は同じ表面積の長方形で,試験用のシートから切り出す試験
用シートの呼び厚さが,25mm以下の場合には,試験片の厚さはシートと同じ厚さとする。
呼び厚さが25mmを超えて,関連する仕様に特に規定がない場合には,試験片の厚さは片面だけを加工
して25mmに減らす。
加工した面に,水又は塩水を直接噴霧してはならない。
加工方法の詳細は,試験報告書に含める。
5.2.3
半製品及び製品(シート以外)
5
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試験片は,形や寸法を5.2.1に規定する試験片にできるだけ類似させ,製品仕様又は受渡当事者間の協定
によって作成する。
何らかの加工が必要な場合には,その詳細を試験報告書に記載する。
5.2.4
試験片の数
少なくとも3個の試験片を用いる。
5.3
状態調節
4.4による。
5.4
試験の手順
試験の手順は,次による。
a) 各試験片の質量 (m1) を0.001gの位まで測定する。
b) 試験片を,4.にまとめた試験環境の中から選び出した一つの環境にさらす。
c) 必要であれば(例えば,塩水ミストにさらした場合には),試験片をすすぎふいて乾かす。
d) 直ちに,各試験片の質量 (m2) を0.001gの位まで測定する。
e) 必要であれば,4.5.2によって試験片を乾燥し又は状態を再調節して,各試験片の質量 (m3) を0.001g
の位まで測定する。
5.5
試験結果の表し方
5.5.1
単位面積当たりの質量変化g/m2は,4.5のa)又はb)の状態に対応して,それぞれ次の式で示す。
S
m
m
S
m
m
1
3
1
2
,
−
−
ここに, m1,m2,m3: 5.4.1,5.4.4及び5.4.5の定義による。
S: (試験片の端部を含む)試験前の全表面積 (m2) とする。
5.5.2
百分率で表した質量変化は,4.5のa)又はb)の状態に対応して,それぞれ次の式で表す。
100
,
100
1
3
1
2
×
−
×
−
S
m
m
S
m
m
変化の符号は,質量が増加する場合に正で,質量が減少する場合に負とする。
5.5.3
所定の試料から採ったすべての試験片について,試験結果の平均値を求める。
6. 寸法及び外観の変化
6.1
一般
寸法の変化は,水分吸収若しくはある成分の浸出又は成形時の内部応力の緩和のいずれか,又はその両
方の原因で生じるため,関連する製品仕様に正確な試験条件を規定する。
カレンダーシート若しくは押出シート又は押出ロッドのような異方性材料については,押出方向とその
直角方向の直線的な寸法変化は異なるため両方向の変化を測定する。
成形時の内部応力の緩和効果と水の作用の影響を区別する必要がある場合には,一組のアニーリングし
た試験片を用いて試験を行ってもよい。
6.2
試験片
5.2に規定した試験片を作製する。側面は,材料の流れ方向及びその直角方向にそれぞれ平行であること
(6.1参照)。
備考 寸法の測定は,質量変化の測定に用いる試験片と同じものを使用し,ひょう量後直ちに行う。
6.3
状態調節
6
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4.4による。
6.4
試験の手順
試験の手順は,次による。
a) ダイヤル式マイクロメータを使用し,各試験片にマークした4点における厚さを0.01mmの精度で測
定し,平均値 (d1) を求める。
正方形又は長方形の四辺の長さを個別に0.1mmの精度で測定し,直角な2方向における寸法の平均
値(長さl1及び幅b1)を求める。規則性の乏しい形の試験片,例えば半製品又は製品については,最
も適切な寸法を測定する。
b) 4.に掲げた試験環境から一つを選び,試験片をさらす。
c) 必要な場合には(例えば,塩水ミストにさらした場合には),試験片をすすぎふいて乾かす。
d) 暴露する前と同じ方法で試験片を再測定する。すなわち暴露後の寸法 (l2,b2,d2) を求める。
備考 試験片が大きな反りを生じた場合には,巻き尺で直線的に測定を行う。
e) 外観の変化があれば記録する。
f)
必要な場合には,4.5.2に規定するように試験片を乾燥又は状態調節し,その後の寸法を測定する (l3,
b3,d3)。
6.5
試験結果の表示
6.5.1
試験結果は,次の方法のいずれかで表示する。
a) 適用可能であれば,次の式を用いて試験前の寸法に対する変化を百分率で表す。
100
,
100
,
100
1
1
2
1
1
2
1
1
2
×
−
×
−
×
−
d
d
d
b
b
b
l
l
l
暴露後,乾燥又は状態を再調節した場合は,
100
,
100
,
100
1
1
3
1
1
3
1
1
3
×
−
×
−
×
−
d
d
d
b
b
b
l
l
l
参考 寸法変化が増加の場合は正符号,減少の場合は負の符号となる。
b) 適用可能であれば,次の式を用いて試験前の寸法に対する最終の寸法を百分率で表す。
100
,
100
,
100
1
2
1
2
1
2
×
×
×
d
d
b
b
l
l
暴露後,乾燥又は状態を再調節した場合は,
100
,
100
,
100
1
3
1
3
1
3
×
×
×
d
d
b
b
l
l
この場合,100%は寸法の変化がないことを示し,100%未満及び100%を超える場合はそれぞれ寸法
の減少と増加を示す。
反り,カール,層はく離のような外観の変形又は次のような表面劣化の目で見える兆候があれば記
録する。
− 色及び/又は光沢の変化,クレージングの存在,クラッキング
− ブリスター
− 可塑剤の浸出,粘着性
− 場合によっては金属成分の腐食
可能であれば,“わずかな”,“ほどほどの”,“著しい”などのランク付けをする。
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7. その他の物理的特性の変化
7.1
一般
どのような物理的特性を測定してもよいが,通常最も重要なものは,機械的特性,光学的特性及び電気
的特性とする。関連する製品仕様に,適正な試験条件を指定する。
7.2
試験片
試験片の大きさ,形,個数は,関連する特性の測定方法に関する国際規格の規定による。試験方法が破
壊試験の場合は,試験片の個数は2倍にする。
参考 試料がシートの形になっていて,特定の試験のための試験片を引き続いて切り出す場合がある。
カット面への暴露の作用などによって,暴露前に作成した試験片によって得た試験結果が,暴
露後に切り出した試験片によって得た試験結果と異なることもあるので,試験片の作製方法は,
試験報告書に正確に記載する。
7.3
状態調節
4.4を参照。
7.4
試験の手順
試験の手順は,次による。
a) 一組の試験片を用いて,目的とする各特性値 (P1) を測定する。
b) 次の一組の試験片を4.に規定する試験環境の中から選んだ一つの状態にさらす。
c) 水ですすぎ,ふいて乾かす。
d) 暴露後の各特性値 (P2) を測定する。
e) 必要な場合には,3番目の一組の試験片を暴露し,水ですすぎ,ふいて乾かし又は4.5.2によって状態
の再調節を行う。
暴露後乾燥するか又はP1の測定に用いた試験片と同じ水分平衡状態に再調節した後,各特性 (P3) を測
定する。
7.5
試験結果の表示
試験結果は,次の二つの方法のいずれかによって表示する。
a) 次の式を用いて,特性の変化を百分率で表す。4.5に示す試験片の状態に対応して,それぞれ
100
,
100
1
1
3
1
1
2
×
−
×
−
P
P
P
P
P
P
b) 次の式を用いて,特性の初期値に対する最終値を百分率として表す。4.5に示す試験片の状態に対応し
て,それぞれ
100
,
100
1
3
1
2
×
×
P
P
P
P
8. 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) この規格の番号
b) 材料又は製品の詳細
c) 試験の手順
d) 暴露前後の試験片の処理
e) 測定した特性
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f)
試験片の作製方法の詳細,特に加工方法について
g) 試験片の形式
h) 暴露前後の特性値
i)
5.5,6.5及び7.5によって計算した性質の変化
j)
可能であれば,暴露時間の関数として表した特性値のグラフ
k) 暴露した試験片の外観変化の観察結果
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附属書(参考) 調節した雰囲気と平衡状態にある,プラスチック材料の
試験片による水分の吸収
A.1 湿った雰囲気で状態調節した試験片による水分の吸収量及び吸収速度は,試験するプラスチック材
料の性質によって大きく変化する。
A.2 この規格で規定した通常の状態調節条件(4.4参照)は,一般に次の場合を除き,それで十分である。
A.2.1 状態調節の雰囲気と平衡に達するまでに,極めて長期間を必要とすることが知られている材料(例
えば,ある種のポリアミド)。
A.2.2 新しい材料又は構造が明らかでない材料で,水分の吸収容量又は平衡に達するために必要な時間の
いずれもあらかじめ予測できないもの。
A.3 上記の二つの場合は,次の二つの方法のいずれかが用いられる。
A.3.1 材料を高温で乾燥する。この方法は,ある種の特性,特に機械的特性値が,乾燥状態で温度23℃
±2℃及び相対湿度 (50±5) %で状態調節した後で求めた特性値と異なるという欠点がある。
A.3.2 試験片が平衡に達するまで,温度23℃±2℃及び相対湿度 (50±5) %で状態調節する。この場合,
適正な基準は次のうちのいずれかになると考えられる。
a) d2週間を隔てた二つの測定値に対して,質量変化が0.1%以内である場合[dは,試験片の厚さ (mm) ]。
b) ある種のポリマーについては,d2週間よりかなり短い期間,時間に対する質量の変化をグラフにプロ
ットすれば十分で,この間に百分率で表した曲線のこう配が0.1%になり,実際上平衡に達すると考え
られる。
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JIS原案作成委員会 構成表
氏名
所属
委員会 分科会
代 田 忠 代田技術事務所
◎
◎
峰 松 陽 一 芝浦工業大学工学部工業化学科
○
大久保 和 夫 財団法人日本ウエザリングテストセンター
○
○
金 子 剛 財団法人日本電気用品試験所研究部
○
○
山 本 真 東京都立工業技術センター有機化学部資源化学研究室
○
○
増 田 優 通商産業省基礎産業局化学製品課
○
岡 林 哲 夫 工業技術院標準部繊維化学規格課
○
橋 本 繁 晴 財団法人日本規格協会国際整合化規格室
○
伊 藤 久 財団法人日本規格協会技術部
○
相 沢 明 三菱樹脂株式会社平塚研究所物性グループ
○
○
須 賀 茂 雄 スガ試験機株式会社
○
増 瀬 英 雄 株式会社島津製作所試験計測事業部品質保証部
○
田 中 淑 夫 株式会社島津製作所試験計測事業部試験機工場
○
小 野 瑞 穂 株式会社東洋精機製作所技術サービス部
○
○
小 倉 和 雄 岩崎電気株式会社
○
森 本 君 保 オカモト株式会社建装部
○
角 田 林 一 旭化成工業株式会社ABS・ザイロン技術部
○
鈴 木 寛 二 住友ダウ株式会社技術部
○
○
岸 本 祐一郎 三菱レイヨン株式会社東京技術情報センター研究所樹脂開発センター
○
○
山 本 繁 治 丸善ポリマー株式会社研究所
○
丸 矢 一 夫 日産自動車株式会社総合研究所材料技術部
○
香 山 茂 財団法人高分子素材センター
○
○
濱 島 俊 行 日本プラスチック工業連盟
○
○
三 宅 孝 治 日本プラスチック工業連盟
○
○
樋 口 秀 臣 財団法人高分子素材センター
○
○
備考 ◎印は主査