K 7141-2:2005 (ISO 11403-2:2004)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本プラスチック
工業連盟(JPIF)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの
申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 7141-2:1999は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 11403-2:2004,Plastics−Acquisition
and presentation of comparable multipoint data−Part 2:Thermal and processing propertiesを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS K 7141-2には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考)その他の物性
JIS K 7141の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS K 7141-1 第1部:機械的特性
JIS K 7141-2 第2部:熱特性及び加工特性
JIS K 7141-3 第3部:特性への環境影響
K 7141-2:2005 (ISO 11403-2:2004)
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 2
2. 引用規格 ························································································································ 2
3. 定義 ······························································································································ 3
4. 試験片の作製 ·················································································································· 3
5. 試験片の状態調節 ············································································································ 4
6. 試験要求事項 ·················································································································· 4
6.1 一般的事項 ··················································································································· 4
6.2 エンタルピー−温度曲線 ································································································· 4
6.3 線膨張−温度曲線 ·········································································································· 5
6.4 溶融せん断粘度 ············································································································· 5
7. データの提示 ·················································································································· 6
8. 精度 ······························································································································ 7
附属書A(参考)その他の物性 ······························································································· 8
参考文献 ····························································································································· 9
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日本工業規格 JIS
K 7141-2:2005
(ISO 11403-2:2004)
プラスチック−比較可能なマルチポイントデータの
取得及び提示−
第2部:熱特性及び加工特性
Plastics-Acquisition and presentation of comparable multipoint data-
Part 2:Thermal and processing properties
序文 この規格は,2004年に第2版として発行されたISO 11403-2,Plastics−Acquisition and presentation of
comparable multipoint data−Part 2:Thermal and processing propertiesを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式
を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
プラスチックの使用者が類似材料の特性を比較する場合,異なる出所からのデータでは,容易に使えな
いことがあるので,この規格を作成した。同一規格を用いる場合でも,ときには試験条件を広範囲な別の
試験条件とすることができるため,得られたデータは必ずしも単純に比較できない。この規格の目的は,
材料間の妥当な比較ができるように,データの取得及び提示に用いる特定の試験方法及び条件を規定する
ことにある。
JIS K 7140シリーズは,シングルポイントデータに関するものである。シングルポイントデータは,材
料を特徴付ける最も基本的な方法を示しており,材料選択の初期の段階で有効である。
JIS K 7141シリーズは,より多くのデータの測定及び提示のための試験条件及び手順を規定する。各々
の特性をマルチポイントデータによって特徴付け,特性が時間,温度,及び環境因子のような重要な変数
にいかに依存するかを示す。この規格にはJIS K 7140シリーズにない特性も考慮している。したがって,
これらのデータを用いることによって特定の用途の材料の適合性を,より明確にすることができる。
一部のデータは,使用時の性能及び部品成形時の最適加工条件を予測するのに適切であるが,その場合
にも設計のためには,しばしば追加のデータが必要になると認識した方がよい。この理由の一つは,一部
の特性が材料の物理的構造に強く依存するということにある。この規格に引用した試験手順では,可能な
らば多目的引張試験片を用いるが,この試験片のポリマー構造は,成形部品の特定の部位のポリマー構造
とかなり異なることがある。このような場合,試験片のデータは製品性能の正確な設計計算に用いること
ができない。データが適用できるかどうかについては,材料供給者に相談することが望ましい。
JIS K 7140及びJIS K 7141の各部を合わせることによって,材料の選択のために,比較可能なデータ一
式を取得し,提示するための手段を規定することができる。これらの規格を使用し,データの提供を受け
ることで,業務の合理化及び費用の低減が可能になる。さらに,これらの規格を参考にすることによって,
材料特性のデータの保存及び交換のためのデータモデルの開発を簡素化できる。
適用できる場合には,試験条件は,この規格によって規定されている。しかし,プラスチックの種類に
よっては幅広い条件で使用する試験があるので,その場合,この規格は,ポリマーの操作範囲で試験条件
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K 7141-2:2005 (ISO 11403-2:2004)
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を選択するための指針になる。一般にポリマーが異なると特性及び要求性能は大きく異なるので,必ずし
もこの規格で規定したすべての試験条件でデータを作成する必要はない。
種々の用途に適したプラスチックを選び,使用するためには,広い範囲の特性のデータが必要である。
日本工業規格では,このような特性の多くについて関連する情報を得るための実験手順を規定している。
しかし,それ以外の特性については日本工業規格又はISO規格はないか,あっても不十分なため,現時
点で比較可能なデータを作成することが困難である(附属書A参照)。
このため,この規格シリーズは部に分かれており,各部は個々に作成することが可能となっている。こ
のようにして追加すべき特性は,新しい規格が発行される場合又は改正される場合,規格に含めることが
できる。
1. 適用範囲 この規格は,プラスチックの次の熱特性及び加工特性に関するマルチポイントデータの取
得及び提示のための試験手順を規定する。
エンタルピー−温度曲線
線膨張−温度曲線
溶融せん断粘度
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO/FDIS 11403-2:2003,Plastics−Acquisition and presentation of comparable multipoint data−Part
2:Thermal and processing properties (IDT)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構
成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その
最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 7100 プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気
備考 ISO 291: 2003, Plastics−Standard atmospheres for conditioning and testingからの引用事項は,こ
の規格の該当事項と同等である。
JIS K 7139 プラスチック−多目的試験片
備考 ISO 3167:1993, Plastics−Multipurpose test specimens が,この規格と一致している。
JIS K 7144 プラスチック−機械加工による試験片の作製
備考 ISO 2818:1994, Plastics−Preparation of test specimen by machining が,この規格と一致している。
JIS K 7151 プラスチック−熱可塑性プラスチック材料の圧縮成形試験片
備考 ISO 293:1986, Plastics−Compression moulding test specimens of thermoplastic materialsが,この
規格と一致している。
JIS K 7152-1 プラスチック−熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片−第1部:通則並びに多
目的試験片及び短冊試験片の成形
備考 ISO 294-1:1996, Plastics−Injection moulding of test specimens of thermoplastic materials−Part 1:
General principles and moulding of multipurpose and bar test specimens が,この規格と一致して
いる。
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JIS K 7154-1 プラスチック−熱硬化性樹脂成形材料の射出成形試験片−第1部:通則及び多目的試
験片の成形
備考 ISO 10724-1:1998, Plastics−Injection moulding of test specimens of thermosetting powder
moulding compounds(PMCs)−Part 1: General principles and moulding of multipurpose test
specimensが,この規格と一致している。
JIS K 7199 プラスチック−キャピラリーレオメータ及びスリットダイレオメータによるプラスチッ
クの流れ特性試験方法
備考 ISO 11443: 2005, Plastics−Determination of the fluidity of plastics using capillary and slit-die
rheometers が,この規格と一致している。
JIS K 7210 プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリ
ュームフローレイト(MVR)の試験方法
備考 ISO 1133: 2005, Plastics−Determination of the melt mass-flow rate(MFR) and the melt
volume-flow rate(MVR) of thermoplastics が,この規格と一致している。
ISO 295:2004, Plastics−Compression moulding of test specimens of thermosetting materials
ISO 11357-3:1999, Plastics−Differential scanning calorimetry(DSC)−Part 3: Determination of temperature
and enthalpy of melting and crystallization
ISO 11359-2:1999, Plastics−Thermomechanical analysis(TMA)−Part 2: Determination of coefficient of
linear thermal expansion and glass transition temperature
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1 マルチポイントデータ(multipoint data) ある試験条件範囲で測定した複数の測定値によってプ
ラスチック材料の挙動を特徴付けるデータ
4. 試験片の作製 射出成形又は圧縮成形によって試験片を作製する場合には,JIS K 7151,JIS K 7152-1,
ISO 295又はJIS K 7154-1に規定する手順による。成形方法及び成形条件は,材料によって異なる。この
規格によってデータを採るための試験片の作製は,表1の日本工業規格又はISOに条件が規定されている
場合は,その条件を採用する。
成形条件が標準化されていないプラスチックについては,ポリマーの製造業者が推奨する範囲内で,各
加工方法について,すべての試験片の条件を同じにする。
成形条件が日本工業規格又はISO規格に規定されていない場合には,表1の成形パラメータの値を,そ
の材料のデータとともに記録する。
試験片を,シートから作製する場合は,JIS K 7144によって機械加工する。
表 1 成形パラメータ
4
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成形材料の種類
成形方法及び適用規格
(適用可能な場合)
成形パラメータ
熱可塑性
プラスチック
射出
JIS K 7152-1
溶融樹脂温度
金型温度
射出速度
熱可塑性
プラスチック
圧縮
JIS K 7151
成形温度
成形時間
冷却速度
成形品取出し温度
熱硬化性
プラスチック
射出
JIS K 7154-1
溶融樹脂温度
金型温度
射出速度
硬化時間
熱硬化性
プラスチック
圧縮
ISO 295
金型温度
成形圧力
硬化時間
5. 試験片の状態調節 試験片は,その材料の該当する日本工業規格によって状態調節する。特別な状態
調節を実施する場合は,7. の表2〜4に記録する。該当する規定がない場合は,試験片は温度23±2 ℃,
相対湿度(50±10) %において最短でも88時間,状態調節する(JIS K 7100 参照)。
6. 試験要求事項
6.1
一般的事項 この規格の特性データを取得するには,該当する項の各特性について,試験規格に規
定する試験方法による。
エンタルピー及び線膨張の測定では,−40 ℃から測定を開始し,10 ℃間隔の温度Tiにおける結果を記
録する。ただし,20 ℃は23 ℃に置き換えるものとする。
6.2
エンタルピー−温度曲線(ISO 11357-3参照) 温度によるエンタルピー変化を測定するときは,示
差走査熱量計(DSC)を用いる。推奨する加工温度の上限付近から測定を開始し,試験片を毎分10 ℃の
速度で−40 ℃まで下げた後に,直ちに上記の測定開始温度まで毎分10 ℃で加熱する(備考参照)。
備考 加熱速度毎分20 ℃がISO 11357-3で推奨されている。より遅い加熱速度毎分10 ℃は,高い測
定精度が得られるので,ここではこれを規定している。これによって,エンタルピー変化の高
精度解析ができ,材料間の良い識別ができる。
このサイクルの冷却過程で,温度Tiについて10 ℃間隔で, Tiと標準温度23 ℃の間の単位質量当たりの
エンタルピーの差ΔHi /m (kJ/kg) を記録する。試験片の質量は,m(kg)とする。このサイクルの加熱過程
で得られる値を用いて,繰り返す(図1及び表2参照)。
5
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図 1 結晶性ポリマーの比エンタルピー差ΔH/mとガラス転移温度Tg及び融点Tm
を示す温度Tとの関係を示す概略図
6.3
線膨張−温度曲線:(ISO 11359-2参照) 吸水性材料については,乾燥状態のこの特性データを提
示す。温度23 ℃,相対湿度50 %における平衡吸水状態での追加のデータを提示するかどうかは,データ
の提供者が決定する。
JIS K 7139の多目的試験片A形の中央部分を用いる。熱機械分析法を用いて,毎分5 ℃の速度で加熱し
ながら,温度変化による試験片の長さ及び幅の変化の測定をする。
−40 ℃から測定を開始し,温度Tiについて10 ℃間隔で無次元化した長さの差(li−lr)/ lrを記録する。
ここにli及びlrは,それぞれ温度Ti及び標準温度23 ℃の試験片の長さである。同じ温度Tiにおける無次
元化した試験片の幅の差(bi−br)/brも記録する。bi及びbrは,それぞれ温度Ti及び23 ℃における試験片
の幅である(表3参照)。
6.4
溶融せん断粘度:JIS K 7199に規定するキャピラリーレオメータを用いる。樹脂の推奨される溶融
加工温度範囲から温度Tiを3点選択する。3点のうち一つの温度は,JIS K 7210により材料のメルトフロ
ーレートを求める方法と関係のある各材料規格で規定する試験温度と同じとする。各々の温度Tiで,せん
断ひずみ速度γ&が3 s-1〜30 000 s-1の範囲でせん断粘度を測定する。せん断粘度及びせん断ひずみ速度は,
真の値を求めなければならない。
図2及び表4のように,各々の温度Tiにおいてlogγ&= 0.5 k(1≦k≦9)によって与えられる9点の真の
せん断ひずみ速度γ&(s-1)において,真のせん断粘度を求める。
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あるひずみ速度での粘度値を内挿によって求める場合には,測定した粘度値と内挿によって求める粘度
のそれぞれに対応するひずみ速度値が対数目盛り(整数)の1/2を超えない範囲に,なければならない。
メルトフラクチャーが発生する場合には,そのときのひずみ速度に文字Fを付けて表4に記録する。
メルトフラクチャーが発生する材料については,表4のひずみ速度で記録されたデータは粘度のひずみ
速度依存性を正確には表していないので,ひずみ速度を変えて測定した粘度データを記録する。
γ&
log
η
log
図 2 三つの温度における,せん断ひずみ速度γ&(s-1)による溶融
せん断粘度η(Pa・s)の変化を表した模式図
7. データの提示 結果は,次の表2〜4に示した様式に従い,材料を特定する情報とともに記録する。
次の追加情報も,各表に記録する。
a) 試験片の作製方法
b) 試験片を射出成形又は圧縮成形によって作製した場合は,成形条件を規定している日本工業規格又は
ISO規格,成形条件がどの規格にも規定されていない場合には,表1の中の該当する条件を記録する。
c) 5.に関する特別な状態調節
d) 試験した試験片の本数
表 2 温度Tiに対する比エンタルピー差ΔHi/m(6.2及び図1参照)
Ti (℃)
−40
−30
−20
−10
0
10
23
…
ΔHi/m
(kJ/kg)
冷却時
0
加熱時
0
7
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表 3 温度Tiに対する無次元化した長さの差(li-lr)/lr及び無次元化した幅の差 (bi-br) /br(6.3参照)
Ti (℃)
−40
−30
−20
−10
0
10
23
30
…
(li-lr)/lr
0
(bi-br)/br
0
表 4 温度Tiにおける真のせん断ひずみ速度γ&(s-1)での真のせん断粘度(Pa・s)(6.4及び図2参照)
i
Ti (℃)
log γ&
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
4.5
1
2
3
文字Fはメルトフラクチャーを起こしたことを示す。
8. 精度 7.の表2〜表4に記録するデータを作成するのに用いた試験方法の精度は,適用する日本工業規
格及びISO規格による。しかし,これらの規格すべてに精度の項目があるとは限らない。また,試験デー
タの精度が,試験条件とその条件下での材料の挙動に依存する場合がある。
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附属書A(参考)その他の物性
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
A.1 一般的事項 この附属書では,本来ならこの規格で言及することが望ましいが,試験方法の詳細内容
を規定する適切な日本工業規格又はISO規格がないため,当面除外せざるを得なかった特性を次に列挙す
る。この附属書の目的は,これらの特性について,該当の日本工業規格が作成されたときに,この規格の
適用範囲に追加すべきことを強調するものである。
A.2 収縮率 射出成形後の収縮率の試験方法については,JIS K 7152-4 プラスチック−熱可塑性プラス
チック材料の射出成形試験片−第4部:成形収縮率の求め方及びISO 294-4 Plastics ‒ Injection moulding of
test specimens of thermoplastic materials ‒ Part 4: Determination of moulding shrinkage がある。ISO 294-4を金
型厚さ及び保圧時のキャビティ圧力とともにこのJIS 7141-2に対応するISO 11403-2の改正版に含めるか
検討したが,望ましい試験条件について合意を得られなかった。
A.3 融解熱伝導率 この特性について適切な日本工業規格及びISO規格はない。現在,少数の機関がデ
ータを発表しているが試験方法を有効なものにするためには日本工業規格及びISO規格が必要である。
A.4 圧力−容積−温度データ ISO/DIS 17744,Plastics and elastomers ‒ Determination of specific volume
according to temperature and pressure (pVT diagram) ‒ Piston apparatus methodが作成過程にある。
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参考文献
(1)JIS K 7140-1:2000 プラスチック−比較可能なシングルポイントデータの取得と提示−第1部:成形
材料
(2)ISO 10350-2:2001, Plastics−Acquisition and pesentation of comparable single-point data−Part 2: Long fiber
reinforced plastics. (この規格に一致するJIS K 7140-2,プラスチック−比較可能なシングルポイント
データの取得と提示−第2部:長繊維強化プラスチック は制定中)