K 7139:2009
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 試験片の作製 ··················································································································· 2
3.1 一般 ···························································································································· 2
3.2 試験片の射出成形 ·········································································································· 3
3.3 試験片の圧縮成形 ·········································································································· 3
3.4 機械加工による試験片の作製···························································································· 3
4 試験片のタイプ及び寸法 ···································································································· 3
4.1 試験片のタイプ ············································································································· 3
4.2 ダンベル形引張試験片(タイプA) ··················································································· 5
4.3 短冊形試験片(タイプB) ······························································································· 6
4.4 小形引張試験片(タイプC) ···························································································· 7
4.5 小形角板(タイプD)····································································································· 8
5 試験片作製報告書 ············································································································· 8
附属書A(参考)試験片タイプと試験方法規格との対比リスト ······················································ 9
附属書B(規定)試験片タイプを示す記号の説明 ······································································· 10
附属書JA(参考)試験片タイプ表示対比 ················································································· 13
参考文献 ···························································································································· 14
附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 16
K 7139:2009
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本プラスチック
工業連盟 (JPIF) 及び財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ
きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 7139 : 2007は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 7139:2009
プラスチック−試験片
Plastics-Test specimens
序文
この規格は,2008年に第1版として発行されたISO 20753を基に,技術的内容を変更して作成した日本
工業規格である。
なお,この規格で点線の下線及び側線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
1
適用範囲
この規格は,プラスチック材料を成形することによって直接作製する試験片,及びシート又は成形品か
ら機械加工によって作製する試験片の形状,寸法及び表示方法について規定する。
この規格に規定しない試験片も,その使用を排除するものではない。
注記1 この規格は,プラスチックの各材料規格で規定する性能を求めるために用いる多目的試験片
(4.2.1参照)及びよく用いる試験片についての表示方法,形状及び寸法をまとめたものであ
る。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 20753 : 2008,Plastics−Test specimens (MOD)
なお,対応の程度を表す記号 “MOD” は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 7140-1 プラスチック−比較可能なシングルポイントデータの取得及び提示−第1部:成形材
料
注記 対応国際規格:ISO 10350-1,Plastics−Acquisition and presentation of comparable single-point data
−Part 1 : Moulding materials (IDT)
JIS K 7140-2 プラスチック−比較可能なシングルポイントデータの取得及び提示−第2部:長繊維
強化プラスチック
注記 対応国際規格:ISO 10350-2,Plastics−Acquisition and presentation of comparable single-point data
−Part 2 : Long-fibre-reinforced plastics (IDT)
JIS K 7141-1 プラスチック−比較可能なマルチポイントデータの取得及び提示−第1部:機械的特
性
注記 対応国際規格:ISO 11403-1,Plastics−Acquisition and presentation of comparable multipoint data
2
K 7139:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
−Part 1 : Mechanical properties (IDT)
JIS K 7141-2 プラスチック−比較可能なマルチポイントデータの取得及び提示−第2部:熱特性及
び加工特性
注記 対応国際規格:ISO 11403-2,Plastics−Acquisition and presentation of comparable multipoint data
−Part 2 : Thermal and processing properties (IDT)
JIS K 7141-3 プラスチック−比較可能なマルチポイントデータの取得と提示−第3部:特性への環
境影響
注記 対応国際規格:ISO 11403-3,Plastics−Acquisition and presentation of comparable multipoint data
−Part 3 : Environmental influences on properties (IDT)
JIS K 7144 プラスチック−機械加工による試験片の調製
注記 対応国際規格:ISO 2818,Plastics−Preparation of test specimens by machining (IDT)
JIS K 7151 プラスチック−熱可塑性プラスチック材料の圧縮成形試験片
注記 対応国際規格:ISO 293,Plastics−Compression moulding of test specimens of thermoplastic
materials (IDT)
JIS K 7152-1 プラスチック−熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片−第1部:通則並びに多
目的試験片及び短冊形試験片の成形
注記 対応国際規格:ISO 294-1,Plastics−Injection moulding of test specimens of thermoplastic materials
−Part 1 : General principles, and moulding of multipurpose and bar test specimens (IDT)
JIS K 7154-1 プラスチック−熱硬化性樹脂成形材料の射出成形試験片−第1部:通則及び多目的試
験片の成形
注記 対応国際規格:ISO 10724-1,Plastics−Injection moulding of test specimens of thermosetting
powder moulding compounds (PMCs)−Part 1 : General principles and moulding of multipurpose test
specimens (IDT)
ISO 295,Plastics−Compression moulding of test specimens of thermosetting materials
3
試験片の作製
3.1
一般
試験片は,該当する材料規格の規定によって作製する。規定がない場合は,JIS K 7151,JIS K 7152-1,
JIS K 7144又はISO 295の規定によって材料から圧縮成形又は射出成形のどちらかで直接作製するか若し
くは圧縮成形,射出成形,押出成形,モノマーを型内で重合する,などで得るシートを,JIS K 7144の規
定によって機械加工にて作製する。
すべての試験片の作製条件は,一連の試験片において,同一条件になるよう厳密に管理する。
試験片の全表面には,目に見えるひび割れ,引っかききず又は他の欠陥があってはならない。成形品に
存在するばり (flash) を完全に取り除く。その場合,成形品表面は,損傷を受けないように注意する。
射出成形による試験片の場合,金型のキャビティ側又は固定側の面が識別できるように印を付ける(JIS
K 7152-1又はJIS K 7154-1を参照)。圧縮成形及び機械加工による試験片の場合,成形方法に起因する非
対称性が分かるように印を付ける。
射出成形試験片の場合,突き出しピンの圧こん及び抜きこう配によって表面又は裏面の識別ができるが,
圧縮成形及び機械加工による試験片では,そのような面の識別ができないため,試験片の肩部に印を付け
る。多目的試験片の中央部から得る短冊形試験片の場合は,曲げ試験の力が付加される中央部の64 mmの
3
K 7139:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
範囲外に印を付ける。また,試験片タイプと試験方法規格との対比リストを附属書Aに示す。
注記 厚さ方向の非対称性は,荷重たわみ温度を含む曲げ特性に影響を与える可能性があるため,こ
れらの印が必要となる。
3.2
試験片の射出成形
試験片の射出成形は,JIS K 7152-1又はJIS K 7154-1の規定によって行う。試験する材料に関する規格
がある場合は,その規定による条件下で行う。材料に関する規格がない場合は,材料製造者の推奨条件又
は受渡当事者間の協定による。
3.3
試験片の圧縮成形
試験片の圧縮成形は,JIS K 7151又はISO 295の規定による。該当する材料規格に規定がある場合は,
そこで規定する条件下で行う。材料規格がない場合は,材料製造者の推奨条件又は受渡当事者間の協定に
よる。
3.4
機械加工による試験片の作製
3.4.1
機械加工による試験片の作製は,射出成形試験片,圧縮成形シート又は成形製品を用いてJIS K
7144の規定又は受渡当事者間の協定によって行う。
3.4.2
幅10 mmの短冊形試験片は,多目的試験片であるタイプA1,タイプA2又はタイプA3試験片の
平行部から切り出す。試験片の平行部の表面は,成形状態のままとする。
− 機械加工する断面の幅は,もとの試験片の中央部の幅より小さくなく,0.2 mmを超えない範囲で,大
きくてもよい。
− 機械加工を行うときは,試験片平行部の表面に損傷を与えないようにする。
タイプA1試験片から80 mmより長い又はタイプA2試験片から60 mmより長い短冊形試験片を作製す
る場合は,各試験片の幅広部(タブ部)を,中央の平行部の幅に機械加工する。
履歴の不明なシート又は板から試験片に機械加工する場合は,適切と思われる部分又は受渡当事者間の
協定によった部分から試験片を得る。この場合,試験片作製報告書にこれらの情報を記録する。
4
試験片のタイプ及び寸法
4.1
試験片のタイプ
JIS K 7140-1,JIS K 7140-2,JIS K 7141-1,JIS K 7141-2又はJIS K 7141-3に規定する他と比較できる
データを得るのに用いる試験片のタイプを表1に示す。試験には,タイプA1試験片及びタイプA1試験片
の中央の平行部から得る短冊形試験片(タイプB2試験片)を用いることが望ましい。
附属書Bに,試験片のタイプを表示する記号を規定する。また,附属書JAにこの規格の表示方法によ
るものと他の規格での表示方法との対比を示した。
注記 用いる材料によっては,直接成形による寸法80 mm×10 mm×4 mm(4.3参照)の短冊形試験
片を用いる場合と多目的試験片の平行部から切り出した短冊形試験片を用いる場合との試験結
果が異なる場合がある。このことから,JIS K 7140-1では,多目的試験片から切り出した試験
片を用いることを推奨している。
4
K 7139:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−他と比較できるデータを得るための試験片のタイプ
形状
詳細
タイプを示す
記号
記号の説明
ダンベル形引張
試験片
多目的試験片
(4.2.1参照)
タイプA1
射出成形による多目的試験片。
短冊形試験片
4.3参照
タイプB2
タイプA1試験片の平行部から切り出した短冊状試験片。
小形引張試験片
4.4参照
タイプCW13
射出成形による中央部に平行部のない厚さ3 mmの試験片。
小形角板
4.5参照
タイプD12
射出成形による厚さ2 mmの角板。
表2にその他の試験片のタイプを要約する。
表2−その他の試験片のタイプ
形状
詳細
タイプを示す記
号
記号の説明
ダンベル形引張
試験片
多目的試験片
(4.2.1参照)
タイプA2
シート又は成形品から機械加工した多目的試験片。
タイプA3
タイプA2と同じ寸法の試験片で,直接圧縮成形で作製
したもの又は圧縮成形板から打ち抜いたもの。
縮尺試験片
(4.2.2参照)
タイプA12,A22
タイプA1又はタイプA2の縮尺1:2の試験片。
タイプA13,A23
タイプA1又はタイプA2の縮尺1:3の試験片。
タイプA14,A24
タイプA1又はタイプA2の全長以外を縮尺1:4とした
試験片。
タイプA15,A25
タイプA1又はタイプA2の縮尺1:5の試験片。
タイプA18,A28
タイプA1又はタイプA2の全長以外を縮尺1:8とした
試験片。
短冊形試験片
4.3参照
タイプB1
タイプB3
B1:射出成形した短冊試験片
B3:種々の方法で作製するシートから機械加工する又
は圧縮成形した短冊形試験片。
小形引張試験片
4.4参照
タイプCW21,
タイプCW22
タイプD1又はタイプD2の板から機械加工によって得
る中央部に平行部のない小形引張試験片。
タイプCP1z,
タイプCP2z
射出成形又は機械加工によって得る中央部に平行部の
ある厚さがz mmの試験片。
小形角板
4.5参照
タイプD1y,D2y
射出成形又は機械加工によって得る厚さがy mmの試験
片。
5
K 7139:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.2
ダンベル形引張試験片(タイプA)
4.2.1
多目的試験片(タイプA1,タイプA2及びタイプA3)
多目的試験片の一般的形状を図1に示す。表3に多目的試験片であるタイプA1,タイプA2及びタイプ
A3試験片の寸法及び許容差を示す。
図1−多目的試験片の形状
表3−タイプA1,タイプA2及びタイプA3試験片の寸法
単位 mm
寸法
タイプA1
(射出成形)
タイプA2及びタイプA3
(機械加工及び圧縮成形)
l3
全長 a)
≧170
≧150
l2
タブ部間距離 b)
109.3±3.2
108±1.6
l1
平行部の長さ
80±2
60±0.5
r
肩部の半径
24±1
60±0.5
b2
端部の幅
20±0.2
b1
中央の平行部の幅
10±0.2
h
厚さ(標準)
4±0.2
つかみ具間距離
115±1
注a) 全長は,JIS K 7152-1及びJIS K 7154-1に規定するタイプA1試験片の
170 mmが望ましい。
b) l1,r,b1及びb2から求められる寸法値である。
4.2.2
縮尺試験片
縮尺試験片の一般的形状は,図1による。縮尺試験片の表示は,タイプAxyとし,各々の表示の内容は,
次による。
A :試験片のタイプ
x :作製方法 (射出成形の場合1又は機械加工の場合2とする。)
y :縮尺
表4に,縮尺試験片の寸法及び許容差を示す。
6
K 7139:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表4−縮尺試験片の寸法
単位 mm
試験片の表示
A12
A13
A14
A15
A18
A22
A23
A24
A25
A28
縮尺
(最下段の説明
を参照)
1:2
≈ 1:3
厚さ及びl1は除
く
1:4
l3は除く
1:5
厚さは除く
1:8
l3は除く
l3
≧75
≧60
≧45
≧30
≧23.8
l2
58±2
35±1
27.5±1
23±2
13.8±0.5
l1
30.0±0.5
24±0.5
20.0±0.5
12.0±0.5
10.0±0.5
b1
5.0±0.5
3.5±0.2
2.5±0.1
2.0±0.2
1.25±0.05
b2
10.0±0.5
7.2±0.2
5.0±0.2
4.0±0.2
2.5±0.1
r
≧30
≧8.8
6.3±0.2
≧12
3.2±0.2
h
≧2.0±0.1
1.00又は
2.00±0.05
1.0±0.1
≧2.0±0.1
0.5±0.1
作製方法
機械加工
(又は射出成形)
板(タイプD1又
はタイプD2)か
ら機械加工
(又は射出成形)
射出成形
(又は機械加工)
機械加工
(又は射出成形)
射出成形
(又は機械加工)
説明
−
l1だけをほかよ
り小さくすると,
タブ部が長くな
り,グリップが容
易となる。
l3だけをほかよ
り大きくすると,
タブ部が長くな
り,グリップが容
易となる。
−
l3だけをほかよ
り大きくすると,
タブ部が長くな
り,グリップが容
易となる。
4.3
短冊形試験片(タイプB)
短冊形試験片の寸法は,次による(図2参照)。
長さl1
:(80±2) mm
幅b1
:(10±0.2) mm
厚さh
:(4±0.2) mm
短冊形試験片の表示は,タイプBxとし,各々の表示の内容は,次による。
B
:試験片のタイプ
x
:作製方法
表示の例を次に示す。
タイプB1 :射出成形したもの。
タイプB2 :タイプA1試験片(図1参照)の中央部から機械加工したもの。
タイプB3 :シート又は成形製品から機械加工したもの若しくは規定寸法に圧縮成形したもの。
図2−短冊形試験片の形状
7
K 7139:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.4
小形引張試験片(タイプC)
小形引張試験片の寸法は,表5による(図3参照)。
表5−タイプC試験片の寸法
単位 mm
寸法
タイプCW
タイプCP
l3
60±1
60±1
b2
10.0±0.2
10.0±0.2
b1
3.0±0.1
3.0±0.1
h a)
3.0±0.1
3.0±0.1
r
15±1
10±1
l1
−
10.0±0.2
l2
−
30.0±0.5
注a) 他の厚さ:1 mm,2 mm
小形引張試験片の表示は,タイプCxyzとし,各々の表示の内容は,次による。
C :試験片タイプ
x :W(中央部に平行部のない試験片)又はP(中央部に平行部のある試験片)
y :作製方法(1=射出成形,2=機械加工)
z :1,2又は3=厚さを示す数値 (mm)
試験片の機械加工は,シート又はタイプD試験片から行う(4.5参照)。
表示の例を示す。
CW11
CW21
CP11
CP21
CW12
CW22
CP12
CP22
CW13
CW23
CP13
CP23
この表示方法は,射出成形による一般的試験片の厚さを基にしている(小形引張試験片及び板形試験片)。
成形製品又は最終製品からの機械加工による試験片は,種々の厚さとなることが考えられる。この場合,
試験片の形状(CW2又はCP2)を表示し,実際の厚さを試験報告書に記載する。例えば,CP2(厚さ2 mm)
のように記載する。
8
K 7139:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) タイプCW
b) タイプCP
図3−タイプCW及びタイプCP試験片の一般的形状
4.5
小形角板(タイプD)
小形角板の寸法は,次による。
l1 :(60±2) mm
b1 :(60±2) mm
h :タイプD1では (1±0.1) mm又はタイプD2では (2±0.1) mm
この試験片は,射出成形,圧縮成形又は適切な厚さのシートからの機械加工によって作製する。表示方
法は,タイプDxyとし,各々の表示の内容は,次による。
D :試験片のタイプ
x :作製方法
y :厚さ (mm)
5
試験片作製報告書
試験片作製報告書には,次の事項を記載する。
a) この規格の番号 (JIS K 7139)
b) 試験片のタイプ
c) 用いた材料の種類,製造業者名,銘柄名,形状,履歴などの詳細事項
d) 成形方法及び条件
e) 機械加工の方法及び条件
f)
規定の厚さと異なる場合は,試験片の厚さ
g) 作製した試験片の数
h) 作製年月日
9
K 7139:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(参考)
試験片タイプと試験方法規格との対比リスト
多目的試験片又はそれから切り出した試験片を用いることが望ましい試験方法規格を次の表に示す。
試験
試験方法規格a)
試験片タイプ及び/
又は寸法 (mm)
引張特性
JIS K 7162
A
引張クリープ特性
ISO 899-1
A
曲げ特性
JIS K 7171
B
曲げクリープ特性
ISO 899-2
B
圧縮特性
ISO 604
(10又は50)×10×4
シャルピー衝撃強さ
JIS K 7111-1,JIS K 7111-2
B
アイゾット衝撃強さ
ISO 180
B
引張衝撃強さ
ISO 8256
B
荷重たわみ温度
JIS K 7191-2
B
ビカット軟化温度
ISO 306
(≧10)×10×4
ボール圧こん(痕)法によ
る硬さ
ISO 2039-1
(≧20)×20×4
ロックウェル硬さ
JIS K 7202-2
(≧20)×20×4
ショア硬さ
ISO 868
(≧20)×20×4
環境応力き裂
ISO 22088-1,ISO 22088-2,ISO 22088-3,
ISO 22088-4,ISO 22088-5,ISO 22088-6
A又はB
密度
ISO 1183-1,ISO 1183-2,ISO 1183-3
B (≧10)×10×4
酸素指数
JIS K 7201-2,JIS K 7201-3
B
耐トラッキング性 (CTI)
IEC 60112
20×20×4
電解腐食性
IEC 60426
30×10×4
線膨張係数
ISO 11359-2
(≧10)×10×4
注a) 箇条2又は参考文献参照
10
K 7139:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B
(規定)
試験片タイプを示す記号の説明
表B.1−試験片タイプを示す記号
位置1
試験片タイプ
A
ダンベル形引張試験片,多目的又は縮尺試験片
B
短冊形試験片
C
小形引張試験片
D
小形角板
位置1a(タイプCだけ)
試験片の形状
W
中央部に平行部がないもの
P
中央部に平行部があるもの
位置2
作製方法
1
射出成形
2
機械加工
3 a)
圧縮成形,圧縮成形板などからの機械加工
注a) 短冊形試験片(タイプB)の場合,この成形方法はまれで,通常,タイプ
A1試験片の平行部を機械加工して得たもの(タイプB2)を用いる。
位置3
(縮尺試験片タイプA用)
縮尺
1
原寸法
2
1/2
3
1/3
4
1/4
5
1/5
8
1/8
位置3
(タイプC及びD用)
厚さ
1
1 mm
2
2 mm
3
3 mm
これら記号の組合せによる試験片タイプを図B.1及び表B.2に示す。
11
K 7139:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図B.1−試験片形状と成形方法の組合せによる記号の説明
12
K 7139:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表B.2−可能な組合せ
タイプA試験片
作製方法
縮尺率
射出成形 (=1)
機械加工 (=2)
圧縮成形 (=3)
1
A1
A2
A3
2
A12
A22
3
A13
A23
4
A14
A24
5
A15
A25
8
A18
A28
タイプB試験片
作製方法
射出成形 (=1)
タイプA1から
機械加工
機械加工又は圧縮成形
B1
B2
B3
タイプC試験片
中央部に平行部がないもの:W
中央部に平行部のあるもの:P
作製方法
作製方法
厚さ
射出成形 (=1)
機械加工 (=2)
射出成形 (=1)
機械加工 (=2)
1 mm
CW11
CW21
CP11
CP21
2 mm
CW12
CW22
CP12
CP22
3 mm
CW13
CW23
CP13
CP23
タイプD試験片
作製方法
厚さ
射出成形 (=1)
機械加工 (=2)
1 mm
D11
D21
2 mm
D12
D22
3 mm
D13
D23
13
K 7139:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
試験片タイプ表示対比
表JA.1−試験片タイプの表示方法比較
形状
詳細
この規格の表示
他規格表示との対応
引張試験片
(ダンベル状)
多目的試験片
(4.2.1参照)
タイプA1
JIS K 7162 : 1994に規定の射出成形によるタイプ1A及
びISO 3167 : 2002に規定のタイプAと同じものである。
タイプA2
タイプA3
種々の方法によって得たシートから機械加工によって
作製したJIS K 7162 : 1994に規定のタイプ1B及びISO
3167 : 2002に規定のタイプBと同じものである。
縮尺試験片
(4.2.2参照)
タイプA12,
タイプA22
射出成形又は機械加工によるJIS K 7162 : 1994に規定の
タイプ1BAと同じものである。
タイプA15,
タイプA25
射出成形又は機械加工したJIS K 7162 : 1994に規定のタ
イプ1BBと同じものである。
小形引張試験片
4.4参照
タイプCW21,
タイプCW22
タイプD1又はタイプD2の板から機械加工によって得
るISO 8256 : 2004に規定のタイプ4及びASTM D
1822-06に規定のタイプSと同じものである。
タイプCP1z,
タイプCP2z
射出成形又は機械加工によって得るISO 8256 : 2004に
規定のタイプ2と同じで,厚さがz mmのものである。
小形角板
4.5参照
タイプD11,
タイプD12
JIS K 7152-3 : 2006に規定のタイプD1及びタイプD2と
同じものである。
14
K 7139:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考文献
[1] JIS K 7111-1 プラスチック−シャルピー衝撃特性の求め方−第1部:非計装化衝撃試験
[2] JIS K 7111-2 プラスチック−シャルピー衝撃特性の求め方−第2部:計装化衝撃試験
[3] JIS K 7152-3 プラスチック−熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片−第3部:小形角板
[4] JIS K 7162 プラスチック−引張特性の試験方法 第2部:型成形,押出成形及び注型プラスチック
の試験条件
[5] JIS K 7171 プラスチック−曲げ特性の求め方
[6] JIS K 7191-2 プラスチック−荷重たわみ温度の求め方−第2部:プラスチック及びエボナイト
[7] JIS K 7201-2 プラスチック−酸素指数による燃焼性の試験方法−第2部:室温における試験
[8] JIS K 7201-3 プラスチック−酸素指数による燃焼性の求め方−第3部:高温における試験
[9] JIS K 7202-2 プラスチック−硬さの求め方−第2部:ロックウェル硬さ
[10] ISO 180,Plastics−Determination of Izod impact strength
[11] ISO 306,Plastics−Thermoplastic materials−Determination of Vicat softening temperature (VST)
[12] ISO 604,Plastics−Determination of compressive properties
[13] ISO 868,Plastics and ebonite−Determination of indentation hardness by means of a durometer (Shore
hardness)
[14] ISO 899-1,Plastics−Determination of creep behaviour−Part 1 : Tensile creep
[15] ISO 899-2,Plastics−Determination of creep behaviour−Part 2 : Flexural creep by three-point loading
[16] ISO 1183-1,Plastics−Methods for determining the density of non-cellular plastics−Part 1 : Immersion
method, liquid pyknometer method and titration method
[17] ISO 1183-2,Plastics−Methods for determining the density of non-cellular plastics−Part 2 : Density gradient
column method
[18] ISO 1183-3,Plastics−Methods for determining the density of non-cellular plastics−Part 3 : Gas pyknometer
method
[19] ISO 2039-1,Plastics−Determination of hardness−Part 1 : Ball indentation method
[20] ISO 3167,Plastics−Multipurpose test specimens
[21] ISO 8256,Plastics−Determination of tensile-impact strength
[22] ISO 11359-2,Plastics−Thermomechanical analysis (TMA)−Part 2 : Determination of coefficient of linear
thermal expansion and glass transition temperature
[23] ISO 22088-1,Plastics−Determination of resistance to environmental stress cracking (ESC)−Part 1 : General
guidance
[24] ISO 22088-2,Plastics−Determination of resistance to environmental stress cracking (ESC)−Part 2 : Constant
tensile load method
[25] ISO 22088-3,Plastics−Determination of resistance to environmental stress cracking (ESC)−Part 3 : Bent
strip method
[26] ISO 22088-4,Plastics−Determination of resistance to environmental stress cracking (ESC)−Part 4 : Ball or
pin impression method
15
K 7139:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
[27] ISO 22088-5,Plastics−Determination of resistance to environmental stress cracking (ESC)−Part 5 : Constant
tensile deformation method
[28] ISO 22088-6,Plastics−Determination of resistance to environmental stress cracking (ESC)−Part 6 : Slow
strain rate method
[29] IEC 60112,Method for the determination of the proof and the comparative tracking indices of solid insulating
materials
[30] IEC 60426,Electrical insulating materials−Determination of electrolytic corrosion caused by insulating
materials−Test methods
[31] ASTM D 1822-06,Standard Test Method for Tensile-Impact Energy to Break Plastics and Electrical Insulating
Materials
16
K 7139:2009
附属書JB
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS K 7139 : 2009 プラスチック−試験片
ISO 20753 : 2008 Plastics−Test specimens
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範
囲
適用範囲だけ
1
適用範囲に加え,各試験
片の規定内容説明
変更
技術的差異はないが,試験片の
規定内容説明を削除した。
試験片の規定内容説明は,別に重
複して記載されているため削除し
た。
−
−
3
3.1
多目的試験片
外
削除
技術的差異はないが,用語の箇
条を削除した。
後の箇条で説明してある事項であ
り,規定が重複するため削除した。
4 試験片
のタイプ
及び寸法
表1,表2
5
表1,表2
変更
対応国際規格の表1,表2の
Comments欄には,表示記号の
説明と,他の規格での表示の対
応とが混在しており,この規格
では,表示記号の説明だけと
し,他の規格表示との対応は附
属書JA(参考)に移した。ま
た,表2にタイプA3を追加し
た。
技術的差異はないが,使用者の利
便性及び規定と参考とを明確化す
るため変更した。
タイプA3の追加は次による。
この規格は,エンプラを中心に記
載されているため,射出成形によ
るAタイプ試験片だけとなってい
るが,ポリオレフィンでは,圧縮
成形及び圧縮成形から機械加工に
よるものがよく用いられているた
め,タイプA3を追加した。
<対応>ISOに提案する。
2
K
7
1
3
9
:
2
0
0
9
2
K
7
1
3
9
:
2
0
0
9
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
17
K 7139:2009
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
附属書B
(規定)
表B.1−表示方法
図 B.1
附属書B
−
表B.1−表示方法
−
変更
追加
位置2の3を“圧縮成形,圧縮
成形板などから機械加工”とし
た。
使用者の利便性を考慮し,試験
片タイプの記号を分かりやす
くするため,図B.1を追加し
た。
対応国際規格では,位置2の2の
機械加工と同3の機械加工の区別
がつかない。技術的差異はない。
<対応>ISOに提案する。
附属書JA
(参考)
−
−
追加
この規格の試験片タイプ表示
方法と他規格との対応を示す
ため追加した。
技術的差異はないが,使用者の利
便性を考慮した。
<対応>ISOに提案する。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 20753 : 2008,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
− 削除……………… 国際規格の規定内容を削除している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
2
K
7
1
3
9
:
2
0
0
9
2
K
7
1
3
9
:
2
0
0
9
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。