K 7127 : 1999 (ISO 527-3 : 1995)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによって,JIS K 7127 : 1989は改正され,この規格に置き換えられる。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 7127 : 1999
(ISO 527-3 : 1995)
プラスチック−引張特性の試験方法−
第3部:フィルム及びシートの試験条件
Plastics−Determination of tensile properties−
Part 3 : Test conditions for films and sheets
序文 この規格は,1995年に第1版として発行されたISO 527-3, Plastics−Determination of tensile properties
−Part 3 : Test conditions for films and sheetsを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作
成した日本工業規格である。
1. 適用範囲
1.1
この規格は,厚さ1mm以下のプラスチックフィルム及びシートの引張特性の試験方法について規定
する。この規格は,JIS K 7161に基づいている。
参考1. 厚さ1mmを超えるシートは,JIS K 7162(プラスチック−引張特性の試験方法 第2部:型成
形,押出成形及び注型プラスチックの試験条件)を参照する。
1.2
JIS K 7161の1.1参照。
1.3
この規格は,次のものの引張特性の測定には適していない。
a) 発泡体
b) 繊維強化プラスチック
1.4
JIS K 7161の1.5による。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・
追補には適用しない。
JIS K 7161 : 1994,プラスチック−引張特性の試験方法−第1部:通則
備考 ISO 527-1 : 1993, Plastics−Determination of tensile properties−Part 1 : General principlesがこの
規格と一致している。
JIS K 7130 : 1999,プラスチック−フイルム及びシート−厚さ測定方法
備考 ISO 4591 : 1992, Plastics−Film and sheeting−Determination of average thickness of a sample, and
average thickness and yield of a roll, by gravimetric techniques (gravimetric thickness),及び
ISO 4593 : 1993, Plastics−Film and sheeting−Determination of thickness by mechanical
scanningがこの規格と同等である。
3. 原理 JIS K 7161の3.(原理)による。
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K 7127 : 1999 (ISO 527-3 : 1995)
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4. 定義 JIS K 7161の4.(定義)による。
5. 装置 JIS K 7161の5.(装置)によるが,次の事項を追加する。
5.1.2(試験速度)で,引張試験機は,JIS K 7161の表1に規定する推奨試験速度を維持できなければな
らない。フィルム及びシートの試験速度は,通常5mm/min,50mm/min,100mm/min,200mm/min,300mm/min
又は500mm/minである。JIS K 7161の9.6(試験速度)も適用する。
5.1.5(伸び計)で,薄いシート又はフィルム材料を試験する場合,試験片には伸び計の重量を負荷して
はならない。
JIS K 7161の5.2(試験片の幅及び厚さの測定装置)に規定する装置は,極薄フィルム(0.01mm以下の
厚さ)又はエンボスフィルムを除いて,JIS K 7130のA法の規定に従わなければならない。極薄フィルム
又はエンボスフィルムの場合は,JIS K 7130のB1法に規定する方法で測定する。JIS K 7130のB1法では,
フィルム試料の平均厚さを試験片とする。
6. 試験片
6.1
形状及び寸法
6.1.1
この試験方法による引張特性測定の試験片は,10mm〜25mm幅で,長さは150mm以上(試験片タ
イプ2,図1参照)が望ましく,試験片中央部には50mm離れて平行な2本の標線をつける。
フィルムの材質によっては,破断時の伸びが非常に大きく,試験機の伸びの容量を超えるものがある。
この場合は初期のチャック間隔を50mmまで減らしてもよい。
6.1.2
試験する材料の仕様書で求められている場合や,日常の品質管理試験では,図2,図3,及び図4
に示す形状,寸法の試験片タイプ5,1B及び4の試験片を用いてもよい。これらの試験片は,品質管理を
迅速に行うのに適している。
破断時の伸びが非常に大きいフィルムとシートには,試験片タイプ5(図2)がよい。その他の軟質シー
トには試験片タイプ4(図4)がよい。
硬質のシートには試験片タイプ1B(図3)がよい。
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K 7127 : 1999 (ISO 527-3 : 1995)
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図1 試験片タイプ2
図2 試験片タイプ5
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K 7127 : 1999 (ISO 527-3 : 1995)
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図3 試験片タイプ1B
図4 試験片タイプ4
6.2
試験片の調整
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6.2.1
6.1.1に記載の試験片は,切断又は打ち抜いてつくり,端が滑らかでノッチがないものとする。こ
れには低倍率の拡大鏡でノッチの有無を検査するのがよい。試験片はかみそりの刃,紙カッター,丸のみ
や他の器具で切断し,幅が正しく,直線性,平行性がよく,肉眼で見て欠点がないものとする。打抜きダ
イは,定期的な研磨によって鋭利にしたものを用い,端部を確実にきれいに切るために適切なバッキング
材を当てる。
6.2.2
6.1.2による試験片は,打抜きダイで適切なバッキング材を用いて,端を確実にきれいに切ってつ
くる。ダイは定期的に研磨して鋭くし,試験片の端は低倍率の拡大鏡で検査してノッチがないことを確か
める。切断端に明らかに欠陥があればその試験片は廃棄する。
6.3
標線 JIS K 7161の6.3(標線)による。
標線を付けるマーキングジグは,二つの平行で真っ直ぐなエッジが付いていて,その先端の幅は0.05mm
〜0.1mmで滑らかで丸く,エッジ角度は15°以下のものでなければならない。マーキングジグでマークを
付ける前,又はその後で,標線の面にスタンプを使ってインキをつけてもよい。インキはコントラストの
はっきりした色で,試験するフィルムに悪い影響を与えるものであってはならない。
6.4
試験片の確認 試験片の切断端を目視によって欠陥を確認し,切断端に欠陥が確認できた場合は,
その試験片は廃棄する。
6.5
異方性 フィルム材料は,フィルム面の方向によって性質が変化するものがある(異方性)。この場
合は,フィルムの配向方向に平行及びこれに直角な2種類の試験片を準備する必要がある。
7. 試験片の数 JIS K 7161の7.(試験片の数)による。
8. 状態調節 JIS K 7161の8.(状態調節)による。
9. 手順 JIS K 7161の9.(手順)による。
10. 計算及び結果の表示 JIS K 7161の10.(計算及び結果の表示)による。ただし10.3(弾性率の計算)
及び10.4(ポアソン比)は除く。
11. 精度 試験室間のデータがないので試験方法の精度は得られていない。試験室間のデータが得られし
だい次の改正時に追加する。
12. 試験報告 試験報告書には,次の事項を含めなければならない。
a) この規格を引用する。試験片のタイプ及び試験速度を,次の形式で記入する。
b)〜q) JIS K 7161の12.(報告)のb)〜q)による。
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K 7127 : 1999 (ISO 527-3 : 1995)
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原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
山 田 純 男
福井工業高等専門学校物質工学科
(委員)
増 田 優
通商産業省基礎産業局
大 嶋 清 治
工業技術院標準部
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
仲 川 勤
明治大学理工学部工業化学科
小 野 昌 孝
実践女子大学生活科学部生活環境学科
小松原 恒 雄
硬質塩化ビニル板協会
高 野 忠 夫
財団法人高分子素材センター
越 山 了 一
社団法人日本包装技術協会
葛 良 忠 彦
東洋製缶株式会社
平 和 雄
東洋製缶株式会社
土 屋 博 隆
大日本印刷株式会社
池 田 弘 治
日本合成ゴム株式会社
各 務 孝
凸版印刷株式会社
石 井 恒
住友ベークライト株式会社
岩 本 威 生
三菱化学株式会社
米 田 昌 雄
三菱樹脂株式会社
尾 崎 樹 男
三井石油化学株式会社
足 立 卓 雄
藤森工業株式会社
下 川 正 明
森永製菓株式会社
世 代 文 彦
花王株式会社
猪 狩 恭一郎
東京製紙株式会社
真 弓 高 明
株式会社島津製作所
(事務局)
吉 木 健
日本プラスチック工業連盟