K 7117-1 : 1999
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。これによってJIS K 7117 : 1987は廃止され,この規格に置き換えられる。
今回の制定では,国際規格に整合させるため,ISO 2555 : 1990を基礎として用いた。
JIS K 7117-1 : 1999には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定) 液状,乳濁状及び分散状の樹脂への一般的な適用
附属書B(規定) 粘度計A形,B形及びC形の原理,説明及び特性
附属書1(参考) SB形粘度計による粘度の測定方法
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 7117-1 : 1999
プラスチック−液状,乳濁状
又は分散状の樹脂−ブルックフィールド形
回転粘度計による見掛け粘度の測定方法
Plastics−Resins in the liquid state or as emulsions or dispersions−
Determination of apparent viscosity by the Brookfield Test method
序文 この規格は,1989年に第2版として発行されたISO 2555, Plastics−Resins in the liquid state or as
emulsions or dispersions−Determination of apparent viscosity by the Brookfield Test methodを元に,対応する部
分については,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定さ
れていない規定項目(定義)を日本工業規格として追加した。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所及び附属書1(参考)は,対応国際規格にはない事項であ
る。
1. 適用範囲 この規格は,ブルックフィールド形回転粘度計を用いて,液体又はそれと同様な状態にあ
る樹脂の見掛け粘度を測定する方法について規定する。
この方法を特定の試料に適用する場合の詳細は,附属書A(規定)に示す。
A形,B形及びC形の粘度計を用いると,0.02Pa・sから60 000Pa・sまでの粘度を測定できる。
参考 附属書1(参考)に,従来のJISで規定していたSB形粘度計による粘度の測定方法を示す。
2. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
a) 速度こう配 液体内の流動に直角方向の層流速度の変化割合。せん断速度又はずり速度ともいう。
b) せん断応力 液体内のずり流動面の単位面積に作用する接線力。ずり応力ともいう。
c) ニュートン性 せん断応力がせん断速度に比例する性質。
d) 非ニュートン性 せん断応力がせん断速度に比例しない性質。
e) 粘度 流体内部に生じる,流れに抵抗する性質で,せん断応力とせん断速度との比。
f)
見掛け粘度 非ニュートン性流体に作用したせん断応力とせん断速度との比。
g) チクソトロピー性 非ニュートン性の物質で,時間に依存した流動特性をもち,一定のせん断速度状
態において見掛け粘度が時間とともに減少し,せん断応力を除くと徐々に復元する性質。
h) レオペキシー性 流体に一定速度のせん断応力を加えた場合に,見掛け粘度が時間とともに増大し,
応力を除くと見掛け粘度が減少する性質。
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K 7117-1 : 1999
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3. 原理 円筒又はそれに関連した形状(円板)のスピンドルを,試料の中で一定の回転数で駆動する。
試料の粘度に基づく流体抵抗がスピンドルに加わってトルクが生じ,これを適切な計器で指示させる。
この測定の原理は,トルクによってらせんスプリングに力が加わり,このトルクを目盛板上の針の動きで
指示するものである。
ブルックフィールド形粘度計による見掛け粘度は,スピンドルの回転数及び特性から決まる係数を目盛
板の読み値に掛け合わせて求める。
この規格が適用できる試料は,一般的に非ニュートン性であり,測定した粘度は測定中に試料に生じる
速度こう配に依存する。
この種の粘度計では,速度こう配は,スピンドルのどの部分でも同じではない。したがって,非ニュー
トン流体の場合,その測定結果は厳密には“既知の速度こう配における粘度”ではないので,慣習的に見
掛け粘度と呼ばれている。
4. 装置
4.1
ブルックフィールド形回転粘度計 A形,B形又はC形があり,試料及び希望する精度によって選
択する。
この装置の詳細な操作原理,説明及び三つの形式の特性を,附属書B(規定)に示す。
各粘度計は,次のものから構成されている。
− 粘度計本体
− 1から7まで番号の付いた,交換可能な7種類のスピンドル(1が最大)
これらのスピンドルには,液体中の浸せきレベルを示す標線が付されているが,標線は3種類の粘
度計とも同じである。腐食又は偏心の徴候を示すスピンドルを用いてはならない。
− 取外し可能なガード(A形だけ)
各種ブルックフィールド形回転粘度計で使用できる回転数を,表1に示す。
備考 ブルックフィールド形回転粘度計について,型式,使用できる回転数及び粘度計の種類(A形,
B形及びC形)の間の関係を,表1に示す。同じ限界内でほかの回転数を選んでもよい。
表1 3種類の粘度計に対して使用できる回転数
粘度計
の種類
型式
回転数
min-1
A形
RVF
2
4
10 20
RVF100
10 20 50 100
RVT
0.5 1
2.5
5
10 20 50 100
B形
HAF
1
2
5
10
HAT
0.5 1
2.5
5
10 20 50 100
C形
HBF
1
2
5
10
HBT
0.5 1
2.5
5
10 20 50 100
スピンドルの形状及び大きさによって,いろいろな回転数に対しメータ上の最大トルク指示値に対応す
る粘度が得られるが,これを表2に示す。
これらの粘度計の調整及び校正は,通常,装置製作者が行う。
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K 7117-1 : 1999
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表2 粘度計の種類,回転数及びスピンドルに対応する粘度の最大値 (Pa・s)
粘度計
の種類
回転数
min−1
スピンドル番号
1
2
3
4
5
6
7
A形
100
0.1
0.4
1
2
4
10
40
50
0.2
0.8
2
4
8
20
80
20
0.5
2
5
10
20
50
200
10
1
4
10
20
40
100
400
5
2
8
20
40
80
200
800
4
2.5
10
25
50
100
250
1 000
2.5
4
16
40
80
160
400
1 600
2
5
20
50
100
200
500
2 000
1
10
40
100
200
400
1 000
4 000
0.5
20
80
200
400
800
2 000
8 000
B形
100
0.2
0.8
2
4
8
20
80
50
0.4
1.6
4
8
16
40
160
20
1
4
10
20
40
100
400
10
2
8
20
40
80
200
800
5
4
16
40
80
160
400
1 600
2.5
8
32
80
160
320
800
3 200
2
10
40
100
200
400
1 000
4 000
1
20
80
200
400
800
2 000
8 000
0.5
40
160
400
800
1 600
4 000
16 000
C形
100
0.8
3.2
8
16
32
80
320
50
1.6
6.4
16
32
64
160
640
20
4
16
40
80
160
400
1 600
10
8
32
80
160
320
800
3 200
5
16
64
160
320
640
1 600
6 400
2.5
32
128
320
640
1 280
3 200
12 800
2
40
160
400
800
1 600
4 000
16 000
1
80
320
800
1 600
3 200
8 000
32 000
0.5
160
640
1 600
3 200
6 400
16 000
64 000
粘度計の調整及び校正は,粘度が判明しているニュートン性液体を用いて,使用者の試験室又は他の試
験機関で必要に応じて行うことを推奨する。
参考 JIS Z 8809(粘度計校正用標準液)に規定する標準液を用いるのが望ましい。
4.2
恒温槽 試料を±0.2℃の精確さで試験温度に保持するもの。
望ましい試験温度は,23℃,25℃,40℃,55℃,70℃,85℃及び100℃である。
備考 試験を高温で行う必要がある場合は,スピンドルと装置の間に延長軸を用いるのがよい。
4.3
その他の装置
4.3.1
支柱 粘度計を支持し,これを垂直な面内で動かせるもの。
4.3.2
ビーカー 直径が90mm〜92mmで,高さが115mm〜160mmのもの。
4.3.3
温度計 試験する試料の温度を0.1℃のけたまで読めるもの。
5. 回転数及びスピンドルの選び方 測定する粘度の値,希望する精度及び速度こう配を考慮し,回転数
とスピンドルの組合せを選ぶ。
この選び方は,どの測定値もフルスケールの20%未満又は95%以上にならないようにする必要がある。
4
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しかし,精度を最もよくするためには,フルスケールの45%〜95%の範囲内に保つことが望ましい。
非ニュートン性試料の間で粘度を比較したい場合は,一方の試料の測定精度が著しく低下するとしても,
回転数とスピンドルの同じ組合せを用いる必要がある。
回転数を選択すると,自動的に1種類又はそれ以上の粘度計を選ぶことになる。このために,可能な場
合には,10min−1の回転数を用いるのがよい。
用いる回転数とスピンドルの組合せは,測定条件として記載しておくとよい(附属書AのA.1参照)。ま
た,粘度の指定値又は期待値に基づいて,表2を用い,最も適切な範囲はフルスケールの45%〜95%の間
であることに留意して選択してもよい。
6. 手順 ガードを用いる場合には,これを付けて,粘度計を支柱に取り付ける(附属書BのB.3.3を参照)。
気泡を生じないように注意しながら,ビーカー(4.3.2)を試料で満たし,次に恒温槽(4.2)に入れて,希望
の温度に到達させるのに十分な時間放置する。試料が揮発性物質を含んでいたり,又は吸湿性の場合には,
この操作中,ビーカーを密閉する。
ビーカーを恒温槽中に置いたまま,スピンドルを試料表面に対し約45°の角度に保ち,試料中に浸す。
次に,スピンドルを垂直に向け,装置の軸に接続する。
泡水準器を使用してスピンドルが垂直であることを確かめ,スピンドルの下端がビーカーの底から
10mm以上離れた位置にあること,及びスピンドルが軸の標線の下側まで浸されていることを確認する。
温度計(4.3.3)を試料中に浸す。
試料の温度が規定の限度内になるまで待つ。装置製作者の推奨に従って,モータを始動し,希望する回
転数で回転させる。
装置を運転したまま,計器の指示が安定したとき,装置製作者の推奨に従って,トルク計のフルスケー
ルの0.25%まで読み取る。軸針をロックし,モータを止めて読み取る。
備考1. トルク計の読みが徐々に変化するときには,材料がチクソトロピー性か又はレオペキシー性
をもつことを示している場合がある。測定方法を規定する文書(附属書AのA.1参照)にト
ルク計の読みを規定の時間後に取るか,又は読みが一定になった直後に取るかを規定する必
要がある。また,粘度の曲線を回転時間の関数としてプロットすることもできる。
2. 液体によっては,異なるレオロジー特性を示すものがある。チクソトロピー性か又はレオペ
キシー性の挙動を示す液体については,回転時間は,例えば,1分に固定するとよい(トル
ク計の読みは,時間によって変わることがあるので,ただ一つの時間間隔を用いる。)。
モータを再始動し,次の測定を行う。
(附属書AのA.1に示す文書に特に規定がない場合には,)連続2回の測定値が,互いに3%以上離れな
い値を得るまで測定を継続する。これら2回の値の平均値を求める。
各測定後,スピンドルを装置から外し,適切な溶剤に浸してよく洗浄する。
7. 測定結果の表し方 試料の見掛け粘度 (Pa・s) は,次の式によって算出する。
見掛け粘度 (Pa・s) =1000l
k
A
×
×
ここに,
A: 装置の種類による係数
その値は,A形に対しては1,B形は2,C形は8。
k: 回転数及びスピンドルの組合せに基づく係数(単位:mPa・s)
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附属書BのB.3に規定した装置の場合には,kの値は表3に
示すとおりである。
l: 2回の測定の指針の指示値の平均
表3 各回転数−スピンドルの組合せに対する係数k(スケール0〜100)(1)
スピンドル
回転数
min−1
スピンドル番号
1
最大
2
3
4
5
6
7
最小
100
1
4
10
20
40
100
400
50
2
8
20
40
80
200
800
20
5
20
50
100
200
500
2 000
10
10
40
100
200
400
1 000
4 000
5
20
80
200
400
800
2 000
8 000
4
25
100
250
500
1 000
2 500
10 000
2.5
40
160
400
800
1 600
4 000
16 000
2
50
200
500
1 000
2 000
5 000
20 000
1
100
400
1 000
2 000
4 000
10 000
40 000
0.5
200
800
2 000
4 000
8 000
20 000
80 000
注(1) 各スピンドルを粘度既知の液体で校正し,少し異なるkの値を採用することが必要な
場合もある(附属書BのB.4参照)。
次の例に示すように,粘度計の形式(A形,B形又はC形),スピンドル番号及び回転数を示し,結果
を有効数字3けたで表す。
ブルックフィールド粘度 (A/3/20) =4.25Pa・s
備考 6.の備考に記載した条件(チクソトロピー性又はレオペキシー性の試料)で測定が行われた場
合は,附属書AのA.1に示す文書の特別な指示に従う。
8. 試験報告書 試験報告書には,次の事項を記入する。
a) この規格番号
b) 試験した試料の名称
c) 試験温度
d) 用いた粘度計の型式,スピンドル番号及び回転数
e)
7.によって算出した見掛け粘度の値
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附属書A(規定) 液状,乳濁状及び分散状の樹脂への一般的な適用
A.1 適用範囲 この附属書は,特別な指示がない限り,液状樹脂の見掛け粘度の測定に用いる。
製品に関する,規格又は商業上の契約で,ISO 2555及び附属書Aを用いることを推奨する場合には,必
ずこの附属書を使用するものとする。
A.2 試験条件の選び方
A.2.1 回転数 この附属書を適用する試料は,一般的に非ニュートン性挙動を示すために,異なった回転
数によって得た試験結果は,理論的には比較できない。
回転数の選び方は,測定する粘度範囲によって変わる。回転数は,試料の種類ごとに記述する必要があ
る。
特定の回転数で使用する粘度計が適用できる粘度範囲を示す図を作成する必要がある(回転数10min−1
でのA形,B形及びC形粘度計の図表例については,附属書A図1を参照。)。
A.2.2 スピンドル 測定する見掛け粘度の値がおおむね分かっている場合は,各種の粘度計について各ス
ピンドルで測定できる粘度範囲を示す図表(A.2.1参照)を利用してスピンドルを選ぶ。
結果を比較する場合には,例え,そのスピンドルの望ましい使用範囲を外れ,単に使用が許されている
だけの範囲で用いることになっても,異なったスピンドルで測定するよりは同じスピンドルを用いる方が
よい。実際には,続き番号のスピンドルによる測定結果は,必ずしも同じ値にならない。
測定する粘度の値が未知の場合には,附属書A図1の要求事項に合致するまで,7番のスピンドルから
始めて,続き番号のスピンドルで測定を行う。
A.2.3 ある種の試料に推奨される特殊な試験条件 附属書A表1は,幾つかの試料について,国際的な慣
習に照らして推奨される特殊な試験条件をまとめている。スピンドルは,粘度の値を考慮し,本体の5.に
よって選択する。
附属書A表1 望ましい試験条件
試料
粘度計
の種類
回転数
温度
備考
min−1
℃
フェノール樹脂
A形(1)
50
23
ポリエステル樹脂
A形(1)
10
23
エポキシ樹脂
A形(1)
10
23
接着剤
A形(1)
10又は20
23
水系分散液
A形(1)
50
23
PVCペースト
A形(1)
20
23
1分後に読
み取る。
注(1) 試料の粘度が,望ましい回転数を用いてA形で測定できる粘度限界を超
える場合には,B形又はC形が使用できる。
A.3 手順 本体の6.による。
試料に泡を全く含まないように注意して,粘度を測定する。
必要に応じ,真空又はその他の適切な方法を用いて泡を除くことができる。
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揮発性の試料又は揮発成分をもつ試料の場合には,もちろん,密閉容器を用いる必要がある。
附属書A図1 回転数10min-1での,A形,B形及びC形スピンドルに対する粘度測定範囲(対数目盛)
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附属書B(規定) 粘度計A形,B形及びC形の原理,説明及び特性
B.1 操作原理 粘度計は,同期モータによって駆動されるギヤボックスを介して垂直軸を回転する。
この垂直軸は,渦巻スプリングを介して,第1の軸の延長上にある下側の第2の軸を駆動する。スピン
ドルは,第2の軸に取り付け,試験液に浸せきする。
これらの2本の軸は,同じ回転数で回転するが,スピンドルを浸せきすると,それらの間に角度のずれ
ができる。このずれは,スピンドルの回転に対する液体の抵抗,すなわち,液体の粘度の関数である。
このずれは,スピンドル軸に固定された水平の指針によって測定する。この水平の指針は,第1の(モ
ータ)軸に固定され,したがって,この軸と共に回転する水平の目盛板上で動く。スピンドルを空気中で
回転するときには,指針は目盛板のゼロ目盛に一致する。
指針と目盛板が両方とも動いている間に読み取ることは難しい場合があるので,目盛板と指針の動きを
固定する機構によって,モータの停止後に,読み取ることができる。
B.2 装置の簡単な説明 粘度計本体には,電気スイッチ,同期モータ,回転数変更ボタン付きギヤボック
ス,渦巻スプリング,ダイヤルと指針,及びダイヤルと指針の固定機構が備え付けられている。
スピンドルは,表面の滑らかな金属の円筒又は円板を軸に取り付けた形をしている。スピンドルは,3
種類の粘度計に使用できる。
スピンドルを保護するためのガードは,“U”形の金属板から構成されている。
B.3 特性
B.3.1 粘度計本体
B.3.1.1 スピンドルの回転数 装置の形式によって,4種類又は8種類の回転数がある。本体の表1に回転
数を示す。
B.3.1.2 ダイヤルの目盛 0〜100の半円形目盛。
B.3.1.3 渦巻スプリングのトルク フルスケールに対して,トルク値は,次のとおりである。
A形の場合
718.7μN・m
B形の場合
1 437.4μN・m
C形の場合
5 749.6μN・m
B.3.2 交換可能なスピンドル スピンドルの形状及び寸法を,附属書B図1,附属書B図2及び附属書B
図3に示す。
これらの寸法は,インチで表された値から換算したものであり,有効数字の数は必ずしも元の値の精度
を示しているわけではない。
B.3.3 ガード ガードの形状及び寸法を,附属書B図1に示す。
これで,スピンドルの下端とビーカーの底の間に最低10mmの距離を保証し,スピンドルを保護する。
スピンドルを使用するかどうかは自由である。
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B.4 装置の校正 純粋なニュートン性液体の粘度を測定し,また,スピンドルの回転数をチェックして,
装置を定期的に校正することが望ましい。
附属書B図1
No.1スピンドル及びガード
附属書B図2
No.2〜6スピンドル
附属書B図3
No.7スピンドル
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附属書1(参考) SB形粘度計による粘度の測定方法
この附属書は,ブルックフィールド形回転粘度計のうち規格の本体に規定する形式の粘度計とともに,
主として我が国で広く用いられ,従来の日本工業規格JIS K 7117 : 1987に規定していた回転粘度計の一つ
であるSB形粘度計による粘度の測定方法について記述するもので,規定の一部ではない。
1. 装置及び特性
1.1
粘度計本体
1.2
スピンドルの回転数 附属書1表1に示す8種類の回転数がある。
1.3
渦巻スプリングのトルク フルスケールに対して,トルク値は,67.4μN・mである。
1.4
粘度計の形式 SB形粘度計のスピンドルとガードの形状及び寸法を,附属書1図1〜附属書1図5
に示す。
附属書1図1 SB1号スピンドル 附属書1図2 SB2号スピンドル 附属書1図3 SB3号スピンドル
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附属書1図4 SB4号スピンドル
附属書1図5 SBガード
1.5
恒温槽 本体の4.2による。
1.6
ビーカー 本体の4.3.2による。
1.7
温度計 本体の4.3.3による。
2. 回転数及びスピンドルの選び方
3. 操作手順 本体の6.による。
4. 粘度計の校正 粘度計の校正は,JIS Z 8809(粘度計校正用標準液)に規定する標準液を用いて3年
に1回以上定期的に行う。
5. 結果の表し方 粘度は,次の式によって算出する。
ηa=Kn×θ
ここに,
ηa: 粘度 (mPa・s)
Kn: 附属書1表1に示す換算係数
θ: 2回の試験の粘度計指示値の平均
SB形粘度計のスピンドル番号及び回転数と換算係数との関係を,附属書1表1に示す。
12
K 7117-1 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1表1 SB形粘度計の換算係数
単位 mPa・s
スピンドル
回転数
min−1
スピンドル番号
SB1号
SB2号
SB3号
SB4号
60
1
5
20
100
30
2
10
40
200
12
5
25
100
500
6
10
50
200
1 000
3
20
100
400
2 000
1.5
40
200
800
4 000
0.6
100
500
2 000
10 000
0.3
200
1 000
4 000
20 000
6. 試験報告書 本体の8.による。
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K 7117-1 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS原案作成委員会 構成表
氏名
所属
本委員会
分科会
(委員長)
北 野 武
物質工学工業技術研究所
○
○
金 綱 久 明
東京家政大学家政学部
○
金 子 剛
財団法人日本電気用品試験所
○
峰 松 陽 一
芝浦工業大学名誉教授
○
○
中 村 茂 夫
神奈川大学工学部
○
久保田 和 久
工学院大学工学部
○
小 沢 丈 夫
千葉工業大学工学部
○
澤 田 秀 雄
生分解性プラスチック研究会
○
市 川 昌 彦
財団法人日本品質保証機構
○
○
増 田 優
通商産業省基礎産業局
○
大 嶋 清 治
工業技術院標準部
○
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
○
阿 部 聡
東京都立産業技術研究所
○
畠 山 立 子
物質工学工業技術研究所
○
中 川 英 昭
三菱油化合成紙株式会社
○
川 村 好 宏
三菱樹脂株式会社
○
村 井 久 純
帝人株式会社
○
須 賀 茂 雄
スガ試験機株式会社
○
十 時 稔
株式会社東レリサーチセンター
○
伊 藤 尚 美
株式会社島津製作所
○
光 井 正 道
株式会社島津製作所
○
三 原 観 治
株式会社東洋精機製作所
○
○
吉 木 健
日本プラスチック工業連盟
○
岩 崎 良 治
日本石油化学株式会社
○
森 田 修 司
宇部興産株式会社
○
石 野 巌
日本エタノール株式会社
○
宮 本 勲
東機産業株式会社
○
小 瀬 達 男
財団法人高分子素材センター
○
○
(事務局)
樋 口 秀 臣
財団法人高分子素材センター
○
○
三 宅 孝 治
日本プラスチック工業連盟
○
○
(文責 宮本 勲)