K 7114 : 2001 (ISO 175 : 1999)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本プラスチック
工業連盟 (JPIF) /財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき
との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これ
によってJIS K 7114 : 1995は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,国際規格との整合性を図るため,ISO 175 : 1999を基礎として用いた。
JIS K 7114には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定) 試験液の種類
附属書B(参考) 状態調節雰囲気と平衡状態にあるプラスチック試験片による水分の吸収について
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 7114 : 2001
(ISO 175 : 1999)
プラスチック−液体薬品への
浸せき効果を求める試験方法
Plastics−Methods of test for the determination
of the effects of immersion in liquid chemicals
序文 この規格は,1999年に第2版として発行されたISO 175, Plastics−Methods of test for the determination
of the effects of immersion in liquid chemicalsを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作
成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲
1.1
この規格は,プラスチック材料の試験片を,すべての外的拘束のない状態で,試験液に完全に浸せ
きする方法及びその結果生じる性質の変化を求める方法について規定する。
なお,ISO 4599,ISO 4600及びISO 6252で取り扱われている環境応力き裂 (ESC) は,この規格には適
用されない。
1.2
この規格は,試験片の全表面を浸せきする試験だけを規定している(1)。
備考1. この試験方法は,プラスチック試験片の一部を湿らせたり,又は湿らせる時間が少ない場合,
試験には適切ではない。
注(1) この規格の適用範囲にはないが,揮発性の液又はガスを発生する液を取り扱う場合には,試験
片を液体上の気相だけの作用を受けるようにすることもできる。この場合には,この規格の指
示どおりに正確に行えばよいが,試験片を液体上につり下げて容器を密封し,それを試験温度
に保つのがよい。
1.3
この規格は,型成形材料若しくは押出成形材料,板,管,棒又はシートの形で得られるすべてのプ
ラスチック材料で,厚さが0.1mmを超えるものに適用できる。ただし,発泡材料には適用できない。
備考2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 175 : 1999, Plastics−Methods of test for the determination of the effects of immersion in liquid
chemicals (IDT)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・
追補には適用しない。
2
K 7114 : 2001 (ISO 175 : 1999)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS K 7100 : 1999 プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気
備考 ISO 291 : 1997, Plastics−Standard atmospheres for conditioning and testingが,この規格と一致し
ている。
JIS K 7144 : 1999 プラスチック−機械加工による試験片の調製
備考 ISO 2818 : 1994, Plastics−Preparation of test specimens by machiningが,この規格と一致してい
る。
JIS K 7151 : 1995 プラスチック−熱可塑性プラスチック材料の圧縮成形試験片
備考 ISO 293 : 1986, Plastics−Compression moulding test specimens of thermoplastic materialsが,この
規格と一致している。
JIS K 7152-3 : 2000 プラスチック−熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片−第3部:小形角板
備考 ISO 294-3 : 1996, Plastics−Injection moulding of test specimens of thermoplastic materials−Part
3 : Small platesが,この規格と一致している。
JIS K 7209 : 2000 プラスチック−吸水率の求め方
備考 ISO 62 : 1999, Plastics−Determination of water absorptionが,この規格と一致している。
JIS K 7362 : 1999 プラスチック−アンダーグラス屋外暴露,直接屋外暴露又は実験室光源による暴露
後の色変化及び特性変化の測定方法
備考 ISO 4582 : 1998, Plastics−Determination of changes in colour and variations in properties after
exposure to daylight under glass, natural weathering or laboratory light sourcesが,この規格と
一致している。
ISO 295 : 1991 Plastics−Compression moulding of test specimens of thermoplastic materials.
ISO 1817 : 1999 Rubbers, vulcanized−Determination of the effects of liquids.
ISO 3126 : 1974 Plastics pipes−Measurement of dimensions.
ISO 3205 : 1976 Preferred test temperatures.
IEC 60296 : 1992 Specification for unused mineral insulating oils for transformers and switchgear.
3. 原理 この試験方法は,試験片を規定温度で規定の時間,試験液中に完全に浸せきする。
浸せき前,及び試験液から取り出し後に,また,必要に応じて乾燥後に性質を測定する。乾燥後の測定
は,同じ試験片で,できるだけ速やかに行う。
備考 この試験によって異なるプラスチックを比較する場合は,試験片が同じ形状,同じ寸法(特に
同じ厚さ)のもので,内部応力や表面などの状態もできるだけ同じである必要がある。
次の項目を測定する方法が規定されている。
a) 試験液から取り出し直後,又は取り出して乾燥直後の質量,寸法及び外観の変化
b) 試験液から取り出し直後,又は取り出して乾燥直後物理的性質(機械的性質,熱的性質,光学的性質
その他)の変化
c) 試験液の吸収量
試験液によってまだ作用を受けている材料の状態を確認する必要がある場合には,試験液から取り出し
た後,直ちに試験する。試験液が揮発性であって,試験液を除去した後の材料の状態を確認する必要があ
る場合には,試験液から取り出し,乾燥した後で試験を行う。この試験では,溶解成分の影響を求めるこ
ともできる。
3
K 7114 : 2001 (ISO 175 : 1999)
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4. 一般的要求事項及び手順
4.1
試験液
4.1.1
試験液の選択 特定の液体と接触するプラスチックの挙動について情報が求められている場合に
は,その液体を用いる。試験液は,試薬級の品質のものでなければならない。
工業用液体薬品は,必ずしも一定の組成であるとはいえない。試験は,対象のプラスチック材料に対す
る影響を評価する液体薬品をできるだけ代表するような特定の試薬液を,それ自体又は混合物として用い
て行う。工業用薬品を用いる場合には,その製造元及び品質を当事者間で協定し,一連の測定には,一つ
のバッチから製造されたものだけを用いるように配慮する必要がある。
備考 組成の疑わしい液体薬品で一連の試験を行う場合には,すべての試料液を同じ貯槽からとるこ
とが重要である。
4.1.2
試験液の種類 試験液の種類を附属書Aに示す。
4.2
試験条件
4.2.1
試験温度 試験温度は,次の条件から選択する。
a) 23℃±2℃
b) 70℃±2℃
プラスチックの使用温度に対応して,これと異なる温度を採用する必要がある場合には,その温度は,
ISO 3205で推奨する温度から選択する。次の温度を推奨する。
0℃,20℃,27℃,40℃,55℃,85℃,95℃,100℃,125℃及び150℃
各温度の許容差は,温度が100℃に達するまでは±2℃とし,温度が105℃を超えて200℃に達するまで
は±3℃とする。プラスチック管を試験する特別な場合には,ISO 3205の附属書に規定する温度60℃を用
いる。
備考1. 室温以上の温度で試験する場合には,温度の効果と液の効果を区別することができるように,
別の一組の試験片を,試験時間と同じ期間,この温度で保存し,その後,特性を測定するこ
とが望ましい。
2. 長期間,試験する場合には,23℃で空気中に保存した試験片の特性に変化が生じる場合があ
る。比較のために,別の一組の試験片を作製しておくことを推奨する。
4.2.2
測定温度 質量,寸法又は物理的性質の変化を測定する温度は,23℃±2℃とする。浸せき温度が
異なる場合には,4.6.3に規定する手順によって試験片の温度を23℃に状態調節する。
4.3
浸せき時間 浸せき時間は,次の条件から選択する。
a) 短期間の試験には24時間
b) 標準的な(特に23℃での)試験には1週間
c) 長期間の試験には16週間
他の浸せき時間を採用する必要がある場合には,例えば,時間の関数として試験を行ったり,平衡状態
に達するまでの曲線をプロットしようとする場合には,次に示す標準的なスケールから浸せき時間を選択
するのがよい。
a) 1時間,2時間,4時間,8時間,16時間,24時間,48時間,96時間及び168時間
b) 2週間,4週間,8週間,16週間,26週間,52週間及び78週間
c) 1.5年,2年,3年,4年及び5年
4.4
試験片 浸せき後の試験項目(質量,寸法,物理的性質など)並びにプラスチック材料の種類及び
形状(シート,フィルム,棒など)によって,試験片は,いろいろな形及び寸法をもつ。
4
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これらの試験片は,成形又は切削加工によって直接作られる場合もある。切削加工の場合には,切削面
はきれいに仕上げを行い,作製方法によって生じることのある炭化の痕跡があってはならない。
5.3.1及び5.3.2に規定する試験片については,望ましい試験片寸法は,面積が60mm×60mmで,厚さは
プラスチック材料の種類に応じて次の値とする。
− 熱可塑性プラスチックの場合には,望ましい厚さは1.0mm〜1.1mmとする。
− 成形材料の場合には,JIS K 7152-3に規定する試験片の寸法と同一とする。
− 半製品の場合には,JIS K 7144によって切削加工するが,少なくとも一つの面は元のままとする。
− 複合材の場合には,厚さは少なくとも2mmとするのが望ましい。
備考 試験片の厚さが,質量,寸法,外観の変化又は吸収液量に影響するかどうかを試験するために,
推奨する1mmより薄いか又は厚い試験片を用いて試験してもよい。
用いる試験片の数は,浸せき処理後に行われる試験に関連する規格の規定による。特定の規格がない場
合には,試験片は少なくとも3個とする。
4.5
状態調節 試験片は,JIS K 7100の雰囲気
50
23
の2級によって,状態調節する。
備考 温度の平衡状態及び特に湿度の平衡状態に,急速に又は非常にゆっくりと近づくことが知られ
ているある種のプラスチックについては,更に短い又は更に長い調節期間を関連する製品仕様
書に,規定してもよい(附属書B参照)。
4.6
手順
4.6.1
試験液の量 試験液の量は,試験中に液中の抽出物濃度が過度に高くならないように,試験片の全
表面積に対し1cm2当たり少なくとも8mlとする。試験片は,試験液に完全に沈めなければならない。
備考 しかし,特殊な規格では,異なった液量を規定している場合がある。例えば,抽出物の量が非
常に少ないことが知られている硬質ポリ塩化ビニル管及びポリオレフィン管については,関連
する国際規格に,更に少ない量が規定されている。
4.6.2
試験片の置き方 通常,試験片の各セットを適切な容器(5.2参照)に入れ,完全に液中に浸す。
必要な場合には,おもりを用いる。しかし,同じ組成の材料を幾つか試験する場合には,試験片の幾つか
のセットを同一の容器に入れてもよい。
どの試験片も,その表面が他の試験片の表面,容器の壁又はおもりと接触している部分が,ごくわずか
であることを確認する。
試験中は,例えば容器を回転することによって,少なくとも1日1回試験液をかき混ぜる。
試験が7日以上長引く場合には,7日ごとに最初の液量と同じ量で液の入替えを行う(4.6.3の備考2.参
照)。
液の性質が不安定な場合(例えば,次亜塩素酸ナトリウム)には,更に頻繁に液を入れ替える。
備考 光が試験液の作用に影響を及ぼす場合には,暗所で又は明るさを限定して試験することを推奨
する。
ある場合(例えば,酸化の危険性がある場合)には,試験片から上の液の高さを規定するか,試験片に
吸収された液の体積を測定することが必要なこともある。試験片に吸収された液体積は,元の液体積と残
液の体積との差として得られる。この場合,装置は液の体積だけを測定できるものでなければならない。
4.6.3
洗浄及びふき取り 浸せき期間の終了時には,試験片の温度を室温に戻す。必要に応じて,室温に
保持した新しい試験液に速やかに移して,15〜30分間放置する。
試験片を試験液から取り出した後,次のいずれかの方法で試験片を洗浄する。
a) 酸,アルカリ又はその他の水溶液に浸せきしていた試験片は,清浄な水で十分に洗う。濃硫酸のよう
5
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な吸湿性の薬剤は,洗浄後でも試験片表面に吸着されて残ることがあり,ひょう量前及びひょう量中
の水分吸着を避けるために,特に速やかな取扱いが必要である。
b) 非揮発性,非水溶性の有機液体から取り出した試験片は,軽質ナフサのような,揮発性であるが浸食
性のない溶剤で洗浄する。
備考1. 試験片を室温でアセトン又はアルコールのような揮発性の液に浸せきする場合には,試験片
の洗浄及びふき取りは必要ない場合がある。
試験片は,ろ紙又は繊維くずのない布でふく。
備考2. 試験終了時に試験液を検査することが必要な場合がある。この検査は,簡単な目視検査か,
試料に吸収されない体積若しくは質量の測定か又は,例えば,滴定を含め更に厳密な測定の
場合もある。
この測定は,試験中に液を入れ替えた場合には意味がない。
4.7
結果の表し方
4.7.1
数値的表現 浸せき前後の測定結果に加えて,次の式を使用して浸せき前の特性値 (X1) に対して
浸せき後の特性値を百分率として表してもよい。
100
1
2×
X
X
4.7.2
図式表現 測定を時間の関数として行う場合にはいつも,対応するグラフにプロットすることを推
奨する。(初期値を含め)求めた値又はその差を縦軸に,浸せき時間tを横軸にプロットする。浸せき時間
の目盛を縮小する必要がある場合は,t0.5目盛か又は,logt目盛を用いてもよい。
例えば,吸収した液の質量又は体積と浸せき時間についてJIS K 7209で推奨している両対数によって表
示すると,吸収がFickの法則に従う場合には,短期間の浸せきで飽和濃度及び拡散係数を求めることがで
きる。
5. 質量変化及び/又は寸法変化及び/又は外観変化の測定
5.1
一般 必要に応じて,これらの測定は同じ試験片で行ってもよい。
試験片は,少なくとも3個とする。
5.2
装置
5.2.1
すべての試験に用いる装置
5.2.1.1
ビーカー 適切な寸法で,ふたが付いているもの(必要に応じて,気密性のあるもの)とし,揮
発性の液でガスを発生する場合には,凝縮器が付いているもの。装置は,用いる液に耐食性のあるものと
する。室温以上で試験する場合には,蒸発による液の損失をできるだけ少なくするために,十分密閉でき
るビーカーを用いなければならない。
5.2.1.2
恒温槽 試験温度に自動調節できるもの。揮発性の液を高い温度で試験する場合には,ガス抜き
を設けなければならない。
5.2.1.3
温度計 適切な温度範囲及び精度をもつもの。
5.2.1.4
換気装置付きオーブン 必要に応じて,選択した乾燥温度に調節できるもの。
特に指示がない場合には,50℃±2℃に調節したオーブンを用いる。
5.2.2
質量変化の測定に用いる装置
5.2.2.1
はかり瓶
6
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5.2.2.2
はかり 試験片の質量が1g以上の場合には,1mg以内の精度で,試験片の質量が1g未満の場合
には,0.1mg以内の精度をもつもの。
5.2.3
寸法変化及び体積変化の測定に用いる装置
5.2.3.1
マイクロメータ 0.01mmの精度をもち,平らなアンビルをもつもの。
参考 管などのように曲面をもつ試験片の寸法測定には,ボールアンビルなどをもつマイクロメータ
を用いるほうがよい。
5.2.3.2
キャリパ 0.1mmの精度で測定できるもの。
5.2.3.3
メスシリンダー 試験片の初期体積の測定に用いる。
5.2.3.4
試験片浸せき装置 残液の体積を測定する装置(参考文献[1]参照),例えば,目盛付きのキャピ
ラリ管で連結し,完全にシールした二つのガラス球[図1a)参照]。
浸せきを始めるために,装置を180度回転し,ガラス球1に入っている試験片を試験液に浸す[図1b)
参照]。残液の体積を測定するために,装置を回転して元に戻す。試験液はガラス球2に流れ,液体積の変
化を毛細管部の目盛から読み取ることができる[図1c)参照]。液体積を読み取った後,装置を180度回転
し,浸せきを続ける。
図1 試験片浸せき装置
5.3
試験片(4.4参照)
5.3.1
成形材料 試験片は,一辺の長さ60mm±1mm,厚さ1.0〜1.1mmの正方形とする。試験片は,関
連する製品仕様に規定する条件で(又は製造業者が記載した条件で)成形する。
備考1. 型成形試験片を作製する一般原則は,JIS K 7151,JIS K 7152-3及びISO 295に規定されてい
る。
2. 当事者間の協定によって,50mm×50mm×4mmの正方形の試験片を用いてもよい。4mm厚
さの試験片を用いると,平衡到達に必要な時間は,1mm厚さの試験片に比べて16倍の係数
で増加するであろう。
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5.3.2
押出材料 試験片は,一辺の長さ60mm±1mm,厚さ1.0〜1.1mmの正方形とする。試験片は,関
連する製品仕様に規定する条件で(又は材料の供給者が示す条件で)作製したこの厚さのシートから切り
出さなければならない。
備考 当事者間の協定によって,60mm×60mm×2mmの正方形の試験片を用いてもよい。
5.3.3
シート及び板 試験片は,一辺の長さ60mm±1mmの正方形とし,試験用に提出したシート及び
板からJIS K 7144によって切削加工で切り出すものとする。
シート及び板の呼び厚さが25mmを超えない場合には,試験片の厚さは,シート又は板の厚さと同じと
する。
呼び厚さが25mmを超える場合には,関連する仕様に特別な規定がない限り,片面だけを切削加工して
試験片の厚さを1.0〜1.1mm又は2.0〜2.1mmに減らさなければならない。
備考 Fickの法則に従う拡散の場合,平衡到達時間は,試験片厚さの2乗に比例して増加する。特に
25mm厚さの試験片では,一般に,平衡到達に5年以上が必要である。
5.3.4
管及び棒
5.3.4.1
管 可能な場合には,試験材料に関連する規格を参照する(2)。特定の規格がない場合には,試験
片は,長さ60mm±1mmの一本の管とし,長さ方向の軸に直角に切って作製する。
管の外径が60mmより大きい場合には,長さ60mm±1mmを切り取り,管の長さ方向の軸を含む二つの
面で切断し,外面基準で管を広げたときの幅が60mm±1mmになるようにして,試験片を作製する。
注(2) プラスチック管に関する試験方法の作成は,ISO/TC138, Plastic pipes, fittings and valves for the
transport of fluidsの担当である。この規格に規定する一般的な手順が,プラスチック管への液体
薬品の影響を評価する適切な試験方法の基礎として用いられている。ISO 4433の第1〜4部は,
ポリオレフィン,PVC及びPVDF製の管の試験方法を規定している。
5.3.4.2
棒 棒の直径が60mmを超えない場合には,試験片は,長さ60mm±1mmの一本の棒とし,長さ
方向の軸に直角に切って作製する。
棒の直径が60mmを超え,かつ,当事者間で協定した仕様が特にない場合には,試験片は,一本の長さ
が60mm±1mmの棒とし,直径は同心円状に切削加工して60mm±1mmに減らす。
5.3.5
異形部品 特定の規格がない場合には,異形断面をもつ長さ60mm±1mmの小片に切断し,これ
を試験片として用いる。
試験片の厚さは,できるかぎり1.0〜1.1mmに近づけるようにし,必要な場合には,片面だけを切削加
工する。厚さ及び切削加工の条件は,当事者間の協定による。
5.4
質量変化の測定(3)
注(3) 水の場合には,JIS K 7209を参照。
5.4.1
手順
5.4.1.1
状態調節 4.5によって試験片を状態調節し,4.1〜4.3によって試験条件を選択する。
5.4.1.2
初期質量の測定 試験片の質量が1g以上の場合には1mgまで,試験片の質量が1g未満の場合に
は0.1mgまで,各試験片の質量m1を測定する。
その試験片を4.1.2に規定した試験液に浸す。
5.4.1.3
液から取り出し直後の質量測定 試験片を試験液から取り出した後,4.6.3によって洗浄し,ふき
取る。各試験片を質量の判ったはかり瓶に入れ,ふたをして質量m2を1mg又は0.1mgまで測定する(5.4.1.2
参照)。
試験液が室温で揮発性の場合には,試験片を空気にさらす時間は,30秒を超えてはならない。ひょう量
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後,試験を継続する必要がある場合(すなわち,時間の関数としての試験するとき)には,速やかに試験
片を試験液に入れ,その容器を恒温槽に戻す。
5.4.1.4
液から取り出し,乾燥後の質量測定 5.4.1.3の操作を行った後,計量瓶から試験片を取り出して
オーブンに入れ,規定の温度で質量が一定になるまで乾燥する。1mm厚さの試験片を50℃±2℃で乾燥す
る場合には,通常,2時間を要する。必要に応じて,試験片を放冷し4.5によって再び状態調節して,各試
験片の質量m3を測定する。
備考 再状態調節は当事者間の協定で省略してもよい。
5.4.1.5
乾燥後の質量測定 別の方法として,試験片を試験液から取り出した後,速やかに4.6.3によっ
て試験片を洗浄し,ふき取る。次いで,オーブンに入れ,5.4.1.4に規定する手順を進める。
5.4.2
計算及び結果の表し方
5.4.2.1
必要に応じて,各試験片の質量 (mg) を報告する。
a) 浸せき前の質量,m1
b) 液から取り出した直後の質量,m2
c) 液から取り出し,乾燥し,再状態調節後の質量,m3
m2−m1及び/又はm3−m1の値を計算し,その符号と共に報告する。
5.4.2.2
さらに,次の計算を行う。
5.4.2.2.1
単位面積当たりの質量変化 各試験片の単位面積当たりの質量の増減 (mg/cm2) は,次の式を
用いて算出する。
− 必要に応じて液から取り出した直後の場合。
A
m
m
1
2−
− 液から取出し,乾燥し,状態を再調節後の場合。
A
m
m
1
3−
ここに, A: 試験片の初期の全表面積 (cm2)
5.4.2.2.2
質量の変化率 各試験片の質量の増減は,次の式を用いて算出する。
− 必要に応じて液から取り出した直後の場合。
100
1
1
2
×
−
m
m
m
− 液から取り出し,乾燥し,再状態調節後の場合。
100
1
1
3
×
−
m
m
m
5.4.2.3
どの場合も,同一試料から採取した試験片について結果の平均値を算出する。
5.5
寸法変化の測定
5.5.1
手順
5.5.1.1
状態調節 4.5によって試験片の状態調節を行い,4.1〜4.3によって試験条件を選ぶ。
5.5.1.2
初期寸法の測定
5.5.1.2.1
正方形の試験片 試験片の四辺に印を付け,キャリパを用いて各辺の長さを0.1mmのけたまで
測定し,その平均値l1を記録する。
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試験片の端部から10mm以内の位置に四つの点を選び,マイクロメータによって試験片の厚さを0.01mm
のけたまで測定し,その平均値h1を記録する。
5.5.1.2.2
棒及び異形部材 キャリパを用いて,試験片の長さl1を0.1mmのけたまで測定し,記録する。
マイクロメータを用いて,四つの点で試験片の厚さを0.01mmのけたまで測定し,その平均値h1を記録
する。
異形部材の厚さが一定でない場合には,厚さの異なる二つの場所で測定する。
5.5.1.2.3
管 ISO 3126の規定によって,外径の平均値d1,長さl1及び管壁の厚さh1の測定を行う。
5.5.1.3
初期体積の測定 メスシリンダー(5.2.3.3)を用いて,23℃での試験片の体積V0を測定する。
5.5.1.4
浸せき ビーカー又は5.2.3.4に規定する装置を用いて,4.6.2に示すように,試験片を浸す。
5.5.1.5
液から取り出した直後の寸法測定 試験片を試験液から取り出した後,4.6.3によって洗浄し,ふ
き取る。各試験片について5.5.1.2と同様の測定を行い,該当するd2,l2及びh2の平均値を記録する。
備考 寸法測定を始める前に時間をかけないことが大切である。
5.5.1.6
液から取り出し,乾燥後の寸法測定 5.5.1.5の操作を行った後,試験片をオーブンに入れ,規定
の温度で規定の時間,通常は50℃±2℃で2時間,乾燥する。必要に応じて,試験片を放冷し,4.5によっ
て状態を再調節し,各試験片について,5.5.1.2と同じ測定を行い,d3,l3及びhの平均値を記録する。
備考 当事者間の協定で,再状態調節は省略してもよい。
5.5.1.7
乾燥後の寸法測定 別の方法として,試験片を試験液から取り出した直後,4.6.3によって洗浄し,
ふき取る。次にオーブンに入れ,5.5.1.6に規定する手順を進める。
5.5.1.8
吸収された液体積の測定 5.2.3.4に規定するように,試験液の初期体積v1と試験片の取り出した
後に残った液の体積v2との差として,吸収された液量△vを求める。
5.5.2
計算及び結果の表し方
5.5.2.1
初期及び最終の寸法及び/又は体積の報告に加えて,最終の寸法又は体積を初期値に対する比率
又は百分率として表す。各試験片,各寸法及び試験手順の変更ごとにそれらの比率又は百分率を算出する。
それらの百分率は,100%より大きいか,等しいか又は小さい値が得られる。この場合,ちょうど100%の
値は,液の作用で寸法が変化しなかったことを意味する。
こうして,例えば,膨張比は,次の式によって表す。
Λ
Λ
Λ
Λ
0
2
1
0
V
V
V
V
V
Q
−
=
∆
=
又は百分率として表すと,
%
100
0
×
∆
=
′
Λ
Λ
V
V
Q
5.5.2.2
同じ試料から採取した試験片に関する結果の平均値を計算する。
5.5.2.3
必要に応じて,試験結果を浸せき時間の関数として図で表す(4.7.2参照)。
5.6
色変化又はその他の外観変化の求め方
5.6.1
一般 色変化又はその他の外観変化の検査は,この規格に規定する他の試験とともに行ってもよい
し,別途行ってもよい。いずれの場合においても,比較用の予備試験片を準備しておく。
5.6.2
手順
10
K 7114 : 2001 (ISO 175 : 1999)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.6.2.1
この規格に規定した試験に追加して,色又はその他の外観特性の変化を求める場合には,その試
験方法に規定する手順を用いる。
5.6.2.2
色又は他の外観特性の変化を別々に求める場合には,当事者間で協定して一般的な手順(4.参照)
を用いる。
5.6.2.3
JIS K 7362によって,未使用の試験片と比較して各試験片を調べ,次の特性のいずれかの変化を
記録する。
a) 色
− 機器測定
− グレースケールによる目視評価
b) その他の外観特性
− 機器測定(光沢,透過性)
− 表1に示す表示スケールを用いて,次の外観特性の変化を目視評価
クレージング及びき裂の拡大
ふくれ,へこみ及び他の同様な現象
こすって容易にとれる物質の有無
表面の粘着性
層間はく離,反り又はその他の変形
部分的な溶解
表1
定性的に推定する変化
変化なし
ほとんど変化なし
少し変化あり
ある程度の変化あり
相当な変化あり
5.6.3
結果の表し方 JIS K 7362によって結果を表す。外観特性を目視で評価する場合には,表1に示す
表示スケールによって表す。
単に浸せきし,ふいて乾燥した試験片の結果と,オーブンで乾燥し,再び状態調節した試験片の結果と
は分けて報告する。
6. その他の物理的性質の変化の求め方
6.1
一般 調べる性質は,機械的性質,電気的性質,熱的性質又は光学的性質などである。
6.2
装置
6.2.1
特に要求がない場合には,はかりを除き,5.2に規定する装置。
6.2.2
調べる性質を測定するための関連規格に規定する,その他の装置。
6.3
試験片
6.3.1
形状及び寸法 試験片の形状及び寸法は,調べる性質を測定するための関連規格に規定するものと
する。
試験片の寸法を幾つか選べる場合には,できるだけ4mmに近い厚さをもつ大きさを選ぶのがよい(3.
の備考を参照)。
6.3.2
作り方 関連規格の規定による。
11
K 7114 : 2001 (ISO 175 : 1999)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考 ある種の性質は,試験片の内部応力によって極めて影響を受けやすい。したがって,最終製品
を評価する場合には,特別に成形した試験片又は押出成形した試験片よりも,製品から採取し
た試験片を用いることを推奨する。
6.3.3
試験片の数 関連規格に規定する数の試験片を準備する。試験片を取り替える必要のある試験(特
に,破壊試験)の場合には,対照試料として用いる余分の試験片を用意する。
6.4
手順
6.4.1
状態調節 試験片は,4.5によって状態調節し,4.1〜4.3によって試験条件を選択する。
関連規格によって,選んだ物理的性質の初期値を測定する。
試験片を4.6.2に規定するように,液中に浸せきする。
6.4.2
液から取り出した直後の測定 試験片を液から取り出した後,4.6.3によって試験片を洗浄してふ
き取り,4.6.1によって諸性質を再度測定する。
試験に用いる液が室温で揮発性である場合には,測定は,試験片を液から取り出して2〜3分以内に始め
なければならない。
6.4.3
液から取り出し,乾燥後の測定 6.4.2の操作を行った後,規定の温度に保持したオーブンで,規
定の時間,試験片を乾燥する。特に規定がない場合には,50℃±2℃の温度で2時間±15分の時間とする。
必要に応じて,試験片を放冷し,4.5によって,再び状態調節を行い,関連規格によって諸性質を測定する。
備考 当事者間の協定によって,状態調節を省略してもよい。
6.4.4
乾燥後だけの測定 別の方法として,試験片を液から取り出した後,速やかに,4.6.3によって洗
浄して,ふき取る。次に,オーブンに入れ,6.4.3の規定によって手順を進める。
6.5
計算及び結果の表し方
6.5.1
関連する規格に規定する物理的性質の値を算出する。
必要に応じて,次の値の平均値を算出する。
Y1 浸せき前の各試験片の(又はコントロール試験片の)性質の値
Y2 液から取り出し直後の各試験片の性質の値
Y3 液から取り出し,乾燥し,再状態調節した後の各試験片の性質の値
6.5.2
予測可能な性質(すなわち,確証された法則に従って変化する性質)については,各特性の初期値
に対する最終値の百分率の値を,次の式によって算出する。
試験片を液から取り出した後の変化について,
100
1
2×
Y
Y
試験液から取り出し,乾燥し,状態を再調節した後の変化について,
100
1
3×
Y
Y
これらの百分率で,100%より大きいか,等しいか又は小さい値が得られる。試験結果が100%となる場
合は,液の作用がないことを意味する。
6.5.3
必要に応じて,結果を浸せき時間の関数として図で表す。
7. 精度 現在関連する精度のデータは得られていない。実験室間データが得られたときに,精度の記載
を追加する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8. 試験報告 試験報告には,必要に応じて,次の事項を記入する。
a) この規格番号
b) 試験した材料又は製品の種類
c) 試験片の種類,作製方法,寸法,表面状態など
d) 用いた状態調節の条件
e) 試験液,試験温度及び時間,並びにその他の適用条件(照明,暗さ,蒸気など)
f)
適用した乾燥手順の温度及び時間
g) 外観検査の方法
h) 調べた性質及び用いた試験方法
i)
必要に応じて,4.7,5.4.2,5.5.2,5.6.3及び/又は6.5によって求めた試験結果,作成した場合には,
結果を時間の関数として表した図
j)
必要に応じて,試験終了後の試験液の測定結果
k) 試験結果に影響を及ぼしたと思われるすべての事柄
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K 7114 : 2001 (ISO 175 : 1999)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A(規定) 試験液の種類
A.1 表A.1及び表A.2は,試薬及び各種液状製品の詳細を示しているが,当事者間の協定で試験液として
用いられる場合がある。
注意 濃厚な液を希釈して,ある種の液を作る場合には,危険を伴うことがあり,必ず経験者の監督
下で行うべきである。
A.2 それらの製品の取り扱いに伴う危険性を,注意事項とともに,次のキーワードを用いて表で示す。
A:程度は異なるが腐食性であり,皮膚又は衣類に接触させてはならない製品。安全ピペットだけを用
いる。
B:着火源の近くで取り扱ってはならない,可燃性の製品。
C:刺激性又は毒性の蒸気を発生する製品で,必ず適切な換気フードの下で取り扱うべきもの。
表A.1 試薬
試験液
濃度(1)
注意事項
(A.1及び
A.2参照)
備考
20℃の
密度(2)
kg/m3
質量 %
kg/m3
酢酸
99.5
A+C
濃厚液
1 050
酢酸
5
50
水950mlに濃酢酸50mlを加える
アセトン
100
B
785
水酸化アンモニウム液
25
230
A+C
アンモニア (NH3) 換算
907
水酸化アンモニウム液
10
96
A+C
アンモニア (NH3) 換算
958
アニリン
100
A+C
1 021
クロム酸溶液
40
550
A+C
溶液1L当たり濃硫酸3mlを加える
(CrO3換算)
クエン酸溶液
10
100
ジエチルエーテル
100
B+C
719
蒸留水
100
エチルアルコール
770
B
96% (V/V) (71°O. P.)
802
エチルアルコール
50
460
96% (V/V) のエタノール1 000mlと水96容
を混合
酢酸エチル
100
B+C
901
n-ヘプタン
100
B
683
塩酸
36
A+C
濃厚液
1 180
塩酸
10
105
A+C
水750mlに濃塩酸250mlを加える
ふっ化水素酸(3)
40
450
A+C
1 160
過酸化水素
30
330
A
未希釈
過酸化水素
3
31
A
30% (V/V) のH2O210容と水90容を混合
乳酸
10
100
メチルアルコール
100
B+C
790
硝酸
70
A+C
濃厚液
1 420
硝酸
40
500
A
水450mlに濃硝酸500mlを加える
1 250
硝酸
10
105
A
水900mlに濃硝酸105mlを加える
1 050
オレイン酸
100
890
フェノール溶液
5
50
A
炭酸ナトリウム溶液
20
216
A
Na2CO3. 10H2O換算
1 080
炭酸ナトリウム溶液
2
20
1 010
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K 7114 : 2001 (ISO 175 : 1999)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
食塩水
10
108
1 070
水酸化ナトリウム溶液
40
575
A
1 430
水酸化ナトリウム溶液
1
10
A
1 010
次亜塩素酸ナトリウム
10
A+C
活性塩素9.5%
硫酸
98
A
濃厚液
1 840
硫酸
75
1 250
A
水420mlに濃硫酸695mlを加える
1 670
硫酸
10
A
濃度c (H2SO4) =1mol/l
硫酸
5
A
濃度c (H2SO4) =0.5mol/l
トルエン
100
B
2,2,4−トリメチルペン
100
B
871
タン(イソオクタン)
698
注(1) g/lで表した濃度値は,kg/m3での値と同じである。
(2) g/mlで表した質量/体積は,kg/m3での値を1 000で除して得られる。
(3) 使用中に,ふっ化水素酸が皮膚に触れた場合には,速やかにグルコン酸カルシウムの溶液又はゲルで処置しなけ
ればならない。
表A.2 各種液状製品
試験液
備考
取扱い上の注意
(A.1及びA.2参照)
鉱油
例えば,ISO 1817 : 1999(1)に規定するNo.1,No.2,No.3鉱油
絶縁油
IEC 60296による
オリーブ油
品質は指定
綿実油
品質は指定
混合溶剤
例えば,ISO 1817 : 1999(1)に規定するA,B,C及びD液
B
石けん液
粉末石けんから調製した1%石けん液
洗浄剤
品質及び濃度は指定
テルペン油エキス 品質は指定
B
ケロシン
品質は指定
B
石油(ガソリン) 品質は指定(2)
B
注(1) ISO 1817は,加硫エラストマーの耐薬品性を取り扱っている。
(2) ベンゼンを含まないもの。
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附属書B(参考) 状態調節雰囲気と平衡状態にあるプラスチック試験片に
よる水分の吸収について
B.1 ある湿度雰囲気で状態調節した試験片による水分吸収量及びその速度は,プラスチックの性状によっ
て相当変化する。
B.2 この規格で規定した状態調節の手順(4.5参照)は,次の例外を除いて,一般に適切である。
a) 極めて長時間後にだけ,標準状態雰囲気と平衡に達することが知られている材料(例えば,ある種の
ポリアミド)。
b) 水分吸収能力又は平衡到達に必要な時間がいずれも事前に予測できない,新材料又は構造未定の材料。
B.3 B.2に記載の材料について,次の手順の一つを用いてもよい。
a) 高い温度での材料の乾燥。この手順には,乾燥状態で,ある種の性質,特に機械的性質が23℃±2℃
及び相対湿度 (50±10) %の雰囲気で状態調節した後に測定したものと異なるという欠点がある。
b) 平衡に達するまで,試験片をJIS K 7100に規定する雰囲気
50
23
の2級で状態調節する。この場合,
h2週間(hは,試験片の厚さ,mm)の間隔での二つの測定値について質量が0.1%以内で一定になる
場合を平衡到達の判断基準とするのが便利な場合がある。
ある種のポリマーでは,h2週間よりも更に短い期間,質量と時間を図にプロットすれば十分である。
実際的には,図上でのこう配 (%) がh2週間以上0.1%である場合に平衡に到達したとみなしてよい。
参考文献
[1] Menger a. Gomzi : “Swelling Kinetics of Polymer−Solvent Systems”, Eur. Polymer J., 30 (1994), 1, pp33-36
[2] ISO 4433 (all part) : 1997 Thermoplastics pipes−Resistance to liquid chemicals−Classification
[3] ISO 4599 : 1986 Plastics−Determination of resistance to environmental stress cracking (ESC) −Bent strip
method
[4] ISO 4600 : 1992 Plastics−Determination of environmental stress cracking (ESC) −Ball or pin impression
method
[5] ISO 6252 : 1992 Plastics−Determination of environmental stress cracking (ESC) −Constant-tensile-stress
method
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K 7114 : 2001 (ISO 175 : 1999)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
代 田 忠
代田技術事務所
橋 本 進
財団法人日本規格協会技術部
峰 松 陽 一
峰松技術事務所
高 根 由 充
財団法人日本ウエザリングテストセンター銚子暴露試場
金 子 剛
財団法人電気安全環境研究所安全認証本部
○ 浜 島 俊 行
浜島技術事務所
○ 山 本 真
東京都立産業技術研究所研究開発部
渡 辺 寧
物資工学技術研究所高分子化学部
○ 相 沢 明
三菱樹脂株式会社平塚技術開発センター基礎技術部
須 賀 茂 男
スガ試験機株式会社
光 井 正 道
株式会社島津製作所試験計測事業部
相 川 次 男
株式会社東洋精機製作所技術サービス部
木 嶋 芳 雄
ダイブラ・ウィンテス株式会社
鈴 木 環
オカモト株式会社開発室
○ 末 澤 寛 典
旭化成工業株式会社ABS開発技術部
両 角 三 春
旭硝子株式会社機能商品研究開発センター
松 丸 重 雄
株式会社クラレアクリル樹脂事業本部
相 場 光 弘
出光石油化学株式会社樹脂研究所
○ 越 野 雄 冶
丸善石油化学株式会社研究開発部
鈴 木 寛 二
鈴木技術事務所
後 藤 博
日産自動車株式会社材料技術部
加 藤 登
財団法人化学技術戦略推進機構高分子試験・評価センター
○ 香 山 茂
財団法人化学技術戦略推進機構高分子試験・評価センター
(事務局)
三 宅 孝 治
日本プラスチック工業連盟
三 宅 彰
日本プラスチック工業連盟
備考 ○印は,分科会委員を兼ねる。