2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 7060-1995
ガラス繊維強化プラスチックの
バーコル硬さ試験方法
Testing method for barcol hardness of glass
fiber reinforced plastics
1. 適用範囲 この規格は,ガラス繊維強化プラスチック(以下,GFRPという。)のパーコル硬さ試験機
による硬さの試験方法について規定する。
備考1. 試験片の状態調節,試験温度,試験湿度,試験片,試験装置,器具及び操作がこの規格どお
りにできない場合,並びに試験目的からみて条件を変更したほうがよい場合には,当事者間
の協定による方法に従ってもよい。
2. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 6900 プラスチック−用語
JIS K 7051 ガラス繊維強化プラスチックの試験方法通則
JIS Z 8401 数値の丸め方
3. この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
参考として併記したものである。
2. 用語の定義 この規格に用いる主な用語の定義は,JIS K 6900及びJIS K 7051によるほか,次のとお
りとする。
(1) バーコル硬さ試験機 圧子と指示機構によって構成される押込み硬さを測定する硬さ試験機。
(2) 押付け荷重 バーコル硬さ試験に際し,硬さ試験機に加える押付け荷重。
3. 試験の一般条件 試験の一般条件は,JIS K 7051の5.(試験の一般条件)による。
4. 試験機
4.1
形式 バーコル硬さ試験機には,表1に示す2形式があり,通常は形式Aを用い,形式Aで測定し
た硬さが30以下の場合には形式Bを用いる。
表1 バーコル硬さ試験機の形式
形式
アルミニウム合金製基準片の指示値
適用機種(参考)
A
85〜87(硬質)
43〜48(軟質)
GYZJ 934-1
B
87〜89
GYZJ 935
2
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4.2
構造 バーコル硬さ試験機は,図1に示す構造とする。
図1 バーコル硬さ試験機の一例
4.3
圧子 圧子の先端は図2に示す形状及び寸法とし,鋼製焼入のものとする。
図2 圧子の先端形状及び寸法
4.4
指示計 指示ダイヤルの目盛は100分割されており,その1目盛は0.007 6mmの押込み深さを表す。
指示値が大きいほど試料が硬いことを意味する。
4.5
調整 バーコル硬さ試験機の調整は,まずガラス板を用い100±1の指示値になるように調整し,次
に表1に示すアルミニウム合金製の基準片を用い,表1に示す基準片指示値になるように調整する。この
場合,前記の操作を繰り返し,規定の指示値になるように調整する。
5. 試料 試料の試験片は原則として平滑な平面とし,その大きさは70×70mm以上,厚さは1.5mm以上
のものとする。
6. 操作
6.1
試料が硬さ試験機の自重と押付け荷重で変形するおそれがある場合は,試料が十分な剛性をもつよ
う適切な処置を講じる。
6.2
試料が小さい場合は,試料の厚みに相当する当て板を用いて,試験機の脚を支えなければならない。
備考 押付け荷重は50〜80N {5.1〜8.2kgf} が望ましい。
6.3
硬さ試験機の圧子が試料面に対して垂直になるように押し付け,最大の指示値を読み取る。
3
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6.4
測定位置は,試料端から3mm以上内側の平滑な面でなければならない。
また,同じ試料で硬さを測定する場合は,その測定位置は,測定によって生じたくぼみから3mm以上
離れていなければならない。
6.5
測定点数は,原則として10点以上とする。
7. 計算
7.1
硬さの平均値
)
(x は,個々の測定値 (x) を次の式(1)によって算出し,JIS Z 8401によって有効数
字2けたに丸めて表す。
∑x
n
x
1
=
················································································ (1)
ここに,
x: 平均値
n: 測定数
x: 個々の測定値
7.2
標準偏差 (S) 又は変動係数 (CV) を求める場合には,次の式(2)又は式(3)によって算出し,JIS Z 8401
によって有効数字2けたに丸める。
1
)
(
2
−
−
∑
n
x
x
S=
······································································· (2)
100
×
x
S
CV=
············································································· (3)
ここに,
S: 標準偏差
x: 個々の測定値
x: 平均値
n: 測定数
CV: 変動係数
7.3
バーコル硬さの表し方は,バーコル硬さ (HBI) 及び形式(A又はB)を併記する。
例 HBI-A 50
HBI-B 60
8. 報告 報告には,必要に応じて,次の事項を記入する。
(1) 試験片の材料構成及び積層構成
(2) 試験片の成形方法及び成形条件
(3) 試験片の形状,寸法及び作製方法
(4) 試験した試験片の数
(5) 試験片の状態調節
(6) 試験温度及び湿度
(7) 硬さ値
(8) 試験年月日
(9) その他特記すべき事項
関連規格 JIS K 6911 熱硬化性プラスチック一般試験方法
JIS Z 8203 国際単位系 (SI) 及びその使い方
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ASTM D 2583-92 Test Method for Indentation Hardness of Rigid Plastics by Means of a Barcol
Impressor
NF T57-106-Juin 1977 Matieres Plastiques Renforcees au Verre Textile−Mesure de La Durete au
Durometre Barcol
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
宮 入 裕 夫
東京医科歯科大学医用器材研究所
金 原 勲
東京大学工学部
池 上 晧 三
東京工業大学精密工学研究所
安 宅 信 行
横浜国立大学工学部
宮 崎 正 浩
通商産業省基礎産業局
剱 持 潔
工業技術院製品科学研究所
庄 司 隆 一
工業技術院標準部
野 口 義 男
科学技術庁航空宇宙技術研究所
西 本 敬
大日本硝子工業株式会社
黒 川 育 二
日本楽器製造株式会社
阿 部 義 行
日立化成工業株式会社
照 井 幸 政
株式会社ブリヂストン
竹 内 敏 男
富士化工株式会社
後 藤 卆土民
日東紡績株式会社
安 藤 友 憲
昭和高分子株式会社
高 野 忠 夫
財団法人高分子素材センター
鹿 毛 紀久雄
財団法人高分子素材センター
栗 原 貞 夫
社団法人強化プラスチック協会