2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 7058-1995
ガラス繊維強化プラスチックの
横せん断試験方法
Testing method for transverse shear strength
of glass fiber reinforced plastics
1. 適用範囲 この規格は,ガラス繊維強化プラスチック(以下,GFRPという。)のジョンソン形ジグに
よる横せん断試験方法について規定する。
備考1. 試験片の状態調節,試験温度,試験湿度,試験片,試験装置,器具及び操作がこの規格どお
りにできない場合,並びに試験目的からみて条件を変更したほうがよい場合には,当事者間
の協定による方法に従ってもよい。
2. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 7507 ノギス
JIS B 7524 すきまゲージ
JIS K 6900 プラスチック−用語
JIS K 7051 ガラス繊維強化プラスチックの試験方法通則
3. この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
参考として併記したものである。
2. 用語の定義 この規格に用いる主な用語の定義は,JIS K 6900及びJIS K 7051によるほか,次のとお
りとする。
横せん断強さ GFRP積層面に垂直な方向に加えられた最大荷重をせん断面の面積で除した値。
3. 試験の一般条件 試験の一般条件は,JIS K 7051の5.(試験の一般条件)による。
4. 試験装置及び器具
4.1
試験機 試験機は,試験中にクロスヘッド移動速度を一定に保つことができ,標準荷重に対して許
容誤差が±1%以内で,かつ,破断時の荷重がその容量の15%以上85%以下に相当するものを用いる。
4.2
せん断ジグ せん断ジグは,図1に示すようなベースブロック,せん断プレート及び試験片固定プ
レートから成る本体と図2のプランジャーとで構成されるジョンソン形2面せん断ジグを用いる。ベース
ブロックは軟鋼製の全面仕上げとし,その他の部分は,ロックウェル硬さHRC 35以上の鋼とする。せん
断エッジは,さび,欠け,変形などがなく,鋭利でなければならない。
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図1 ジョンソン形2面せん断ジグ
備考 寸法許容差は,せん断部については図中に示すように,±0.03mmとし,その他の部位については±0.5mm
とする。
図2 プランジャー
備考 寸法許容差は,せん断部については図中に示すように,±0.03mmとし,その他の部位につ
いては±0.5mmとする。
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4.3
寸法測定器具
4.3.1
ノギス ノギスは,試験片の長さ,幅及び高さを測定するもので,JIS B 7507に規定するノギスで,
最小読取り長さ0.02mm又はこれと同等以上の精度のもの。
4.3.2
すきまゲージ すきまゲージは,せん断エッジのすきまを測定するもので,JIS B 7524に規定する
すきまゲージ又はこれと同等以上の精度をもつものを用いる。
5. 試験片
5.1
試験片の形状及び寸法 試験片の形状は,短冊形とし,その寸法は,表1のとおりとする。
表1 試験片の寸法
単位 mm
試験片の部位
寸法
長さ l
75
幅
b
12.5〜25.0
高さ h
2.0〜6.0
5.2
試験片の作製
5.2.1
試験片は,GFRP積層板からフライス加工などの機械加工又はこれと同等以上の精度で加工できる
方法で作製する。
5.2.2
試験片の両端面は,互いに平行で,かつ試験片の軸方向と直角に仕上げる。
5.2.3
試験片を切削加工によって作製するときは,過度に熱が発生しないように注意する。
5.3
試験片の数 試験片の数は,5個以上とする。
6. 試験速度 試験速度は,試験中に試験機のクロスヘッドが移動する速度であり,毎分0.5±0.15mmと
する。この場合,クロスヘッドの移動速度が空運転か負荷運転に関係なく事実上変わらない試験機では,
空運転時のクロスヘッド移動速度を試験速度とみなしてもよい。
7. 操作
7.1
試験片の中央部において,試験片の幅 (b) 及び高さ (h) を0.05mmまで測定する。
7.2
試験片の長手方向中心軸とプランジャーの長手方向中心軸が直交するように試験片をプランジャー
に装着する。
7.3
試験片を固着したプランジャーを本体に固定する。試験片固定プレートとせん断プレートは可能な
限り平行にする(図3参照)。
7.4
せん断エッジのすきまが左右同じになるよう,すきまゲージを用いてプランジャーの位置を調節す
る。
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図3 ジグに試験片を装着した状態
8. 計算
8.1
横せん断強さは,次の式(1)によって算出する。
bh
P
2
max
B=
τ
················································································· (1)
ここに,
τB: 横せん断強さ (MPa) {kgf/mm2}
Pmax: 破壊時の最大荷重 (N) {kgf}
b: 試験片の幅 (mm)
h: 試験片の高さ (mm)
9. 結果の表し方 結果の表し方は,JIS K 7051の6.(試験結果の表し方)による。
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10. 報告 報告には,必要に応じて,次の事項を記入する。
(1) 試験片の材料構成,積層構成及びガラス繊維含有率
(2) 試験片の成形方法及び成形条件
(3) 試験片の形状,寸法,作製方法及び採取方向
(4) 試験した試験片の数
(5) 試験片の状態調節
(6) 試験温度及び湿度
(7) 試験装置及び器具
(8) 試験速度
(9) 試験結果
(a) 横せん断強さ
(b) 試験片の破壊状況
(10) 試験年月日
(11) その他特記すべき事項
関連規格 JIS K 7214 プラスチックの打抜きによるせん断試験方法
JIS Z 8203 国際単位系 (SI) 及びその使い方
Federal Test Method Standard No. 406, Method 1041 Shear Strength (Double Shear)
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
宮 入 裕 夫
東京医科歯科大学医用器材研究所
金 原 勲
東京大学工学部
池 上 晧 三
東京工業大学精密工学研究所
安 宅 信 行
横浜国立大学工学部
宮 崎 正 浩
通商産業省基礎産業局
剱 持 潔
工業技術院製品科学研究所
庄 司 隆 一
工業技術院標準部
野 口 義 男
科学技術庁航空宇宙技術研究所
西 本 敬
大日本硝子工業株式会社
黒 川 育 二
日本楽器製造株式会社
阿 部 義 行
日立化成工業株式会社
照 井 幸 政
株式会社ブリヂストン
竹 内 敏 男
富士化工株式会社
後 藤 卆土民
日東紡績株式会社
安 藤 友 憲
昭和高分子株式会社
高 野 忠 夫
財団法人高分子素材センター
鹿 毛 紀久雄
財団法人高分子素材センター
栗 原 貞 夫
社団法人強化プラスチック協会