K 7021:2007
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人強化プラスチック協会(JRPS)/日本
プラスチック工業連盟(JPIF)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制
定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格であ
る。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 15310:1999,Fibre-reinforced plastic
composites−Determination of the in-plane shear modulus by the plate twist methodを基礎として用いた。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
JIS K 7021には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考)面内せん断弾性率の測定結果
附属書1(参考)JISと対応する国際規格との対比表
K 7021:2007
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 2
4. 原理 ······························································································································ 3
5. 装置 ······························································································································ 4
5.1 試験機 ························································································································· 4
5.2 マイクロメータ及びノギス······························································································· 5
6. 試験片 ··························································································································· 5
6.1 形状及び寸法 ················································································································ 5
6.2 作製 ···························································································································· 6
6.3 検査 ···························································································································· 6
7. 試験片の数 ····················································································································· 6
8. 状態調節 ························································································································ 6
9. 手順 ······························································································································ 6
10. 計算及び結果の表示 ······································································································· 7
10.1 面内せん断弾性率 ········································································································· 7
10.2 統計処理 ····················································································································· 7
10.3 有効数字 ····················································································································· 8
11. 精度 ···························································································································· 8
12. 試験報告 ······················································································································ 8
附属書A(参考)面内せん断弾性率の測定結果 ·········································································· 9
附属書1(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ·································································· 10
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日本工業規格 JIS
K 7021:2007
繊維強化プラスチック−
平板ねじり法による面内せん断弾性率の求め方
Fibre-reinforced plastic composites−
Determination of the in-plane shear modulus by the plate twist method
序文 この規格は,1999年に第1版として発行されたISO 15310,Fibre-reinforced plastic composites−
Determination of the in-plane shear modulus by the plate twist methodを翻訳し,技術的内容を変更して作成し
た日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書1(参考)に示す。
1. 適用範囲
1.1
この規格は,繊維強化プラスチックの面内せん断弾性率(G12)を標準試験片を用いて求める方法(平
板ねじり法)について規定する。
なお,せん断弾性率が方向に関係しない等方性材料にも適用できる。
1.2
この方法は,面内せん断弾性率を求めるためのものであり,面内せん断強さを求めるためのもので
はない。
1.3
この方法は,熱硬化性又は熱可塑性の樹脂をマトリックスとした繊維強化プラスチックに適用する。
備考1. この方法は,非強化高分子材料及び他の材料(例:金属,セラミック及び金属,又はセラミ
ックをマトリックスとした複合材料)にも適用できる。
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 15310:1999,Fibre-reinforced plastic composites−Determination of the in-plane shear modulus
by the plate twist method (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構
成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その
最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 6272 ゴム−引張,曲げ及び圧縮試験機(定速)−仕様
備考 ISO 5893:2002,Rubber and plastics test equipment−Tensile,flexural and compression types
(constant rate of traverse)−Specificationからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS K 7016-1 繊維強化プラスチック−試験板の作り方−第1部:総則
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備考 ISO 1268-1:2001,Fibre-reinforced plastics−Methods of producing test plates−Part 1: General
conditionsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
参考 原国際規格の引用規格であるISO 1268:1974は廃止され,第1部から第11部までからなる規
格群に置き換えられている。
JIS K 7016-2 繊維強化プラスチック−試験板の作り方−第2部:接触圧成形及びスプレーアップ成形
備考 ISO 1268-2:2001,Fibre-reinforced plastics−Methods of producing test plates−Part 2: Contact and
spray-up mouldingが,この規格と一致している。
JIS K 7019 繊維強化プラスチック−±45°引張試験による面内せん断特性の求め方
JIS K 7100 プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気
備考 ISO 291:1997,Plastics−Standard atmospheres for conditioning and testingからの引用事項は,こ
の規格の該当事項と同等である。
JIS K 7144 プラスチック−機械加工による試験片の調製
備考 ISO 2818:1994,Plastics−Preparation of test specimens by machiningが,この規格と一致してい
る。
JIS Z 9041-2 データの統計的な解釈方法−第2部:平均と分散に関する検定方法と推定方法
備考 ISO 2602:1980,Statistical interpretation of test results−Estimation of the mean−Confidence
intervalからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
ISO 1268-3:2000,Fibre-reinforced plastics−Methods of producing test plates−Part 3: Wet compression
moulding
ISO 1268-4:2005,Fibre-reinforced plastics−Methods of producing test plates−Part 4: Moulding of prepregs
ISO 1268-5:2001,Fibre-reinforced plastics−Methods of producing test plates−Part 5: Filament winding
ISO 1268-6:2002,Fibre-reinforced plastics−Methods of producing test plates−Part 6: Pultrusion moulding
ISO 1268-7:2001,Fibre-reinforced plastics−Methods of producing test plates−Part 7: Resin transfer
moulding
ISO 1268-8:2004,Fibre-reinforced plastics−Methods of producing test plates−Part 8: Compression moulding
of SMC and BMC
ISO 1268-9:2003,Fibre-reinforced plastics−Methods of producing test plates−Part 9: Moulding of GMT/STC
ISO 1268-10:2005,Fibre-reinforced plastics−Methods of producing test plates−Part 10: Injection moulding
of BMC and other long-fibre moulding compounds−General principles and moulding of multipurpose test
specimens
ISO 1268-11:2005,Fibre-reinforced plastics−Methods of producing test plates−Part 11: Injection moulding
of BMC and other long-fibre moulding compounds−Small plates
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1
たわみ w(plate deflection) 荷重点の支持点に対する相対移動距離(図2参照)。単位は,mm。
3.2
面内せん断弾性率 G12(in-plane shear modulus) 座標軸1及び座標軸2方向のせん断弾性率(図1
参照)。たわみが0.1 hと0.3 hとの間での測定値(hは3.7参照)。単位は,GPa。
備考 等方性材料では,座標軸1及び座標軸2方向のせん断弾性率は等しい。
3.3
試験速度(speed of testing) 荷重点の支持点に対する相対移動速度。単位は,mm/min。
3
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3.4
スパン S(span) 二つの支持点間の距離S1と二つの荷重点間の距離S2との平均(図3参照)。単
位は,mm。
3.5
対角線の長さ D(diagonal length) 試験片の相対するコーナー間の距離。
(
)21
2
2
a
a
D
′′
+
′
=
。単位
は,mm。
3.6
試験片の幅 a′,a″(specimen widths) 試験片のそれぞれの方向の幅の平均値(図2参照)。単位は,
mm。
3.7
試験片の厚さ h(specimen thickness) 試験片の平均厚さ。単位は,mm。
3.8
試験片の座標軸(specimen coordinate axes) 図1に示す繊維強化材料(一方向積層板の場合)の座
標軸において,面内の繊維方向を1,繊維に直角な方向を2とする。1方向は0゜又は縦方向,2方向は90゜
又は横方向である。3は,1及び2と直角の方向とする。同様の定義として,繊維の配向又は製造過程に関
係した方向(例,長さ)を用いることができる。
図 1 繊維強化材料の座標軸
4. 原理 正方形の試験片を一つの対角線上の相対するコーナー近くに位置する2点で支える。もう一方
の対角線上の2点の荷重点に一定の試験速度で荷重を加え,試験片のたわみがあらかじめ決められた値に
達するまで曲げる(図2参照)。
この過程で試験片に加えられた荷重及び荷重点のたわみを測定する。この測定法では,せん断たわみを
試験片の曲げによって与えるので,積層材の場合は,試験片の厚さ方向に均質となるような構成でなけれ
ばならない。また,同じ一方向強化基材を積層しても,一方向積層材,直交積層材[0/90]ns及び多方向積
層材[0/90/45/-45]nsに対して得られるそれぞれの面内せん断弾性率は異なる。材料に主軸(試験板の繊維
配向又は繊維方向に直角な対称軸)が存在する場合には,板の辺は,試験片の主軸方向は又は主軸に垂直
な方向とする(3.8参照)。
1
2
3
4
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図 2 試験の原理
図 3 支持点及び荷重点の位置
5. 装置
5.1
試験機
5.1.1
一般事項 試験機は,JIS K 6272に従い,かつ,この規格の5.1.2〜5.1.4に適合するもの。
5.1.2
試験速度 試験機は,1.0±0.2 mm/minの定速を保持できるもの。
5.1.3
支持点及び荷重点 二つの支持点及び二つの荷重点は,図3に示すように配置する。支持点及び荷
重点は,要求された位置に0.5 mm以内の精度で調整可能なもの。曲げ試験の各支持点と同様の方法で,
支持点及び荷重点は,剛直なクロスビーム上に取り付ける。支持点及び荷重点を取り付けたクロスビーム
が互いに直交するように調整する。試験機が動くにつれて,荷重点は,剛直なクロスビームに取り付けた
効果によって,支持点に対して同時に,かつ,均等に動く。
備考 適切な支持点及び荷重点の形状を,図4に示す。
5
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図 4 支持点及び荷重点の形状
支持点及び荷重点の半径rは,2.0 mm±0.2 mm(図4参照)とする。円すいの高さHは20 mm,底部の
半径Rは10 mmを推奨する。
5.1.4
荷重及び変位量の指示計 指示された荷重及び変位量の誤差は,フルスケールの±2 %を超えては
ならない(JIS K 6272参照)。
備考 クロスヘッドの移動量をたわみとする場合には,できれば荷重装置自体のたわみ(すなわち,試
験機の変形,ビームの曲げ,ロードセル内の変形,局所的な変形などのすべての付加的なたわ
みによる誤差)の補正をすることが望ましい。
5.2
マイクロメータ及びノギス
5.2.1
マイクロメータ 試験片の厚さを計測するもので,精度0.01 mmで読み取れるもの。
5.2.2
ノギス スパン及び試験片の幅を計測するもので,精度0.1 mmで読み取れるもの。
6. 試験片
6.1
形状及び寸法 試験片は,正方形の平板とする。
6.1.1
標準の試験片 寸法は,表1による。
すべての試験において,標準の試験片の厚さの偏差は,9.5によって求めた平均値の5 %以下とする。
幅の最大偏差は1 %とする。この規格は,試験片の標準寸法を規定する。標準寸法以外の試験片又は異な
る条件で調製した試験片を用いて行った試験は比較できない。試験速度及び状態調節も結果に影響するの
で,比較可能なデータが要求される場合には,これらの要因を注意深く記録しなければならない。
備考 この試験で得られる荷重とたわみとの関係は,大きなたわみ領域では非線形となる。この試験
法は,小さなたわみ領域で面内せん断弾性率を求めるためのものであり,大きなたわみ領域に
は適用できない。
r
R
H
6
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表 1 寸法
単位 mm
材料
幅 a',a″
厚さ h
不連続,マット,織布,多方向繊維強化材
150±1.5
4±0.5
一方向強化材
150±1.5
2±0.5
6.1.2
他の試験片 試験片の厚さが6.1.1に示す範囲にないときには,試験片の幅は次による。
a'=a″≧35 h
備考 上の比率は,厚さ方向のせん断弾性率が面内で測定された値にほとんど影響を与えないように
選んでいる。試料の厚さ方向での材質が均一な場合に限って,機械加工によって厚い試料から
試験片の厚さを減らしてもよい。しかし,試験片の機械加工は望ましくない。
6.2
作製 試験片は,JIS K 7016-1,JIS K 7016-2及びISO 1268-3〜11若しくは他の規定又は受渡当事者
間の協定による作製手順によって作製する(機械加工は,JIS K 7144参照)。試験片は,製品及び中間製品
の平らな部分から機械加工してもよい。
6.3
検査 試験片は,平滑で反りがなく,表面及び辺縁部には,きず,穴,ひけ及びばりがあってはな
らない。これらの要求に合致した試験片の辺縁が直線か,正方形かなどは目視で確認し,幅はノギスで測
定する。これらの要求事項に一つでも適合しない試験片は,破棄するか,又は適切な形状及び寸法に機械
加工する。
7. 試験片の数 少なくとも5個の試験片を用いて試験を行う。
備考 より正確な平均値を必要とする場合は,6個以上の試験を行う。95 %信頼区間(JIS Z 9041-2
参照)によって平均値を評価することができる。
8. 状態調節 試験片は,材料の規格の規定に従って状態調節を行う。この規定がなく,かつ,受渡当事
者間の協定(例,高温又は低温の試験)がない場合には,JIS K 7100から適切な条件を選択する。
9. 手順
9.1
試験は,状態調節と同じ雰囲気で行う。ただし,高温試験又は低温試験など受渡当事者間の協定に
よる場合には,この限りではない。
9.2
試験片の幅を辺縁に沿ってほぼ等間隔の3点で0.5 mmの精度で測定し,それぞれの方向(a',a″)
で平均値を求める。
9.3
スパンSを次の式で計算する。
S=0.95 D
ここに, D: 3.5の定義による。
9.4
支持点の間隔及び荷重点の間隔は,0.5 mm以内の精度まで等しくなるようにスパンを調整する。
9.5
試験片それぞれの辺縁の中央において,縁から25 mmの点の厚さを0.02 mmの精度で測定し,試験
片ごとの平均値を求める。測定した厚さのうち一つでもその試験片の平均値の±5 %を超える場合には,
その試験片は破棄し,他のものに代える。
9.6
試験速度を1.0±0.2 mm/minの範囲に設定する。
9.7
二つの支持点の上に,対称に試験片を置き,二つの荷重点を接触させる。
7
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9.8
荷重点の変位量が最大0.5 hまで試験片をたわませる。
9.9
試験片にかかる荷重及びその時のたわみを記録する。もし可能ならば,自動記録装置を用いて試験
中の荷重−たわみ曲線を記録する。
9.10 残りの試験片も同様に試験する。
10. 計算及び結果の表示
10.1 面内せん断弾性率 たわみw1及びw2に対応する荷重F1及びF2を求める(図5参照)。
標準の試験片に対して,面内せん断弾性率を次の式によって計算する。
3
000
1
4
3
12
h
K
a
a
G
′′
′
×∆
=
ここに,
1
2
1
2
w
w
F
F
−
−
=
∆
G12: 面内せん断弾性率(GPa)。等方性材料ではGに等しい。
a',a″: 各方向の平均の幅(mm)
h: 平均の厚さ(mm)
K: 形状補正計数:K=0.822
w1,w2: たわみ:w1=0.1 h,w2=0.3 h(mm)
F1,F2: 対応する荷重(N)
備考 スパンの対角線に対する比が0.95以外のときには,係数Kは次の式によって計算する。
K=3s2−2s−2(1−s)2 ln(1−s)
ここに,
D
S
s=
S:スパンの平均値(mm)
D:対角線の長さ(mm)
図 5 荷重−たわみ曲線
10.2 統計処理 試験結果の算術平均値を計算する。必要に応じて,JIS Z 9041-2に規定する方法で平均値
の標準偏差及び95 %の信頼区間を計算する。
F2
F1
w1
w2
たわみ
荷
重
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10.3 有効数字 面内せん断弾性率は,有効数字三けたまで計算する。
11. 精度 この試験方法が有効であるとする試験結果を,附属書A(参考)に示す。
12. 試験報告 試験報告には,次の事項を含める。
a) この規格番号(JIS K 7021)
b) 試験材料の特定に必要なすべての事項:形式,製品の名称,製造番号及び履歴を含む。
c) 試験片の形状及び寸法
d) 試験片の作製方法,状態調節方法及び試験条件
e) 試験片の数
f)
スパンの長さ
g) 試験速度
h) 試験機の校正(JIS K 6272参照)
i)
必要に応じて,個々の試験結果
j)
測定値の平均値
k) 必要に応じて,平均値の標準偏差及び95 %信頼区間
l)
測定年月日
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附属書A(参考)面内せん断弾性率の測定結果
この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
この規格の試験法の精度を確認するため,附属書A表1に示す材料について試験を行った。
附属書A表 1 面内せん断弾性率測定用試験片の構成
試験片
記号
ガラス繊維
強化材タイプ
単位面積質量
g/m2
マトリックス樹脂
積層数
枚
厚さ
mm
含有率
質量%
R-2
ロービングクロス
800
不飽和ポリエステル
3
2
63.6
R-4
ロービングクロス
800
不飽和ポリエステル
6
4
66.0
R-6
ロービングクロス
800
不飽和ポリエステル
9
6
64.4
N-2
ニットロービング
800
不飽和ポリエステル
3
2
65.8
N-4
ニットロービング
800
不飽和ポリエステル
6
4
61.1
N-6
ニットロービング
800
不飽和ポリエステル
9
6
64.6
M-4
チョップマット
450
不飽和ポリエステル
4
4
32.4
面内せん断弾性率の測定結果を,附属書A表2に示す。同一の試験片についてそれぞれ5個の試験片を
用いて測定し,平均値,標準偏差及び変動率を求めた。各試験片について,この規格に従って繊維と平行
に加工した試験片,及び繊維と45°方向に加工した試験片の測定を行った。また,JIS K 7019に従った試
験結果を示した。
附属書A表 2 面内せん断弾性率測定結果
試験板
記号
平板ねじり曲げによる面内せん断弾性率(この規格)
45°方向引張による面内せん
断弾性率JIS K 7019
0°方向に加工した試験板
45°方向に加工した試験板
弾性率
GPa
標準偏差
GPa
変動率
%
弾性率
GPa
標準偏差
GPa
変動率
%
弾性率
GPa
標準偏差
GPa
変動率
%
R-2
5.014
0.482
9.62
9.320
0.533
5.72
4.672
0.268
5.74
R-4
5.096
0.200
3.92
10.67
0.568
5.33
4.688
0.229
4.88
R-6
5.130
0.358
6.98
10.16
0.662
6.51
5.010
0.117
2.33
N-2
4.992
0.262
5.24
9.938
1.025
10.3
4.892
0.076
1.55
N-4
4.578
0.227
4.96
9.772
0.715
7.32
4.954
0.071
1.43
N-6
5.048
0.418
8.29
10.43
0.419
4.02
5.014
0.476
9.50
M-4
3.012
0.097
3.21
−
−
−
3.525
0.233
6.60
10
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 7021:2007 繊維強化プラスチック−平板ねじり法による面内せん断弾性率の求
め方
ISO 15310:1999 繊維強化プラスチック−平板ねじり法によるせん断弾性
率の求め方
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体及び附属書
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1. 適用範囲 繊維強化プラスチックの面
内せん断弾性率を,標準試
験片を用いて求める方法を
規定。
ISO
15310
1.1
JISに同じ。
IDT
−
−
1.2
試験法の適用範囲
MOD/削除 4.と同様の記述を削除。
使用者の利便性を考慮し,編集し
た。ただし,規格構成の変更であ
り,技術的差異はない。
適切な機会にISO規格の改正提案
を行う。
1.3
試験片の材質
負荷方向,積層構成
MOD/削除 試料の材質だけを規定し,
残りは,4.で規定。
1.4
試験片の加工
MOD/削除 6.2で規定。
1.5
試験片の寸法
MOD/削除 6.1.1で規定。
2. 引用規格 JIS K 7144
JIS K 7100,JIS K 6272
2
ISO 2818
ISO 291:1997,ISO 5893:2002
IDT
−
−
JIS K 7016-1,JIS K 7016-2
ISO 1268-3〜11
ISO 1268:1974
MOD/変更 JISからの引用事項は,対
応ISO規格の該当事項と同
等である。
ISO 1268:1974は廃止され,ISO
1268-1〜11に置き換えられた。
JIS Z 9041-2
ISO 2602
−
JIS K 7019
対応規格なし。
MOD/追加
附属書Aの対比表を参照。
3. 定義
この規格で用いる用語の定
義を規定。
JISにほぼ同じ。
MOD/追加 用語の定義の説明文追加。
3.8に図1の3の説明を追
加。
使用者の利便性を考慮し,追加し
た。適切な機会にISO規格の改正
提案を行う。
4. 原理
測定原理,試験片の構成な
どを規定。
4
ISO規格の改正提案を行う予定。
試験片形状
MOD/追加 内容の追加。
分かりやすくするため。
試験片の負荷方向
MOD/追加 適用範囲から移動。
規格構成の変更による。
図 2 試験の原理
MOD
MOD/追加
長方形を正方形に修正し,
ビームなどを追加。
ISO規格の規定は,誤解を与える
おそれがあるため。
1
0
K
7
0
2
1
:
2
0
0
7
11
K 7021:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体及び附属書
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
5. 装置
試験機並びにマイクロメー
タ及びノギスについて規定。
5
JISにほぼ同じ。
MOD/変更 図3において,長方形の試
験片を正方形に変更。
ISO規格の規定は,誤解を与える
おそれがあるため。
6. 試験片
6.1 形状及び寸法
6.1
JISにほぼ同じ。
MOD/追加 適用範囲より移動。
“1. 適用範囲”の項参照。
6.2 作製
6.2
JISにほぼ同じ。
MOD/追加 適用範囲より移動。
6.3 検査
6.3
JISに同じ。
IDT
−
−
7. 試験片の
数
試験を行う試験片の数を規
定。
JISに同じ。
IDT
−
−
8. 状態調節
試験片の状態調節を規定。
JISに同じ。
IDT
−
−
9. 手順
試験を行う手順を規定。
JISに同じ。
IDT
−
−
10. 計算及び
結果の表示
面内せん断弾性率,統計処
理及び有効数字を規定。
JISに同じ。
IDT
−
−
11. 精度
この試験方法の精度を記載。
JISに同じ。
IDT
−
−
12. 試験報告 試験報告事項を規定。
JISに同じ。
IDT
−
−
附属書A
面内せん断弾性率の測定結
果。
精度の測定結果。
面内せん断弾性率の測定結
果。
MOD/変更 ISO規格に記載のデータを
国内での測定結果に変更。
ISO規格に記載のデータでは使用
者が理解しにくい。同様の規格
JIS K 7019の測定結果との比較も
行った。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/削除……… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
11
K
7
0
2
1
:
2
0
0
7