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K 7019 : 1999 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

今回の制定では,対応国際規格ISO/FDIS 14129 : 1997を基礎として用いた。 

JIS K 7019には,次に示す附属書がある。 

附属書A(規定) 試験片の作製方法 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 7019 : 1999 

繊維強化プラスチック− 

±45゚引張試験による面内せん断特性 

の求め方 

Fiber-reinforced plastic composites−Determination of the in-plane shear 

stress/shear strain response, including the in-plane shear modulus and  

strength, 

 by the ±45゚tension test method 

序文 この規格は,1997年に発行されたISO/FDIS 14129, Fiber-reinforced plastic composites−Determination 

of the in-plane shear stress/shear strain response, including the in-plane shear modulus and strength, by the plus or 

minus±45゚tension test methodを翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 

1.1 

この規格は,±45゚引張試験によって,繊維強化プラスチックの,面内せん断弾性率及びせん断強さ

を含む,面内せん断特性を求める方法について規定する。 

1.2 

この試験方法は,一方向強化層又は織物強化層から作られる熱硬化性及び熱可塑性樹脂をマトリッ

クスとする積層板で,繊維が試験片軸に対して±45°方向に配向され,試験片の中央面に関して対称,か

つ,バランスト積層*されている場合に用いることができる。 

注* 

+45゚層及び−45゚層の数が同じ。 

備考 この試験方法は,目の粗い織物には適用できない。 

1.3 

この試験は,層の数及び配置の仕方に敏感であることが指摘されているので,適切に配置された同

数の層から構成された試験片を用いて比較しなければならない。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発行年を付記していない引用規格は,その

最新版を適用する。 

JIS K 7100 プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気 

備考 ISO 291 : 1997, Plastics−Standard atmospheres for conditioning and testingがこの規格と一致し

ている。 

ISO/DIS 1268-1 : 1997 Fiber-reinforced plastics−Methods of producing test plates−Part 1 : 

K 7019 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

General conditions 

ISO 2602 : 1980 Statistical interpretation of test results−Estimation of the mean−Confidence 

interval 

参考 ISO 2602は改正作業中で,新たにISO 16269として制定予定。このISO 16269に対応した日

本工業規格は,JIS Z 9041-2(データの統計的な解釈方法−第2部:平均と分散に関する

検定方法と推定方法)である。 

ISO 2818 : 1994 Plastics−Preparation of test specimens by machining 

ISO 5893 : 1993 Rubber and plastics test equipmen−Tensile, flexural and compression types 

(constant rate of traverse) −Description 

3. 原理 繊維が試験片軸に対して±45゚方向に配向された,長方形断面の細長い試験片に引張荷重を加

える。面内せん断弾性率を求めるには,試験片軸に平行なひずみ及び垂直なひずみを測定する。破壊(グ

リップ端部又は内部の早期破壊は除く。)が起こらなかった場合は,γ12=0.05で試験を終了する。 

備考 この試験方法は,非線形領域でのせん断応力/せん断ひずみ応答の測定にも十分適用できるが,

そこで得られる極限応力及びひずみの値を評価する場合には,次のことに注意しなければなら

ない。この試験片のゲージ部は,垂直応力成分が存在するので,純粋せん断応力状態ではない。

±45゚積層板に引張荷重を加えると,大きさは小さいが,垂直応力が生じるため,計算した極

限応力及びひずみの値は実際よりも減少することが知られている。したがって,これらの値は

薄肉円筒ねじり試験のような,より理想に近い試験方法で得られる値よりも小さくなる。 

4. 定義 この規格に用いる主な用語の定義は,次による。 

4.1 面内せん断応力 (in-plane shear stress) τ12 荷重を試験片の断面積の2倍で除したせん断応力 (MPa)。 

4.2 

面内せん断強さ (in-plane shear strength) τ12M せん断応力の最大値,又はγ12=0.05で試験を終了し

たときのせん断応力の値 (MPa)。 

4.3 

せん断ひずみ (shear strain) γ12 試験片軸に平行な方向のひずみと垂直な方向のひずみの総計,すな

わち(εx−εy)である。 

備考 εxが正のとき,εyは負になる。 

4.4 

面内せん断弾性率 (in-plane shear modulus) G12 せん断応力の差 (τ12″−τ12′) を対応するせん断

ひずみの差 (γ12″−γ12′) で除した値 (MPa)。[10.4の式(4)及び図3参照]。ここにγ12″は0.005,γ12′は

0.001とする。 

4.5 

試験片の座標軸 (specimen coordinate axis) 図1に示す試験片において,試験片の長手方向に平行

な方向が“x”方向,垂直な方向が“y”方向である。繊維はこれらの軸に対して±45゚方向に配向されて

いる。図2は一方向強化複合材平板要素の座標軸である。 

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図1 繊維強化プラスチック試験片及び繊維軸 

図2 一方向強化複合材平板要素及び対称軸 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図3 せん断応力/せん断ひずみ線図 

5. 装置 

5.1 

試験機 

5.1.1 

一般事項 試験機は,5.1.2及び5.1.3の規定を満たすもので,ISO 5893に適合するものでなければ

ならない。 

5.1.2 

試験速度 試験速度vはISO 5893の規定に従って,一定に保持する。 

5.1.3 

荷重指示計 荷重指示計の精度は,フルスケールで±1%以下となるものでなければならない(ISO 

5893参照)。 

5.2 

ひずみ測定 この試験方法では,試験片軸に平行及び垂直な方向のひずみを測定する必要がある。

図1に示すように,試験片中央部の両面に2枚ずつひずみゲージ(単軸ひずみゲージ)を軸方向及び横方

向にはり付ける。 

なお.直交2軸ひずみゲージを表裏面に1枚ずつはり付けてもよい。ひずみゲージ又は伸び計はフルス

ケールで±1%まで精確に読み取れるものでなければならない。ひずみゲージ,表面処理剤及び接着剤は試

験材料に適したものを選ぶとともに,適切なひずみ記録計を使用しなければならない。 

5.3 

マイクロメータ マイクロメータ又はそれと同等のもの。0.01mm又はそれ以下のけたまで読み取れ

るもので,試験片の厚さh及び幅bを測定できるものとする。 

マイクロメータの接触面は測定する表面に適した面をもっていなければならない(例えば,平滑な表面

に対しては平らな面,凹凸のある表面の場合は半球面)。 

6. 試験片 

6.1 

形状及び寸法 試験片の幅は25mm±0.5mm,長さは250mmとする。試験片厚さは,特に指定され

なければ,2mm±0.2mmとする。個々の試験片の軸方向の両側面はいずれも0.2mm以内の平行度でなけれ

ばならない。試験片の寸法を図1に示す。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

一層当たりの厚さが0.125mm以上のもので積層板を作る場合は,層の数は16枚とする。 

6.2 

試験片の作製 

6.2.1 

一般事項 試験板は,ISO/DIS 1268-1,又は別の規定若しくは協定で合意された方法に従って,繊

維を規定の±45゚方向に配向し,バランスト,かつ,対称に積層して作製する。 

試験片を個々に切断するか,又は幾つかまとめて切断し,規定の寸法にする。切削加工における加工条

件はISO 2818に規定されている。試験片の切断についての詳細は,附属書Aに記載されている。 

6.2.2 

タブ材料 破壊がグリップ端部又は内部で起こらなければ,タブを使用する必要はない。もしタブ

を使う場合には,GFRPの直交積層板又は織物積層板で作るか,若しくは試験片と同じ材料で作り,いず

れも繊維軸を試験片軸に対して±45゚方向に配向する。タブの厚さは0.5mmから2mmとし,タブ角度は

90°(すなわち,テーパなし。)とする。 

6.2.3 

タブの取付け タブを使う場合は,附属書Aに記載されている伸びの大きな接着剤を用いて,試

験片に取り付ける。 

備考 試験片を個々に作る場合,又はまとめて作る場合も同様の方法を用いる。 

6.2.4 

試験片の切削加工 試験片軸が繊維方向に対して45゚方向となるように,試験片を切断する。 

6.3 

試験片の検査 試験片は平らでねじれがなく,また,表面や端面に引っかききず,小穴,局所的な

ひけ及び欠けがあってはならない。試験片の直線縁,直角部及び平らな板面を目視観察したりノギスで測

定することによって,これらの要求事項に適合しているかどうかを検査する。これらの要求事項に一つで

も適合しない試験片は破棄するか,又は適合するように,試験片を切削加工する。 

7. 試験片の数 

7.1 

少なくとも5本の試験片で試験を行う。より正確な平均値が必要な場合は,5本以上の試験片で測定

を行う。 

信頼区間[95%確率,ISO 2602 (JIS Z 9041-2) 参照]によって平均値を評価してもよい。 

7.2 

グリップ端部,又はタブの部分で破壊した試験片の結果は破棄し,新しい試験片で追加試験を行う。 

8. 状態調節 試験される材料の規格の規定に従って試験片を状態調節する。この規定がなく,受渡当事

者間の協定もない場合は,JIS K 7100から最も適切な条件を選択する。 

9. 手順 

9.1 

試験環境 試験する材料の規格の規定に従って試験を行う。この規定がなく,受渡当事者間の協定

もない場合は,JIS K 7100から最も適切な条件を選択する。(例えば,高温又は低温試験の場合。) 

9.2 

試験片の寸法の測定 試験片の中央点で,幅は0.1mmのけたまで,厚さは0.02mmのけたまで精確

に測定する。 

9.3 

試験片のひずみ測定 試験片軸に平行な方向のひずみεx及び垂直な方向のひずみεyを測定するため

に,伸び計又はひずみゲージを取り付ける(図1参照)。 

9.4 

試験速度 試験する材料の規格に規定された試験速度を設定する。この規定がない場合には,試験

速度vを2mm/minとする。 

9.5 

データ収集 試験中に,荷重及び二つのひずみεx,εyの値を読み取る。 

9.6 

試験終了 破壊が起こらなかった場合は,γ12=0.05で試験を終了する。 

9.7 

最大荷重 破壊したときの荷重又は,γ12=0.05のときの荷重を記録する。 

K 7019 : 1999  

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9.8 

破壊様式 破壊の様式を調べて記録する(7.2参照)。 

10. 計算及び結果の表示 

10.1 面内せん断応力τ12は式(1)を用いて算出し,結果をMPaで表示する。 

bh

F

2

12=

τ

 ················································································· (1) 

ここに, F: 荷重 (N) 
 

b: 試験片の幅 (mm) 

h: 試験片の厚さ (mm) 

10.2 面内せん断強さτ12Mは式(2)を用いて算出し,結果をMPaで表示する。 

bh

Fm

2

M

12

=

τ

 ··············································································· (2) 

ここに, Fm: 破壊したときの荷重 (N),又は破壊前に終了した場合は 
 

 γ12=0.05のときの荷重 (N) 

10.3 せん断ひずみγ12は式(3)を用いて算出する。 

γ12=εx−εy ················································································ (3) 

ここに, 

εx: 試験片軸に平行な方向のひずみ 

εy: 試験片軸に垂直な方向のひずみ 

10.4 面内せん断弾性率G12は式(4)を用いて算出し(図3参照),結果をMPaで表示する。 

=

12

12

12

12

12

γ

γ

τ

τ

G

 ········································································ (4) 

ここに, τ12′: γ12′=0.001のときのせん断応力 
 

τ12″: γ12″=0.005のときのせん断応力 

10.5 個々の試験結果の算術平均値を計算する。必要に応じて,ISO 2602で規定されている方法で,標準

偏差及び平均値の95%信頼区間を計算する。 

10.6 せん断応力及びせん断弾性率は,有効数字3けたまで計算する。 

11. 精度 試験室相互のデータがないので,この試験方法の精度は不明である。もし実験室間のデータが

得られた場合には,次の改正版で,精度について言及されるであろう。これらのデータが利用できない限

り,この試験方法を仕様に用いたり,又は結果に論議を招くような場合に用いることは好ましくない。 

12. 試験報告 試験報告には,次の事項を含めなければならない。 

a) この規格の番号(例えば,JIS K 7019) 

b) 試験材料の特定に必要なすべての事項:型式,素材,製造者コード番号,形態,及び履歴など。 

c) 試験機の精度(ISO 5893参照) 

d) 試験片の作製方法 

e) 試験片の寸法 

f) 

試験片の本数 

g) 試験条件及び状態調節の方法 

h) 伸び計又はひずみゲージの形式 

i) 

個々の試験結果(必要に応じて,せん断応力/せん断ひずみ線図を含む。) 

j) 

試験結果の平均値 

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k) 必要に応じて,標準偏差及び平均値の95%信頼区間。 

l) 

破壊様式 

m) 破棄した試験片の有無及び破棄した場合は,その理由。 

n) 結果に影響を与えると思われる出来事,この規格で規定されていない作業手順。 

o) 測定日 

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附属書A(規定) 試験片の作製方法 

A1.1 試験片の切削加工 いかなる場合でも,次のことに注意する。 

− 試験片に多量の熱を発生させるような条件下での加工は避ける。冷却剤を使用することを推奨する。

液体冷却剤を使う場合は,加工後直ちに試験片を乾燥させる。 

− 試験片の切断面に切削加工によるきずがないかを検査する。 

A1.2 タブの取付け 次の方法を推奨する。供試材料から,規定の試験片長さ及び必要とする試験片の本

数に相当する幅の平板を切り出す。タブを作るために,規定の幅及び長さの長方形の帯板を切断する。 

次の手順に従って,帯板を平板に取り付ける(図A.1参照)。 

a) 必要に応じて,目の細かい研磨紙で研磨するか,又は接着剤を塗布する表面に適切な砂を軽く吹き付

ける。 

b) ごみはすべて除去し,これらの表面を適切な溶剤できれいにする。 

c) 接着には,伸びの大きな接着剤を使用し,製造業者の指示する方法に厳密に従って行う。 

備考A1 はく離紙の付いたフィルム接着剤を使用することを推奨する。 

接着剤のせん断強度は30MPa以上でなければならない。 

接着剤は柔軟で,試験材料よりも大きな破断伸びをもっていることが望ましい。 

d) これらの組立物を接着剤製造業者が推奨する圧力,温度及び時間条件の下で一定に保持する。 

e) 帯板は,平板の両端部に,試験片の長手方向に直角,かつ,互いに平行になるように置く。 

f) 

タブとなる帯板を取り付けた平板が試験板で,これから規定の試験片を切り出す。 

図A.1 試験片切出し用のタブ付試験板 

K 7019 : 1999  

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原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 宮 入 裕 夫 

東京医科歯科大学 

増 田   優 

通商産業省基礎産業局 

岡 林 哲 夫 

工業技術院標準部 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

○ 安 宅 信 行 

昭和女子大学 

○ 津 田   健 

東京工業大学工学部 

○ 野 口 義 男 

航空宇宙技術研究所 

○ 池 上 皓 三 

東京工業大学 

○ 劍 持   潔 

物質工学工業技術研究所 

○ 後 藤 卒土民 

有限会社材料プロセス研究所 

○ 宗   宮 詮 

慶應義塾大学 

(幹事) 

○ 笠 野 英 秋 

拓殖大学工学部 

○ 永 井 正 洋 

東京医科歯科大学 

小 柳 卓 治 

(前)INAX株式会社 

中 島 昭 臣 

旭ファイバーグラス株式会社 

荒 木 重 雄 

化薬アクゾ株式会社 

倉 藤 博 文 

ヤマハ発動機株式会社 

坂 井 英 男 

三井化学株式会社 

西 崎 昭 彦 

株式会社ニットーボー・エフアールピー研究所 

○ 矢 作 雅 男 

社団法人強化プラスチック協会 

(事務局) 

田 村 正 勝 

日本プラスチック工業連盟 

○印は,分科会委員を兼ねる。