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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 7010-1995 

繊維強化プラスチック用語 

Vocabulary for fibre reinforced plastic 

1. 適用範囲 この規格は,繊維強化プラスチックに関する用語及びその定義について規定する。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS K 6900 プラスチック−用語 

2. 分類 繊維強化プラスチック用語は,次のとおり分類する。 

(1) 一般 

(2) 材料 

(3) 成形・加工 

(4) 性質・性能 

3. 用語及び定義 用語及びその定義は,次のとおりとする。 

なお,用語には番号を付け,参考のために対応英語を示す。 

備考1. 一つの用語欄に,二つ以上の用語が併記してある場合は,記載してある順位に従って優先的

に使用する。 

2. 用語の読みが紛らわしいものについては,用語の下に括弧書きで読みを示す。 

3. 対応英語の中で,太字で示したものは,JIS K 6900に収録されている対応英語を示す。 

(1) 一般 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1001 

ガラス繊維強化プ
ラスチック 

ガラス繊維を強化材とし,熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂
をマトリックスとする複合材料。略称GFRP。 

glass fibre reinforced plastic 

1002 

強化プラスチック 

その組成の中に埋め込まれた高強度繊維を伴うプラスチッ
クで,その結果として基盤樹脂よりはるかに優れた幾つか
の強度特性を生じている。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

reinforced plastic 

1003 

積層品 

1種類の材料若しくは複数の材料の2又はそれ以上の層を密
着結合して製造する製品。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

laminate,  
laminated product 

1004 

繊維強化熱可塑性
プラスチック 

マトリックスとして熱可塑性樹脂を用いた繊維強化プラス
チック。略称FRTP。 

fibre reinforced 

thermoplastic 

1005 

繊維強化プラスチ
ック 

各種繊維を強化材とし,熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を
マトリックスとする複合材料。略称FRP。 

fibre reinforced plastic 

1006 

繊維強化複合材料 

各種の繊維強化材と各種のマトリックスとの複合材料。 

fibre reinforced composite 

material 

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K 7010-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1007 

層間ハイブリッド 

ある繊維層と別の繊維層を積層したハイブリッド複合材
料。 

interlayer hybrid,  
interply hybrid 

1008 

層内ハイブリッド 

一つの層の中に2種類以上の繊維が入っているものを積層
したハイブリッド複合材料。 

intra hybrid,  
intraply hybrid 

1009 

耐食FRP 

耐食層をもつ繊維強化プラスチックの総称。 

備考 4021参照 

corrosion resistant FRP 

1010 

炭素繊維強化プラ
スチック 

炭素繊維を強化材とし,熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を
マトリックスとする複合材料。 

備考 前者をCFRP,後者をCFRTPともいう。 

carbon fibre reinforced 

plastic 

1011 

ハイブリッド複合
材料 

2種以上の繊維,粒子,フレークなどを強化材とする複合材
料。 

hybrid composite material 

1012 

複合材料 

(1) 結合材料(マトリックス)と微粒子又は繊維状材料を含

む,2又はそれ以上の異なる相からなる固体製品。 

注−例:強化繊維,微粒子状充てん材又は中空球を含

む成形材料。 

(2) 接着剤中間層を伴う又は伴わないプラスチックフィル

ム又はシート,標準又はシンタクチック発泡プラスチッ
ク,金属,木材,定義1に従う複合材料,などの2層又
はそれ以上の層(多くの場合は対称組立の形で)からな
る固体製品。 

注−例:包装用フィルム複合材料:構造用サンドイッ

チ発泡複合材料,紙,布などで製造した積層品。 
参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

composite,  
composite material 

1013 

分散強化複合材料 

粒子,フレークなどの微小形素材を分散させた複合材料。 dispersion reinforced 

composite material 

(2) 材料 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2001 

編物 

織物用ガラス糸のループの編み合わせによって製造する平
面又は円筒状の組織物。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

knitted fabric 

2002 

あや(綾)織 

織り方の一つで,縦糸と横糸の浮きが斜めに続いて斜交線
を作る織り方。 

twill weave 

2003 

アラミド繊維 

芳香族ポリアミドを成分とする繊維。 

aramid fibre 

2004 

アルミナ繊維 

アルミナ (Al2O3) を主成分とする繊維。 

alumina fibre 

2005 

Eガラス繊維 

アルカリ (Na2O, K2O) 含有率が0.8%以下のガラス繊維。 

E glass fibre 

2006 

イソフタル酸系樹
脂 

酸の一成分として,イソフタル酸を用いる不飽和ポリエス
テル樹脂。 

isophthalic resin 

2007 

ウィスカ 

短い,繊維状の,単結晶の,無機の強化用材料。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

whisker 

2008 

Sガラス繊維 

高強度のガラス繊維。 

S glass fibre 

2009 

エポキシ樹脂 

架橋し得るエポキシ基を含む樹脂。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

epoxy [EP] resin 

2010 

塩素化パラフィン 

パラフィンを塩素化して得られるもの。 

chlorinated paraffin 

2011 

織物 

(おりもの) 

織機 (loom or weaving machine) で製織中に形成される交錯
物のように互いに垂直に又は幾らか異なる特定の角度に二
組の糸類(単糸,もろより糸,又はケーブルヤーン類,ロ
ービング類)を交錯させながら製造するガラス繊維織物。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

woven fabric,  
fabric 

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K 7010-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2012 

オルソフタル酸系
樹脂 

酸の一成分として,無水フタル(オルソフタル)酸を用い
る不飽和ポリエステル樹脂。 

orthophthalic resin 

2013 

カップリング剤 

樹脂マトリックス(母材)と強化材の境界面における一層
強い結合を促進し又は達成する物質。 
注−カップリング剤は強化材に塗布,又は樹脂に添加,又
はその双方が行われる。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

coupling agent 

2014 

ガラス繊維 

ガラスを溶融紡糸し,繊維化したもの。 

備考 強化材,電気絶縁材などに使用される長繊維,断

熱吸音などに使用される短繊維がある。組成的に
はEガラス,Cガラス,Sガラス,耐アルカリガ
ラス,石英ガラスなどがある。 

glass fibre 

2015 

ガラステープ 

織り幅100mm以下のガラス織物。 

glass tape 

2016 

強化材 

プラスチック,ゴムなどの有機物質,金属,セメントなど
の無機物質の強化に用いる繊維基材。 

備考 2087及び2090参照 

reinforcement 

2017 

空気硬化性樹脂 

空気に接する面が完全に硬化する樹脂。 

備考 特に不飽和ポリエステル樹脂に用いられる。 

air cure type resin 

2018 

空気非硬化性樹脂 

空気に暴露されると表面の硬化が阻害され完全硬化しない
タイプの樹脂。 

non-air-cure type resin 

2019 

組物 

(くみもの) 

すべての糸が織物の長さの方向に対し0°又は90°以外の
角度に位置するようなやり方で織物用ガラス糸をからみ合
わせて製造する平面状又は管状織構造。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

braid 

2020 

クロム処理 

ガラス繊維の表面処理の一つで,クロム錯塩で処理したも
の。 

chrome finishing 

2021 

結合剤(織物におけ
る) 

ステープルファイバ及びストランドを,例えばチョップド
ストランドマット,連続ストランドマット及びサーフェシ
ングマットにおける所望の配置に保持するために適用する
材料。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

binder (in textiles) 

2022 

ゲルコート用樹脂 

FRPの接触圧成形の際,成形物の表面の美観,滑沢性の向
上のほか,耐薬品性,耐候性などの向上のために使用され
ている樹脂で,型用と製品用とがある。 

gel coat resin 

2023 

高強度炭素繊維 

引張強さが3 000MPa程度以上,引張弾性率が200〜250GPa
の炭素繊維。 

備考 特性値の範囲は必ずしも厳密なものではない。 

high strength carbon fibre 

2024 

高弾性率炭素繊維 

350GPa程度以上の引張弾性率をもつ炭素繊維。 

備考 弾性率が600GPa以上のものは超高弾性率繊維と

呼ばれることもある。 

high modulus carbon fibre 

2025 

黒鉛グレード繊維 

1 700℃(又は2 000℃)以上の温度で処理され,黒鉛に近い
構造の炭素繊維。 

graphite grade fibre 

2026 

サイズ, 
一次サイズ, 
オイル 

その製造の間ずっとガラス繊維又はフィラメントに塗布さ
れている材料。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

size 

2027 

サイズ処理 

繊維の取扱い性,又は母材との親和性を改善する目的で繊
維の表面を適切な処理剤で仕上げる処理工程。 

sizing 

2028 

サーフェイシング
マット 

複合材料の表面層として用いられるステープルファイバ又
は連続フィラメントを結合した薄い目の詰んだシート。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

surfacing mat 

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K 7010-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2029 

ジアリルフタレー
ト樹脂 

ジアリルフタレートを主成分とする熱硬化性樹脂。略称
DAP樹脂。 

diallyl phthalate resin 

2030 

Cガラス繊維 

アルカリ (Na2O, K2O) 含有率が10%前後のガラス繊維。 

C glass fibre 

2031 

シートモールディ
ングコンパウンド 

ロービングを切断し,分散したストランドに不飽和ポリエ
ステル樹脂と硬化剤,増粘剤,充てん材などを混入したコ
ンパウンドを含浸させ,表面を非粘着化したシート状の成
形材料。略称SMC。 

sheet moulding compound 

2032 

集束剤 

繊維の紡糸工程でフィラメントを集束してストランドにす
るとき,結束性を与えて次工程の作業性を高めるために用
いられるもの。 

備考 ヤーン系集束剤及びロービング系集束剤がある。 

sizing agent 

2033 

充てん材, 
フィラー 

強さ,耐久性,作業特性,その他の性能を改質するため,
又は価格を引き下げるためにプラスチックに加える比較的
不活性な固体材料。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

filler 

2034 

朱子織 

(しゅすおり) 

織り方の一つで,縦糸横糸の交差点を一定の間隔に配置し
た浮き糸の多い織り方。 

satin weave 

2035 

処理ガラスクロス 

樹脂との結合性を良くするためにガラス織物にクリーニン
グ処理を施した後,シラン処理などの表面処理を施したも
の。 

finished glass cloth 

2036 

シラン処理 

ビニルシラン,アクリルシラン,エポキシシラン,アミノ
シランなどのシランカップリング剤を用いて強化材及び充
てん材とマトリックスとの接着効果を高めるための表面処
理。 

silane finishing 

2037 

ステープルファイ
バ 

直径が細く,かつ,長さの短い単一の織物構成要素。 
 注−織物用ガラスステープルファイバ製品の主成分を形
成する。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

staple fibre 

2038 

ステープルヤーン 

ステープルからなるヤーンであって,より糸だけのこと。 staple yarn 

2039 

ストランド 

製造と同時にわずかに結合されているが故意によ(撚)り
をかけていない平行なフィラメントの集束。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

strand 

2040 

スライバ 

事実上平行配列の状態にあってわずかに結合されているス
テープルファイバの連続集合体。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

sliver 

2041 

スリーブ 

折り畳み幅が100mmを超えない織物用ガラス糸製管状構成
物。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

sleeving 

2042 

増粘剤 

液状重合系の粘度を増加させる物質。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

thickener 

2043 

束強度 

(そくきょうど) 

強化材の繊維は,多数の単繊維を集束剤などで接着した束
の形で使用することが多く,この繊維の束の強さのこと。 

bundle strength,  
strand integrity 

2044 

速硬化性樹脂 

ゲル化から最高発熱温度に至る時間の短い樹脂。 

fast cure type resin 

2045 

ダイレクトメルト
法 

マーブル(球状のガラス)を使わずに溶融炉と紡糸炉を一
体化し,ガラス原料を直接的に連続溶融紡糸するガラス長
繊維の製造方法。 

direct melt method 

2046 

多孔性離型フィル
ム 

(たこうせいりけい

ふぃるむ) 

離型フィルムに樹脂の流出が可能なあな(孔)をあけたも
の。 

releasing porous film 

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K 7010-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2047 

炭化けい素繊維 

ポリカルボシランを主体とする複素鎖ポリマーを紡糸・焼
成した繊維。 

silicone carbide fibre 

2048 

炭素グレード繊維 

1 700℃(又は2 000℃)以下の温度で炭素化された炭素繊維。 carbon grade fibre 

2049 

炭素繊維 

実質的に炭素元素だけからなる繊維状の炭素材料。 

備考 分類呼称には,炭素の種類によって;狭義の炭素

グレード繊維,黒鉛グレード繊維,活性炭素繊維,
力学的特性によって;高強度,高弾性率,はん用
タイプなど,及び原料によって;ポリアクリロニ
トリル (PAN) 系,ピッチ系などが慣用されてい
る。 

carbon fibre 

2050 

中間弾性率炭素繊
維 

引張弾性率が280〜350GPaで引張強さが5 000MPa以上の炭
素繊維 

intermediate modulus 

carbon fibre 

2051 

チョップドストラ
ンド 

連続フィラメントストランドから切断したまま何らまとめ
る手段をしていない短いストランド。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

chopped strands 

2052 

チョップドストラ
ンドマット 

短く切断したストランドを意図的な配向をさせずに無方向
に散布し,かつ,結合剤によってつなぎ合わせて形成させ
たマット。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

chopped strand mat 

2053 

低収縮剤 

不飽和ポリエステル樹脂の硬化収縮を小さくするために配
合される熱可塑性樹脂。 

備考 ポリスチレン,ポリ酢酸ビニル,飽和ポリエステ

ル,各種ゴムなどがある。 

low profile additive 

2054 

低収縮性不飽和ポ
リエステル樹脂 

硬化収縮を小さくするための低収縮剤を配合した不飽和ポ
リエステル樹脂。 

low profile unsaturated 

polyester resin 

2055 

テレフタル酸系不
飽和樹脂 

酸の成分としてテレフタル酸を用いる不飽和ポリエステル
樹脂。 

terephthalic polyester resin 

2056 

トウ 

マルチフィラメントの無よりの束であって,比較的太いも
の(10 000〜100 000本)。 

備考 2039, 2089及び2094参照 

tow 

2057 

軟質不飽和ポリエ
ステル樹脂 

常温における弾性率が約70MPa以下の不飽和ポリエステル
樹脂。 

flexible unsaturated resin,  
non-rigid resin 

2058 

難燃剤 

火炎の伝ぱを著しく遅延する物質。 
 注−難燃剤はプラスチック中に添加剤(外部難燃剤)と
して又は重合工程において反応性中間体の使用によって基
本重合体中の化学基類(内部難燃剤)としてプラスチック
中に混合される。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

flame retardant 

2059 

バルクモールディ
ングコンパウンド 

熱硬化性樹脂に硬化剤,充てん材,顔料及び増粘剤を配合
し,チョップドストランドと混練した成形材料。略称BMC。 

bulk moulding compound 

2060 

はん(汎)用炭素繊
維 

引張弾性率が約140GPa以下の炭素繊維。 

general purpose carbon fibre 

2061 

ピッチ系炭素繊維 

ピッチ系前駆体から作られる炭素繊維。 

備考 ピッチには石油系ピッチ,石炭系ピッチ,合成ピ

ッチなどがある。 

pitch-based carbon fibre 

2062 

ビニルエステル系
樹脂 

エポキシ樹脂とメタクリル酸又はアクリル酸の反応によっ
て得られるビニルエステルを単量体に溶解した液状の熱硬
化性樹脂。 

vinylester resin 

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K 7010-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2063 

表面処理 

表面を結合又は塗装に適するようにするための化学的又は
物理的処理。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

surface treatment,  
surface finishing,  
coupling 

2064 

表面処理剤 

強化材と樹脂との接着効果を高めるために用いる化合物
で,同一分子の一端に強化材と反応するか,又は親和性の
ある官能基をもち,他端には樹脂と反応するか,又は親和
性の官能基をもつ構造の化合物。 

備考 シラン系,クロム系,チタネート系などがある。 

coupling agent 

2065 

平織 

(ひらおり) 

縦糸と横糸が1本ごとに交差する織り方。 

plain weave 

2066 

フィラメント 

小さな直径で,かつ,連続とみなせる極めて長い長さの単
一織物要素。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

filament 

2067 

フィラメントヤー
ン 

マルチフィラメントからなるヤーン。 

備考 より糸と無より糸がある。 

filament yarn 

2068 

フェノール樹脂 

一般には,フェノール,その同族体類及び又は誘導体類の
アルデヒド類又はケトン類との重縮合によって製造される
ある部類の樹脂。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

phenolic resin 

2069 

フェノールホルム
アルデヒド樹脂 

フェノールのホルムアルデヒドとの重縮合によって製造さ
れるフェノール形の樹脂。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

phenol formaldehyde [PF] 

resin 

2070 

不織布 

(ふしょくふ) 

機械的,化学的,熱的などで繊維を固着したり,絡み合わ
せたりして作られるシート状の構成物。 

non-woven fabric 

2071 

不飽和ポリエステ
ル 

後で不飽和の単量体又はプリポリマーと架橋反応し得る重
合体連鎖中の炭素−炭素不飽和結合をもつことを特徴とす
るポリエステル。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

unsaturated polyester resin 

[UP] 

2072 

プラスチックサイ
ズ 

ガラス表面と樹脂の間,さらに広い意味での他の材料に対
して良好な結合を得るために設計されたサイズのことで,
一般にその後の変換又は使用(巻取り,切断など)の操作
を容易にする成分を含む。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

plastic size,  
coupling size,  
plastic compatible size 

2073 

ブリーダークロス 

成形中にプリプレグから流れ出る余剰の樹脂を吸い取るた
めに用いる織物。 

備考 通常,朱子織のガラスクロスが用いられる。 

bleeder cloth 

2074 

プリフォーム用バ
インダー 

プリフォームを作るとき,繊維基材が型崩れを起こさない
ための粘結剤。 

preform binder 

2075 

プリプレグ 

成形の用意ができている樹脂(充てん材を伴う又は伴わな
い),添加物,及び織物状又は繊条状強化材の混合物。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

prepreg 

2076 

プリミックスコン
パウンド 

不飽和ポリエステル樹脂,硬化剤,充てん材,内部離型剤,
顔料及び強化材を混合したパテ状の成形材料。 

premixed compound 

2077 

フレーク 

ガラス薄膜や雲母などを粉砕して得られるりん片状の材
料。 

flake 

2078 

変性エポキシ樹脂 

変性して,他の機能を付与したエポキシ樹脂。 

modified epoxy resin 

2079 

ポリアクリロニト
リル系炭素繊維 

ポリアクリロニトリルを前駆体原料とする炭素繊維。 

polyacrylonitrile based 

carbon fibre 

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K 7010-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2080 

ポリイミド樹脂 

主鎖にイミド結合をもつ樹脂。 

備考 形体的には熱可塑性及び熱硬化性の2タイプが

ある。 

polyimide resin 

2081 

ボロン繊維 

無定形ボロンを主成分とする繊維。 

備考 通常,タングステン線を心材とし,その表面に化

学蒸着によってボロンを形成させたもの。 

boron fibre 

2082 

マイクロバルーン 

直径30〜200μmの中空の微小球。 

備考 材質としては,ガラス,シラン,カーボンなどの

無機質のものと塩化ビニリデン樹脂,フェノール
樹脂,エポキシ樹脂などの有機質のものがある。 

micro balloon 

2083 

マトリックス 

強化材又は分散材を囲む複合材料の母材のこと。 

matrix 

2084 

マーブルメルト法 

ガラス繊維を製造する際,ガラス原料を溶融ガラス化した
後,いったんマーブル(球状のガラス)を作り,このマー
ブルを紡糸炉で再溶融してから繊維化するガラス繊維の製
造方法。 

marble melt method 

2085 

マルチフィラメン
ト 

集めたフィラメントからなる織物材料の一部類。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

multi filament 

2086 

ミルドファイバ 

寸法縮小用粉砕機を通す工程で非常に短い長さに切断した
繊維。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

milled fibres 

2087 

無機繊維 

無機物質を主成分とした繊維。 

備考 ガラス繊維,炭素繊維,アルミナ繊維,炭化けい

素繊維などがある。 

inorganic fibre 

2088 

モノフィラメント, 
単繊維 

商業上の織物操作においては糸として,又はその他の応用
においては一つの実体として機能を果たすために十分に強
い単一のフィラメント。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

mono filament 

2089 

ヤーン 

繊維素材の総称で,フィラメント又はステープルを用いて
糸状にしたもの。 

yarn 

2090 

有機繊維 

有機物質を主成分とした繊維。 

備考 木綿,羊毛,麻などの天然繊維,レーヨンなどの

化学繊維,ポリアミド,ポリエステル,アラミド
などの合成繊維がある。 

organic fibre 

2091 

離型材 

成形品を金型から取り出しやすくするために金型を塗り又
は成形材料に添加する物質。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

release agent 

2092 

離型フィルム 

成形後,成形物と成形用ジグとの分離を容易にするために
用いるフィルム。 

mould releasing film 

2093 

連続繊維マット 

連続したストランドを均一な厚さに積み重ね,結合剤を用
いてマット状に成形したもの。 

continuous strand mat 

2094 

ロービング 

意図的なよりをかけずに集束した平行ストランド(集束ロ
ービング)又は平行フィラメント(ダイレクトロービング)
の集合物。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

roving 

2095 

ロービングクロス 

ロービングを縦糸,横糸又はそのいずれかに用いた織物。 roving cloth 

2096 

ワックスタイプ樹
脂 

パラフィンワックスなどを微量添加した繊維強化プラスチ
ック成形用の樹脂。 

wax-type resin 

(3) 成形・加工 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

background image

K 7010-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3001 

圧縮成形 

閉じたキャビティの中の材料に圧力及び通常は熱を加える
成形工程。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

compression moulding 

3002 

あと硬化 

熱硬化性材料で成形した物品の硬化を完全にするための熱
処理。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

post cure 

3003 

一次接着 

FRPの積層工程で樹脂の硬化する前段階で繊維強化材を接
着・接合させるウェットオンウェットの接着。 

primary bond 

3004 

一体成形 

二次接着や機械的接合を用いないで,部材の接合と同時に
製品を一体で成形すること。 

integral moulding 

3005 

移動型 

成形材料の供給から,成形品の取出しまでの工程で移動で
きる型。 

movable mould 

3006 

ウェットアウト 

繊維基材に樹脂を含浸させる過程で,ストランドを構成す
る単繊維の周囲まで樹脂が完全に浸み込んだ状態。 

wet out 

3007 

ウェットオンウェ
ット 

積層作業において,下の層がゲル化を開始する以前に,次
の積層を行うこと。 

wet on wet 

3008 

ウェットオンドラ
イ 

先に積層した層が硬化した後に,次の積層を行うこと。 

wet on dry 

3009 

ウェットスルー 

繊維基材に樹脂を含浸させる過程で,樹脂がストランドの
表面全体をぬらした状態。 

wet through 

3010 

ウェットトリミン
グ 

硬化が不十分な状態の間に,成形品のバリ取り,トリミン
グなどを行うこと。 

wet trimming,  
green time trimming 

3011 

FRP型 

繊維強化プラスチックで作られた成形用型。 

fibre reinforced plastic 

mould 

3012 

FRPライニング 

繊維強化プラスチックで化学装置,機器などの材質表面を
被覆すること。 

fibre reinforced plastic 

lining 

3013 

遠心成形 

乾燥した可融性粉末を入れている金型を高速度で1軸の周
りを回転し,かつ,加熱によって重合体を溶融している間
回転し続けることによって中空円筒形製品を成形する工
程。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

centrifugal moulding 

3014 

オートクレーブ成
形 

型に材料を積層し,樹脂系シート,ゴムシートなどで包み,
真空脱泡してオートクレーブ中で,不活性ガスによって加
熱・加圧し成形する方法。 

auto-clave moulding 

3015 

オーバーレイアッ
プ 

補強,部材などの接合のために,繊維基材を積層すること。 over lay up 

3016 

加圧バッグ成形 

雄型の代わりにゴムのような弾性体の袋に空気圧又は液圧
を加えて成形する方法。 

pressure bag moulding 

3017 

回転成形 

乾燥した可融性の微粉砕粉末が金型の壁面に向かって分布
され,かつ,溶融する回転注型に類似の工程。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

rotational moulding 

3018 

可使時間 

(かしじかん) 

塗布のため調整された接着剤又は樹脂が依然として使用で
きる状態にある間の時間。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

pot life 

3019 

簡易型 

簡便,容易な材料を利用して製作される成形用の型。 

simplified mould 

3020 

含浸 

(がんしん) 

細孔又は空げきを通って基材の中に液体,溶融物,分散液
又は溶液の形で重合体又は単量体を含ませる工程。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

impregnation 

3021 

ゲル 

樹脂の形成の間に生じる最初のゼリー状の固相。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

gel 

background image

K 7010-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3022 

ゲル化時間 

特定の温度条件の下で,液状材料がゲルを形成するために
必要な時間。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

gel (ation) time 

3023 

ゲルコート 

表面特性を改良するための強化プラスチック部品の上の,
ときには着色剤を含む,樹脂の外層。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

gel coat 

3024 

減圧バッグ成形 

雌型の代わりに,ゴムのような弾性体を用い,雄型と弾性
体との間の空気を抜き,大気圧で加圧する方法。 

vacuum bag moulding 

3025 

コールドプレス成
形 

熱伝導率の小さな合せ型を用い,不飽和ポリエステル樹脂
の硬化時に発生する反応熱を利用して硬化する成形方法。 

cold press moulding 

3026 

硬化(重合体の) 

プリポリマー又は重合組成物を重合及び又は架橋によって
さらに安定して使用できる状態に変える工程。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

cure (of a polymer)  

3027 

硬化不足 

硬化条件(時間,温度,放射,硬化添加剤量など)が満足
すべき硬化を生じるには不十分である重合体系の硬化状
態。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

undercure 

3028 

樹脂流れ 

樹脂配合物が所定の条件(温度・圧力など)において,樹
脂が流れる現象。 

resin flow 

3029 

スタンパブルシー
ト成形 

繊維基材に熱可塑性樹脂を含浸させたシートを樹脂の溶融
温度以上に加熱した後,直ちに加圧冷却して成形する方法。 

stampable sheet moulding 

3030 

ストレッチ成形 

枠には(貼)られた2枚のフィルムの間に繊維及び樹脂を
サンドイッチし,脱泡,含浸した後,雄型を押し付け,フ
ィルムの張力を利用して成形する方法。 

stretch moulding 

3031 

スプレーアップ成
形, 
吹付積層成形 

(ふきつけせきそうせ

いけい) 

スプレーアップ装置を用いて,成形型に繊維基材を切断し
ながら樹脂と同時に吹き付ける成形方法。 

spray up moulding 

3032 

積層 

2又はそれ以上の層状の材料を結合する工程。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

laminating 

3033 

積層構成 

積層品中に含まれる繊維基材の種類,積層方向及び単位質
量を積層順に示したもの。 

laminated constitution 

3034 

積層成形 

積層品を構成する基材を接触圧,加圧・加熱などによって
所定の形に成形する方法。 

laminate moulding 

3035 

接触圧成形 

成形及び硬化の操作の間に最小の圧力をかける強化プラス
チック成形品の製造工程。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

contact pressure moulding 

3036 

タック 

プリプレグが軽い力で短時間に被着材に粘着する力。 

tackiness 

3037 

脱泡 

(だっぽう) 

液状樹脂中又は液状樹脂と繊維基材との間に発生した気泡
を除くこと。 

degassing 

3038 

テープラッピング
成形 

回転するマンドレル上に,シート状の繊維基材に樹脂など
を含浸させながら巻き付けて成形する方法。 

tape wrapping moulding 

3039 

二次接着 

ウェットオンウェットの一次接着と区別し,ドライオンド
ライ,すなわち固体どうしの接着をいう。 

secondary bond 

3040 

バッグ成形 

雄雌いずれか一方の型をゴムなどの弾性体のバッグとし,
これに空気圧又は液圧を作用させて成形する方法。 

bag moulding 

3041 

パラレル巻き, 
フープ巻き 

フィラメントワインディング成形の巻き方の一つで,回転
する円筒形マンドレルの軸に対し,ほぼ直角となる方向に
巻き付けること。 

parallel winding, hoop 

winding 

background image

10 

K 7010-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3042 

ハンドレイアップ
成形, 
手積積層成形 

(てづみせきそうせい

けい) 

繊維基材に樹脂を含浸させながら所定の形と厚さに手作業
で積み重ねて製品を作る成形方法。 

hand lay up moulding 

3043 

引抜成形, 

(ひきぬきせいけい) 

プルトルージョン
成形 

繊維基材に樹脂を含浸させたものを金型内に引き込み,又
は金型内で含浸させ,金型若しくは金型を出た所で加熱硬
化して,硬化物を金型から引き出す成形方法。 

pultrusion moulding 

3044 

フィラメントワイ
ンディング成形 

樹脂を含浸した繊維基材を連続的にマンドレルに巻き付け
て,主として円筒状の製品を成形する方法。略称FW成形。 

備考 巻き方によって,ヘリカル巻き,インプレーン巻

き,パラレル巻き,ポーラ巻きなどがある。 

filament winding moulding 

3045 

ブリード成形 

プリプレグから成形する場合,加熱中に樹脂の一部を繊維
基材の内部に吸収させ,製品の繊維含有率及び厚さの管理
並びに空洞の除去を行う成形方法。 

bleede moulding 

3046 

プリフォーム 

繊維基材を所定の寸法に切断し成形品の形状にバインダー
を使って予備成形したもの。 

preform 

3047 

フレークライニン
グ 

ガラス薄膜を粉砕して得られるりん片状の材料を樹脂液中
に混合してパテ状としたものを被覆すること。 

flake lining 

3048 

ヘリカル巻き, 
ら旋巻き 

フィラメントワインディング成形の巻き方の一つで,回転
する円筒形マンドレルの軸に対してある角度±θをもって
巻き付けること (θ≠90°)。 

helical winding 

3049 

ポーラ巻き, 
極巻き 

フィラメントワインディング成形の巻き方の一つで,球形
マンドレルの子午線方向に巻き付けること。 

polar winding 

3050 

マッチドメタルダ
イ成形 

金型の間に成形材料を入れ,金型を閉じて加熱加圧して成
形する方法。略称MMD成形。 

matched metal die moulding 

3051 

マットイン接合 

積層品を接着結合する際に,樹脂を含浸させたマットを被
着材の間に挟んで接着すること。 

matting in connection 

3052 

マットライフ 

液状樹脂に触媒を添加したときから,繊維基材に含浸させ
た状態でゲル化して作業ができなくなるまでの時間。 

mat life 

3053 

マンドレル 

中空製品の内部の形状及び寸法を決定する押出ダイの中心
部品。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

mandrel 

3054 

面内巻き 

(めんないまき) 

フィラメントワインディング成形の巻き方の一つで,回転
する円筒形マンドレルの軸方向に巻く方法で円筒軸に対
し,ある角度θをもって巻き付けること。 

in-plane winding 

3055 

レジンインジェク
ション成形 

合せ型内に繊維基材を置き,型に設けられた注入口から液
状樹脂を圧入して成形する方法。略称RI成形又はRTM。 

resin injection moulding,  
resin transfer moulding 

3056 

連続パネル成形 

離型フィルム上に触媒などを調合した樹脂,繊維基材を供
給し,他方の離型フィルムで覆いながらロールで含浸脱泡
を行い,所定の形状を保って加熱炉などで硬化し連続的に
成形する方法。 

continuous laminating 

moulding 

3057 

ローリング成形 

シート状のプリプレグをローリング成形機によってマンド
レル上に巻き付けて積層し,加熱硬化して筒状に成形する
方法。 

rolling moulding 

background image

11 

K 7010-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(4) 性質・性能 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4001 

アスペクト比 

繊維の長さと直径の比。 

aspect ratio 

4002 

一方向繊維強化複
合材料 

連続繊維を一方向に配列させたものを強化材とする複合材
料。 

unidirectional fibre 

reinforced composite 

4003 

異方性 

材料の力学的性質が方向によって異なること。 

anisotropy 

4004 

オーバーキュア 

硬化時間(時間,温度,放射線,硬化用添加剤の量など)
が十分な硬化を生じる条件を超えている場合の重合体系の
硬化状態。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

over cure 

4005 

含浸不良 

樹脂が繊維基材に十分に含浸していないこと。 

poor wetting,  
resin starved area 

4006 

疑似等方性 

(ぎじとうほうせい) 

巨視的に等方性であること。特に面内での等方性をいうこ
とが多い。 

quasi-isotropy 

4007 

揮発分 

(きはつぶん) 

所定の硬化温度でプリプレグなどの成形材料を乾燥させた
場合の揮発物質の割合。 

volatile matter content 

4008 

気泡 

(きほう) 

部分的に又は完全にその壁で囲まれた個々の小さな空洞。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

cell,  
air bubble 

4009 

強化材過多部 

繊維強化プラスチックにおいて,強化材が所定の量より多
量に集まっている部分。 

reinforcement rich area 

4010 

空洞, 
ボイド 

内部に残留した気泡,膨れ,含浸不良などの空げきのこと。 void 

4011 

空洞率 

繊維強化プラスチック製品中に含まれる空洞の体積割合を
パーセントで示したもの。 

void content 

4012 

クレーター, 
くぼみ, 
あばた 

小さな浅い表面のくぼみ。 
注−一般にこのくぼみは,ピンホールよりは寸法が大きく,
かつ,規則性の少ない輪郭をもっている。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

crater 

4013 

質量含有率 

複合材料を構成する材料の含有量を質量割合で示したも
の。 

mass content,  
mass fraction 

4014 

斜交積層板 

(しゃこうせきそうば

ん) 

一方向繊維強化材の主軸が90°以外の角度で交差している
積層板。 

angle-ply laminate 

4015 

樹脂過多部 

繊維強化プラスチックにおいて,樹脂が所定の量より多量
に集まっている部分。 

resin rich area 

4016 

樹脂含有率 

繊維強化プラスチックの全質量(又は全体積)に対する樹
脂の質量(又は体積)割合。 

resin content 

4017 

樹脂欠乏部 

繊維基材に樹脂が完全に含浸していないか,樹脂が所定の
量より不足している部分。 

resin starved area 

4018 

繊維含有率 

繊維強化プラスチックの全質量(又は全体積)に対する繊
維の質量(又は体積)割合。 

fibre content 

4019 

層間せん断 

積層材の層と層の間にずれを生じること。 

interlaminer shear 

4020 

層間はく離 

接着剤接合の中又はその近くにおける破壊が原因の積層品
における層の分離。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

delamination 

4021 

耐食層 

積層構造の繊維強化プラスチックのうち,大気や液などの
環境にさらされる側に設けられる高耐食性をもつ層。 

備考 強度部材としての役割は少ない。通常,耐食層は

サーフェーシングマット層と,その下のチョプド
ストランドマット層で構成される。 

corrosion resistant layer 

background image

12 

K 7010-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4022 

体積含有率 

複合材料を構成する材料の含有量を体積割合で示したも
の。 

volume content,  
volume fraction 

4023 

直交異方性 

直交した方向の力学的性質が異なること。特に直交する2
方向に力学的性質の対称軸をもつもの。 

orthotropic anisotropy,  
orthotropy 

4024 

等方性 

材料の物理的性質が方向に依存しないこと。 

isotropy 

4025 

ノルリング試験 

繊維基材を一方向に平行巻きしたリング状試験片を用いて
円周方向の引張強さを求める試験方法。 

NOL-ring test 

4026 

バーコル硬さ 

押込み硬さ測定の一種で,バーコル硬さ試験幾を用いて測
定される硬さ。 

Barcol hardness 

4027 

白化 

(はっか) 

繊維基材と樹脂との含浸不良部,又は界面はく離,クラッ
クなどによって生じた外見上白く見える状態。 

whitening,  
white crazing 

4028 

複合則 

複合材料の特性を構成要素の特性に,その体積含有率を乗
じた量の和によって表現した関係則。 

law of mixture 

4029 

膨れ 

その下に空げきを伴った様々な輪郭と寸法をもった表面の
膨らみ。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

blister 

4030 

レジンポケット 

強化プラスチックの内部に局部的に集まっている樹脂の集
積。 

参考 この定義は,JIS K 6900によるものである。 

resin pocket 

関連規格:JIS A 5532 浴槽 

JIS K 6919 繊維強化プラスチック用液状不飽和ポリエステル樹脂 

JIS K 7011 構造用ガラス繊維強化プラスチック 

JIS K 7071 炭素繊維及びエポキシ樹脂からなるプリプレグの試験方法 

JIS R 3410 ガラス繊維用語 

13 

K 7010-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

繊維強化プラスチック用語工業標準新規原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 宮 入 裕 夫 

東京医科歯科大学医用器材研究所 

(委員) 

○ 高 島 克 巳 

東京都立工業技術センター 

宗 宮   詮 

慶應大学理工学部 

○ 野 口 義 男 

航空宇宙技術研究所 

剱 持   潔 

工業技術院製品化学研究所 

阿 部 巳喜雄 

通商産業省基礎産業局 

○ 桜 井 俊 彦 

工業技術院標準部 

須 藤 作 幸 

財団法人建材試験センター 

鹿 毛 紀久雄 

財団法人高分子素材センター 

井 出   正 

富士重工業株式会社 

○ 西 本   敬 

大日本硝子工業株式会社 

窪 田 弘 道 

東陶機器株式会社 

○ 山 田 良 輝 

日立化成工業株式会社 

松 崎 清一郎 

日本プラスチック工業連盟 

○ 若 尾   茂 

日東紡績株式会社 

安 藤 友 憲 

昭和高分子株式会社 

田 鍋 治 浩 

日本硝子繊維株式会社 

○ 志 水 利 道 

日本触媒化学工業株式会社 

○ 奥 田 謙 介 

呉羽化学工業株式会社 

○ 栗 原 貞 夫 

社団法人強化プラスチック協会 

備考 ○印は,分科会委員を示す(昭和62年現在)。