K 6999:2020
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 記号及び略語 ··················································································································· 2
5 要求事項························································································································· 2
5.1 表示方式 ······················································································································ 2
5.2 表示の方法 ··················································································································· 4
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5
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(2)
まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,日本プラスチ
ック工業連盟(JPIF)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格
を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格
である。これによって,JIS K 6999:2004は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
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プラスチック−プラスチック製品の識別及び表示
Plastics-Generic identification and marking of plastics products
序文
この規格は,2016年に第3版として発行されたISO 11469を基とし,技術的内容を変更して作成した日
本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,プラスチック材料からなる製品の識別及びその統一表示方式について規定する。
この表示方式は,プラスチック製品の取扱い,廃棄物の回収又は処分を決定するときの識別に役立つこ
とを目的とする。
プラスチックの系統的識別には,JIS K 6899-1〜JIS K 6899-4に規定された記号及び略語を用いる。
なお,表示する製品の最小寸法,文字の寸法,表示位置の選定のような表示の詳細は,製造業者と使用
者との合意による。
この規格は,製品基準又は法律に規定された表示の要求事項に取って代わるものでも,置き換わるもの
でもなく,いかなる意味でもこれらを妨げるものではない。
注記1 材料識別の更に詳しい情報が必要な場合には,適切な製品基準の定めに従ってプラスチック
製品への表示の追加を行うことができる。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 11469:2016,Plastics−Generic identification and marking of plastics products(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 6899-1 プラスチック−記号及び略語−第1部:基本ポリマー及びその特性
注記 対応国際規格:ISO 1043-1,Plastics−Symbols and abbreviated terms−Part 1:Basic polymers and
their special characteristics
JIS K 6899-2 プラスチック−記号及び略語−第2部:充塡材及び強化材
注記 対応国際規格:ISO 1043-2,Plastics−Symbols and abbreviated terms−Part 2:Fillers and
reinforcing materials
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JIS K 6899-3 プラスチック−記号及び略語−第3部:可塑剤
注記 対応国際規格:ISO 1043-3,Plastics−Symbols and abbreviated terms−Part 3:Plasticizers
JIS K 6899-4 プラスチック−記号及び略語−第4部:難燃剤
注記 対応国際規格:ISO 1043-4,Plastics−Symbols and abbreviated terms−Part 4:Flame retardants
ISO 472,Plastics−Vocabulary
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,ISO 472によるほか,次による。
3.1
略語(abbreviated term)
ある用語の任意の部分を省略して得られ,かつ,同じ概念を表す用語(JIS K6899-1参照)
3.2
プラスチック製品(plastics products)
プラスチック材料から作られる物品又は成形品
4
記号及び略語
この規格では,JIS K 6899-1〜JIS K 6899-4の記号及び略語を用いる。適切な記号又は略語が,これらの
規格のいずれにもない場合は,任意の有効な国内規格又は国際規格の記号又は略語を用いる。JIS K 6899-1
のポリマーの記号では,“REC”の規則に基づいて,それが単一の再生品とみなされる場合,二つ以上の成
分からなる製品にも同様の規則が適用される。
5
要求事項
5.1
表示方式
5.1.1
製品への表示
プラスチック製品に表示する場合は,そのプラスチック材料の記号又は略語を,くぎりマークの“>”
及び“<”で挟んで,製品表面のいずれかの位置に表示する。また,プラスチック再生材の含有物である
こと,及びその含有率を,“(REC)”及び“(RECx)”の記号によって表示してもよい(xには,質量分率
(%)の数字を記載。)。
注記 “>”及び“<”は,それぞれ“より大きい”及び“より小さい”の数学記号であるが,このよ
うな用例では,逆くさび形括弧(reversed angled brackets)と呼ばれることが多い。
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンプラスチックの場合の例を,次に示す。
例1 プラスチック再生材の含有を示さない方法
>ABS<
例2 プラスチック再生材の含有を示し,含有率を表示しない方法
> ABS(REC)<
例3 プラスチック再生材の含有及び含有率を表示する方法
> ABS(REC30)<
5.1.2
単一構成素材からなる製品
単一のポリマー又はコポリマーからなる製品の表示は,5.1.1による。
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5.1.3
ポリマーブレンド又はポリマーアロイ
ポリマーブレンド又はポリマーアロイの製品は,成分ポリマーに対する適切な略語を用い,最初に主成
分を,続いて他成分を質量分率の大きい順に“+”記号で区切って,5.1.1に従って表示する。
例1 ポリカーボネートを主成分とし,その中にアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンプラスチ
ックが分散したポリマーアロイの場合
>PC+ABS<
例2 例1のポリマーアロイで,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンプラスチックが再生材を
少なくとも30 %含んでいて,その含有率を指定して表示する場合
>PC+ABS(REC30)<
5.1.4
特殊な添加物を含む組成物
5.1.4.1
充塡材又は強化材
単一の充塡材又は強化材を含む組成物は,ポリマーの略語の後にハイフンを付け,JIS K 6899-2に規定
する添加物の略語又は記号,及びその質量分率を例に示すように並べ,5.1.1に従って表示する。
例1 鉱物粉末(MD)を30 %含むポリプロピレンの場合
>PP-MD30<
例2 ガラス繊維を20 %含有した耐衝撃性ポリスチレンの場合
>PS-HI-GF20<
充塡材又は強化材各々の混合物又は両者を含む組成物の場合,これらの添加物の存在を示す表示は,例
3及び例4に示すように丸括弧内に入れる。
例3 鉱物粉末15 %及びガラス繊維(GF)25 %の混合物を含むポリアミド66の場合
>PA66-(GF25+MD15)< 又は >PA66-(GF+MD)40<
例4 鉱物粉末(MD)50 %及びガラス繊維(GF)25 %を含む不飽和ポリエステル系熱硬化成形コン
パウンドの場合
>UP-(MD50+GF25)< 又は >UP-(MD+GF)75<
5.1.4.2
可塑剤
可塑剤を含む組成物は,ポリマーの略語の後にハイフンを付け,次いでJIS K 6899-3に規定する可塑剤
の略語を,記号Pの後に丸括弧に入れて表示する。
例 ジブチルフタレートを可塑剤として含むPVCの場合
>PVC-P(DBP)<
5.1.4.3
難燃剤
難燃剤を含む組成物は,ポリマーの略語の後にハイフンを付け,次いでJIS K 6899-4に規定する難燃剤
のコード番号を,記号FRの後の丸括弧に入れて表示する。
例1 鉱物粉末15 %,ガラス繊維25 %,及び難燃剤として赤りん(52)を含むポリアミド66の場合
>PA66-(GF25+MD15)FR(52)< 又は >PA66-(GF+MD)40FR(52)<
例2 例1の再生材の含有率が30 %であること示す場合
>PA66-(GF25+MD15)FR(52)(REC30)< 又は >PA66-(GF+MD)40FR(52) (REC30)<
5.1.4.4
分離しにくい2種以上の構成成分からなる製品
2種以上の構成成分からなり,その一部が見えにくい製品は,最初に目に見える材料を5.1.1に従って最
初に識別できるようにし,その後,他の材料の識別名を個々にコンマ“,”で分離して並べる。質量基準で
主要な構成成分には下線を付ける。
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例 主要な質量を占めるアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンプラスチックが内挿されたポリウ
レタンを,外層がポリ塩化ビニルの薄い皮膜が覆っている3種類の成分からなる製品の場合
>PVC,PUR,ABS<
5.2
表示の方法
プラスチック製品の表示は,次のいずれかによる。
− 適切な記号を金型設計に含めることによって成形過程で行う。
− エンボス加工によって成形過程で行う。
− 刻印押しによって成形過程で行う。
− その他,判読可能で,かつ,消えない方法で表示する。
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS K 6999:2020 プラスチック−プラスチック製品の識別及び表示
ISO 11469:2016,Plastics−Generic identification and marking of plastics products
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 要求事項
5.1表示方式
5.1
変更
5.1.2の例示を5.1.1に移動するとと
もに,例示中にある“(REC)”及び
“(RECx)”の表示方法を,本文に
規定した。
製品の表示に共通の内容であるた
め,分かりやすくするために変更
した。技術的差異はない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 11469:2016,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
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