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K 6924-2 : 1997 (ISO 4613-2 : 1995) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによってJIS K 6924-2 : 1996は改正され,この規格に置き換えられる。 

今回の改正は,従来の,日本工業規格を国際規格に整合させるために,ISO 4613-2 : 1995を基礎として

用いた。 

JIS K 6924-2 : 1997には,次に示す附属書がある。 

附属書(規定) エチレン・酢酸ビニル樹脂試験方法 

参考 附属書は,従来のJIS K 6730 : 1995と一致しており,国際規格を日本工業規格に導入するため

の経過措置として添付する。 

JIS K 3924 (ISO 4613) は,一般名称を“プラスチック−エチレン/酢酸ビニル (E/VAC) 成形用及び押

出用材料”として,次の各部によって構成する。 

第1部:呼び方のシステム及び仕様表記の基礎 

 (Part 1 : Designation and specification)  

第2部:試験片の作り方及び諸性質の求め方 

 (Part 2 : Preparation of test specimens and determination of properties) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 6924-2 : 1997 

 (ISO 4613-2 : 1995)  

プラスチック−エチレン/酢酸ビニル 

(E/VAC) 成形用及び押出用材料− 

第2部:試験片の作り方及び諸性質の求め方 

Plastics−Ethylene/vinyl acetate (E/VAC) moulding and extrusion materials

− 

Part 2 : Preparation of test specimens and determination of properties 

序文 この規格は,1995年に第2版として発行されたISO 4613-2 [Plastics−Ethylene/vinyl acetate (E/VAC) 

moulding and extrusion materials−Part 2 : Preparation of test specimens and determination of properties] を元に作

成した日本工業規格であり,附属書を除いて,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成して

いる。 

附属書には,従来のJIS K 6730 : 1981で規定していたエチレン・酢酸ビニル樹脂の試験方法について規定

した。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,成形用及び押出用エチレン/酢酸ビニル (E/VAC) 材料の試験片の作り方及

び諸性質の求め方について規定する。この規格では,試験材料の取扱い及び成形前の試験材料と試験前の

試験片の状態調節について規定する。 

この規格は,試験片を作る手順と条件,及び成形された試験片を用いて,その材料の諸性質を測定する

手順を示す。成形用及び押出用E/VAC材料の特徴を知るための適切,かつ,必要な諸性質及び試験方法を

表に示す。 

諸性質は,JIS K 7140に規定する一般的試験方法から選んだ。これら成形用及び押出用材料に対して広

範囲に使われている試験方法及び特殊で重要な他の試験方法,並びにJIS K 6924-1に規定する区分用の性

質も,この規格に含む。 

再現性があり,他と比較できる試験結果を得るためには,ここに規定する試験片の作り方,状態調節方

法,試験片寸法及び試験手順を採用する。 

寸法の異なる試験片及び異なった手順で得られた試験結果は,必ずしも一致するとは限らない。 

附属書(規定)は,2001年3月31日まで適用する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,その年の版だけがこの規

格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。 

K 6924-2 : 1997 (ISO 4613-2 : 1995) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS C 2134 : 1996 湿潤状態での固体電気絶縁材料の比較トラッキング指数及び保証トラッキング指

数を決定する試験方法 

備考 IEC 112 : 1979, Method for determining the comparative and the proof tracking indices of solid 

insulating materials under moist conditionsが,この規格と一致している。 

JIS K 6924-1 : 1997 プラスチック−エチレン/酢酸ビニル (E/VAC) 成形用及び押出用材料−第1

部:呼び方のシステム及び仕様表記の基礎 

備考 ISO 4613-1 : 1993, Plastics−Ethylene/vinyl acetate (E/VAC) moulding and extrusion materials−

Part1 : Designation and specificationが,この規格と一致している。 

JIS K 7111 : 1996 プラスチック−シャルピー衝撃強さの試験方法 

備考 ISO 179 : 1993, Plastics−Determination of Charpy impact strengthが,この規格と一致している。 

JIS K 7139 : 1996 プラスチック−多目的試験片 

備考 ISO 3167 : 1993, Plastics−Multipurpose test specimensが,この規格と一致している。 

JIS K 7140 : 1995 プラスチック−比較可能なシングルポイントデータの取得と提示 

備考 ISO 10350 : 1993, Plastics−Acquisition and presentation of comparable single-point dataが,この

規格と一致している。 

JIS K 7151 : 1995 プラスチック−熱可塑性プラスチック材料の圧縮成形試験片 

備考 ISO 293 : 1986, Plastics−Compression moulding test specimens of thermoplastic materialsが,この

規格と一致している。 

JIS K 7160 : 1996プラスチック−引張衝撃強さの試験方法 

備考 ISO 8256 : 1990, Plastics−Determination of tensile-impact strengthが,この規格と一致している。 

JIS K 7161 : 1994 プラスチック−引張特性の試験方法 第1部:通則 

備考 ISO 527-1 : 1993, Plastics−Determination of tensile properties−Part 1 : General principlesが,この

規格と一致している。 

JIS K 7162 : 1994 プラスチック−引張特性の試験方法 第2部:型成形,押出成形及び注型プラスチ

ックの試験条件 

備考 ISO 527-2 : 1993, Plastics−Determination of tensile properties−Part 2 : Test conditions for 

moulding and extrusion plasticsが,この規格と一致している。 

JIS K 7171 : 1994 プラスチック−曲げ特性の試験方法 

備考 ISO 178 : 1993, Plastics−Determination of flexural propertiesが,この規格と一致している。 

JIS K 7191-1 : 1996 プラスチック−荷重たわみ温度の試験方法−第1部:通則 

備考 ISO 75-1 : 1993, Plastics−Determination of temperature of deflection under load−Part 1 : General 

test methodが,この規格と一致している。 

JIS K 7191-2 : 1996 プラスチック−荷重たわみ温度の試験方法−第2部:プラスチック及びエボナイ

ト 

備考 ISO 75-2 : 1993, Plastics−Determination of temperature of deflection under load−Part 2 : Plastics 

and eboniteが,この規格と一致している。 

ISO 62 : 1980, Plastics−Determination of water absorption 

ISO 291 : 1977, Plastics−Standard atmospheres for conditioning and testing 

ISO/DIS 527-4 : 1993, Plastics−Determination of tensile properties−Part 4 : Testing conditions for isotropic 

and orthotropic long glass fiber-reinforced plastics 

K 6924-2 : 1997 (ISO 4613-2 : 1995) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ISO 899-1 : 1994, Plastics−Determination of creep behaviour−Part 1 : Tensile creep 

ISO 1133 : 1991, Plastics−Determination of the melt mass-flow rate (MFR) and the melt volume-flow rate 

(MVR) of thermoplastics 

ISO 1183 : 1987, Plastics−Methods for determining the density and relative density of non-cellular plastics 

ISO 1210 : 1993, Plastics−Determination of the burning behaviour of horizontal and vertical specimens in 

contact with a small flame ignition source 

ISO 1628-3 : 1991, Plastics−Determination of viscosity number and limiting viscosity number−Part3 : 

Polyeth-ylenes and polypropylenes 

ISO 2818 : 1994, Plastics−Preparation of test specimens by machining 

ISO 3146 : 1985, Plastics−Determination of melting behaviour (melting temperature or melting range) of 

semi-crystalline polymers 

ISO 4589 : 1984, Plastics−Determination of flammability by oxygen index 

ISO 4589-2 : 1996, Plastics−Determination of burning behaviour by oxygen index−Part 2 : 

Ambient-tempera-ture test 

ISO 8985 : 1989, Plastics−Ethylene/vinyl acetate copolymer (E/VAC) thermoplastics−Determination of vinyl 

acetate content 

IEC 93 : 1980, Methods of test for volume resistivity and surface resistivity of solid electrical insulating 

materials 

IEC 243-1 : 1988, Methods of test for electric strength of solid insulating materials−Part 1 : Tests at power 

frequencies 

IEC 250 : 1969, Recommended methods for the determination of the permittivity and dielectric dissipation 

factor of electrical insulating materials at power,  audio and radio frequencies including metre 

wavelengths 

IEC 296 : 1982, Specification for unused mineral insulating oils for transformers and switchgear 

3. 試験片の作り方 試験片は圧縮成形で作る。試験片は常に同じ成形条件で,同じ操作手順で作る。 

材料は使用される直前まで,防湿容器に保存する。 

充てん材又は強化材の入った材料の水分率は,コンパウンドの全質量当たりの百分率で表すこととする。 

3.1 

成形前の材料の取扱い 成形前の,材料の前処理は通常必要はない。 

3.2 

圧縮成形 圧縮成形シートは,JIS K 7151に従って表1に規定する条件で作る。 

諸性質の測定に必要な試験片はISO 2818に従って圧縮成形シートから切削加工するか,又は打ち抜く。 

タイプ1の金型(平押し金型)を用いてもよいが,この場合,全圧をかけた状態で冷却を始める必要が

ある。これは平押し金型からはみ出した溶融物を圧縮することのないようにするためと,ひけを防ぐため

である。厚いシート (〜4mm) に対しては,タイプ2の金型(押込み金型)が適していることがこれまで

の結果から分かっている。予熱時間は,金型の種類とエネルギー源(蒸気,電気)に依存する。平押し金

型の場合,通常5分で十分であるが,押込み金型は容量が大きいので特に電熱を使用する場合は5分から

15分が必要であろう。 

4. 試験片の状態調節 試験片は,ISO 291に従って,23℃±2℃及び (50±5) %RHの条件で少なくとも

40時間状態調節しなければならない。 

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K 6924-2 : 1997 (ISO 4613-2 : 1995) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 試験片の圧縮成形条件 

材料 

(酢酸ビニル含有率) 

% 

成形温度 

℃ 

平均冷却速度 

℃/min 

成形品取出温度 

℃ 

全圧 

MPa 

加圧時間 

min 

予熱圧力 

MPa 

予熱時間 

min 

≦10 

155 

15 

≦40 

20 

5±1 

接触 

5〜15 

>10 

125 

15 

≦40 

10 

5±1 

接触 

5〜15 

5. 諸性質の求め方 諸性質の求め方及びデータの提示は,JIS K 7140に規定した規格,補足説明及び備

考に従う。すべての試験は,次の表に特に規定がなければ,23℃±2℃, (50±5) %RHの標準状態下で行

う。 

表2には,JIS K 7140に規定したものの中から成形及び押出用E/VAC材料に適切な性質を記載した。こ

れらの性質は,他の熱可塑性プラスチックのデータと比較するのに有用である。 

表3には,表2に記載していない性質で,成形用及び押出用E/VAC材料を特徴づけるのに重要な性質又

は一般に広く用いられている性質を記載する。 

表2 一般的性質及びその試験条件(JIS K 7140から抜粋) 

性質 

単位 

規格 

試験片のタイプ 

及び寸法 

mm 

試験片

の 

作り方 

試験条件及び 
補足説明 

レオロジー的性質 
メルトマスフローレイト 
(MFR) 

g/10min 

ISO 1133 

成形材料 

− 

JIS K 6924-1の条件参照 

メルトボリュームフローレイ
ト (MVR) 

cm3/10min 

機械的性質 
引張弾性率 

MPa 

JIS K 7161 
 (ISO 527-1) 
及び 
JIS K 7162 
 (ISO 527-2) 

JIS K 7139 
 (ISO 3167) 

試験速度1mm/min 

引張降伏応力 

試験速度50mm/min 

引張降伏ひずみ 

% 

引張破壊呼びひずみ 
引張破壊応力 

MPa 

試験速度5mm/min 
10%ひずみ応力が得られ 
なかった場合だけに適用 

引張破壊ひずみ 

% 

引張クリープ弾性率 

MPa 

ISO 899-1 

JIS K 7139 
 (ISO 3167) 

1時間 

ひずみ 

1 000時間 ≦0.5% 

曲げ弾性率 

MPa 

JIS K 7171 
 (ISO 178) 

80×10×4 

試験速度2mm/min 

シャルピー衝撃強さ 
(ノッチ付き) 

kJ/m2 

JIS K 7111 
 (ISO 179) 

80×10×4 
V−ノッチr=0.25 

方法1eA 
(エッジワイズ衝撃) 

引張衝撃強さ 
(ノッチ付き) 

kJ/m2 

JIS K 7160 
 (ISO 8256) 

80×10×4 
ダブルV−ノッチ 
r=1 

ノッチ付きシャルピー
試験で破壊しなかった
場合だけに適用する。 

熱的性質 
溶融温度 

℃ 

ISO 3146 

成形材料 

− 

C法(DSC又はDTA)
10℃/minを使用する。 

荷重たわみ温度 

℃ 

JIS K 7191-1 
 (ISO 75-1) 
JIS K 7191-2 
 (ISO 75-2) 

110×10×4 
エッジワイズ又は 
80×10×4 
フラットワイズ 

最大表面応力 
0.45MPa及び1.8MPa 

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K 6924-2 : 1997 (ISO 4613-2 : 1995) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

性質 

単位 

規格 

試験片のタイプ 

及び寸法 

mm 

試験片

の 

作り方 

試験条件及び 
補足説明 

線膨張係数 

℃-1 

TMA 

JIS K 7139 
(ISO 3167) 

− 

流れ方向に
平行 

23〜55℃の
温度範囲で
のセカント
値を記録 

流れ方向に
直角 

燃焼性 

mm/min 

ISO 1210 

125×13×3 

A法:試験片の 
 

水平燃焼速度 

着火性 

% 

ISO 4589 

80×10×4 

手順A−上面着火 

電気的性質 
比誘電率 

− 

IEC 250 

≧80×≧80×1 

周波数:100Hz及び
1MHz,電極のエッジの
影響を補償する。 

誘電正接 

体積抵抗率 

Ω・m 

IEC 93 

電圧100V 

表面抵抗率 

Ω 

耐電圧 

kV/mm 

IEC 243-1 

≧80×≧80×1 

25mm/75mmの同軸シリ
ンダー形の電極を使用
する。 

≧80×≧80×3 

IEC 296の変圧器油に浸
せきする。短時間試験法
(迅速昇圧法)を使用す
る。 

耐トラッキング性 

− 

JIS C 2134 
(IEC 112) 

≧15×≧15×4 

溶液Aを使用する。 

その他の性質 
吸水率 

% 

ISO 62 

50×50×3 
又はφ50×3 

23℃の水中に24時間浸
せきする。 

密度 

kg/m3 

ISO 1183 

− 

試験片から切り出した
試料は,仕様作成に不適
当である。 

Q : 圧縮成形 

表3 成形用及び押出用エチレン/酢酸ビニルに特に有用な追加の諸性質及び試験条件 

性質 

単位 

規格 

試験片のタイプ 

及び寸法 

mm 

試験片

の 

作り方 

試験条件及び 
補足説明 

粘度数 

ml/g 

ISO 1628-3 

成形材料 

− 

− 

酢酸ビニル含有率 

% 

ISO 8985 

成形材料 

− 

− 

K 6924-2 : 1997 (ISO 4613-2 : 1995) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(規定) エチレン・酢酸ビニル樹脂試験方法 

Testing methods for 

 ethylene/vinyl acetate copolymer materials 

まえがき この附属書は,国際規格を日本工業規格に導入するため,経過措置として添付するが,2001年

3月31日まで適用する。 

参考 この附属書は,従来の日本工業規格JIS K 6730 : 1995に一致している。 

1. 適用範囲 この附属書は,エチレン・酢酸ビニル樹脂(1)の試験方法について規定する。 

注(1) エチレン・酢酸ビニル樹脂とは,エチレンと酢酸ビニルを共重合した熱可塑性樹脂をいう。こ

の場合,適量の酸化防止剤や滑剤などを添加したものを含む。 

備考 この規格の引用規格を,附属書付表1に示す。 

2. 試験の一種類 試験の種類は,次のとおりとする。 

(1) 共重合した酢酸ビニル(以下,酢酸ビニル含量という。)の定量 

(2) メルトフローレート試験 

(3) ねじり剛性率試験 

(4) ビカット軟化点試験 

(5) 環球法軟化点試験 

3. 試験の般条件 ねじり剛性率試験及びビカット軟化点試験に使用する試験片の作製及び状態調節は,

次のとおりとする。 

(1) 試験片の作製 試料は,ペレット,ロール練りを行ったもの及び粉末のいずれの形態でもよい。試料

が溶融するのに十分な温度に加熱されたプレスに試料を入れた金型を挟み,成形した後,熱盤に冷却

水を通すか,又は金型を別の冷却用プレスに移して適当な圧力を加えて冷却した後,成形したシート

を取り出す。試験片は,シートから規定の形状・寸法になるように切り取るか,打ち抜くものとし,

ひび,割れ,気泡,ごみなどのないものとする。 

(2) 試験片の状態調節 試験片は,温度23±2℃,相対湿度 (50±5) %の状態で,16時間以上状態調節し

た後に試験を行う。 

(3) 試験結果の数値の丸め方 試験結果は,JIS Z 8401によって規定の数値のけた数に丸める。 

4. 試験方法 

4.1 

酢酸ビニル含量の定量 酢酸ビニル含量の定量は,次によって行う。 

(1) 試薬 

(a) 0.1mol/l水酸化カリウム−エチルアルコール溶液 JIS K 8574に規定する水酸化カリウムの特級7g

に蒸留水20mlを加えて溶解し,JIS K 8101に規定するエタノールを加えて1lとし,密栓して24時

間放置する。上澄み液を別の瓶に傾斜して移し,使用する。 

(b) キシレン JIS K 8271に規定するキシレンの1級を用いる。 

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K 6924-2 : 1997 (ISO 4613-2 : 1995) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(c) 0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液 JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムの特級で,JIS K 8001の

4.5(滴定用溶液)の(19.4)によって調製及び標定を行う。 

(d) 0.05mol/l硫酸 JIS K 8951に規定する硫酸の特級で調製する。 

(e) フェノールフタレイン溶液 JIS K 8001の4.4(指示薬)によって調節する。 

(2) 器具 

(a) 三角フラスコ JIS R 3503に規定する共通すり合わせ三角フラスコの呼び容量300mlのものを用い

る。 

(b) ピペット JIS R 3503に規定する全量ピペットの呼び容量が25ml及び30mlのものを用いる。 

(c) メスシリンダー JIS R 3503に規定するメスシリンダーの無栓形,呼び容量が50mlのものを用いる。 

(d) ビュレット JIS R 3505に規定するビュレットの呼び容量が50mlのもので最小目盛0.1mlのものを

用いる。 

(e) 化学はかり ひょう量100〜200gで感量1mgのものを用いる。 

(f) 加熱器 深さ約3cmの砂浴又は300ml用マントルヒーターを用いる。 

(g) 冷却器 JIS R 3503に規定する蛇管冷却器で呼び寸法500mmのものを用いる。 

(3) 操作 附属書表1に示すように試料を容量300mlの共通すり合わせ三角フラスコに正確に量り取り,

キシレンをメスシリンダーで約50ml加え,0.1mol/l水酸化カリウム−エチルアルコール溶液をピペッ

トで25ml加える。冷却器を付け,約200℃に保った加熱器で2時間還流し,試料を完全にけん化する。

この間砂浴の場合は,三角フラスコの液面が砂で十分に覆われるようにする。冷却後0.05mol/l硫酸

30mlをピペットで加え,密栓をして激しく振り混ぜる。過剰の硫酸を0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液

を用いて,指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加えてよく振り混ぜながら微紅色を呈するまで

滴定し,その液定量 (a ml) を記録する。別に空試験を行い,この試験に要した0.1mol/l水酸化ナトリ

ウム溶液の液定量 (b ml) を記録する。 

附属書表1 試料採取量 

酢酸ビニル含量

(質量%) 

試料採取量 

10未満 

約1 

10以上 20未満 

約0.5 

20以上 40未満 

約0.3 

40以上 

約0.2 

(4) 計算 酢酸ビニル含量は,次の式によって算出し,小数点以下1けたに丸める。 

100

)

(

008609

.0

×

S

f

b

a

A

ここに, A: 酢酸ビニル含量(質量%) 
 

a: 試料の滴定に要した0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液の滴定量 

(ml)  

b: 空試験の滴定に要した0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液の滴定量 

(ml)  

f: 0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液のファクター 

S: 試料の質量 (g)  

4.2 

メルトフローレート試験 メルトフローレート試験は,JIS K 7210によって行う。この場合は,試

験条件は,JIS K 7210の表1の条件4(試験温度190℃,試験荷重21.18Nとする。 

備考 メルトフローレートが100以上のものは条件1(試験温度125℃,試験荷重3.185N又は条件2

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K 6924-2 : 1997 (ISO 4613-2 : 1995) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(試験温度150℃,試験荷重21.18Nで測定し,条件を注記するか,又は条件4の値に換算する。

換算の方法は,当事者間で協議し定める。 

4.3 

ねじり剛性率試験 ねじり剛性率試験は,次によって行う。 

(1) 装置及び器具 

(a) ねじり剛性率測定機は,附属書図1に示すクラッシュベルグねじり剛性率測定機を用いる。 

(b) ダイヤルゲージは,JIS B 7503に規定する目量0.01mmのダイヤルゲージを用いる。その測定子の

加圧面は直径約5mmの円形とする。加圧荷重は,原則として9.8〜29.4kPaとする。 

(c) ストップウォッチ 

附属書図1 ねじり剛性率測定機 

(2) 試験片 試験片の形状・寸法は,附属書図2に示すものとする。試験片の数は一つの試料について少

なくとも3個を用意する。同一試験片内での厚さの最小と最大の差が0.1mm以上あるものは試験片と

してはならない。 

附属書図2 試験片の形状 

(3) 操作 

(a) 試験片の厚さを(1)の(b)に記載したダイヤルゲージで,少なくとも3か所を0.01mmの単位まで測定

し,その平均値を採用する。 

(b) 試験は試験片をジュワーフラスコ内の23±1℃に保った水又はエチルアルコール中に3分間以上浸

せきしてから行う。ただし,試験を行う場所の温度が23±1℃に保てる場合はこの限りでない。 

(c) 試験片のねじり角が50±10°になるようにあらかじめトルクを選定する。トルクの選定は,荷重を

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

変えることによって行う。 

(d) 試験片を試料クランプに取り付け,停止ピンを上げトルクを掛けると同時にストップウォッチを押

し,5秒後のトルクプーリーのねじり角を記録する。この場合,同じ試験片を繰り返し使用しては

ならない。 

(4) 計算 ねじり剛性率は,次の式によって算出し,3個の測定値の平均値を有効数字2けたに丸める。 

φ

)

496

.0

1(

135

3

b

b

L

T

G

ここに, 

G: ねじり剛性率 (N/cm2)  

T: トルク (N・cm)  

L: スパンの長さ (cm)  

b: 試験片の厚さ (cm)  

φ: ねじり角(度) 

4.4 

ビカット軟化点試験 ビカット軟化点試験は,JIS K 7206によって行う。この場合,試験片に加わ

る試験荷重は,9.807〜10.30Nとする。 

4.5 

環球法軟化点試験 環球法軟化点試験は,JIS K 2207の6.4[軟化点試験方法(環球法)]によって

行う。ただし,図6の(a)肩付き環に気泡,ごみなどを含まないように試料を溶融充てんして試験するもの

とする。 

備考 充てん方法の一例 10mmの厚さのシートなどから直径約20mmの円筒を切り取る。約150℃

に予熱した肩付き環をピンセットでつかみ,この試料に載せ,溶融させながら押し込み,はみ

出した試料をナイフで切り取る。150℃に保った加熱プレスで軽く圧縮して平滑にした後,室温

に放冷する。 

5. 報告 報告には,必要に応じて次の事項を記入する。 

(1) 試験した試料の名称,種類,製造業者名又はその略号,製造ロット番号 

(2) 試料の形態 

(3) 試験項目 

(4) 試験機の形式及び性能 

(5) 試験片の種類,形状及び寸法 

(6) 試験方法,操作方法,試験条件及び測定条件 

(7) 試験結果 

(8) 試験年月日及び試験場所 

(9) その他必要と思われる事項 

参考 引張試験 

(1) 試験の一般条件は,本体3.による。 

(2) 引張試験は,JIS K 7113(プラスチックの引張試験方法)によって行う。 

この場合試験片は,2号形試験片を用い,試験片厚さは,2.0±0.2mmとする。試験速度は,原則と

して速度I (500mm/min±10%) とする。 

また,試験中に生じたきずの所で破断したり,又は標線間の外側で破断したものは,その結果を捨

て,その数だけ再試験を行う。ただし,この試験片がかなり冷延伸されており,かつ,破断箇所が冷

延伸の進行している部分又は既に冷延伸された部分であれば,その結果を採用してもよい。 

10 

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附属書付表1 

JIS B 7503-1992 ダイヤルゲージ 

JIS K 2207-1990 石油アスファルト 

JIS K 7206-1991 熱可塑性プラスチックのビカット軟化温度試験方法 

JIS K 7210-1995 熱可塑性プラスチックの流れ試験方法 

JIS K 8001-1992 試薬試験方法通則 

JIS K 8101-1994 エタノール (99.5) (試薬) 

JIS K 8271-1996 キシレン(試薬) 

JIS K 8574-1994 水酸化カリウム(試薬) 

JIS K 8576-1994 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8951-1995 硫酸(試薬) 

JIS R 3503-1994 化学分析用ガラス器具 

JIS R 3505-1994 ガラス製体積計 

JIS Z 8401-1961 数値の丸め方 

関連規格 JIS K 7113 プラスチックの引張試験方法 

JIS Z 8203 国際単位系 (SI) 及びその使い方 

JIS K 6924-1, -2 (E/VAC) 原案作成委員会 構成表 

本委員会 

分科会 

氏名 

所属 

◎ 

植 村   勝 

工学院大学講師 

○ 

大 嶋 清 治 

工業技術院標準部 

○ 

増 田   優 

通商産業省基礎産業局 

○ 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

○ 

塚 野   隆 

財団法人高分子素材センター 

○ 

本 橋 健 司 

建設省建築研究所 

○ 

吉 川 高 雄 

財団法人鉄道総合技術研究所 

○ 

高 杉 和 徳 

株式会社東芝映像メディア事業本部 

○ 

狩 野 佐登視 

富士重工業株式会社スバル開発本部 

○ 

西 山   浩 

日本ポリエチレン製品工業連合会 

○ 

伊 藤 治 之 

日本ポリオレフィンフィルム工業組合 

○ 

鈴 木 照 彦 

東燃化学株式会社千鳥工場 

○ 

久 米 和 男 

出光石油化学株式会社樹脂研究所 

○ 

○ 

石 本 亮 治 

三井・デュポンポリケミカル株式会社テクニカルセンター 

○ 

横 山   昭 

三井石油化学工業株式会社環境保安品質保証部 

○ 

雨 宮 英 夫 

三井東圧化学株式会社樹脂事業本部 

○ 

○ 

瀬 沼 昭 高 

日本ユニカー株式会社樹脂技術研究所 

○ 

佐 籐 裕 之 

大日本インキ化学工業株式会社石油化学技術本部 

○ 

吉 田 孝 司 

東ソー株式会社四日市研究所 

○ 

岩 崎 良 治 

日本ポリオレフィン株式会社川崎研究所 

(事務局) 濱 島 俊 行 

日本プラスチック工業連盟 

◎は,委員長を示す。