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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 6913-1995 

熱硬化性樹脂積層棒 

Laminated thermosetting rods 

1. 適用範囲 この規格は,熱硬化性樹脂積層棒(以下,“積層棒”という。)について規定する。ここに

いう積層棒とは,紙又は布を主基材としてフェノール樹脂を結合剤とした丸棒並びにガラス布を主基材と

しエポキシ樹脂を結合剤とした丸棒とする。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS K 6911 熱硬化性プラスチック一般試験方法 

JIS K 7112 プラスチックの密度と比重の測定方法 

2. この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は従来単位によるものであって参考

として併記したものである。 

2. 種類,区分及び記号 積層棒の種類,区分及び記号は,表1のとおりとする。 

表1 積層棒の種類,区分及び記号 

種類 

区分 

記号 

紙基材フェノール樹脂 
積層棒 

耐電圧及び耐湿用 
電気及び機械用 

PB-PEV 

PB-PEM 

布基材フェノール樹脂 
積層棒 

太糸布基材:機械用 
細糸布基材:電気及び機械用 

PB-FCM 

PB-FLE 

ガラス布基材 
エポキシ樹脂積層棒 

長繊維ガラス布基材: 電気及び 

機械用 

EB-GEM 

備考 積層棒の区分の内容は,附属書のとおりとする。 

3. 品質 積層棒の品質は,7.によって試験を行い,表2に適合しなければならない。ただし,受渡当事

者間の協定によって試験の一部を除くことができる。 

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K 6913-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2 積層棒の品質 

試験項目 

単位 

処理(1) 

PB-PEV 

PB-PEM 

PB-FCM 

PB-FLE 

EB-GEM 

耐電圧(2) 

− 

C-90/20/65 表7の電位傾

度になる試験
電圧に1分間
耐えること。 

− 

− 

表7の電位傾度になる試験
電圧に1分間耐えること。 

絶縁抵抗(常態)(3) 

MΩ 

C-90/20/65 

103以上 

10以上 

− 

5×102以上 

104以上 

絶縁抵抗(4) 
(煮沸後) 

MΩ 

C-90/20/65 

+D-2/100 

10以上 

− 

− 

5以上 

− 

曲げ強さ(5) 

Mpa{kgf/mm2} 

93 {9.5} 

以上 

108 {11.0} 

以上 

108 {11.0} 

以上 

88 {9.0} 

以上 

245 {25.0} 

以上 

圧縮強さ(6) 

Mpa{kgf/mm2} 

137 {14.0} 

以上 

137 {14.0} 

以上 

147 {15.0} 

以上 

147 {15.0} 

以上 

− 

加熱後の外観(7) 

− 

表8の試験温度で著しい変化(8)のないこと 

耐アセトン性 

− 

著しい変化のないこと。 

− 

吸水率(9) 

E-24/50 

+D-24/23 

表3の規定による。 

比重 

− 

1.25以上 

1.30以上 

1.28以上 

1.26以上 

1.60以上 

注(1) (i) アルファベットは,試験片の処理を示す。 

A:受理のままの状態であり処理を行わない。 
C:恒温恒湿の空気中で処理を行う。 
D:恒温の水中で浸せき処理を行う。 
E:恒温の空気中で処理を行う。 

(ii) 最初の数字は,処理の時間を示す。 
(iii) 2番目の数字は,処理の温度を示す。 
(iv) 3番目の数字は,処理の相対湿度を示す。 
(ⅴ) アルファベットと数字は横線で離し,数字と数字は斜線で離す。 
(vi) 2種類以上の処理を行うときは+でつなぎ,その順序に行う。 

例 C-90/20/65+D-2/100 

20 ℃,65 %RHの恒温恒湿の空気中で90時間処理を行い,次に100 ℃の煮沸水中で2時間浸せき処

理を行う。 

(2) 直径10 mm未満及び直径26 mm以上の積層棒は,試験を行わない。 
(3) 直径26 mm以上の積層棒は,試験を行わない。 
(4) 直径15 mmを超える積層棒は,試験を行わない。 
(5) 直径26 mm以上の積層棒は,表2を適用しない。 
(6) 直径10 mm未満の積層棒は,試験を行わない。 
(7) 直径25 mmを超えるPB-PEV及びPB-PEM並びに直径40 mmを超えるPB-FCM及びPB-FLEは試験を行わな

い。 

(8) 著しい変化とは,変色以外の著しいゆがみ,ふくれ,ひび割れなどをいう。PB-PEV,PB-PEM及びEB-GEMに

あっては,表面だけで内部に及ばない毛状のき裂があっても差し支えない。 

(9) 直径6 mm未満の積層棒は,試験を行わない。 

表3 積層棒の吸水率 

吸水率(% 以下) 

処理 

E-241±1/50±2+D-24±1/23±0.5 

直径 mm 

12 

25 

25を超えるもの 

記号 

PB-PEV 

1.0 

0.75 

0.75 

0.75 

PB-PEM 

1.5 

1.0 

1.0 

1.3 

PB-FCM 

2.5 

2.0 

2.0 

1.5 

PB-FLE 

1.4 

1.1 

1.1 

1.1 

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K 6913-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

吸水率(% 以下) 

処理 

E-241±1/50±2+D-24±1/23±0.5 

直径 mm 

12 

25 

25を超えるもの 

記号 

EB-GEM 

0.6 

0.50 

0.50 

0.50 

備考 表3の直径の中間に位する直径の積層棒に対する吸水率は,より小さい直径の吸水率とす

る。 

4. 寸法及び寸法許容差 

4.1 

長さ及び長さ許容差 積層棒の長さ及び長さ許容差は,7.によって試験を行い,表4に適合しなけれ

ばならない。 

表4 積層棒の長さ及び長さ許容差 

単位 mm 

長さ(定尺寸法) 

長さ許容差 

450〜  550 

±15 

900〜1 250 

±25 

備考1. 定尺寸法とは,製造業者の指

定寸法をいう。 

2. 表4の長さに適合する積層棒

で,この規格による試験のた
め試験片を切り取ったもの
は,元の長さのものとみなす。 

4.2 

直径及び直径許容差 積層棒の直径及び直径許容差は,7.によって試験を行い,表5及び表6に適合

しなければならない。 

表5 積層棒の直径 

単位mm 

記号 

直径 

最小直径 

最大直径 

PB-PEV 

26 

PB-PEM 

26 

PB-FCM 

70 

PB-FLE 

70 

EB-GEM 

30 

備考 表5の最小直径及び最大直径の範囲内に

ある積層棒は,この規格の直径に該当する
ものとする。 

表6 積層棒の直径許容差 

単位mm 

直径許容差 

記号 

PB-PEV及びPEM 

PB-FCM及びFLE 

EB-GEM 

直径 

±0.20 

±0.20 

− 

±0.25 

±0.25 

− 

±0.25 

±0.25 

±0.25 

±0.25 

±0.25 

±0.25 

10 

±0.30 

±0.30 

±0.25 

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K 6913-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位mm 

直径許容差 

記号 

PB-PEV及びPEM 

PB-FCM及びFLE 

EB-GEM 

直径 

12 

±0.30 

±0.30 

±0.30 

13 

±0.30 

±0.30 

±0.30 

15 

±0.35 

±0.35 

±0.35 

18 

±0.35 

±0.35 

±0.35 

20 

±0.35 

±0.35 

±0.35 

22 

±0.40 

±0.40 

±0.40 

25 

±0.40 

±0.40 

±0.40 

26 

±0.40 

±0.40 

±0.40 

28 

− 

±0.50 

±0.50 

30 

− 

±0.50 

±0.50 

32 

− 

±0.50 

− 

35 

− 

+0.50 

− 

38 

− 

+0.60 

− 

40 

− 

+0.60 

− 

45 

− 

+0.65 

− 

50 

− 

+0.65 

− 

55 

− 

+0.70 

− 

60 

− 

+0.70 

− 

65 

− 

+0.70 

− 

70 

− 

+0.70 

− 

備考 表6の直径の中間に位する直径の積層棒の直径許容差は,より大きい直径許容差

による。 

5. 外観 表面が平滑で,膨れ,割れなどの欠点がなく,日時を経過しても甚だしいゆがみ,縮み,層わ

れなどが生じてはならない。ただし,実用上支障のないごみ,色むら,擦りきず,わずかな凹凸,しま模

様などがあっても差し支えない。 

また,直径25 mmを超える積層棒は,端面若しくは切断面に実用上支障のない割れ又はき裂があっても

差し支えない。 

6. 色 積層棒の色は,原則として自然色(10)とする。 

注(10) 自然色とは,自然のままの染色しない紙,布及び熱硬化性樹脂を用いて得られる色の範囲で,

フェノール樹脂積層棒の色は,一般に薄い黄褐色から薄い褐色又は赤褐色まで種々含まれる。 

ガラス布基材エポキシ樹脂積層棒の色は,薄い黄緑色から褐色まで種々含まれる。 

7. 試験方法 

7.1 

試料の採取方法 JIS K 6911の3.1(試料の採取方法)の(2)(積層品)による。ただし,外観,色及

び寸法の試験における試料の採取方法は,受渡当事者間の協定による。 

7.2 

試験片の作り方 JIS K 6911の3.2(試験片の作り方)の(3)(積層棒)による。 

7.3 

試験の一般条件 JIS K 6911の5.1(試験の一般条件)による。 

7.4 

寸法 

7.4.1 

長さ JIS K 6911の5.5.2(積層棒)(1)(長さ)による。 

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K 6913-1995  

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7.4.2 

直径 JIS K 6911の5.5.2(2)(直径)による。 

7.5 

耐電圧 JIS K 6911の5.9[耐電圧(積層棒)]による。ただし,試験電圧は,表7の電位傾度に試

験片の厚さ (m) を乗じた電圧とする。 

表7 積層棒の耐電圧試験における電位傾度 

記号 

PB-PEV 

PB-FLE 

EB-GEM 

電位傾度 (MV/m) 

7.6 

絶縁抵抗 JIS K 6911の5.12(絶縁抵抗)の5.12.3(積層棒)による。 

7.7 

曲げ強さ JIS K 6911の5.17(曲げ強さ及び曲げ弾性率)の5.17.3(積層棒)による。 

7.8 

圧縮強さ JIS K 6911の5.19(圧縮強さ)の5.19.3(積層棒)による。 

7.9 

加熱後の外観 JIS K 6911の5.23(加熱後の外観)の5.23.3(積層棒)による。ただし,試験温度は

表8のとおりとし,加熱後の外観変化を目視によって調べる。 

表8 積層棒の加熱後の外観における試験温度 

記号 

PB-PEV 

PB-PEM 

PB-FCM 

PB-FLE 

EB-GEM 

試験温度 (℃) 

130±2 

120±2 

140±2 

140±2  

160±2 

7.10 吸水率 JIS K 6911の5.26(吸水率)の5.26.3(積層棒)による。 

7.11 比重 JIS K 7112の6.1[A法(水中置換法による測定方法)]による。 

7.12 耐アセトン性 JIS K 6911の5.29(耐アセトン性)の5.29.3(積層棒)による。 

8. 包装及び表示 積層棒は,吸水及び損傷のおそれがないように包装し,その見やすい箇所に次の事項

を表示する。 

(1) 名称 

(2) 種類及び記号 

(3) 色 

(4) 正味重量又は数量 

(5) 寸法 

(6) 製造年月及び製造ロット又はそれらの略号 

(7) 製造業者又はその略号 

関連規格 JIS Z 8203 国際単位系 (SI) 及びその使い方 

K 6913-1995  

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附属書 

1. 紙基材フェノール樹脂積層棒 

(1) PB-PEV 耐電圧及び耐湿用で,耐電圧性及び耐湿性に優れている。機械加工性も良好である。 

(2) PB-PEM 電気及び機械用で,PB-PEVよりも電気的性能は劣るが,機械的性能は良好である。一般

に電気及び機械用として使用される。 

2. 布基材フェノール樹脂積層棒 

(1) PB-FCM 太糸布を基材とした機械用で,主として機械用に使用され,電気用には使用されない。 

(2) PB-FLE 細糸布を基材とした電気及び機械用で,PB-PEVより電気的性能及び耐湿性は劣るが,機械

的性能は優れている。600 V以下の低電圧における電気的用途に適する。 

3. ガラス布基材エポキシ樹脂積層棒 

(1) EB-GEM 長繊維ガラス布を基材とした電気及び機械用で,常温における機械的性能及び乾燥時・吸

湿時における高周波性能に優れている。 

高分子部会 熱硬化性樹脂積層品専門委員会 構成表(昭和49年4月1日改正のとき) 

氏名 

所属 

(委員会長) 

島 村 昭 治 

工業技術院機械技術研究所材料工学部 

赤 羽 信 久 

通商産業省基礎産業局 

菊 地 邦 雄 

工業技術院標準部 

大 出   譲 

財団法人日本プラスチック検査協会 

米 田 和 彦 

日本電信電話公社茨城電気通信研究所 

林   安 男 

日本国有鉄道鉄道技術研究所 

伊 沢 秀 治 

日本プラスチック工業連盟 

桜 井   清 

アルプス電気株式会社横浜工場 

宮 内 正 夫 

社団法人日本電機工業会技術部 

坂 田   寛 

松下電器産業株式会社プリント基板事業部 

藤 田 邦 夫 

沖電気工業株式会社電子通信事業部 

桐 山 可一郎 

沖電気工業株式会社開発本部加工技術研究所 

宮 澤 寿 郎 

株式会社日立製作所 

伊知地   泰 

日本電気株式会社磁気記憶装置本部 

佐々本   陽 

富士通株式会社電算機技術部 

村 井 真三次 

住友べークライト株式会社技術部 

近 江   巌 

三菱瓦斯化学株式会社東京工場 

親 泊 行 雄 

利昌工業株式会社尼崎工場 

金 田 栄 一 

東京芝浦電気株式会社化学材料事業部 

福 見   順 

合成樹脂工業協会 

磯 野 昌 雄 

日立化成工業株式会社 

(事務局) 

鎌 田 矩 夫 

工業技術院標準部繊維化学規格課 

石 川 哲之介 

工業技術院標準部繊維化学規格課 

(事務局) 

青 木 誠 治 

工業技術院標準部繊維化学規格課(昭和52年5月1日改正のとき) 

石 川 哲之介 

工業技術院標準部繊維化学規格課(昭和52年5月1日改正のとき) 

(事務局) 

小 林   勝 

工業技術院標準部繊維化学規格課(平成7年5月1日改正のとき) 

砂 川 輝 美 

工業技術院標準部繊維化学規格課(平成7年5月1日改正のとき)