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K 6848-4 : 1999  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。これによってJIS K 6848 : 1987は廃止され,この規格に置き換えられる。 

JIS K 6848は,一般名称を“接着剤−接着強さ試験方法”として,次の各部によって構成する。 

第1部:通則 

第2部:金属の表面調整のための指針 

第3部:プラスチックの表面調整のための指針 

第4部:金属,プラスチックを除く被着材の表面調整のための指針

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 6848-4 : 1999 

接着剤−接着強さ試験方法− 

第4部:金属,プラスチックを除く 

被着材の表面調整のための指針 

Adhesives−Testing methods of bonding strength of adhesives− 

Part 4 : Guidelines for the surface preparation of adherends excluded metals 

and plastics 

1. 適用範囲 この規格は,JIS K 6848-1に規定する被着材のうち,金属,プラスチックを除く被着材に

対する表面調整の手順を規定する。 

金属,プラスチックを除く被着材には,ゴムやビニルレザークロスなどの軟質材,木質材料,綿帆布な

どが含まれる。 

2. 引用規格 次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定を構成する。

これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS A 5905 繊維板 

JIS A 5908 パーティクルボード 

JIS K 1410 酸化亜鉛 

JIS K 3331 工業用硬化油・脂肪酸 

JIS K 6202 ゴム用有機加硫促進剤 

JIS K 6211 ゴム用老化防止剤 

JIS K 6222 ゴム用粉末硫黄 

JIS K 6772 ビニルレザークロス 

JIS R 6252 研磨紙 

3. 被着材及びその表面処理 被着材の種類とその表面処理法は,表1に示すとおりとする。 

警告 

ある種の薬品類の使用は危険である−使用前にそれらの製品安全データシート (MSDS) を参

照すること。 

 アルコール類とケトン類は引火性である−ケトン類は特に危険である。すべての濃度にかか

わらず麻酔性である。換気を適切に行い,蒸気密度を考慮して作業者が蒸気を吸引しないよう

にすること。 

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K 6848-4 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 被着材の種類とその表面処理 

被着材の種類 

材質 

表面処理 

ゴム 

表2に示す組成の加硫ゴム 

接着面をアセトンで湿らせた綿布で清浄にし,溶剤の臭気が表
面から消えるまで接着面を上にして乾燥する。次いで接着面を
JIS R 6252の80番の研磨紙で粗くし,面に残留した粒子は,
きれいな乾燥綿布でふき取る。さらにアセトンを用いて繰り返
しふく。 

木材 

含水率4〜15%に乾燥した容積密度500
〜800kg/m3のカバ(1)のまさ目材又は容
積密度450〜600kg/m3の南洋材単板 

接着面を平滑に仕上げる。 

木質材料 

JAS製材,JAS普通合板,JAS構造用
合板,JIS A 5905及びJIS A 5908に規定
するものなど。 

綿帆布 

原則として行わない。 

ビニルレザー
クロス 

JIS K 6772に規定する2種のビニルレ
ザークロス 

原則として行わないが,ビニル面を接着するときは,メタノー
ル又は工業用アルコールで清浄にする。可塑剤の移行を防止す
るため,プライマーを使用する場合は,その種類を明示する。 

注(1) カバの代わりに他の樹種を用いてもよいが,その場合はその旨を結果に記載する。 

表2 加硫ゴムの組成 

(A)スチレンブタジエンゴム 

配合物 

質量比 

備考 

スチレンブタジエンゴム 

100.0 スチレン量:23.5% ムーニー粘度:52±5 

硫黄 

2.0 JIS K 6222に規定するもの。 

酸化亜鉛 

5.0 JIS K 1410に規定するもの。 

ステアリン酸 

1.5 JIS K 3331に規定するもの。 

ジベンゾチアゾールジサルファイド 

3.0 JIS K 6202のMBTSに規定するもの。 

フェニル−1−ナフチルアミン 

2.0 JIS K 6211のPANに規定するもの。 

HAFカーボンブラック 

50.0  

備考 加硫条件:160℃±1.5℃,10〜20min.  
(B)EPDM 

配合物 

質量比 

備考 

EPDM(2) 

100.0  

硫黄 

1.5 JIS K 6220に規定するもの。 

酸化亜鉛 

5.0 JIS K 1410に規定するもの。 

ステアリン酸 

1.0 JIS K 3331に規定するもの。 

HAFカーボンブラック 

80.0  

プロセスオイル 

50.0  

テトラメチルチウラムジサルファイド 

1.0 JIS K 6202のTMTDに規定するもの。 

2−メルカプトベンゾチアゾール 

1.0 JIS K 6202のMBTに規定するもの。 

備考 加硫条件:160℃±1.5℃,10〜15min.  
注(2) EPDMとは,エチレン・プロピレン・ジエンモノマーの略である。 

プロピレン含量:10〜70mol% 

関連規格:日本農林規格 JAS製材,JAS普通合板,JAS構造用合板 

K 6848-4 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

小 野 昌 孝 

実践女子大学 

(委員) 

西 出   徹 

通商産業省基礎産業局 

八 田   勲 

工業技術院標準部 

長 沢 長八郎 

工業技術院物質工学工業技術研究所 

石 垣 康 三 

財団法人日本規格協会 

滝 沢   稔 

日本接着学会 

元 起   巌 

富士電材株式会社総合研究所 

尾 形 知 秀 

ヤマハ株式会社 

芦 田   正 

日産自動車株式会社 

池 田   修 

日立化成ポリマー株式会社 

石 田   茂 

横浜ゴム株式会社 

立 花 光 男 

コニシ株式会社 

永 田 宏 二 

日本接着剤工業会 

(事務局) 

吉 木   健 

日本プラスチック工業連盟 

解説執筆者 小野 昌孝