K 6848-1 : 1999
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。これによってJIS K 6848 : 1987は廃止され,この規格に置き換えられる。
JIS K 6848は,一般名称を“接着剤−接着強さ試験方法”として,次の各部によって構成する。
第1部:通則
第2部:金属の表面調整のための指針
第3部:プラスチックの表面調整のための指針
第4部:金属,プラスチックを除く被着材の表面調整のための指針
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 6848-1 : 1999
接着剤−接着強さ試験方法
−第1部:通則
Adhesives−Testing methods of bonding strength of adhesives−
Part 1 : General principles
1. 適用範囲 この規格は,接着剤の接着強さ試験方法の一般的な事項について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定を構成する。
これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS K 6833 接着剤の一般試験方法
JIS K 6849 接着剤の引張接着強さ試験方法
JIS K 6850 接着剤の引張せん断接着強さ試験方法
JIS K 6851 接着剤の木材引張せん断接着強さ試験方法
JIS K 6852 接着剤の圧縮せん断接着強さ試験方法
JIS K 6853 接着剤の割裂接着強さ試験方法
JIS K 6854 接着剤のはく離接着強さ試験方法
JIS K 6855 接着剤の衝撃接着強さ試験方法
JIS K 6856 接着剤の曲げ接着強さ試験方法
JIS K 6859 接着剤のクリープ破壊試験方法
JIS K 6864 接着剤−構造用接着剤の引張せん断疲れ特性試験方法
備考 ISO 9664 : 1992 Adhesives−Test methods for fatigue properties of structural adhesives in tensile
shearが,この規格と一致している。
JIS K 6865 接着剤−高強度接着接合の衝撃条件下における動的割裂抵抗性試験方法−くさび衝撃法
備考 ISO 11343 : 1993 Adhesives−Determination of dynamic resistance to cleavage of high strength
adhesive bonds under impact conditions−Wedge impact methodが,この規格と一致している。
JIS K 6866 接着剤−主要破壊様式の名称
備考 ISO 10365 : 1992 Adhesives−Designation of main failure pattemsが,この規格と一致している。
JIS K 6867 接着剤−構造接着接合品の耐久性試験方法−くさび破壊法
備考 ISO 10354 : 1992 Adhesives−Characterization of durability of structural-adhesive−bonded
assemblies−Wedge rupture testが,この規格と一致している。
JIS K 6868-1 接着剤−構造接着のせん断挙動の測定−第1部:突合せ接合中空円筒ねじり試験方法
備考 ISO 11003-1 : 1993 Adhesives−Determination of shear behaviour of structural bonds−Part1 :
Tortion test method using butt-bonded hollow cylindersが,この規格と一致している。
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K 6848-1 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS K 6868-2 接着剤−構造接着のせん断挙動の測定−第2部:厚肉被着材を用いた引張試験方法
備考 ISO 11003-2 : 1993 Adhesives−Determination of shear behaviour of structural bonds−Part2 :
Thick-adherend tensile-test methodが,この規格と一致している。
JIS K 7100 プラスチックの状態調節及び試験場所の標準状態
備考 ISO 291 : 1997 Plastics−Standard atmospheres for conditioning and testingが,この規格を採用
している。
JIS Z 8401 数値の丸め方
3. 試験項目 接着剤の接着強さ試験項目及び被着材の種類に対する試験方法は,表1のとおりとする。
4. 試験の一般条件
4.1
試験室の状態 試験室の温湿度は,JIS K 7100の標準温度状態2級及び標準湿度状態2級[温度23
±2℃及び相対湿度 (50±5) %]とする。
なお,特別な事情があるときは,標準温度状態3級及び標準湿度状態3級[温度23±5℃及び相対湿度
)
50
(
2010
+−
%]とする。この場合,試験成績には試験室の温湿度を記録しなければならない。
4.2
接着剤の状態調節 接着剤は,原則として製造後12時間以上経過したものであって,試験前1時間
以上4.1の試験室の状態に置かなければならない。
4.3
試験値の丸め方 試験値は,各試験項目に規定された数値より1けた下まで求め,JIS Z 8401によ
って丸める。
5. 接着剤の採り方及び取扱い方 JIS K 6833の5.(試料の採取方法及び取扱方法)による。
6. 被着材及びその表面処理 被着材の種類とその表面処理方法は,この規格の第2部,第3部及び第4
部による。
7. 接着強さ試験片の作製 各接着強さ試験方法に規定する。
8. 接着強さ測定用試験機 各接着強さ試験方法に規定する。
9. 各試験項目の測定方法 各試験項目の測定方法は,表1に示す各接着強さ試験方法の規定による。
10. 接着強さ測定結果の報告 接着強さの測定結果の報告は,表1に示す各接着強さ試験方法の規定によ
る。ただし,破壊の状態は,各接着強さ試験方法の規定によらず,JIS K 6866の規定によるものとする。
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K 6848-1 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1 接着強さ試験項目及び被着材の試験方法
試験項目
試験方法
被着材の種類
金
属
金
属
・
薄
板
プ
ラ
ス
チ
ッ
ク
シ
ー
ト
・
フ
ィ
ル
ム
プ
ラ
ス
チ
ッ
ク
F
R
P
な
ど
強
化
プ
ラ
ス
チ
ッ
ク
ゴ
ム
ゴ
ム
シ
ー
ト
木
材
・
木
質
材
料
綿
帆
布
ビ
ニ
ル
レ
ザ
ー
ク
ロ
ス
引張接着強さ
JIS K 6849(接着剤の引張接着強さ試験方法)
○
○
○
○
引張せん断接
着強さ
JIS K 6850(接着剤の引張せん断接着強さ試験方
法)
○
○
○
JIS K 6851(接着剤の木材引張せん断接着強さ試験
方法)
○
JIS K 6868-2(接着剤−構造接着のせん断挙動の測
定−第2部:厚肉被着材を用いた引張試験方法)
○
圧縮せん断接
着強さ
JIS K 6852(接着剤の圧縮せん断接着強さ試験方
法)
○
○
○
○
割裂接着強さ
JIS K 6853(接着剤の割裂接着強さ試験方法)
○
○
○
○
はく離接着強
さ
JIS K 6854-1(接着剤−はく離接着強さ試験方法−
第1部:90度はく離)
○ ○
JIS K 6854-2(接着剤−はく離接着強さ試験方法−
第2部:180度はく離)
○ ○ ○
○
○
○ ○ ○ ○
JIS K 6854-3(接着剤−はく離接着強さ試験方法−
第3部:T形はく離)
○
○
○
○ ○
JIS K 6854-4(接着剤−はく離接着強さ試験方法−
第4部:浮動ローラー法)
○ ○
衝撃接着強さ
JIS K 6855(接着剤の衝撃接着強さ試験方法)
○
○
○
○
JIS K 6865(接着剤−高強度接着接合の衝撃条件下
における動的割裂抵抗性試験方法−くさび衝撃法)
○ ○
曲げ接着強さ
JIS K 6856(接着剤の曲げ接着強さ試験方法)
○
○
○
○
クリープ破壊
接着強さ
JIS K 6859(接着剤のクリープ破壊試験方法)
○
○
○
○
くさび破壊接
着強さ
JIS K 6867(接着剤−構造接着接合品の耐久性試験
方法−くさび破壊法)
○
○
ねじり接着強
さ
JIS K 6868-1(接着剤−構造接着のせん断挙動の測
定−第1部:突合せ接合中空円筒ねじり試験方法)
○
疲れ接着強さ
JIS K 6864(接着剤−構造用接着剤の引張せん断疲
れ特性試験方法)
○
備考 表1中の○印は,適用試験項目を示す。
なお,被着材の異種の組合せ及び表1以外の被着材との組合せの接着強さ試験は,表1に準じて行うものと
する。
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K 6848-1 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
小 野 昌 孝
実践女子大学
(委員)
西 出 徹
通商産業省基礎産業局
八 田 勲
工業技術院標準部
長 沢 長八郎
工業技術院物質工学工業技術研究所
石 垣 康 三
財団法人日本規格協会
滝 沢 稔
日本接着学会
元 起 巌
富士電材株式会社総合研究所
尾 形 知 秀
ヤマハ株式会社
芦 田 正
日産自動車株式会社
池 田 修
日立化成ポリマー株式会社
石 田 茂
横浜ゴム株式会社
立 花 光 男
コニシ株式会社
永 田 宏 二
日本接着剤工業会
(事務局)
吉 木 健
日本プラスチック工業連盟
解説執筆者 小野 昌孝