K 6833-3:2014
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 3
4 試験片···························································································································· 3
5 試験条件························································································································· 3
6 試験方法························································································································· 3
6.1 基本性能 ······················································································································ 3
6.2 環境耐久性 ··················································································································· 4
6.3 応力解析 ······················································································································ 5
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 6
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,特定非営利活動法人接着剤・接着評価技術研
究会(ECAA),日本プラスチック工業連盟(JPIF)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標
準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業
大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS K 6833の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS K 6833-1 第1部:基本特性の求め方
JIS K 6833-2 第2部:サンプリング
JIS K 6833-3 第3部:構造用接着剤の基本性能一覧とその使用規格
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日本工業規格 JIS
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接着剤−一般試験方法−
第3部:構造用接着剤の基本性能一覧と
その使用規格
Adhesives-General testing methods-
Part 3: A list of basic properties and the standards of the testing methods of
structural adhesives
序文
この規格は,2007年に第1版として発行されたISO 17194を基とし,技術的内容を変更して作成した日
本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,各種用途における構造用接着剤の選択並びに使用に必要な基本性能及び推奨試験方法を規
定する。
注記1 この規格の試験方法及び試験条件は,記録値の履歴管理を容易にするために用いられる。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 17194:2007,Structural adhesives−A standard database of properties(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 2110-1 固体電気絶縁材料−絶縁破壊の強さの試験方法−第1部:商用周波数交流電圧印加によ
る試験
注記 対応国際規格:IEC 60243-1,Electrical strength of insulating materials−Test methods−Part 1: Tests
at power frequencies(MOD)
JIS K 6258 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−耐液性の求め方
注記 対応国際規格:ISO 1817,Rubber, vulcanized−Determination of the effect of liquids(MOD)
JIS K 6850 接着剤−剛性被着材の引張せん断接着強さ試験方法
注記 対応国際規格:ISO 4587,Adhesives−Determination of tensile lap-shear strength of rigid-to-rigid
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bonded assemblies(MOD)
JIS K 6854-4 接着剤−はく離接着強さ試験方法−第4部:浮動ローラ法
注記 対応国際規格:ISO 4578,Adhesives−Determination of peel resistance of high-strength adhesive
bonds−Floating-roller method(IDT)
JIS K 6865 接着剤−高強度接着接合の衝撃条件下における動的割裂抵抗性試験方法−くさび衝撃法
注記 対応国際規格:ISO 11343,Adhesives−Determination of dynamic resistance to cleavage of
high-strength adhesive bonds under impact conditions−Wedge impact method(IDT)
JIS K 6870 接着剤−多成分接着剤のポットライフ(可使時間)の求め方
注記 対応国際規格:ISO 10364,Structural adhesives−Determination of the pot life (working life) of
multi-component adhesives(MOD)
JIS K 6877 接着剤−接着接合部を試験するための標準老化条件選定指針
注記 対応国際規格:ISO 9142,Adhesives−Guide to the selection of standard laboratory ageing
conditions for testing bonded joints(MOD)
JIS K 6878-1 接着剤−バルク試験片の作り方−第1部:二液形接着剤
注記 対応国際規格:ISO 15166-1,Adhesives−Methods of preparing bulk specimens−Part 1: Two-part
systems(MOD)
JIS K 6878-2 接着剤−バルク試験片の作り方−第2部:高温硬化一液形接着剤
注記 対応国際規格:ISO 15166-2,Adhesives−Methods of preparing bulk specimens−Part 2:
Elevated-temperature-curing one-part systems(MOD)
JIS K 6900 プラスチック−用語
JIS K 7112 プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法
注記 対応国際規格:ISO 1183 (all parts),Plastics−Methods for determining the density of non-cellular
plastics(MOD)
JIS K 7117-1 プラスチック−液状,乳濁状又は分散状の樹脂−ブルックフィールド形回転粘度計によ
る見掛け粘度の測定方法
注記 対応国際規格:ISO 2555,Plastics−Resins in the liquid state or as emulsions or dispersions−
Determination of apparent viscosity by the Brookfield Test method(MOD)
JIS K 7117-2 プラスチック−液状,乳濁状又は分散状の樹脂−回転粘度計による定せん断速度での粘
度の測定方法
注記 対応国際規格:ISO 3219,Plastics−Polymers/resins in the liquid state or as emulsions or dispersions
−Determination of viscosity using a rotational viscometer with defined shear rate(MOD)
JIS K 7161-1 プラスチック−引張特性の求め方−第1部:通則
注記 対応国際規格:ISO 527-1,Plastics−Determination of tensile properties−Part 1: General principles
(IDT)
JIS K 7161-2 プラスチック−引張特性の求め方−第2部:型成形,押出成形及び注型プラスチック
の試験条件
注記 対応国際規格:ISO 527-2,Plastics−Determination of tensile properties−Part 2: Test conditions for
moulding and extrusion plastics(IDT)
JIS K 7209 プラスチック−吸水率の求め方
注記 対応国際規格:ISO 62,Plastics−Determination of water absorption(IDT)
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JIS K 7215 プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法
注記 対応国際規格:ISO 868,Plastics and ebonite−Determination of indentation hardness by means of
a durometer (Shore hardness)(MOD)
JIS K 7244-4 プラスチック−動的機械特性の試験方法−第4部:引張振動−非共振法
注記 対応国際規格:ISO 6721-4,Plastics−Determination of dynamic mechanical properties−Part 4:
Tensile vibration−Non-resonance method(IDT)
JIS K 7244-5 プラスチック−動的機械特性の試験方法−第5部:曲げ振動−非共振法
注記 対応国際規格:ISO 6721-5,Plastics−Determination of dynamic mechanical properties−Part 5:
Flexural vibration−Non-resonance method(IDT)
ISO 2577,Plastics−Thermosetting moulding materials−Determination of shrinkage
ISO 11357-2,Plastics−Differential scanning calorimetry (DSC)−Part 2: Determination of glass transition
temperature
ISO 11359-2,Plastics−Thermomechanical analysis (TMA)−Part 2: Determination of coefficient of linear
thermal expansion and glass transition temperature
ISO 17212,Structural adhesives−Guidelines for the surface preparation of metals and plastics prior to
adhesive bonding
IEC 60093,Methods of test for volume resistivity and surface resistivity of solid electrical insulating materials
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 6900による。
4
試験片
試験片は,表1〜表3に示した基本性能を測定するための規格に規定したものとする。それ以外の試験
片を用いた場合は,用いた試験片を測定データとともに記録する。表1〜表3に示した規格に規定のない
試験片の作製方法は,接着試験片の表面調整については,ISO 17212に規定するものとし,バルク試験片
の作製については,JIS K 6878-1又はJIS K 6878-2に規定したものとする。接着剤の性能は,一般に雰囲
気に依存するため,試験片は,試験前は,(23±2) ℃で(50±10) %RHの雰囲気に保管し,試験片の質量が
保管期間中に変化ゼロ又は平衡含水率に達するよう十分な時間を取る。
5
試験条件
表1〜表3で個別性能ごとに規定した試験条件を用いる。それ以外の試験条件を用いた場合は,その条
件を結果とともに記録する。
6
試験方法
6.1
基本性能
基本性能のデータを取得するための試験方法を表1に示す。測定温度は,(23±2) ℃とする。それ以外
の温度で得た測定値に対しては,結果とともに温度を記録する。
試験片調製に用いた硬化温度,硬化時間,後(あと)硬化温度及び後(あと)硬化時間を記録する。ま
た,試験前に乾燥又は50 %RHに保管したかを記録する。
4
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表1−23 ℃における基本性能
性能
単位
試験方法
付加条件
引張弾性率
GPa
JIS K 7161-1及び
JIS K 7161-2
引張破壊応力
MPa
引張破壊ひずみa)
%
引張降伏応力
MPa
引張降伏ひずみ
%
引張せん断接着強さ
MPa
JIS K 6850
接着層の厚さを記録する。
被着材及び表面調整法を記録する。
剝離接着強さ
MPa
JIS K 6854-4
被着材及び表面調整法を記録する。
衝撃抵抗b)
kN/m
JIS K 6865
対称くさびを使用する。
硬さ
−
JIS K 7215
デュロメータタイプA又はD
3秒保持
ガラス転移温度(Tg)
℃
ISO 11357-2
DSC
動的弾性率の温度依存性
(引張振動の場合)
(曲げ振動の場合)
GPa
JIS K 7244-4
JIS K 7244-5
−40 ℃からTg以上まで
熱膨張率
K−1
ISO 11359-2
23 ℃及びTg以上の数値を記録する。
TMA
使用温度範囲c)
℃
粘度
Pa・s
JIS K 7117-1又は
JIS K 7117-2
接着剤がチキソトロピック性を示す場合,せ
ん断ひずみ速度及び時間を記録する。
ポットライフ(可使時間)
分
JIS K 6870
硬化中の体積変化率
%
ISO 2577
密度
kg/m3
JIS K 7112
吸水率
%
JIS K 7209
(23±2) ℃における飽和値を記録する。
体積抵抗率
Ωm
IEC 60093
絶縁破壊強さ
kV/mm
JIS C 2110-1
接着層の厚さ0.5 mmの試験片を使用する。
注記参照
注a) 延性材料の破壊ひずみは,降伏後に求める。そのため呼びひずみの測定が必要である。呼びひずみは,伸
び計値の代わりにつかみ移動距離から求める。
b) 接着剤のじん(靭)性については,延性からぜい(脆)性に変化する温度に関係する。この変化する温度
は,いろいろな温度でのJIS K 6865の割裂試験を用いたじん(靭)性の測定から求めることができる。ま
た,この温度は,いろいろな温度でのバルク試験片についての破壊ひずみ(JIS K 7161-2)からも求めるこ
とができる。
c) 使用温度範囲は,最高及び最低使用温度を決めるのに使用する判定基準によって求める。一般に上限温度
はガラス転移温度Tgによって,下限温度は延性からぜい(脆)性に変化する温度によって決める。下限温
度は,温度及びじん(靭)性又は延性の測定から求める[注b) 参照]。
注記 絶縁破壊強さの測定値は,接着層の厚さに極めて依存する。
6.2
環境耐久性
表2の試験方法及び試験条件を用いて測定したデータは,各種環境に暴露した接着剤の引張せん断接着
強さに及ぼす影響を示す。表2に規定した試験及び暴露温度についての公差は,23 ℃の場合は±2 ℃,
それ以外は±3 ℃である。せん断強さの温度依存性について老化の影響を個別に示すものである。次の環
境暴露試験では試験片を表示した環境a)〜k)に30日間暴露させた後,(23±2) ℃で試験する。試験片の状
態調節の手順についてはJIS K 6877による。表2に示す薬品のうち,薬品により接着剤特性を低下させる
特定の接着剤には,実験値の代わりにNR(not recommended 不適)の文字を記録する。
試験片調製に用いた硬化温度,硬化時間,後(あと)硬化時間を記録する。
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被着材の種類及びその表面処理方法を記録する(ISO 17212参照)。
表2−環境耐久性データ
性能
試験温度
試験前の老化条件
引張せん断接着
強さ(JIS K 6850)
−40 ℃,23 ℃
及び70 ℃
暴露前(接着剤の使用範囲を実証するために選んだ追加温度を含む。)
23 ℃
次の環境に30日間暴露する。
a) 70 ℃,周囲湿度
b) 70 ℃,90 %RH
c) 水,23 ℃
d) 水,90 ℃
e) イソプロピルアルコール,23 ℃
f) 10 %酢酸,23 ℃
g) 35 %水酸化ナトリウム水溶液,23 ℃
h) 標準燃料(JIS K 6258),23 ℃
i)
モーターオイル(JIS K 6258),23 ℃
j) エチレングリコール50 %水溶液(容積比),23 ℃
k) その他の薬品及び/又は温度条件を適用した場合は,その詳細を報告
6.3
応力解析
応力解析のためには,表3に示した性能を求める。
なお,23 ℃以外の応力解析には,その温度で性能を求めるとよい。
表3−応力解析に必要な諸性能
性能
単位
試験方法
温度℃
引張弾性率a)
GPa
JIS K 7161-2
(23±2)
任意
ポアソン比a)
JIS K 7161-2
(23±2)
任意
応力−ひずみ線図b)
MPa
JIS K 7161-2
(23±2)
任意
注a) 応力解析のための弾性挙動を示すためには,引張弾性率及びポアソン比が必要である。これらは,バ
ルク試験片の試験から容易に得ることができる。バルク試験片が利用できなければ,せん弾弾性率の
数値を厚肉被着材せん断試験(JIS K 6868-2)から得ることができる。また,引張弾性率に対する数値
を計算するためにポアソン比の推定値を用いることができる。
b) 応力−ひずみ線図は,塑性変形及び流れを考慮した応力解析では,接着剤の非線形挙動を特徴づける
ために必要となる。応力−ひずみ線図は,弾性率測定と同様に,バルク試験片を用いた引張特性の求
め方で得られる。バルク試験片が入手できない場合には,せん断応力−せん断ひずみ線図は,厚肉被
着材せん断試験(JIS K 6868-2)を使用して,継手試験片に基づいて決定することができる。
参考文献 JIS K 6868-2 接着剤−構造接着のせん断挙動の測定−第2部:厚肉被着材を用いた引張試験
方法
6
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS K 6833-3:2014 接着剤−一般試験方法−第3部:構造用接着剤の基本性能一覧と
その使用規格
ISO 17194:2007 Structural adhesives−A standard database of properties
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 用語及
び定義
JIS K 6900
−
−
追加
用語及び定義の箇条を追加
し,JIS K 6900によるとし
た。
技術的差異はない。
−
−
4
原理を規定
削除
他箇所でも規定されており,
重複となるため削除し,箇条
4を試験方法とした。
技術的差異はない。
表1 23 ℃
における
基本性能
−
6.1
L1,L2の記録事項を規定 削除
前箇条で規定されており,重
複となるため削除した。
技術的差異はない。
表1内
L9,11
−
6.1
ISO 17212の記載
削除
箇条4で規定されており,重
複となるため削除した。
技術的差異はない。
表1
注記2
−
6.1
用語の定義
削除
他箇所でも記載あり,重複と
なるため削除した。
技術的差異はない。
−
−
7
精度に関し,関連規格の
参考
削除
他箇所でも規定されており,
関連規格なしのため削除し
た。
技術的差異はない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 17194:2007,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
2
K
6
8
3
3
-3
:
2
0
1
4