K 6807:2012
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 試験の一般条件 ················································································································ 2
5 試料の採取方法及び取扱方法 ······························································································ 2
6 試験方法························································································································· 2
6.1 外観 ···························································································································· 2
6.2 不揮発分 ······················································································································ 2
6.3 保存性 ························································································································· 3
6.4 水混和性 ······················································································································ 3
6.5 pH ······························································································································ 5
6.6 遊離ホルムアルデヒド ···································································································· 5
6.7 粘度 ···························································································································· 7
6.8 ゲル化時間 ··················································································································· 7
6.9 密度 ···························································································································· 9
7 報告······························································································································· 9
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,合成樹脂工業協会
(JTPIA),日本プラスチック工業連盟(JPIF)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原
案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣
が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 6807:1999は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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木材用ホルムアルデヒド系樹脂接着剤の
一般試験方法
General testing methods of formaldehyde resin adhesives for wood
序文
この規格は,1999年に制定され,その後,改正することなく今日に至っている。今回,ホルムアルデヒ
ド放散量低減要求等に基づくホルムアルデヒド系樹脂接着剤組成の多様化,使用条件の多様化,機器の普
及及び技術的進歩に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていないが,水混和性の試験方法(6.4 A法)については,1995
年に発行されたISO 8989を参考にした。
1
適用範囲
この規格は,合板,集成材,単板積層材,パーティクルボード,繊維板などに用いる木材用ホルムアル
デヒド系樹脂接着剤の試験方法について規定する。
注記 通常,木材用ホルムアルデヒド系樹脂接着剤は,液状である。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7410 石油類試験用ガラス製温度計
JIS B 7411 一般用ガラス製棒状温度計
JIS H 4160 アルミニウム及びアルミニウム合金はく
JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水
JIS K 2249-2 原油及び石油製品−密度の求め方−第2部:浮ひょう法
JIS K 6800 接着剤・接着用語
JIS K 6833-1 接着剤−一般試験方法−第1部:基本特性の求め方
JIS K 6833-2 接着剤−一般試験方法−第2部:サンプリング
JIS K 6900 プラスチック−用語
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8116 塩化アンモニウム(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8201 塩酸ヒドロキシルアンモニウム(試薬)
JIS K 8461 1,4-ジオキサン(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
2
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JIS K 8839 2-プロパノール(試薬)
JIS K 8891 メタノール(試薬)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS R 3505 ガラス製体積計
ISO 654,Short solid-stem thermometers for precision use
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 6800及びJIS K 6900によるほか,次による。
3.1
木材用ホルムアルデヒド系樹脂接着剤
3.2〜3.5のいずれかに該当する接着剤。
3.2
木材用ユリア樹脂接着剤
尿素とホルムアルデヒドとを主剤として製造した合成樹脂を主成分とする液状の接着剤。尿素の一部を
メラミン,フェノールなどで置き換えて共縮合した接着剤を含む。
3.3
木材用メラミン樹脂接着剤
メラミンとホルムアルデヒドとを主剤として製造した合成樹脂を主成分とする液状の接着剤。メラミン
の一部を尿素,フェノールなどで置き換えて共縮合した接着剤を含む。
3.4
木材用フェノール樹脂接着剤
フェノールとホルムアルデヒドとを主剤として製造した合成樹脂を主成分とする液状の接着剤。フェノ
ールの一部をメラミン,レゾルシノールなどで置き換えて共縮合した接着剤を含む。
3.5
木材用レゾルシノール樹脂接着剤
レゾルシノールとホルムアルデヒドとを主剤として製造した合成樹脂を主成分とする液状の接着剤。レ
ゾルシノールの一部をフェノールなどで置き換えて共縮合した接着剤を含む。
4
試験の一般条件
試験の一般条件は,JIS K 6833-1の4.2(試験の共通条件)による。
5
試料の採取方法及び取扱方法
試料の採取方法及び取扱方法は,JIS K 6833-2の箇条8(サンプリング方法),箇条9(試料のラベリン
グ及び密封),箇条10(サンプリング報告書)及び箇条11(試料の貯蔵及び使用)による。
6
試験方法
6.1
外観
外観は,試料を清浄な板ガラス上にガラス棒などで均一に薄く広げ,直ちに粗粒子,砂,ごみ,さび(錆)
など接着に支障となる異物の有無を目視で確認し,異物の有無を報告する。
6.2
不揮発分
3
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不揮発分は,JIS K 6833-1の5.5(不揮発分)による。
なお,木材用レゾルシノール樹脂接着剤は,JIS K 6833-1の5.5.2(不揮発分の試験条件)の表2のユリ
ア及びメラミン・ユリア樹脂接着剤,又はフェノール及びレゾルシノール系樹脂接着剤の試験条件のいず
れかを選択して測定を行ってもよい。ただし,報告事項には,試験条件(乾燥温度及び乾燥時間)を記載
する。
6.3
保存性
保存性は,促進評価によらない一般試験の場合はA法,促進評価による試験の場合はB法による。
a) A法
1) 器具 器具は,次による。
1.1) 恒温槽 5±1 ℃,23±1 ℃又は35±1 ℃に保持できるもの。
1.2) 保存容器 JIS R 3503に規定するビーカー500 mlと同等の胴外径及び高さをもち,密閉できる蓋
付きの容器。
1.3) その他の器具 JIS K 6833-1の5.4(粘度)に規定する器具。
2) 操作 保存容器中の約90 %まで接着剤で満たし,蓋をして,受渡当事者間が必要とする温度(5±
1 ℃,23±1 ℃又は35±1 ℃)で保存する。保存開始から,1日後,及び受渡当事者間で協定した
期間後に粘度を測定し,同時に分離,その他の外観の異常の有無を目視で評価する。粘度測定及び
外観評価の温度は,各々の保存温度と同一とする。その他の粘度測定上の操作は,JIS K 6833-1の
5.4(粘度)による。
b) B法
1) 器具 器具は,次による。
1.1) 恒温浴槽 浴液温度を70±1 ℃に保持できるもの。
1.2) 試験管 JIS R 3503に規定する18 mm×165 mmのもの。
1.3) はかり 100 mgの読取りができるもの。
1.4) 温度計 JIS B 7411に規定する100度温度計。
2) 操作 試験管に試料10 gをはかりとり,コルク又はゴム栓で軽く蓋をして,70±1 ℃に保った恒温
浴槽中に,試料面が浴液面下約2 cmになるように浸したときを開始時間とする。約10分経過後栓
を固くして,開始時間から1時間経過ごとに試験管を傾けて,試料がゲル化して流れなくなるまで
の時間をはかる。同一試料について2回測定し,平均値を時間単位で表す。
6.4
水混和性
水混和性は,木材用フェノール樹脂接着剤,木材用レゾルシノール樹脂接着剤などの透明な接着剤の場
合はA法,又は木材用ユリア樹脂接着剤,木材用メラミン樹脂接着剤などの不透明な接着剤の場合はB法
による。
a) A法
1) 器具 器具は,次による。
1.1) はかり 10 mgの読取りができるもの。
1.2) ビーカー 水混和性の混和度によって試験が可能な容量のもの。
1.3) ビュレット JIS R 3505に規定する呼び容量が50 mlのもの。
1.4) 温度計 JIS B 7411に規定する呼び方“L”又はISO 654に規定するSTC/0.1/19/31。
1.5) 恒温浴槽 浴液温度を23±0.1 ℃に保持できるもの。
2) 試薬 試薬は,次による。
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水 JIS K 0557に規定するもの。
3) 操作及び計算
3.1) 予備試験 試料の水混和性が不明の場合には,3.2)の本試験と同様の操作を行い,予備試験でおお
よその値を決める。
3.2) 本試験 予備試験の結果を基に,試料10〜50 gを10 mgの桁まではかり,100 mlのビーカーに入
れ(水混和性が900 %を超える場合は,大容量の容器を用いる。),23±0.1 ℃に保った恒温浴槽中
に浸して,試料の温度が23±0.1 ℃であることを温度計で確認する。ビュレットを使用し,あら
かじめ23±0.1 ℃に調整された水を,次の手順に従って加える。
− 予備試験での水混和性の約50 %をまず加える。
− その後かき混ぜながら白濁し透明になる間は必要期待量の約10 %ずつ加える。
− 混和物が23±0.1 ℃になっていることを温度計で確認し,その後,少なくとも30秒間白濁が継
続するまで水の滴下を繰り返し,注加した水の量をmlの単位まで読み取る。
試料によっては半透明な濁り及び不透明な濁りの両方が測定できる(後者の場合,混合物が乳
濁するか,又は沈殿を起こす。)。
不透明な濁りも測定する場合は,半透明になる水の容積V1と不透明な濁りになるのに必要な容
積V2とを別々に記録する。
水混和性は,次の式(1)によって算出し,質量分率で表す。
100
×
=m
V
M
············································································· (1)
ここに,
M: 水混和性(質量分率 %)
V: 注加した水の量(ml)
m: 試料の質量(g)
水混和性は,比率として1:L(ここに,L=M/100)又はL倍のように表してもよい。
この試験をするに当たっては,次の操作で行っても同一の結果が得られる。
ビュレットを用いて加えた水の容量(ml)を測定する代わりに,加えた水の質量(g)を,はか
りを用いて測定する。
b) B法
1) 器具 器具は,次による。
1.1) はかり 100 mgの読取りができるもの。
1.2) 三角フラスコ JIS R 3503に規定するもの。
1.3) ビュレット又はメスシリンダー JIS R 3505に規定するもの。
1.4) 温度計 JIS B 7411に規定する50度温度計。
1.5) 恒温浴槽 浴液温度を23±1 ℃に保持できるもの。
2) 操作及び計算 試料約5 gを三角フラスコにはかりとる。温度計を入れて,23±1 ℃に保った恒温
浴槽中に浸して,試料を23±1 ℃にしておく。これに,あらかじめ23±1 ℃に保った水をビュレッ
ト又はメスシリンダーから徐々に注入し,水と試料とがよく混和するようにかき混ぜる。よく混和
したら,再び水を注入してかき混ぜ,フラスコ内壁に不溶物が付着するまで注入した水の量をml
の単位まで読み取る。水混和性(L)は,次の式(2)によって整数倍率で求める。
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m
V
L=
····················································································· (2)
ここに,
L: 水混和性(倍数)
V: 注加した水の量(ml)
m: 試料の質量(g)
式(2)の結果を100倍して,%表示してもよい。また,この試験をするに当たっては,次の操作で
行っても同一の結果が得られる。
ビュレットを用いて加えた水の容量(ml)を測定する代わりに,加えた水の質量(g)を,はか
りを用いて測定する。
6.5
pH
pHは,JIS K 6833-1の5.3(pH)による。
6.6
遊離ホルムアルデヒド
遊離ホルムアルデヒドは,木材用ユリア樹脂接着剤及び木材用メラミン樹脂接着剤の場合はA法,木材
用フェノール樹脂接着剤及び木材用レゾルシノール樹脂接着剤の場合はB法による。
注記1 ヘキサメチレンテトラミンの存在下では,その物質が分解してホルムアルデヒドを検出する
可能性があるので,この場合,B法を適用できない。
a) A法(塩化アンモニウム法)
1) 器具 器具は,次による。
1.1) はかり 10 mgの読取りができるもの。
1.2) 共通すり合わせ三角フラスコ又はビーカー JIS R 3503に規定するもの。
1.3) 全量ピペット JIS R 3505に規定する呼び容量が10 mlのもの。
1.4) ビュレット JIS R 3505に規定する呼び容量が25 mlのもの。
1.5) マグネチックスターラ
1.6) pH計 JIS K 6833-1の5.3(pH)に規定するもの。
1.7) シール用アルミニウム合金はく JIS H 4160に規定するアルミニウム合金はくで,放置時にビー
カーの開口部を密封できるもの。
2) 試薬 試薬は,次による。
2.1) メチルレッド−メチレンブルー溶液 JIS K 8001のJA.4(指示薬)によって調製したもの。
2.2) 0.1 mol/l及び1 mol/l塩酸 JIS K 8180に規定する塩酸を用いてJIS K 8001による調製標定を行っ
たもの。
2.3) 0.1 mol/l及び1 mol/l水酸化ナトリウム溶液 JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを用いて
JIS K 8001による調製を行い,2.2)で調製標定した塩酸を用いて標定を行ったもの。
2.4) 10 %塩化アンモニウム水溶液 JIS K 8116に規定する塩化アンモニウムを用いて調製したもの。
2.5) メタノール JIS K 8891に規定するもの。
2.6) 2-プロパノール JIS K 8839に規定するもの。
2.7) 1,4-ジオキサン JIS K 8461に規定するもの。
3) 操作及び計算 共通すり合わせ三角フラスコ又はビーカーにホルムアルデヒド0.1〜0.3 gを含む試
料を,10 mgまで,正確にはかりとり,試料の量が少ない場合,粘度が高い場合など必要に応じて
50 ml以下の水又は溶媒を加える。溶媒は,メタノール(単独),2-プロパノール(単独),1,4-ジオ
キサン(単独),水/メタノール(任意の混合比),水/2-プロパノール(任意の混合比)又は水/
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1,4-ジオキサン(任意の混合比)の中から,試料とよく混和するものを用いる。次に,マグネチッ
クスターラを用いてかき混ぜる。メチルレッド−メチレンブルー溶液2滴を加えて0.1 mol/l塩酸又
は0.1 mol/l水酸化ナトリウム溶液で中和後,10 %塩化アンモニウム水溶液10 ml及び1 mol/l水酸化
ナトリウム溶液10 mlを全量ピペットを用いて加え,栓(容器にビーカーを用いる場合にはシール
用アルミニウム合金はくで密閉)をして振り混ぜた後23±1 ℃に保ち,放置中マグネチックスター
ラを用いて30±1分間かき混ぜる。次に,ビュレットを用いて1 mol/l塩酸で滴定を行い,灰青に変
わった点を終点とする。pH計を用いてpHを測定しながら滴定し,試料を塩酸又は水酸化ナトリウ
ム溶液で中和した時点で測定したpH値を終点としてもよい。液の色は,緑,灰青,赤紫の順に変
色する。
なお,空試験を行い,遊離ホルムアルデヒド量は,次の式(3)によって算出する。同一試料につい
て2回以上測定し,平均値を小数点以下2桁まで求める。
H=4.50c (V0−V1)/m ···································································· (3)
ここに,
H: 遊離ホルムアルデヒド量(質量分率%)
c: 塩酸の濃度(mol/l)
V0: 空試験における塩酸の滴定量(ml)
V1: 試験における塩酸の滴定量(ml)
m: 試料の質量(g)
注記2 この試験方法は,次の式に示す化学反応を利用したものである。
NH4Cl+NaOH → NH3+NaCl+H2O
4NH3+6HCHO → (CH2)6N4+6H2O
b) B法(塩酸ヒドロキシルアミン法)
1) 器具 器具は,次による。
1.1) はかり 10 mgの読取りができるもの。
1.2) ビーカー JIS R 3503に規定するもの。
1.3) 全量ピペット JIS R 3503に規定する呼び容量が25 ml及び50 mlのもの。
1.4) ビュレット JIS R 3505に規定する呼び容量が25 mlのもの。
1.5) pH計 JIS K 6833-1の5.3(pH)に規定するもの。
1.6) マグネチックスターラ
2) 試薬 試薬は,次による。
2.1) 0.1 mol/l及び1 mol/l塩酸 JIS K 8180に規定する塩酸を用いてJIS K 8001による調製標定を行っ
たもの。
2.2) 0.1 mol/l及び1 mol/l水酸化ナトリウム溶液 JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを用いて
JIS K 8001による調製を行い,2.1)で調製標定した塩酸を用いて標定を行ったもの。
2.3) 10 %塩酸ヒドロキシルアミン水溶液 JIS K 8201に規定する塩酸ヒドロキシルアミンを用いて,
2.2)で調製した水酸化ナトリウム溶液を用いてpH 4.0±0.1に調整したもの。
2.4) メタノール JIS K 8891に規定するもの。
2.5) 2-プロパノール JIS K 8839に規定するもの。
2.6) 1,4-ジオキサン JIS K 8461に規定するもの。
3) 操作及び計算 250 mlビーカーに,表1に示す,含有するホルムアルデヒド量に応じた量の試料1
〜5 gを正確にはかりとり,水,メタノール又は溶剤の混液(水/メタノール,水/2-プロパノール
又は水/1,4-ジオキサンの混液とし,あらかじめ試験して,10 %塩酸ヒドロキシルアミン水溶液を
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添加後でも試料とよく混和するもの)50 mlを全量ピペットを用いて加え,マグネチックスターラ
を用いて試料が溶解するまでかき混ぜる。温度は23±1 ℃に保つ。
0.1 mol/l又は1 mol/l塩酸によって,pH計を用いてpH 4.0±0.1に調整する。
10 %塩酸ヒドロキシルアミン水溶液25 mlを全量ピペットを用いて加え,23±1 ℃に保ち,マグ
ネチックスターラを用いて10±1分間かき混ぜる。
次に,ビュレットを用いて0.1 mol/l又は1 mol/l水酸化ナトリウム溶液で滴定を行い,先に塩酸を
用い調整したpHになった点を終点とする。
なお,空試験を行い,遊離ホルムアルデヒド量は,次の式(4)によって算出する。
同一試料について2回以上測定し,平均値を小数点以下2桁まで求める。
H=3.00c (V1−V0)/m ···································································· (4)
ここに,
H: 遊離ホルムアルデヒド量(質量分率%)
c: 水酸化ナトリウム溶液の濃度(mol/l)
V0: 空試験における水酸化ナトリウム溶液の滴定量(ml)
V1: 試験における水酸化ナトリウム溶液の滴定量(ml)
m: 試料の質量(g)
注記3 この試験方法は,次の式を利用したものである。
HCHO+NH2OH・HCl → CH2NOH+HCl+H2O
表1−含有するホルムアルデヒド量及び試料量
含有するホルムアルデヒド量a)
試料量
2 %以下
5.0±0.2 g
2〜4 %
3.0±0.2 g
4 %以上
1〜2 g
注a) 含有するホルムアルデヒド量が15〜30 %の
ときは,必要に応じて15 %以下に調製する。
6.7
粘度
粘度は,JIS K 6833-1の5.4(粘度)による。
6.8
ゲル化時間
ゲル化時間は,木材用ユリア樹脂接着剤及び木材用メラミン樹脂接着剤の場合はA法,木材用フェノー
ル樹脂接着剤の場合はB法,木材用レゾルシノール樹脂接着剤の場合はC法による。
a) A法
1) 器具 器具は,次による。
1.1) 恒温浴槽 浴液温度を23±1 ℃,50±1 ℃又は100±1 ℃に保持できるもの。
注記 水に塩類,しょ糖を加えると浴液温度を100〜101 ℃にすることができる。
1.2) ガラス製かき混ぜ棒 直径4 mm,長さ約30 cmのもの。
ただし,100 ℃で測定する場合は,直径3 mm,長さ約30 cmのもの。
1.3) 試験管 JIS R 3503に規定する18 mm×165 mmのもの。
1.4) はかり 100 mgの読取りができるもの。
1.5) 温度計 測定温度が23±1 ℃及び50±1 ℃の場合,JIS B 7411に規定する100度温度計。測定温
度が100±1 ℃の場合,JIS B 7411に規定する浸没線付200度温度計。
2) 硬化剤 JIS K 8116に規定する塩化アンモニウムの20 %水溶液。ただし,塩化アンモニウムを使用
してゲル化時間の終了時間が判定しにくい場合は,硬化剤の種類及び濃度を変更し測定する。その
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場合,用いる硬化剤の種類及び濃度は,受渡当事者間の協定によるものとし,硬化剤の種類及び濃
度を報告する。
3) 操作 この操作に用いる試験管,試料,硬化剤及びかき混ぜ棒は,あらかじめ23±1 ℃に保持して
おく。
3.1) 測定温度が23±1 ℃又は50±1 ℃の場合 試料10 gを試験管にはかりとり,これに硬化剤1 ml
を加え,かき混ぜ棒を入れて,素早くかき混ぜると同時にその開始時間を読み,直ちに,その試
験管を測定温度(23±1 ℃又は50±1 ℃)に保った恒温浴槽中に,試料面が浴液面下約2 cmにな
るように浸す。この試料を時々かき混ぜ,かき混ぜ棒を僅かに試料に触れて引き上げたとき,付
着した試料が糸を引かなくなるまでの時間をはかる。これらの操作を2回以上行い,その平均時
間を分単位で表し,試料のゲル化時間とする。
3.2) 測定温度が100±1 ℃の場合 適切な容器に試料100 g及び硬化剤10 mlを入れ,よく混合後,そ
の2 gを試験管にはかりとり,かき混ぜ棒を入れ,100±1 ℃に保った恒温浴槽に,試料面が浴液
面下約2 cmになるように浸したときを開始時間とする。この試料をかき混ぜ棒で連続してかき混
ぜ,試料がペースト状又はかき混ぜられなくなるまでの時間をはかる。これらの操作は2回以上
行い,その平均時間を秒単位で表す。
試料のゲル化時間として,ペースト状になるまでの時間,又はかき混ぜられなくなるまでの時
間の選択は,受渡当事者間の協定による。
b) B法
1) 器具 器具は,次による。
1.1) 恒温浴槽 油浴にシリコーンオイルを用い,浴液温度を135±1.5 ℃に保持できるもの。
1.2) ガラス製かき混ぜ棒 直径4 mm,長さ約30 cmのもの。
1.3) 試験管 JIS R 3503に規定する18 mm×165 mmのもの。
1.4) はかり 100 mgの読取りができるのもの。
1.5) 温度計 JIS B 7411に規定する浸没線付200度温度計。
2) 操作 この操作に用いる試験管,試料及びかき混ぜ棒は,あらかじめ23±1 ℃に保持しておく。
試料5 gを試験管にはかりとり,かき混ぜ棒を入れた後,135±1.5 ℃に保った恒温浴槽に,試料
面が浴液面下約2 cmになるように浸したときを開始時間とする。この試料をかき混ぜ棒で連続して
かき混ぜ,かき混ぜられなくなるまでの時間をはかる。これらの操作を2回以上行い,その平均時
間を30秒単位で表し,試料のゲル化時間とする。
c) C法
1) 器具 器具は,次による。
1.1) 恒温浴槽 浴液温度を23±1 ℃に保持できるもの。
1.2) ガラス製かき混ぜ棒 直径4 mm,長さ約30 cmのもの。
1.3) 試験管 JIS R 3503に規定する18 mm×165 mmのもの。
1.4) はかり 100 mgの読取りができるもの。
1.5) 温度計 JIS B 7411に規定する100度温度計。
2) 硬化剤 接着剤製造業者の指定する硬化剤。
3) 操作 この操作に用いる試験管,試料,硬化剤及びかき混ぜ棒は,あらかじめ23±1 ℃に保持して
おく。試料10 gを試験管にはかりとり,これに接着剤製造業者の指定する量の硬化剤を加え,かき
混ぜ棒を入れて,素早くかき混ぜると同時にその開始時間を読み,直ちに,その試験管を23±1 ℃
9
K 6807:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
に保った恒温浴槽中に,試料面が浴液面下約2 cmになるように浸す。この試料を時々かき混ぜ,か
き混ぜ棒を僅かに試料に触れて引き上げたとき,付着した試料が糸を引かなくなるまでの時間をは
かる。これらの操作を2回以上行い,その平均時間を分単位で表し,試料のゲル化時間とする。
6.9
密度
密度は,次のいずれかによる。
a) ピクノメーター法(比重瓶法) JIS K 6833-1の5.2.2(比重瓶法)による。
b) 浮ひょう法 JIS K 2249-2による。
1) 器具 器具は,次による。
1.1) 浮ひょう JIS K 2249-2に規定するI形浮きばかり。
1.2) 温度計 JIS B 7410に規定するSG42又はSG44。
1.3) シリンダ 流し出し口付きガラス製で,内径は浮ひょうの最大直径より25 mm以上大きく,高さ
は浮ひょうをシリンダに入れた場合に浮ひょうの下端がシリンダの底から25 mm以上の位置にく
るもの。
1.4) 恒温浴槽 かき混ぜ装置をもち,23±1 ℃の温度に保つことのできるもの。
2) 操作 操作は,次によって行う。
2.1) 気泡が入らないように試料をシリンダにとり,恒温浴槽中に保持して,かき混ぜ棒で試料を上下
にかき混ぜた後,温度計を全浸没にして試料の温度を測る。
2.2) 試料の温度が23±1 ℃になったら,あらかじめ23 ℃近くに保った清浄な浮ひょうを静かに試料
中に入れて静止させた後,更に,約2目盛だけ液中に沈めて手を離す。
2.3) 目盛の読み方は,浮ひょうが静止した後,メニスカスの上縁において細分目盛の1/5まで読み取り,
記録する。
水平面示度の記載のある,浮ひょうを用いる場合,メニスカスの下縁において細分目盛1/5まで
読み取り記録する。
7
報告
報告には,必要に応じて次の事項を記録する。
a) この規格の番号(JIS K 6807)
b) 試験した接着剤の名称,種類及び製造業者名
c) 試験方法,試験結果及び試験条件
d) 試験年月日
e) その他特記すべき事項
参考文献
ISO 8989:1995,Plastics−Liquid phenolic resins−Determination of water miscibility