2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 6800-1985
接着剤・接着用語
Glossary of Terms Used in Adhesives and Adhesion
1. 適用範囲 この規格は,接着剤及び接着に関する用語について規定する。
対応国際規格:ISO 6354 Adhesives−Vocabulary
2. 番号,用語,読み方及び意味 番号,用語,読み方及び意味は,次のとおりとする。
なお,参考のために対応英語を示す。
番 号
用 語
読み方
意 味
対応英語(参考)
ア 1 圧締
あってい
接着剤を塗付し,はり合わせたもの
に圧力を加えて固定する操作。
pressing
2 圧縮せん断接着強さ
あっしゅくせ
んだんせっ
ちゃくつよ
さ
圧縮荷重によって接着面にせん断応
力を加え,接着接合部が破壊したとき
の強さ。
compressive shear strength
3 当て板
あていた
圧締作業時に被着材の片面又は両面
に使用する板。
caul
4 後硬化
あとこうか
初期硬化後の接着物に熱などを加え
て硬化を進めること。
post cure
5 アプリケータ
塗付機器の総称
applicator
イ 6 一液型接着剤
いちえきがた
せっちゃく
ざい
他成分の添加なしに,適当な手段
(光,熱,電子線など)によって硬化
する接着剤。
one-component adhesive,
one-part adhesive
7 糸引き
いとひき
接着剤の付着した表面を引き離すと
きに生じる無数の糸を引くこと。
stringiness
ウ 8 ウエルドボンディング
点溶接と接着の複合技術で金属接合
すること。
weldbonding
エ 9 A−ステージ
えい−すてー
じ
熱硬化性樹脂生成反応の初期の状
態。この状態の樹脂はまだある種の溶
剤に溶け,加熱すると溶融する。
A−stage
10 エマルジョン型接着
剤,
(エマルション型接着
剤)
えまるじょん
がたせっち
ゃくざい,
(えまるしょ
んがたせっ
ちゃくざい)
合成樹脂を水に乳化分散させた接着
剤。ラテックス型接着剤ともいう。
emulsion adhesive
オ 11 応力緩和
おうりょくか
んわ
一定の長さに伸張又は圧縮した状態
に保持したとき,接着接合部に生じる
応力が連続的に徐々に低下する現象。
stress relaxation
12 オーバーラップ
二つの被着材を重ね合わせること。 overlap
2
K 6800-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番 号
用 語
読み方
意 味
対応英語(参考)
13 オーバーレイ
各種材料の表面にプラスチック,紙,
布,金属薄板,極めて薄い単板などを
はり付けること。
overlay
14 オープンタイム
接着剤を被着材に塗付してから張り
合わせるまでの張り合せ可能時間。
open time
15 オリゴマー型接着剤
おりごまーが
たせっちゃ
くざい
オリゴマー(低重合体)に架橋剤,
分子鎖延長剤などを配合し,適当な手
段(光,熱,電子線など)で硬化させ
る接着剤。
oligomer adhesive
カ 16 開放たい(堆)積時間 かいほうたい
せきじかん
接着剤を塗付してから圧着するま
で,被着材を空気中に放置しておく時
間。
open assembly time
17 重ね継手,
(重ね合せ接合)
かさねつぎて,
(かさねあわ
せせつごう)
二つの被着材を重ね合わせて接着す
る接合方法。単純重ね継手(a) (single
lap joint) と二重重ね継手(b) (double
lap joint) がある。
lap joint
(a)
(b)
18 可使時間,
(ポットライフ)
かしじかん
塗付するために調製した接着剤が使
用できる状態を維持する時間。
working life,
pot life
19 架橋剤
かきょうざい
接着剤成分を化学的に結合させ,三
次元の網目構造を形成させる物質。
crosslinking agent
20 可塑剤
かそざい
接着剤に配合してガラス転移点や融
点を低下させ,可とう性を付与する物
質。
plasticizer
21 片面塗付
かためんとふ
二つの被着材の片面だけに接着剤を
塗付すること。
single spread
22 割裂接着強さ
かつれつせっ
ちゃくつよ
さ
接着面の一端に集中応力を加え,接
着接合部を破壊したときの強さ。
cleavage strength
23 加熱硬化型接着剤
かねつこうか
がたせっち
ゃくざい
加熱によって硬化する接着剤。
heat setting adhesive,
heat curing adhesive
24 カプセル型接着剤
かぷせるがた
せっちゃく
ざい
特定成分を保護皮膜(マイクロカプ
セル)に内包し,適当な手段(圧力,
熱など)によって皮膜を破壊するまで
は安定性を保持できる接着剤。
encapsulated adhesive
25 感圧型接着剤
かんあつがた
せっちゃく
ざい
常温で圧力を加えるだけで接着する
接着剤。
pressure sensitive adhesive
キ 26 機械的接着
きかいてきせ
っちゃく
被着材表面の空げき(隙)に接着剤
が浸入硬化し,その投びょう(錨)効
果によって結合する接着。
mechanical adhesion
27 基材
きざい
接着剤を塗付する材料。被着材より
も広い意味で用いられる。
substrate
28 希釈剤
きしゃくざい
接着剤の固形分濃度及び粘度を低下
させるために添加する液体。
diluent
3
K 6800-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番 号
用 語
読み方
意 味
対応英語(参考)
29 凝集
ぎょうしゅう
物質を構成する分子が分子間力によ
って結合している状態。
cohesion
30 凝集破壊
ぎょうしゅう
はかい
見掛け上接着層の内部に生じた破
壊。
cohesion failure,
cohesive failure
ク 31 クリープ
接着接合部に応力が加わったときに
生じるひずみが時間とともに変化する
こと。
creep
ケ 32 欠こう部
けっこうぶ
十分な接着を得るのに必要な接着剤
の量が不足した接合部。
starved joint
33 ゲル化
げるか
蒸発,冷却又は化学変化などによっ
て接着剤が液状から半固体状態に変化
すること。
gelation
34 嫌気性接着剤
けんきせいせ
っちゃくざ
い
酸素の存在によって硬化が抑制さ
れ,酸素が遮断されると硬化する接着
剤。
anaerobic adhesive
コ 35 硬化
こうか
物理的作用又は化学反応によって接
着剤の構造が変化し,接着特性を発現
させる過程。
cure
36 硬化温度
こうかおんど
接着剤を硬化させるのに必要な温
度。
cure temperature
37 硬化剤
こうかざい
接着剤の主剤と反応し,硬化を促進
又は調整する物質。
curing agent,
hardener
38 硬化時間
こうかじかん
接着剤を硬化させるのに必要な時
間。
cure time
39 高周波加熱接着
こうしゅうは
かねつせっ
ちゃく
高周波の電場に被着材を置いて加熱
接着すること。
high frequency bonding
40 構造用接着剤
こうぞうよう
せっちゃく
ざい
長期間大きな荷重に耐える信頼でき
る接着剤。
structural adhesive
41 合板
ごうはん
単板の繊維方向を直交させて奇数枚
はり合わせた板材料。
plywood
42 固化
こか
物理的作用によって接着剤の状態が
変化し,接着特性を発現させること。
hardening,
solidification
43 コールドフロー
一定荷重下で接着剤が常温で流動変
形する性質。
cold flow
44 固有接着
こゆうせっち
ゃく
接着剤と被着材が,分子間力,水素
結合,共有結合,イオン結合などによ
って結合する接着。
specific adhesion
45 コンタクト型接着剤
こんたくとが
たせっちゃ
くざい
両方の被着材に塗付し,溶媒を乾燥
した後,タックのあるうちに軽い圧力
ではり合わせることによって,高い初
期接着強さを発現する接着剤。
contact adhesive
サ 46 再活性接着
さいかっせい
せっちゃく
被着材に接着剤を塗付後,乾燥した
接着層を溶媒で湿すか,又は加熱する
ことによって再び粘着性を発現させ接
着すること。
reactivation
4
K 6800-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番 号
用 語
読み方
意 味
対応英語(参考)
47 最低造膜温度
さいていぞう
まくおんど
エマルジョン型接着剤を被着材に塗
付したとき,粒子が融着して連続した
皮膜を形成することのできる最低温
度。MFTと略称することもある。
minimum film forming
temperature,
minimum filming
temperature
48 サンドイッチ構造
さんどいっち
こうぞう
2枚の外板(フェーシング)の間に
心材(コア)を挟んで外板と心材を接
着した構造。
sandwich structure
49 残留ひずみ
ざんりゅうひ
ずみ
熱膨張係数の異なる2種類の被着材
を接着したとき,又は加熱硬化した接
着物を常温に戻したときに生じた接着
接合部に残るひずみ。
residual strain
シ 50 C−ステージ
しい−すてー
じ
熱硬化樹脂の硬化反応の最終状態。
この状態の樹脂は,不溶不融性であり,
完全に硬化した接着層中の熱硬化性樹
脂はこの状態にある。
C−stage
51 湿潤接着強さ
しつじゅんせ
っちゃくつ
よさ
特定条件下で水中に浸せきした試験
片を水中から取り出した直後の接着強
さ。
wet strength
52 自着
じちゃく
分子鎖が相互に拡散し合うことによ
って,物質が接合すること。
autohesion
53 集成材
しゅうせいざ
い
厚さ5〜50mm程度のひき板や小角
材を用いて繊維方向を長さの方向に合
わせ,接着した材料。
laminated wood,
glued lamination board
54 充てん(填)剤
じゅうてんざ
い
接着剤の作業性,耐久性,接着強さ
などの性質を改良するために添加する
物質。
filler
55 主剤
しゅざい
二成分又はそれ以上の反応型接着剤
において反応性樹脂を含む成分。
base resin
56 ジョイント・ファクタ
ー,
(継手係数)
(つぎてけい
すう)
見掛けの接着強さは,被着材の厚さ
(t),重ね合せの長さ (l) などによって
変わるので,t及びlを変えたときの試
験片t/lと接着強さを求めておけば,任
意のt/lの被着材を接着したときの接
着強さを算出,推定することができる。
このt/lをジョイント・ファクターとい
う。
joint factor
57 常温硬化型接着剤
じょうおんこ
うかがたせ
っちゃくざ
い
熱を加えないで硬化する接着剤。
room temperature setting
adhesive,
cold setting adhesive
58 衝撃接着強さ
しょうげきせ
っちゃくつ
よさ
接着面に衝撃応力を加え,接着接合
部が破壊したときの強さ。
impact strength
59 常態接着強さ
じょうたいせ
っちゃくつ
よさ
常態 (23±2℃,50±5%RH) におけ
る接着強さ。
dry strength
60 触媒
しょくばい
反応性接着剤に添加して反応を促進
する物質。開始剤 (initiator) ともいう。
catalyst
5
K 6800-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番 号
用 語
読み方
意 味
対応英語(参考)
61 シーリング材
しーりんぐざ
い
構造体の目地,間げき(隙)部分に
充てん(填)して防水性,気密性など
の機能を発揮させる材料。
sealing compound,
sealant
62 真空加圧接着
しんくうかあ
つせっちゃ
く
可とう性シートを介して減圧し,被
着材を密着させ,その後加圧して接着
する方法。
vacuum air-pressed bonding
63 真空バッグ
しんくうばっ
ぐ
内部を減圧し,中の被着材を圧着さ
せる軟質の袋。
vacuum bag
ス 64 水性接着剤
すいせいせっ
ちゃくざい
水を溶媒又は分散媒とした接着剤。 water borne adhesive
65 スカーフジョイント
二つの被着材の端面を接合する
場合,接着面が傾斜している被着
材どうしの接合方法。
scarf joint
66 スプレッダ
ロールなどによって一定の量の接着
剤を塗付する機械。
spreader
67 寸法効果
すんぽうこう
か
接着した試験片の大きさが接着強さ
などの性能に及ぼす影響。
size effect
セ 68 積層
せきそう
(1)フィルム状,シート状の薄物材料を
重ねて薄層状集積体を作る操作。
(2)単板,ひき板などを数多く重ね合わ
せて積層材,集成材などを製造す
る操作。
laminating
69 接触角
せっしょくか
く
液体が固体面に接触しているとき,
液面と固体面のなす角 (θ)。
contact angle
70 接着
せっちゃく
接着剤を媒介とし,化学的若しくは
物理的な力又はその両者によって二つ
の面が結合した状態。
adhesion
71 接着剤
せっちゃくざ
い
物体の間に介在することによって物
体を結合することのできる物質。
adhesive
72 接着層
せっちゃくそ
う
被着材間にある接着剤の層。
glue line
73 接着強さ
せっちゃくつ
よさ
接着された二面間の結合の強さ。引
張りせん断強さ,圧縮せん断強さ,は
く離強さなどで表される。接着力とも
いう。
bond strength
74 接着破壊
せっちゃくは
かい
接着剤と被着材との界面で生じた破
壊。界面破壊ともいう。
adhesive failure,
adhesion failure
75 セッティング
化学的又は物理的作用(例えば,重
合,酸化,ゲル化,水和,冷却又は揮
発性成分の揮散)によって接着強さが
発現する過程。
setting
76 せん断応力
せんだんおう
りょく
接合部に懸かった力が接着層と同一
面にあるときに生じる応力。引張りせ
ん断応力と圧縮せん断応力がある。
shear stress
6
K 6800-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番 号
用 語
読み方
意 味
対応英語(参考)
77 せん断接着強さ
せんだんせっ
ちゃくつよ
さ
接着面にせん断応力を加え,接着接
合部が破壊したときの強さ。
longitudinal shear strength
ソ 78 層間はく離
そうかんはく
り
積層品の接着接合部の破壊によるは
く離。
delamination
79 増粘剤
ぞうねんざい
接着剤に分散又は溶解させて粘度及
びちょう度を調節するために配合する
物質。
thickening agent,
thickener
80 増量剤
ぞうりょうざ
い
接着剤の性能を大きく変化させるこ
となく量を増やすために配合する物
質。
extender
81 促進剤
そくしんざい
硬化剤又は触媒に作用してその活性
度を高め,接着剤の硬化を促進させる
ために添加する物質。
accelerator
タ 82 耐久性
たいきゅうせ
い
接着結合の劣化作用に対する抵抗
性。
durability,
permanence
83 たい(堆)積
たいせき
接着剤を塗付した部材を圧締,接着
ができる状態に積み重ねること。
assembly
84 たい(堆)積時間,
(アセンブリタイム)
たいせきじか
ん
被着材に接着剤を塗付してからはり
合わせ,圧締するまでの時間。閉鎖た
い(堆)積時間ともいう。
assembly time
85 タック
非常に軽い力で被着材の表面と接触
した直後に結合を形成することのでき
る接着剤の性質。
tack
86 だぼ継ぎ
だぼつぎ
孔中に円柱又は角柱状の小材片(だ
ぼ)を入れる接合方法。
dowel joint
87 単板
たんぱん
ナイフで切削した厚さ0.2〜6mm程
度の木材薄板。
veneer
88 単板積層材
たんぱんせき
そうざい
単板の繊維方向を平行に積層した板
材料。
laminated veneer lumber
(LVL)
チ 89 チクソトロピー,
(揺変性)
(ようへんせ
い)
かくはんすることによって粘度が低
下し,次に放置することによって粘度
が増大する性質。
thixotropy
90 超音波接着
ちょうおんぱ
せっちゃく
熱可塑性プラスチックの接着部に超
音波を当て,発熱させて溶融接着する
方法。
ultrasonic bonding
91 ちょう度
ちょうど
液状接着剤の変形に耐えようとする
性質。ちょう度は基本特性ではないが,
粘度,塑性などの性質を含む。
consistency
ツ 92 疲れ接着強さ
つかれせっち
ゃくつよさ
接着接合部が無限回数の繰返し応力
に対しても破壊しない強さをいう。接
着においては,実用上107回までの繰
返し応力をとることがある。
adhesive of fatigue strength
7
K 6800-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番 号
用 語
読み方
意 味
対応英語(参考)
93 突き合せ接合
つきあわせせ
つごう
二つの被着材の端面どうし又は端面
と平面を突き合わせて接着する接合方
法。
butt joint
94 つき板
つきいた
スライスラーで切削した単板。
sliced veneer
ト 95 投びょう(錨)効果,
(アンカー効果)
とうびょうこ
うか,
(あんかーこ
うか)
接着剤が被着材の表面にある空げき
(隙)に浸入固化し,くぎ又はくさび
のような働きをすること。
anchor effect
96 ドクターブレード,
ドクターナイフ,
ドクターバー
塗付ロール又は塗付面に均等に接着
剤を広げたり,厚さを調節する塗付機
の機構。
doctor blade,
doctor knife,
doctor bar
97 ドクターロール
塗付ロール上に供給された接着剤の
量を調節するためのロール。
doctor roll
98 ドープセメント
接着すべきプラスチックと同種のプ
ラスチックの溶剤溶液。
dope cement
99 塗付量
とふりょう
被着材の単位面積当たりに塗付され
る接着剤量。
spread
100 留め継ぎ
とめつぎ
角りょう(稜)と上端,下端面以外
には継ぎ目を現さない隅角部の接合方
法。
mitre
101 ドライタック
溶媒の揮散又は被着材への吸収によ
って見掛け上乾燥状態であっても,必
要な粘着性を示す接着剤の性質。
dry tack
ニ 102 二液形接着剤
にえきがたせ
っちゃくざ
い
二つの成分(主剤と硬化剤又は架橋
剤など)に分かれていて,使用直前に
混合され,硬化する接着剤。
two component adhesive,
two-part adhesive
ヌ 103 ぬれ
固体面に液体が広がる現象。ぬれが
良い場合は両者の間の接触角が小さ
く,固体面に液体が広がる。
wetting
ネ 104 練り接着
ねりせっちゃ
く
板を平行に上部に重ねて接着する接
合方法。
laminate gluing
105 粘着剤
ねんちゃくざ
い
常温で粘着性を有し,軽い圧力で被
着材に接着する物質。
pressure sensitive adhesive
106 粘着付与剤
ねんちゃくふ
よざい
接着剤の粘着性を改善したり,粘着
保持時間を延長させるために配合する
物質。
tackifier
107 粘着保持時間
ねんちゃくほ
じじかん
特定の温度及び湿度の下で,被着材
に塗付した接着剤が乾燥状態で粘着性
を保持している時間。
tack range
108 粘度
ねんど
流動する物質の内部に生じる抵抗。
せん断応力とせん断ひずみ速度の比で
表される。
viscosity
ノ 109 ノークランプ法
のーくらんぷ
ほう
仮締めしないで圧締作業を行う方
法。
clampless process
ハ 110 白化
はっか
接着剤皮膜の表面に曇りを生じる現
象。
blushing
8
K 6800-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番 号
用 語
読み方
意 味
対応英語(参考)
111 はぎ接着
はぎせっちゃ
く
板を横に幅広く並べて接着する接合
方法。
edge gluing
112 はく離接着強さ
はくりせっち
ゃくつよさ
接着面の一端にはく離応力を加え,
接着接合部が破壊したときの強さ。
peel strength
113 バインダー
接着剤を構成する主成分。接着剤の
接着強さは主としてこれによる。
binder
114 パーティクルボード
木材を切削・破砕して小片にしたも
のに接着剤を加えて熱圧縮成形した板
材料。
particle board
115 ハニカムコア
シート状の金属,樹脂加工材などで
作つた六角形細胞状の材料。はちの巣
に似ており,主にサンドイッチパネル
の心材として使用される。
honeycomb core
116 発泡型接着剤
はっぽうがた
せっちゃく
ざい
見掛けの比重を下げ,同じ量で塗付
面積を増大させたり,シール又は充て
ん機能を付与するためにガスや発泡剤
を配合した接着剤。
cellular adhesive,
foamed adhesive,
foaming adhesive
117 反応型接着剤
はんのうがた
せっちゃく
ざい
化学反応によって硬化する接着剤。 reactive adhesive
118 反応性希釈剤
はんのうせい
きしゃくざ
い
反応型接着剤の性状や性能を改善
し,それ自体も硬化する低粘度の反応
性物質
reactive diluent
ヒ 119 B−ステージ
びい−すてー
じ
熱硬化性樹脂の硬化中間状態。この
状態での樹脂は加熱すると軟化し,あ
る種の溶剤に触れると膨潤するが,完
全に溶融・溶解することはない。
B−stage
120 被着材破壊
ひちゃくざい
はかい
見掛け上被着材内部で生じた破壊。 adherend failure
121 非破壊試験
ひはかいしけ
ん
被着材を破壊しないで各種の接着性
能を測定する試験。破壊試験
(destrudive test) に対応して用いられ
る。
non-destructive test
122 引張り接着強さ
ひっぱりせっ
ちゃくつよ
さ
接着面に引張り応力を加え,接着接
合部が破壊したときの強さ。
tensile strength
123 引張りせん断接着強さ ひっぱりせん
だんせっち
ゃくつよさ
引張り荷重によって接着面にせん断
応力を加え,接着接合部が破断したと
きの強さ。
tensile shear strength
124 表面処理
ひょうめんし
ょり
被着材表面を接着に適した状態にす
るための化学的又は物理的な処理。
surface preparation,
surface treatment
9
K 6800-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番 号
用 語
読み方
意 味
対応英語(参考)
フ 125 Vカット法
ぶいかっとほ
う
(1) 化粧板の基板の裏面からV溝を化
粧シートの寸前まで切削し,その
部分に接着剤を塗付して接着する
接合方法。
(2) コンクリート構造物などのクラッ
クに添ってV字形の溝を作る方
法。その部分をシールするか又は
樹脂を注入して補修する。
V−cut process
126 フィルム状接着剤
ふぃるむじょ
うせっちゃ
くざい
熱,圧力,溶剤などによって接着さ
せるフィルム状の接着剤。支持体のあ
るものとないものがある。
film adhesive
127 フィンガージョイント
被着材の接着面をフィンガー状に溝
加工して接着する接合方法。水平形と
垂直形がある。
finger joint
128 フィレツト
二つの被着材の接合点に生じる角又
は隅を満たす接着剤部分。
fillet
129 不揮発分,
(固形分)
ふきはつぶん,
(こけいぶん)
規定された試験条件で測定した蒸発
残分。
solids content
130 プライマー
被着材と接着剤又はシーリング材と
の接着性を向上させるために,あらか
じめ被着材表面に塗付する下地処理材
料。
primer
131 フラッシュパネル
木質材料などの両面に合板などを接
着した中空構造の軽量パネル。
flush panel
132 ブロッキング
硬化した接着剤が接触したときに生
じる好ましくない接着剤の性質。
blocking
ホ 133 ほぞ継ぎ
ほぞつぎ
接着面に付けた突起によって接着す
る接合方法。
tenon joint
134 保存性,
(貯蔵安定性)
ほぞんせい
(ちょぞうあ
んていせい)
接着剤が作業性,接着性などの基本
特性を発揮できる期間。
shelf life,
storage life
135 ホットメルト接着剤
ほっとめると
せっちゃく
ざい
溶融状態で塗付し,冷えると固まっ
て接着する接着剤。
hot melt adhesive
136 ボンドライン
接着剤と被着材の界面。
bond line
マ 137 曲げ接着強さ
まげせっちゃ
くつよさ
接着面に曲げ応力を加え,接着接合
部が破断したときの強さ。
flexural strength
10
K 6800-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番 号
用 語
読み方
意 味
対応英語(参考)
モ 138 木部破断
もくぶはだん
木材の接着強さ試験における木材の
破壊。木部破断率は,木部破壊の生じ
た全面積を百分率で表示する。
wood failure
ユ 139 油性コーキング材
ゆせいこーき
んぐざい
展色材(天然油脂,合成油脂,アル
キド樹脂など)と鉱物質充てん(填)
剤(石綿,炭酸カルシウムなど)を混
合して製造したペースト状のシーリン
グ材。相対変位の小さな目地のシール
に使用される。
oil based caulking
compound
ヨ 140 溶剤型接着剤
ようざいがた
せっちゃく
ざい
有機溶剤を溶媒とした接着剤。
solvent adhesive
141 溶剤接合法
ようざいせつ
ごうほう
熱可塑性プラスチックの接着面に溶
剤を塗付し,接着面を溶解させて接着
する方法。
solvent cementing
142 養生
ようじょう
接着接合部の性質を向上させるため
に一定条件下に放置すること。熟成と
もいう。
aging
ラ 143 ラテックス型接着剤
らてっくすが
たせっちゃ
くざい
天然ゴム又は合成ゴムを水に乳化分
散させた接着剤。
latex adhesive
リ 144 両面塗付
りょうめんと
ふ
両方の被着材の接着する両面に接着
剤を塗付すること。
double spread
レ 145 劣化
れっか
物理的又は化学的作用によって接着
接合部の性能が低下すること。
deterioration,
degradation
11
K 6800-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
小 野 昌 孝
実践女子大学
水 町 浩
東京大学
後 藤 輝 男
島根大学
宮 入 裕 夫
東京医科歯科大学
天 野 晋 武
工学院大学
長 沢 長八郎
工業技術院製品科学研究所
本 橋 健 司
建設省建築研究所
鹿 毛 紀久雄
プラスチック標準試験方法研究会
石 黒 敏
財団法人接着剤研究所
辻 洋 典
通商産業省基礎産業局化学製品課
奥 敏 夫
工業技術院標準部繊維化学規格課
本 山 卓 彦
昭和電工株式会社
福 沢 敬 司
福沢技術士事務所
元 起 巌
株式会社富士電機総合研究所
五十嵐 清 一
レンゴー株式会社
鶴 田 康 彦
大成建設株式会社
岩 田 立 男
日本楽器製造株式会社
青 木 恒太郎
株式会社コスガ
田 中 公 雄
東亜合成化学工業株式会社
佐 藤 勝 亮
旭化学合成株式会社
永 田 宏 二
セメダイン株式会社
柳 沢 誠 一
横浜ゴム株式会社
中 島 常 雄
コニシ株式会社
三 輪 欽 秀
日立化成ポリマー株式会社
島 本 巌
サンスター技研株式会社
岡 崎 久
日本接着剤工業会