K 6795 : 1998 (ISO 10146 : 1997)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
JIS K 6795には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定) 基準線への実験値の適合性の決定
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 6795 : 1998
(ISO 10146 : 1997)
架橋ポリエチレン管 (PE−X) −
期待強度に対する
時間及び温度の影響
Crosslinked polyethylene (PE−X) pipes−Effect of time and temperature
on the expected strength
序文
この規格は,1997年に第1版として発行されたISO 10146 Crosslinked polyethylene (PE−X) pipes−Effect of
time and temperature on the expected strengthを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作
成した日本工業規格である。
1. 適用範囲
この規格は,架橋ポリエチレン管に関する計算に用いるものであり,基準線を作るための時間と温度の
関数としての期待強度の最小値について規定するものである。
2. 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成
するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。
ISO 1167 : 1996 Plastics pipes for the transport of fluids−Resistance to internal pressure−Test method
3. 定義
この規格で用いられる主な用語の定義は,次による。
3.1
基準線 (reference lines)
ポリマーについて期待される長期静水圧強度の最小値の包括的な表し方。
備考1. 基準線は,特種銘柄又は特殊な供給者からの材料の特性と考えてはならない。
2. 基準線は種々な温度での明確な方法での内挿,外挿ができるような方程式によって表される
直線からなる。
3. PE−Xの基準線は実験データを考慮して,専門家が合意し,またISO及びCEN内の関係委
員会によって承認されたものである。
4. 基本式
20℃〜100℃間の温度での基準線は,次の式で表される。
2
K 6795 : 1998 (ISO 10146 : 1997)
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σ
σ
log
/
log
)
/
(
log
D
T
C
T
B
A
t
+
+
+
=
ここに,
t: 時間 (h)
T: 温度 (K)
σ: 円周応力 (MPa)
A: −105.861 8
B: −18 506.15
C: 57 895.49
D: −24.799 7
110℃の値は,上記とは別に,内面に水,外面に空気を用いて測定されたもので,この式から求めたもの
ではない。
5. 期待強度
5.1
外挿限界
外挿限界(基準線の終点)は,実験的に測定した110℃での寿命と110kJ/mol (26kcal/mol) の活性化エネ
ルギーでの温度依存性を表したアレニウス式を基にしている。
このことから,次の外挿因子KX(すなわち,110℃での寿命で除したある温度での期待寿命)が表1の
とおり得られる。
表1
T (℃)
KX
≦ 50
100
≦ 100
2.5
≦ 95
4
≦ 90
6
≦ 85
10
≦ 80
18
≦ 75
30
≦ 70
50
上記の数字は,110℃での寿命が1年としたときに期待される管の寿命の年数である。
温度が50℃までは,外挿係数KXを100としてもよい。
5.2
グラフ表示
図1は4.に記載したパラメータに基づく基準線であり,附属書Aで記載されているように,測定データ
が本規定を満足することを証明するために使用される。
破線は,110℃において,これよりもっと長期にわたる破壊時間が報告されるときに適用できる線の延長
を表している。外挿は,表1の外挿係数で与えられる限界まで許される。
5.3
表の値
表2に,種々の温度及び時間で用いられた円周強度の外挿値を示す。
表2の時間欄で括弧なしで表された80℃,90℃及び95℃の時間は110℃での寿命が1年間である場合の
ものである。
110℃の寿命がより長い場合は,より低温で対応する時間が延長される。このような値は,表2中の括弧
付数値で表されている。
3
K 6795 : 1998 (ISO 10146 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1 PE−Xパイプの期待強度
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K 6795 : 1998 (ISO 10146 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2 種々の時間及び温度での期待円周強度値
温度
(℃)
時間
(年)
期待強度
(MPa)
20
1
9.9
5
9.8
10
9.7
25
9.6
50
9.5
100
9.4
30
1
8.8
5
8.7
10
8.6
25
8.5
50
8.4
100
8.4
40
1
7.9
5
7.7
10
7.6
25
7.6
50
7.5
100
7.4
50
1
7.0
5
6.9
10
6.8
25
6.7
50
6.7
100
6.6
60
1
6.3
5
6.1
10
6.1
25
6.0
50
6.0
70
1
5.6
5
5.4
10
5.4
25
5.4
50
5.3
80
1
5.0
5
4.9
10
4.9
18
4.8
(25)
(4.8)
90
1
4.5
4
4.4
6
4.4
(10)
(4.4)
(15)
(4.4)
95
1
4.3
4
4.2
(6)
(4.2)
(10)
(4.2)
5
K 6795 : 1998 (ISO 10146 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A(規定) 基準線への実験値の適合性の決定
基準線への適合性は個々の実験結果をプロットすることによって証明するものとする。少なくとも
97.5%が基準線上かその上方に位置しなければならない。
次に示す温度の各々で,サンプルは,次の時間間隔の各々で少なくとも3個の破壊時間を得るような種々
の円周応力のもとで試験を行うものとする。
温度:20℃,60〜82℃,95℃
時間間隔:10〜100h
100〜1 000h
11 000〜8 760h
>8 760h
8 760時間以上実験が継続した場合は,基準値以上の任意の時間を破壊時間としてもよい。実験は,ISO
1167に従って実施する。
JIS K 6795 改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
宮 入 裕 夫
東京医科歯科大学医用器材研究所
大 嶋 清 治
通商産業省工業技術院標準部
西 山 浩
日本ポリエチレン製品工業連合会
蒲 谷 昌 生
架橋ポリエチレン管工業会
橋 爪 好 一
シーアイ化成株式会社
安 藤 茂
積水化学工業株式会社
永 井 行 雄
株式会社イノアックコーポレーション
服 部 憲 明
三菱化学産資株式会社
佐 藤 宏 高
住友軽金属工業株式会社
岩 田 一 彦
三井石油化学工業株式会社
今 松 一 矢
古河電気工業株式会社
(事務局)
田 村 正 勝
日本プラスチック工業連盟