2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 6781-1994
農業用ポリエチレンフィルム
Polyethylene films for agriculture
1. 適用範囲 この規格は,農業用を目的とするポリエチレンフィルム(以下,フィルムという。)につい
て規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 7503 ダイヤルゲージ
JIS Z 8401 数値の丸め方
2. この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
参考値である。
2. 種類 フィルムの種類は製造方法によって,インフレーション法(以下,I法という。)又はTダイ法
(以下,T法という。)に分け,更に厚さによって次の5種類に区分する。
1種
0.1mm
2種
0.07mm
3種
0.05mm
4種
0.03mm
5種
0.02mm
3. 品質 フィルムは均質で,あわ,むら,しわ,フィシュアイ,異物混入,ピンホールなどの使用上有
害な欠点がなく,かつ,6.によって試験し,表1の規定に適合しなければならない。
表1
試験項目
1種
2種
3種
4種
5種
外観試験
異状箇所10以内のこと
物理試験 引張切断荷重N {gf} 9.807 以上 6.86 以上 4.90 以上 2.45 以上 1.47 以上
{1 000}
{700}
{500}
{250}
{150}
伸び %
250以上
150以上
引裂荷重 N{gf} 4.90 以上 3.43 以上 2.45 以上 1.18 以上 0.78 以上
{500}
{350}
{250}
{120}
{80}
4. 寸法
4.1
幅,長さ フィルムの幅,長さ及びそれらの許容差は,表2のとおりとする。ただし,幅及び長さ
については当分の間受渡当事者間の協定によって,上記以外の寸法のものを使用しても差し支えない。
2
K 6781-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2
呼び
幅
(mm)
許容差
長さ
(m)
許容差
950× 50
950
マイナスは
認めない。
50
マイナスは
認めない。
950×100
950
100
1 350× 50
1 350
50
1 350× 55
1 350
55
1 350×100
1 350
100
1 500× 50
1 500
50
1 500×100
1 500
100
1 800× 50
1 800
50
1 800×100
1 800
100
4.2
厚さ フィルムの厚さは表3のとおりとし,その許容差は表4のとおりとする。
表3
1種
0.1
mm
2種
0.07 mm
3種
0.05 mm
4種
0.03 mm
5種
0.02 mm
表4
種類
1種
2種
3種
4種
5種
厚さの許容差
I法
±18
±25
±30
±30
±40
%
T法
±17
±17
±20
±20
±25
厚さに対する平均厚さ
の許容差 %
±10
±10
±10
±15
±15
5. 材料及び製造方法
5.1
フィルムは,軟質ポリエチレン(1)を主体としてI法又はT法によって膜状に製造したものである。
5.2
フィルムは無着色のものとする。ただし,色をつけたものについては,受渡当事者間の協定によっ
て,この規格を適用することができる。
注(1) ここでいう軟質ポリエチレンとは,密度0.925g/cm3以下のポリエチレンである。
6. 試験方法
6.1
試験片の作り方 試料は縦方向を表示し,巻上がりフィルム端末から異状箇所を除いた任意の3か
所から図1に示すように第1試料3個を切り取る。第1試料について厚さの測定を行ってから,第2試料
9個を切り取る。
3
K 6781-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1
6.2
外観 第2試料からそれぞれ50×50mmの試験片を切り取り,各々を透視して精密にあわ,しわ,
むら,フィシュアイ,異物質,ピンホールなどの異状箇所の存在個数を肉眼で調べ,平均個数を求める。
6.3
厚さ 第1試料のそれぞれについて等分した5か所(2)をJIS B 7503で厚さを測り,記録する。まず
記録された数値の平均を平均厚さとし,次に測定した最高及び最低の厚さと規定厚さとの差を求め,それ
ぞれの規定厚さに対する比 (%) を取り,厚さの誤差とし,それが許容範囲内にあるかどうかを調べる。
注(2) 両耳の厚い場合は測定箇所から除く。
6.4
引張切断荷重及び伸び 第2試料からそれぞれ縦及び横方向に,図2のように試験片(引張切断荷
重と記されたもの)を打ち抜く。その詳細な寸法は,図3による。
図2 各部から試験片の採取方法
4
K 6781-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図3 引張切断荷重試験片寸法
試験片の中心から両側に正確に20mmずつを取り標線を付ける。試験片を打ち抜いてから24時間以上
経過したものを20±2℃の恒温装置で1時間以上保った後,同温度のもとで引張試験機(3)に正確に取り付
ける。引張速さは500mm/minとし,切断するまでの最大荷重を測り,最大荷重を引張切断荷重とし,次の
式によって切断時における伸びを算出する。
100
1
1
2
×
−
=
l
l
l
L
ここに, L: 伸び (%)
l1: 標点間距離 (mm)
l2: 切断時の標点間距離 (mm)
縦・横それぞれ9個の測定値の算術平均を求め,それぞれ縦及び横方向の引張切断荷重及び伸びとする。
ただし,標点外で切断したときは,これを除く。
注(3) 引張試験機は,振子型ゴム用又は紙用引張試験機を用いる。最大荷重の指示装置と試験片の自
動つかみを備えていること。必要に応じ検査し,表示誤差は±2%以内であること。試験機は切
断荷重が容量の15〜85%であること。
6.5
引裂荷重 第2試料からそれぞれ縦及び横方向に,図2のように試験片(引裂荷重と記されたもの)
を打ち抜く。その詳細な寸法は,図4による。
図4 引裂荷重試験片寸法
試験片を打ち抜いてから24時間以上経過したものを20±2℃に1時間以上保った後,同温度のもとで引
張試験機に正確に取り付け,引張速さは500mm/minとして引張り,切断するまでの最大荷重をはかる。
縦・横それぞれ9個の測定値の算術平均を求め,それぞれ縦及び横方向の引裂荷重とする。
5
K 6781-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7. 測定値のまとめ方
(1) 個々の測定値は有効数字以下1けたまで測定値を記録し,JIS Z 8401によって有効数字のけたまで丸
める。
(2) 平均値は丸めた個々の数値を算術平均して算出し,けた数は表2に示された規格値のけたまで数値を
丸めて算出する。
8. 検査 検査は,合理的な抜取検査方式によって行う。
9. 表示 フィルムは包装したものに対して1巻ごとに,次の事項を印刷して表示するか,又はそれらを
記入した証紙を1か所以上にはり付けて表示する。
(1) 名称
(2) 種類
(3) 幅及び長さ
(4) 製造年月日又はその略号
(5) 製造業者名又はその略号
高分子部会 農業用ポリエチレンフィルム専門委員会 構成表(昭和40年3月1日改正のとき)
氏名
所属
(委員会長)
水 谷 久 一
東京農工大学
玉 井 輝 男
丸井加工株式会社
工 藤 勇
三菱樹脂株式会社
坪 井 愰
荻村化学工業株式会社
上 田 晴 稔
積水化学工業株式会社
上 島 外 二
高砂ゴム工業株式会社
繁 住 弘
和田化学工業株式会社
西 脇 順三郎
住友化学工業株式会社
長 井 盛 英
三菱油化株式会社
金 成 忠 雄
三井ポリケミカル株式会社
石 井 一 雄
農林省農政局
横 井 宗 生
農林省園芸局
清 水 茂
農林省園芸試験場
坂 部 正 雄
東京都農業試験場
石 橋 光 治
千葉県農業試験場
松 永 正 雄
日本化成商事株式会社
倉 田 幸 一
太洋興業株式会社
伊 藤 行 雄
日東ユニカー株式会社
高 橋 敏 雄
全国購買農業協同組合連合会
久保田 勝 也
工業技術院産業工芸試験所
大 石 寅 造
日本ポリエチレン製品工業会
斎 藤 太 一
通商産業省軽工業局
小 幡 八 郎
工業技術院標準部
(事務局)
山 脇 政 次
工業技術院標準部繊維化学規格課
猪 野 時 雄
工業技術院標準部繊維化学規格課
(事務局)
青 木 誠 治
工業技術院標準部繊維化学規格課(昭和52年5月1日改正のとき)
石 川 哲之介
工業技術院標準部繊維化学規格課(昭和52年5月1日改正のとき)
(事務局)
小 林 勝
工業技術院標準部繊維化学規格課(平成6年7月1日改正のとき)
砂 川 輝 美
工業技術院標準部繊維化学規格課(平成6年7月1日改正のとき)