K 6776:2016
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 種類及び記号 ··················································································································· 2
5 使用温度及び設計圧力 ······································································································· 3
6 性能······························································································································· 3
7 外観及び形状 ··················································································································· 3
7.1 外観 ···························································································································· 3
7.2 形状 ···························································································································· 3
8 寸法及びその許容差 ·········································································································· 3
9 材料······························································································································· 4
10 試験方法 ······················································································································· 5
10.1 性能試験 ····················································································································· 5
10.2 外観及び形状 ··············································································································· 6
10.3 寸法 ··························································································································· 6
10.4 試験結果の数値の表し方 ································································································ 7
11 検査 ····························································································································· 7
12 表示 ····························································································································· 7
12.1 管の色 ························································································································ 7
12.2 管の表示 ····················································································································· 7
12.3 取扱い上の注意事項 ······································································································ 7
附属書JA(規定)耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管の浸出試験方法 ···················································· 9
附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 11
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,塩化ビニル管・継
手協会(JPPFA),日本プラスチック工業連盟(JPIF)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業
標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産
業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS K 6776:2007は改正され,この規格に置き換え
られた。
なお,平成29年10月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJIS
マーク表示認証において,JIS K 6776:2007によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管
Chlorinated poly(vinyl chloride) (PVC-C) pipes for hot and cold water supply
序文
この規格は,2009年に第2版として発行されたISO 15877-1及びISO 15877-2を基とし,対応国際規格
の規定に,国内で使用されている製品の寸法,性能及び試験方法を追加して規定し,技術的内容を変更し
て作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。
1
適用範囲
この規格は,温度90 ℃以下の水の配管に使用する耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管(以下,“管”という。)
について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 15877-1:2009,Plastics piping systems for hot and cold water installations−Chlorinated poly(vinyl
chloride) (PVC-C)−Part 1: General
ISO 15877-2:2009,Plastics piping systems for hot and cold water installations−Chlorinated poly(vinyl
chloride) (PVC-C)−Part 2: Pipes(全体評価:MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7502 マイクロメータ
JIS B 7507 ノギス
JIS K 6814 熱可塑性プラスチック管−加熱伸縮率試験方法
注記 対応国際規格:ISO 2505:2005,Thermoplastics pipes−Longitudinal reversion−Test method and
parameters(MOD)
JIS K 6815-1:2002 熱可塑性プラスチック管−引張特性の求め方−第1部:一般試験方法
注記 対応国際規格:ISO 6259-1:1997,Thermoplastics pipes−Determination of tensile properties−Part
1: General test method(IDT)
JIS K 6815-2:2002 熱可塑性プラスチック管−引張特性の求め方−第2部:硬質塩化ビニル(PVC-U)
2
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管,耐熱性硬質塩化ビニル(PVC-C)管及び耐衝撃性硬質塩化ビニル(PVC-HI)管
注記 対応国際規格:ISO 6259-2:1997,Thermoplastics pipes−Determination of tensile properties−Part
2: Pipes made of unplasticized poly(vinyl chloride) (PVC-U), chlorinated poly(vinyl chloride)
(PVC-C) and high-impact poly(vinyl chloride) (PVC-HI)(IDT)
JIS K 6816 熱可塑性プラスチック管及び継手−ビカット軟化温度試験方法
JIS K 6900 プラスチック−用語
JIS S 3200-1 水道用器具−耐圧性能試験方法
JIS S 3200-7 水道用器具−浸出性能試験方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8703 試験場所の標準状態
ISO 1167-1,Thermoplastics pipes, fittings and assemblies for the conveyance of fluids−Determination of the
resistance to internal pressure−Part 1: General method
ISO 1167-2,Thermoplastics pipes, fittings and assemblies for the conveyance of fluids−Determination of the
resistance to internal pressure−Part 2: Preparation of pipe test pieces
EN 744,Plastics piping and ducting systems−Thermoplastics pipes−Test method for resistance to external
blows by the round-the-clock method
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 6900によるほか,次による。
3.1
塩素化ポリ塩化ビニル
ポリ塩化ビニルを塩素化することによって塩素の含有率を高くして,ポリ塩化ビニルに比較して耐熱性
を向上させたもの。
3.2
設計圧力
通常の使用状態における静水圧に,水撃圧を加えた圧力で,使用時に管に加わる最大圧力。
3.3
形式検査
品質が,設計で示す全ての性能に適合するか否かを判定するための検査。
3.4
受渡検査
製品を受け渡す場合に,必要と認められる性能に適合するか否かを判定するための検査。
4
種類及び記号
管の種類及び記号は,表1による。
表1−種類及び記号
種類
記号
耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管
HT
冷温水配管用硬質ポリ塩化ビニル管a)
IHT
注a) 対応国際規格に規定されているType Iに基づく管である。
3
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5
使用温度及び設計圧力
管の使用温度及び設計圧力は,表2による。
表2−管の使用温度及び設計圧力
使用温度 ℃
5〜40
41〜60
61〜70
71〜90a)
設計圧力 MPa
1.0
0.6
0.4
0.2
注a) IHTの最高使用温度は,80 ℃とする。
6
性能
管の性能は,表3に示す性能項目の規定に適合しなければならない。
表3−性能
性能項目
性能
適用する
管の記号
適用箇条
引張降伏強さ
MPa 50以上
HT,IHT
10.1.1
耐圧性
破損があってはならない。
HT,IHT
10.1.2
偏平性
割れ及びひびがあってはならない。
HT
10.1.3
熱間内圧クリープ性
破損があってはならない。
HT,IHT
10.1.4
ビカット軟化温度
℃ 95以上
HT
10.1.5
110以上
IHT
浸出性a)
鉛及びその化合物
mg/L 鉛の量に関して,0.008以下
HT,IHT
10.1.6
亜鉛及びその化合物
mg/L 亜鉛の量に関して,0.5以下
有機物[全有機炭素(TOC)の量]
mg/L
1以下
味
異常があってはならない。
臭気
異常があってはならない。
色度
度 1以下
濁度
度 0.5以下
残留塩素の減量
mg/L 90 ℃±2 ℃の浸出液
1以下
常温の浸出液
0.7以下
外衝撃耐久性(回転法)
% 0 ℃における衝撃率(TIR)が10以下 IHT
10.1.7
加熱伸縮性
% 軸方向の伸縮が5以下
IHT
10.1.8
注a) 加熱した水を通水することを目的とする場合,又は加熱した水を通水するか否か不明な場合は“90 ℃±2 ℃
の浸出液”を用いる。目的としない場合は,“JIS Z 8703に規定する常温(20 ℃±15 ℃)の浸出液”を用い
る。
7
外観及び形状
7.1
外観
管の外観は,内外面が滑らかで,使用上支障となるきず,割れなどの欠点があってはならない。
7.2
形状
管の形状は,実用的に正円の断面をもち,かつ,真っすぐで,その両端面は,管軸に対して直角でなけ
ればならない。
8
寸法及びその許容差
管の寸法及びその許容差は,HTについては,表4,IHTについては,表5による。ただし,長さは,受
4
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渡当事者間の協定によって,その他の長さであってもよい。
表4−HTの寸法及びその許容差
単位 mm
呼び径
外径
厚さ
長さ
参考
基準寸法 最大・最小
外径の
許容差a)
平均外径の
許容差b)
基準寸法
許容差
基準寸法
許容差
概略内径 1 m当たりの
質量c)
(kg)
13
18.0
±0.2
±0.2
2.5
±0.2
4 000
+30
−10
13
0.180
16
22.0
3.0
±0.3
16
0.265
20
26.0
20
0.321
25
32.0
3.5
25
0.464
30
38.0
±0.3
31
0.561
40
48.0
4.0
4 000又は
5 000
40
0.818
50
60.0
±0.4
4.5
±0.4
51
1.161
注a) 最大・最小外径の許容差とは,任意断面における外径の測定値の最大値及び最小値(最大・最小外径)と,
基準寸法との差をいう。
b) 平均外径の許容差とは,任意の断面における円周の測定値を円周率3.142で除した値,又は同一円周上におけ
る等間隔な2か所の外径の測定値の平均値(平均外径)と,基準寸法との差をいう。
c) 1 m当たりの質量とは,管の寸法を許容差の中心とし,密度を1.48 g/cm3として計算したものである。
表5−IHTの寸法及びその許容差
単位 mm
呼び径
外径
厚さ
基準寸法
平均外径の
許容差a)
基準寸法
許容差
ND16
16.0
+0.2
0
1.4
+0.4
0
ND20
20.0
1.5
ND25
25.0
1.9
ND32
32.0
2.4
+0.5
0
ND40
40.0
3.0
ND50
50.0
3.7
+0.6
0
ND63
63.0
+0.3
0
4.7
+0.7
0
注a) 平均外径の許容差とは,任意の断面における円周の測定値を
円周率3.142で除した値,又は同一円周上における等間隔な2
か所の外径の測定値の平均値(平均外径)と,基準寸法との
差をいう。
9
材料
管の材料は,塩素化ポリ塩化ビニルを主体とし,安定剤,顔料などを加えたものとする。
なお,可塑剤及び可塑剤を含む材料は,用いてはならない。
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10 試験方法
10.1 性能試験
10.1.1 引張試験
管の引張試験は,JIS K 6815-1:2002及びJIS K 6815-2:2002による。ただし,試験片及び状態調節につい
ては,次によってもよい。
a) 試験片 供試管から図1に示す試験片を作製する。
単位 mm
呼び径
寸法
L
l
B
b
R
25以下
90
25
8
5±0.5
6
30以上
100
35
15
10±0.5
25
図1−試験片の形状及び寸法
b) 状態調節 試験片は,23 ℃±2 ℃で1時間以上状態調節を行う。
10.1.2 耐圧試験
管の耐圧試験は,JIS S 3200-1による。ただし,試験水圧は,4.0 MPaとする。
10.1.3 偏平試験
管の偏平試験は,供試管から長さ50 mm以上の環状試験片を切り取り,これを23 ℃±2 ℃で1時間以
上状態調節後,2枚の平板間に挟み,管軸に直角方向に10 mm/min±2 mm/minの速さで管の外径が,その
1/2になるまで圧縮し,管外表面を目視によって調べる。試験温度は,23 ℃±2 ℃とする。試験片を圧縮
する平板の寸法は,1/2まで圧縮したとき,変形した試験片より十分大きくする。
10.1.4 熱間内圧クリープ試験
10.1.4.1 HTの熱間内圧クリープ試験
HTの熱間内圧クリープ試験は,供試管から管外径の3倍以上(最小250 mm)の長さの試験片を切り取
り,90 ℃±2 ℃で1時間以上状態調節後,適切な方法で管の内部に90 ℃の温水を満たし,1.5 MPaの圧
力を加えて,そのままの温度及び圧力で1時間保持する。
なお,試験温度は,規定温度に対して,測定温度の平均が,±1 ℃以内で,かつ,測定温度のばらつき
の最大が,±2 ℃以内の範囲とする。試験圧力は,規定圧力に対して99 %以上の圧力を加える。
10.1.4.2 IHTの熱間内圧クリープ試験
IHTの熱間内圧クリープ試験は,ISO 1167-1及びISO 1167-2による。試験条件は,表6による。
6
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表6−IHTの熱間内圧クリープ試験の試験条件
試験温度
℃
円周応力
MPa
試験時間
h
20
43.0
1
95
5.6
165
4.6
1000
3.6
8760
10.1.5 ビカット軟化温度試験
管のビカット軟化温度試験は,JIS K 6816による。
10.1.6 浸出試験
水道用に使用する管の浸出試験方法は,附属書JAによる。また,供試管の長さは,表7による。
なお,長さ4 m及び2 mのものについては,2 m又は1 mに分割して試験してもよい。
表7−浸出試験の供試管の長さ
単位 m
HTの呼び径
IHTの呼び径
長さ
13〜20
ND16〜ND25
4
25及び30
ND32及びND40
2
40及び50
ND50及びND63
1
10.1.7 外衝撃耐久試験(回転法)
管の外衝撃耐久試験(回転法)は,EN 744による。試験に用いる打撃体の質量及び落下高さは,表8
による。
表8−IHTの打撃体の質量及び落下高さ
呼び径
打撃体の質量
kg
打撃体の落下高さ
mm
ND16
0.5
400
ND20
ND25
500
ND32
600
ND40
800
ND50
1000
ND63
0.8
10.1.8 加熱伸縮試験
管の加熱伸縮試験は,JIS K 6814による。
10.2 外観及び形状
管の外観及び形状は,目視によって調べる。
10.3 寸法
管の寸法は,JIS B 7502に規定するマイクロメータ,JIS B 7507に規定するノギス,又はこれらと同等
以上の精確さ(真度及び精度)をもつものを用いて測定する。
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10.4 試験結果の数値の表し方
10.1.1,10.1.5,10.1.7及び10.1.8の試験結果,10.1.6の“鉛及びその化合物”,“亜鉛及びその化合物”,
“有機物[全有機炭素(TOC)の量]”及び“残留塩素の減量”の試験結果は,表3の性能に規定する数値
より1桁下の位まで求め,JIS Z 8401によって規定の数値に丸める。また,10.1.6の試験結果は,JIS S 3200-7
の9.(分析結果の補正)による。
11 検査
管の検査は,形式検査と受渡検査とに区別し,それぞれの検査項目は,表9で○が付いた項目とする。
各項目は,この規格に適合しなければならない。ただし,受渡検査は,受渡当事者間の協定によって表9
の項目の中から選択して行うことができる。また,浸出性の受渡検査は,一定期間ごとに行う。
なお,検査の試料の採取方法は,受渡当事者間の協定による。
表9−形式検査及び受渡検査の項目
検査項目
検査
形式検査
受渡検査
HT
IHT
HT
IHT
引張降伏強さ
○
○
○
○
耐圧性
○
○
○
○
偏平性
○
−
○
−
熱間内圧クリープ性
○
○
−
−
ビカット軟化温度
○
○
−
−
浸出性
○
○
○
○
外衝撃耐久性(回転法)
−
○
−
○
加熱伸縮性
−
○
−
○
外観及び形状
○
○
○
○
寸法
○
○
○
○
表示
○
○
○
○
12 表示
12.1 管の色
管の色は,茶色とする。ただし,受渡当事者間の協定によって,その他の色を用いてもよい。
12.2 管の表示
次の事項を管の外側に,容易に消えない方法で表示しなければならない。
a) 日本工業規格の番号
b) 種類又はその記号
c) 呼び径
d) 製造年月又はその略号
e) 製造業者名又はその略号
12.3 取扱い上の注意事項
取扱い上の注意事項を,取扱説明書,技術資料などに記載し,これらを読む旨を製品,包装,送り状な
どに表示することが,望ましい。
注意事項の例を次に示す。
8
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a) 管を屋外で保管する場合は,直射日光を避け,熱気のこもらない方法でシート掛けをするなどの対策
を行う。
b) 管には,直接ねじを切ってはならない。
c) 管には,管の材質に悪影響を及ぼす物質(例えば,アセトン,シンナー,クレオソート,殺虫剤,白
あり駆除剤など)の吹付け,塗布,接触などを行ってはならない。
なお,上記の物質が直接管に接触しない場合であっても,例えば,管が浅く埋設されている場合,
上記の物質を地面にこぼすと,地中に浸透することによって,管が侵される場合があるので注意をし
なければならない。
また,高温で使用する業務ちゅう(厨)房用洗剤には有機溶剤成分及び/又は一部強アルカリを含
むものがあり,管を侵す場合があるので注意をしなければならない。
d) 不等沈下,温度変化などによる伸縮に対応するため,必要に応じ適切な場所に可とう性のある継手を
設置するなどの対策を講じなければならない。
e) 接着起因の事故を防ぐため,次の事項を守らなければならない。
1) 接着剤は,管の種類に応じた適正なものを使用し,必ず,清掃した管と継手との接合面の両面に薄
く均一に塗布し,速やかに接合し,規定の時間,挿入力を保持する。
2) 接合後は,はみ出した接着剤を拭き取る。施工に当たっては,管内に充満する接着剤の溶媒蒸気を
追い出すために,換気などの対策を講じる。
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附属書JA
(規定)
耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管の浸出試験方法
JA.1 共通的な条件
共通的な条件は,JIS S 3200-7の5.(共通的な条件)による。
JA.2 浸出液の調製方法
浸出液の調製方法は,JIS S 3200-7の6.(浸出液の調製方法)による。ただし,残留塩素の減量の試験
に用いる浸出液の有効塩素濃度は,1.0 mg/Lを超え1.2 mg/L以下とする。
JA.3 試料液の調製
管の試料液の調製は,JIS S 3200-7の7.1.2(給水管)による。
試料液の調製時間は16時間以上とする。ただし,配水管として使用する場合は,試料液の調製時間を
24時間とする。
JA.4 鉛及びその化合物
鉛及びその化合物の分析は,JIS S 3200-7の附属書1(金属類等の分析方法)による。
JA.5 亜鉛及びその化合物
亜鉛及びその化合物の分析は,JIS S 3200-7の附属書1(金属類等の分析方法)による。
JA.6 有機物 [全有機炭素(TOC)の量]
有機物は,JIS S 3200-7の附属書14{有機物[全有機炭素(TOC)の量]及び有機物等(過マンガン酸
カリウム消費量)の分析方法}による。
JA.7 味
味は,JIS S 3200-7の附属書16(味の分析方法)による。
JA.8 臭気
臭気は,JIS S 3200-7の附属書17(臭気の分析方法)による。
JA.9 色度
色度は,JIS S 3200-7の附属書18(色度の分析方法)による。
JA.10 濁度
濁度は,JIS S 3200-7の附属書19(濁度の分析方法)による。
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JA.11
残留塩素の減量
残留塩素濃度の測定は,JIS S 3200-7の附属書21(残留塩素の測定方法)によって行い,次の式によっ
て残留塩素の減量(mg/L)を算出する。
c=b−a
ここに,
c: 残留塩素の減量(mg/L)
a: 検水中の残留塩素濃度(mg/L)
b: 空試験液中の残留塩素濃度(mg/L)
JA.12 分析
分析結果は試験によって得られた検水の分析結果と,空試験によって得られた検水の分析結果との差か
ら求める。ただし,味及び臭気については,試験によって得られた検水の分析結果と,空試験によって得
られた検水の分析結果と比較して異常である場合に,分析結果を“異常”とする。
11
K 6776:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JB
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS K 6776:2016 耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管
ISO 15877-1:2009,Plastics piping systems for hot and cold water installations−
Chlorinated poly(vinyl chloride) (PVC-C)−Part 1: General
ISO 15877-2:2009,Plastics piping systems for hot and cold water installations−
Chlorinated poly(vinyl chloride) (PVC-C)−Part 2: Pipes
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 温度90 ℃以下の水の
配管に使用する耐熱性
硬質ポリ塩化ビニル管
について規定。
ISO
15877-1
1
建物内に用いる給水・
給湯用の塩素化ポリ塩
化ビニル管,継手の一
般的見解について規
定。
変更
二つのISO規格を一つのJISと
した。ISO規格は管と継手との
両方を規定しているが,JISは
管だけの規定である。
使用上限温度
ISO規格:80 ℃,JIS:90 ℃。
継手はJIS K 6777で規定。
ISO
15877-2
1
建物内に用いる給水・
給湯用の塩素化ポリ塩
化ビニル管について規
定。
2 引用規格
3 用語及び
定義
用語及び定義について
規定。
ISO
15877-1
3
ISO 472及びISO
1043-1によるほか,用
語及び定義について規
定。
変更
JISとして必要な用語及び定義
とした。
実質的な差異はない。
ISO
15877-2
3
ISO 15877-1によるほ
か,用語及び定義につ
いて規定。
4 種類及び
記号
HT,IHT
ISO
15877-1
4
性能と用途とでクラス
分けしている。
変更
管の種類及び記号を追加。
使用者の利便性を考えて種類を明
確化した。
床暖房,ラジエータ用途は日本では
普及しておらず対象外とした。
3
K
6
7
7
6
:
2
0
1
6
12
K 6776:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 使用温度
及び設計圧
力
使用温度及び設計圧力
について規定。
ISO
15877-1
4
クラスごとに最高使用
温度及び設計圧力を規
定。
変更
ISO規格では,最高使用温度だ
けでの設計圧力を規定。JISは,
5 ℃〜90 ℃を4段階に区分し
て設計圧力の上限を規定。
使用可能条件を明らかにするため
に必要。
ISO
15877-2
6
6 性能
引張降伏強さ
ISO
15877-2
7
一致
耐圧性
−
−
規定なし。
追加
耐圧性を追加。
管の試験として必要。
偏平性
−
−
規定なし。
追加
偏平性を追加。
管の試験として必要。
熱間内圧クリープ性
ISO
15877-2
7
円周応力を規定。
変更
HTは圧力を規定,IHTは円周
応力を規定。
また,水圧熱安定性を熱間内圧
クリープ性に含めた。
実質的な差異はない。
ビカット軟化温度
ISO
15877-2
8
JISとほぼ同じ。
変更
HTは95 ℃以上,IHTは110 ℃
以上。
広く普及しており,一致は困難。
浸出性
ISO
15877-1
5
水質への材料の影響に
ついて,飲料水の品質
に不利な影響を与えて
はならないと規定。
変更
浸出試験について規定するよ
うに変更。
JISは水道法に基づく。
WTO/TBT協定例外規定。
外衝撃耐久性(回転法) ISO
15877-2
7
一致
加熱伸縮性
ISO
15877-2
8
一致
−
ISO
15877-2
5
削除
不透明性
国内に透明グレードはないので不
要。
7 外観及び
形状
ISO
15877-2
5
一致
8 寸法及び
その許容差
HTの寸法及びその許
容差
−
−
規定なし。
追加
HTの寸法及びその許容差を追
加。
周辺製品も含め,従来寸法体系の製
品が日本国内で広く普及しており,
一致は困難。
IHTの寸法及び許容差 ISO
15877-2
6
一致
3
K
6
7
7
6
:
2
0
1
6
13
K 6776:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
9 材料
材料について規定。
ISO
15877-1
5
JISとほぼ同じ。
変更
ISO規格では,再生材料の使用,
密度,塩素含有率,性能低下温
度及び長期静水耐圧の下方信
頼度限界について規定してい
る。
管の性能を規定すれば,特に再生材
料の使用,密度,塩素含有率,性能
低下温度及び長期静水耐圧の下方
信頼度限界について規定する必要
はない。
再生材料の使用は,リサイクルの観
点から将来,規格化を検討する。
ISO
15877-2
4
10 試験方
法
10.1.1 引張試験
ISO
15877-2
7
JISとほぼ同じ。
変更
従来法を一部追加した。
実質的な差異はない。
10.1.2 耐圧試験
−
−
規定なし。
追加
耐圧試験の規定を追加。
管の試験として必要。
10.1.3 偏平試験
−
−
規定なし。
追加
偏平試験の規定を追加。
管の試験として必要。
10.1.4 熱間内圧クリー
プ試験
ISO
15877-2
7
円周応力を規定。
変更
HTは圧力を規定,IHTは円周
応力を規定。
実質的な差異はない。
10.1.5 ビカット軟化温
度試験
ISO
15877-2
8
EN 727
変更
EN 727は,ISO 2507-1に相当
し,JIS K 6816に置き換えた。
試験片形状及び状態調節が異なる
が,実質的な差異はない。
10.1.6 浸出試験
ISO
15877-2
4
水質への材料の影響に
ついて,飲料水の品質
に不利な影響を与えて
はならないと規定。
変更
浸出試験について規定するよ
うに変更。
JISは水道法に基づく。
WTO/TBT協定例外規定。
10.1.7 外衝撃耐久試験
(回転法)
ISO
15877-2
7
一致
10.1.8 加熱伸縮試験
ISO
15877-2
8
一致
10.2 外観及び形状
ISO
15877-2
5
一致
10.3 寸法
ISO
15877-2
6
JISとほぼ同じ。
変更
JIS B 7502及びJIS B 7507を追
加。
実質的な差異はない。
10.4 試験結果の数値
の表し方
−
−
規定なし。
追加
試験結果の数値の表し方につ
いて規定し,JIS Z 8401及びJIS
S 3200-7を追加。
実質的な差異はない。
3
K
6
7
7
6
:
2
0
1
6
14
K 6776:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
10 試験方
法(続き)
−
ISO
15877-2
5
削除
不透明性
国内に透明グレードはないので不
要。
11 検査
形式検査及び受渡検査 −
−
規定なし。
追加
形式検査及び受渡検査の規定
について追加。
適合性評価に必要なため。
12 表示
12.1 管の色
−
−
規定なし。
追加
管の色の規定を追加。
従来から使用している色を規定。
12.2 管の表示
ISO
15877-2
11
JISとほぼ同じ。
変更
ISO規格では,公称厚さ,使用
条件の等級及び設計圧力が規
定されている。
JISでは,使用温度及び設計圧力を
規定しているため不要。実質的な差
異はない。
12.3 取扱い上の注意
事項
−
−
規定なし。
追加
注意事項の例を追加。
製品を適切に取り扱うための情報
を提供するため。
附属書JA
(規定)
耐熱性硬質ポリ塩化ビ
ニル管の浸出試験方
法。
ISO
15877-1
5
水質への材料の影響に
ついて,飲料水の品質
に不利な影響を与えて
はならないと規定。
変更
浸出試験について規定するよ
うに変更。
JISは水道法に基づく。
WTO/TBT協定例外規定。
ISO
15877-2
4
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:(ISO 15877-1:2009,ISO 15877-2:2009,MOD)
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致 ················ 技術的差異がない。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
3
K
6
7
7
6
:
2
0
1
6