K 6746:2004
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本プラスチック
工業連盟(JPIF)/硬質塩化ビニール板協会(JRPSA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具し
て日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正し
た日本工業規格である。
これによって,JIS K 6746:1995は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
K 6746:2004
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 種類 ······························································································································ 1
4. 品質 ······························································································································ 2
4.1 外観 ···························································································································· 2
4.2 性能 ···························································································································· 2
5. 形状及び寸法 ·················································································································· 2
5.1 形状 ···························································································································· 2
5.2 寸法 ···························································································································· 2
6. 材料 ······························································································································ 3
7. 試験方法 ························································································································ 3
7.1 一般的事項 ··················································································································· 3
7.2 外観検査 ······················································································································ 3
7.3 寸法 ···························································································································· 3
7.4 引張試験 ······················································································································ 3
7.5 ビカット軟化温度試験 ···································································································· 3
7.6 シャルピー衝撃強さ試験 ································································································· 3
7.7 加熱伸縮率試験 ············································································································· 3
7.8 耐薬品性試験 ················································································································ 4
8. 表示 ······························································································································ 5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 6746:2004
プラスチック溶接棒
Plastic welding rods
1. 適用範囲 この規格は,ポリ塩化ビニル,ポリプロピレン及びポリエチレン製品の溶接に使用するポ
リ塩化ビニル,ポリプロピレン及びポリエチレン溶接棒(以下,溶接棒という。)について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7507 ノギス
JIS B 7512 鋼製巻尺
JIS K 6740-1 プラスチック−無可塑ポリ塩化ビニル(PVC-U)成形用及び押出用材料−第1部:呼
び方のシステム及びその仕様表記
JIS K 6921-1 プラスチック−ポリプロピレン(PP)成形用及び押出用材料−第1部:呼び方のシス
テム及び仕様表記の基礎
JIS K 6922-1 プラスチック−ポリエチレン(PE)成形用及び押出用材料−第1部:呼び方のシステ
ム及び仕様表記の基礎
JIS K 7100 プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気
JIS K 7111 プラスチック−シャルピー衝撃強さの試験方法
JIS K 7114 プラスチック−液体薬品への浸せき効果を求める試験方法
JIS K 7162 プラスチック−引張特性の試験方法 第2部:型成形,押出成形及び注型プラスチック
の試験条件
JIS K 7206 プラスチック−熱可塑性プラスチック−ビカット軟化温度(VST)試験方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
3. 種類 溶接棒の種類は,表1による。
表 1 溶接棒の種類
種 類
材 質
PVC 1号
一般用ポリ塩化ビニル溶接棒
PVC 2 号
高衝撃性ポリ塩化ビニル溶接棒
PVC 3 号
耐熱性ポリ塩化ビニル溶接棒
PP
ポリプロピレン溶接棒
PE 1 号
中密度ポリエチレン溶接棒
PE 2 号
高密度ポリエチレン溶接棒
2
K 6746:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4. 品質
4.1
外観 溶接棒は7.によって試験し,外観が滑らかで,使用上有害なきず,泡,異物などがあっては
ならない。
4.2
性能 溶接棒の性能は7.によって試験し,表2の規定に適合しなければならない。
表 2 性能
試験項目
単位
ポリ塩化ビニル
ポリプロピレン
ポリエチレン
試験方法
PVC1号
PVC2号
PVC3号
PP
PE1号
PE2号
引張強さ
MPa
50<
36<
50<
25<
10<
20<
7.4
ビカット軟化温度
℃
60<
55<
90<
135<
80<
90<
7.5
シャルピー衝撃強さ
kJ/m2
1<
60<
1<
3<
15<
5<
7.6
加熱伸縮率
%
±10
±10
±10
±1
±1
±1
7.7
耐薬品性
mg/cm2
7.8
蒸留水
±0.15
±0.25
±0.15
±0.10
±0.10
硫酸
±0.10
±0.20
±0.15
±0.12
±0.12
塩酸
±0.30
±0.60
±0.30
±0.30
±0.30
硝酸
±0.20
±0.40
±0.20
±0.15
±0.15
塩化ナトリウム水溶液
±0.15
±0.20
±0.15
±0.10
±0.10
水酸化ナトリウム水溶液
±0.10
±0.20
±0.10
±0.10
±0.10
5. 形状及び寸法
5.1
形状 溶接棒の断面形状は,次による。
5.1.1
シングル 円形とする。
5.1.2
ダブル 2個の円を部分的に重ねた形状を基準とする。
5.1.3
トリプル 3個の円を部分的に重ねた形状を基準とする。
5.2
寸法
5.2.1
溶接棒の高さ及び許容差は,表3による。
表 3 溶接棒の寸法及び許容差
単位 mm
形状
呼称
高さ
寸法
許容差
シングル
2S
2.0
+0.3
−0.2
3S
3.0
+0.3
−0.2
4S
4.0
+0.3
−0.2
ダブル
3W
3.0
±0.3
トリプル
3T
3.0
±0.7
備考 ここで,高さとは,平面に安定に置いたときの高さのことをいう。
5.2.2
溶接棒の長さ及び許容差を表4に示す。
3
K 6746:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表 4 長さ及び許容差
規格値
許容差
1 000 mm
+2 %
−0 %
備考 巻物の長さ及びその許容差は受渡当事者間の協定による。
6. 材料 溶接棒に使用する材料は,次による。
ポリ塩化ビニル JIS K 6740-1の1.3に規定するもの。
ポリプロピレン JIS K 6921-1の1.3に規定するもの。
ポリエチレン JIS K 6922-1の1.3に規定するもの。
7. 試験方法
7.1
一般的事項
7.1.1
試験片の作製 引張強さ,ビカット軟化温度及び耐薬品性の試験片は,溶接棒を切断して適切な成
形条件で1〜6 mm厚さに作製してから所定の寸法に仕上げる。
7.1.2
試験片の状態調節と試験 試験条件が別に規定されている場合を除き,試験はJIS K 7100に規定
する標準状態で行う。試験片の状態調節は,ポリ塩化ビニルでは標準状態で16時間以上,ポリプロピレン
及びポリエチレンでは40時間以上行う。
7.1.3
試験結果の数値の表し方 試験結果は性能規定値の1けた下まで求め,数値の丸め方は,JIS Z 8401
による。
7.2
外観検査 溶接棒の外観は,目視で検査する。
7.3
寸法
7.3.1
高さ 溶接棒の高さは,JIS B 7507に規定するノギスで0.05 mmの単位まで測定する。
7.3.2
長さ JIS B 7512に規定する1級の鋼製巻尺を用い,試験片を水平面に置いて測定するか又はそれ
と同等以上の精度で測定する。
7.4
引張試験 引張試験は,JIS K 7162によって行う。この場合試験片は1B形試験片とし,引張速度は
50 mm/minとする。試験片の数は5個とする。
7.5
ビカット軟化温度試験 ビカット軟化温度試験の測定はJIS K 7206によって行い,ポリ塩化ビニル
ではB法によって,また,ポリプロピレン及びポリエチレンについてはA法によって行う。試験片の数は
2個とする。
7.6
シャルピー衝撃強さ試験 シャルピー衝撃強さ試験は,JIS K 7111によって,1eA形試験片について
測定する。試験片の数は10個とする。
7.7
加熱伸縮率試験
7.7.1
装置 装置は次のものを用いる。
a) 加熱試験機 エアーオーブン又はこれに準じるもので,表5の温度に保持できるもの。
4
K 6746:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表 5 温度
単位 ℃
種類
温度
PVC 1号
130±2
PVC 2号
130±2
PVC 3号
130±2
PP
150±2
PE 1 号
80±2
PE 2号
120±2
b) 長さ測定器 JIS B 7507に規定するノギス又はこれと同等以上の精度をもつもの。
7.7.2
試験片 溶接棒を長さ140 mmに3個切り取ってこれらを試験片とする。試験片の中央からそれぞ
れ50 mmのところに標線を付ける。
7.7.3
操作 試験片を表5の温度に保持した加熱試験機中で,表面が非粘着性の板の上に載せて30分間
置いた後に取り出し,室温に2時間以上放冷後,長さ測定器を用いて標線間距離を測定する。
7.7.4
計算 次の式によって,加熱伸縮率を算出し,3個の平均値を求める。
100
1
1
2
×
−
=
l
l
l
S
ここに, S: 加熱伸縮率(%)
l1: 加熱前の標線間距離(mm)
l2: 加熱後の標線間距離(mm)
7.8
耐薬品性試験
7.8.1
装置 耐薬品性試験装置は,JIS K 7114に規定の装置を用いる。
7.8.2
試験片 試験片の寸法は,幅25 mm,長さ50 mm,厚さ1〜2 mmとし,表6の試験液ごとに2個
づつ作成する。
7.8.3
操作 JIS K 7100に規定する標準状態で,試験片の質量及び表面積を測定する。表6に示す試験液
に60±1 ℃の温度で5時間浸せきした後,流水で約5秒間洗浄する。乾いた布で水分をふき取り,はかり
瓶に入れてその質量を測定する。ただし,蒸留水による試験片は水洗しない。
表 6 試験液
単位 質量百分率(%)
試薬名
濃度
注意事項
蒸留水
―
―
塩酸
35
A, C
硫酸
30
A, C
硝酸
40
A, C
塩化ナトリウム
10
―
水酸化ナトリウム
40
A, C
注意事項:表中にA及びCの記号のあるものはそれぞれ次の注意を払う。
A:程度は異なるが腐食性があり,皮膚又は衣類に接触させてはならない。安全ピペットだけを用いる。
C:刺激性又は毒性の蒸気を発生するので,必ず適切な排気フードの下で取り扱う。
試験結果は,各試験液についてそれぞれ2個の試験片の表面積当たりの質量変化を次の式を用いて算出
5
K 6746:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
し,その平均値を求める。
A
m
m
1
2−
ここに, m1: 浸せき前の質量(mg)
m2: 浸せき後の質量(mg)
A: 試験片の試験前の全表面積(cm2)
8. 表示 包装の外面には,次の事項を表示する。
a) 種類及び形状寸法の呼称
例 PVC 1号−2S
種類(表1) 形状寸法の呼称(表3)
b) 製造業者名又はその略号
c) 製造年月日又はロット番号。